針外し/爺さんの独り言。役にたたない情報ばかり。

自作のスピナーベイトで今日もバスを釣るぞ!。人はそれを「G」と呼ぶ。爺さんの「G(ジー)」の意味だった。ガクン!。

『春夜宴桃李園序』の中で

2019-05-25 20:11:51 | 漢詩・古典・エトセトラ

ご存知、盛唐の詩人、詩仙、「謫仙人」事、李白の『春夜宴桃李園序』。もうかれこれ3回位掲載しています。その中でも好きな文章が赤字の部分。

敢えて抜粋しないのは、この全文が一つの纏まったものなので、文意の流れを損ないたくないからです。

 

夫天地者万物之逆旅、光陰者百代之過客。 而浮生若夢、為歓幾何。
夫れ天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり。而して浮生は夢のごとし、歓を為すこと幾何ぞ。

古人秉燭夜遊、良有以也。陽春召我以煙景、大塊仮我以文章。 

古人燭を秉りて夜遊ぶ、良に以有るなり況んや陽春我を召くに煙景を以てし、大塊の我に仮すに文章を以てするをや

会桃李之芳園、序天倫之楽事。 群季俊秀、皆爲恵連。吾人詠歌、独慚康楽
桃李の芳園に会して、天倫の楽事を序す。 群季の俊秀は、皆恵連たり。 吾人の詠歌は、独り康楽に慚づ

幽賞未已、高談転清。 開瓊筵以坐花、飛羽觴而酔月。 
幽賞未だ已まず、高談転た清し。瓊筵を開きて以て花に坐し、羽觴を飛ばして月に酔ふ。  

不有佳作、何伸雅懐。如詩不成、罰依金谷酒数
佳作有らずんば、何ぞ雅懐を伸べん。如し詩成らずんば、罰は金谷の酒数に依らん

 そもそも天地は万物を迎え入れる宿(のようなもの)であり、時の流れは永遠の旅人(のようなもの)です。 
そしてはかない人生は夢のようであり、喜び楽しむ時間はどれほどあるのでしょうか。 
昔の人はロウソクに火を灯して夜中まで遊んだ(といいます)が、もっともなことです。 
春の陽気が霞たなびく春景色で私のことを招き、自然(天)が文章を書く才能を私に授けてくれた。

桃や李の香りが芳しく香る庭園に集まって、兄弟親族と楽しい宴を催します。 
優れた詩の才能をもつ弟たちは皆、(優れた詩人として知られる)謝恵連のようです。 
ひとり私の詠む歌だけは、(謝惠連の兄である)謝靈運に及ばずに恥ずかしく思います。 
静かに風情を褒め楽しむことはまだ終わることなく、高尚な話はますます清らかになっていきます。 
立派な宴を開いて(桃李の)花の下に座り、盛んに盃をかわして、月を眺めながら酔います。 
優れた詩ができなければ、どうして風流な思いを述べることができましょうか、いやできません。 
もし詩ができなければ、罰として金谷園の故事にならって酒三杯を飲ませましょう。

 況陽春召我以煙景、大塊仮我以文章
何という粋な言葉だろう。こういう文章に風流を感じます。 

コメント
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