「IAMASが発信するメディアアート」 ラフォーレミュージアム原宿

ラフォーレミュージアム原宿
「Calculated Imagination IAMASが発信するメディアアート」 
3/10~3/16



情報科学芸術大学院大学(IAMAS)の創立20周年を期し、6名のアーティストによるメディアアートの展覧会が行われています。


菅野創+やんツー「形骸化する言語」 2016年

機械が自動で書き込んでいます。菅野創+やんツーの「形骸化する言語」です。休むことなく、ひたすら動いては線を刻んでいます。はじめは紛れもなく文字かと勘違いしてしまいました。


菅野創+やんツー「形骸化する言語」 2016年

実のところ文字ではありません。あくまでも文字のように見える線に過ぎませんでした。答えは人工知能です。複数の人の文字のパターンと形状のみを学習させて記させています。よって意味をなしません。書き手の手癖のみが浮かび上がるそうです。確かに読めそうで、全く読めませんでした。

昨年の六本木クロッシングに参加した山城大督も作品を出展しています。「ヒューマン・エモーションズ」です。室内に複数のモニターを設置。会場と同じ場所が映し出されています。そこで小さな子どもたちが何らかのアクションを行っていました。


山城大督「ヒューマン・エモーションズ」 2015年

全ては山城が会期直前に撮影した映像です。子どもは3名。1歳と5歳と7歳でした。コニュニケーションを取るのは容易ではありません。中には駄々をこねているようなシーンもあります。カメラで撮影した映像を同じ場で展示する試み自体も面白いのではないでしょうか。立ち入って鑑賞することも可能です。さも子どもたちと同じ空間と時間を共有しているかのようでした。

ベルの音が響き渡ります。三原聡一郎の「鈴」でした。風鈴が透明のケースの中に吊られています。そこから澄んだ音が発せられました。一体どういうタイミングで動いているのでしょうか。最初はまるで分かりませんでした。


三原聡一郎「鈴」 2013年

答えは放射線です。センサーを内蔵。一定の放射線を感知すると鳴る仕組みとなっています。実際のところ、かなり頻繁に音は鳴っています。それだけ感知し続けているのかもしれません。

ラストはクワクボリョウタです。お馴染みの鉄道模型を用いたインスタレーションを出展しています。タイトルは「風景と映像」でした。


クワクボリョウタ「風景と映像」 2016年

汽車は2両です。線路が敷かれ、各々が別々のルートで走ります。汽車はライトとカメラを搭載。静かに動き出しました。線路の合間に置かれているのは主に日用品です。洗濯バサミにカゴ、電球に積み木でしょうか。素材は明らかではありませんが、何らかの芯で作られたトンネルもあります。さらに鉛筆が立ち並び、スポンジなども立っています。まるで都市のようでした。


クワクボリョウタ「風景と映像」 2016年

その影が言わば作品です。ライトの光を受けて反射しては様々な景色を作り出します。いつしか汽車もスピードアップ。影絵は忙しなく変化していきます。まさに幻想的です。しばし鉄道の旅を楽しみました。


小規模な展示です。原宿界隈へ出かけた際に立ち寄るのも良いかもしれません。

入場は無料です。3月16日まで開催されています。

「Calculated Imagination IAMASが発信するメディアアート」 ラフォーレミュージアム原宿
会期:3月10日(金)~3月16日(木)
休館:会期中無休。
時間:11:00~21:00
料金:無料。
住所:渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿6階
交通:東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前(原宿)駅5番出口より徒歩1分。JR原宿駅 表参道口より徒歩5分。
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