都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「群馬県三館~太田・前橋・高崎の各美術館への日帰りツアー」 後編:高崎市美術館・旧井上房一郎邸
「前編:太田市美術館・アーツ前橋」に続きます。群馬県内の三美術館、太田市美術館・図書館、アーツ前橋、高崎市美術館へ行ってきました。
高崎から前橋の移動はさほど時間もかかりません。16時ちょうどの電車に乗って約15分、群馬県一のターミナルである高崎駅に到着しました。
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高崎市美術館はアクセスの良い美術館です。西口を出てデッキを直進し、1本目の道路を越えて地上に降り、南側へ少し歩くと見えてきます。コンクリート打ち放しの外装が特徴で、駅から5分とかかりません。
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その美術館の敷地内にあるのが、高崎市の実業家で、地元の文化活動のパトロンとしても活動した井上房一郎の旧邸でした。チェコ出身の建築家のアントニン・レーモンドの自宅兼事務所を写していて、レーモンドより図面の提供を受け、1952年に建てられました。なおレーモンドの自邸は、没後に取り壊されたため、レーモンド・スタイルを色濃く反映した建物として知られています。2009年より高崎市の管理となり、翌年に市景観重要建造物第1号に指定されました。
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南側に庭園を配し、パティオを挟んで、向かって右手に居間、そして左側に寝室、和室、化粧室、食堂、台所などからなる邸宅で、現在は北側の玄関ではなく、美術館から歩道の続く南側のパティオより中に入ることが出来ます。
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居間には中央にレーモンドスタイルの特徴である暖炉があり、北側の襖の上には明かり取り用の障子が取り付けられていました。また南側の窓から庭園を一望することも出来ました。
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レーモンドの妻のノエミのデザインしたテーブルが寝室に置かれていて、かつてのレーモンド邸で使われた食卓と同じものとされています。
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和室は井上邸において新たに作られた部屋で、主に夫人のために用いられました。
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食堂など一部の部屋こそ入場が叶いませんが、基本的には自由に見学することが出来ます。また廊下の天井に連なる剥き出しの送電線も特徴的かもしれません。
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このほか、敷地内には仏間と物置の別棟もあり、それぞれ建物の外から見て回ることも可能です。外周ももぐるりと歩くことが出来ました。
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私自身、旧井上房一郎邸へは、高崎哲学堂と呼ばれていた、2008年に一度、見学したことがあります。以来、10年ぶり以上の再訪となりましたが、おおよそ駅前にあるとは思えないような、言わば隠れ家的な趣きに、改めて魅了されました。
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一通り、旧井上邸を見たのちは、美術館にて「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」を鑑賞しました。モダンデザインの定着を試みたブルーノ・タウトと井上房一郎を起点に、アントニン・レーモンドや剣持勇、ジョージ・ナカシマ、それにイサム・ノグチらの活動を俯瞰する展覧会で、それぞれの作品を紹介していました。このあと、東北歴史博物館、そしてパナソニック汐留ミュージアムへと巡回しますが、井上にゆかりの高崎で見ておくのも良いのではないでしょうか。
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このほかにも群馬県内には、高崎の群馬県立近代美術館と高崎市タワー美術館、渋川のハラミュージアムアーク、そして館林の群馬県立館林美術館など、数多くの美術館が存在します。
今回は日帰りで、太田市美術館・博物館、アーツ前橋、そして高崎市美術館を巡りましたが、複数を組み合わせて周遊するのも面白いかもしれません。
「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢 生活デザインの原点をめぐる5つの可能性」 高崎市美術館・旧井上房一郎邸
会期:2019年2月2日(土)~3月31日(日)
休館:2月4日(月)、12日(火)、18日(月)、25日(月)、3月4日(月)、11日(月)、18日(月)、22日(金)、25日(月)
時間:11:00~18:00
*金曜は20時まで開館。
*旧井上房一郎邸 12~2月:10:00~17:00、3~11月:10:00~18:00
*入館はそれぞれ閉館の30分前まで。
料金:一般600(500)円、大学・高校生300(250)円、65歳以上・中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*旧井上房一郎邸の観覧料を含む。
住所:群馬県高崎市八島町110-27
交通:JR高崎駅西口から徒歩3分
高崎から前橋の移動はさほど時間もかかりません。16時ちょうどの電車に乗って約15分、群馬県一のターミナルである高崎駅に到着しました。
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高崎市美術館はアクセスの良い美術館です。西口を出てデッキを直進し、1本目の道路を越えて地上に降り、南側へ少し歩くと見えてきます。コンクリート打ち放しの外装が特徴で、駅から5分とかかりません。
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その美術館の敷地内にあるのが、高崎市の実業家で、地元の文化活動のパトロンとしても活動した井上房一郎の旧邸でした。チェコ出身の建築家のアントニン・レーモンドの自宅兼事務所を写していて、レーモンドより図面の提供を受け、1952年に建てられました。なおレーモンドの自邸は、没後に取り壊されたため、レーモンド・スタイルを色濃く反映した建物として知られています。2009年より高崎市の管理となり、翌年に市景観重要建造物第1号に指定されました。
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南側に庭園を配し、パティオを挟んで、向かって右手に居間、そして左側に寝室、和室、化粧室、食堂、台所などからなる邸宅で、現在は北側の玄関ではなく、美術館から歩道の続く南側のパティオより中に入ることが出来ます。
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居間には中央にレーモンドスタイルの特徴である暖炉があり、北側の襖の上には明かり取り用の障子が取り付けられていました。また南側の窓から庭園を一望することも出来ました。
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レーモンドの妻のノエミのデザインしたテーブルが寝室に置かれていて、かつてのレーモンド邸で使われた食卓と同じものとされています。
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和室は井上邸において新たに作られた部屋で、主に夫人のために用いられました。
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食堂など一部の部屋こそ入場が叶いませんが、基本的には自由に見学することが出来ます。また廊下の天井に連なる剥き出しの送電線も特徴的かもしれません。
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このほか、敷地内には仏間と物置の別棟もあり、それぞれ建物の外から見て回ることも可能です。外周ももぐるりと歩くことが出来ました。
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私自身、旧井上房一郎邸へは、高崎哲学堂と呼ばれていた、2008年に一度、見学したことがあります。以来、10年ぶり以上の再訪となりましたが、おおよそ駅前にあるとは思えないような、言わば隠れ家的な趣きに、改めて魅了されました。
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一通り、旧井上邸を見たのちは、美術館にて「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」を鑑賞しました。モダンデザインの定着を試みたブルーノ・タウトと井上房一郎を起点に、アントニン・レーモンドや剣持勇、ジョージ・ナカシマ、それにイサム・ノグチらの活動を俯瞰する展覧会で、それぞれの作品を紹介していました。このあと、東北歴史博物館、そしてパナソニック汐留ミュージアムへと巡回しますが、井上にゆかりの高崎で見ておくのも良いのではないでしょうか。
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このほかにも群馬県内には、高崎の群馬県立近代美術館と高崎市タワー美術館、渋川のハラミュージアムアーク、そして館林の群馬県立館林美術館など、数多くの美術館が存在します。
今回は日帰りで、太田市美術館・博物館、アーツ前橋、そして高崎市美術館を巡りましたが、複数を組み合わせて周遊するのも面白いかもしれません。
「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢 生活デザインの原点をめぐる5つの可能性」 高崎市美術館・旧井上房一郎邸
会期:2019年2月2日(土)~3月31日(日)
休館:2月4日(月)、12日(火)、18日(月)、25日(月)、3月4日(月)、11日(月)、18日(月)、22日(金)、25日(月)
時間:11:00~18:00
*金曜は20時まで開館。
*旧井上房一郎邸 12~2月:10:00~17:00、3~11月:10:00~18:00
*入館はそれぞれ閉館の30分前まで。
料金:一般600(500)円、大学・高校生300(250)円、65歳以上・中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*旧井上房一郎邸の観覧料を含む。
住所:群馬県高崎市八島町110-27
交通:JR高崎駅西口から徒歩3分
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