都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「雨ニモマケズ(singing in the rain)」 BankART Station + R16スタジオ(前編:BankART Station)
BankART Station + R16スタジオ
「雨ニモマケズ(singing in the rain)」
2019/3/1~3/24
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BankART Station + R16スタジオで開催中の「雨ニモマケズ(singing in the rain)」を見てきました。
2018年3月、建物の解体により事業を終了した「BankART Studio NYK」は、今年2月、新たな移転先として、みなとみらい線の新高島駅の地下1階に「BankART Station」をオープンさせました。
そのオープンの最初の企画展として行われているのが、「雨ニモマケズ(singing in the rain)」で、現代アーティストらが映像やインスタレーションを出展していました。
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さてこの「BankART Station」ですが、私もオープンしてから初めて行きました。新高島駅の地下と聞いていていましたが、駅の改札を出て、エスカレーターを上がった1つ上のフロアにありました。通路もエントランスと直結していて、改札外とはいえ、ほぼ駅と呼んでも差し支えありません。
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新スペースは、中央に受付を挟み、左手に通路と壁で隔てられた部分があり、右手に展示室や倉庫などがありました。面積は計1500平方メートルで、3階建てだった「BankART Studio NYK」(3000平方メートル)の半分ほどながらも、思いがけないほど広く感じました。
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松本秋則「Sound Forest」
微かにカランカランと金属の鳴る音が聞こえてきました。それがかねてより音の出るサウンドオブジェを手がけた、松本秋則の「Sound Forest」でした。鳥のようなオブジェが宙に吊るされ、モーターで緩やかに回転しながら、羽を上下に動かしていて、その先に付けられた鐘のような部分から音が出るようになっていました。
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松本秋則「Sound Forest」
そして竹が木立を作るように群れていて、どこか心地の良い空間が築かれていました。解説に「地下空間に出現した、憩いの森。」をとありましたが、しばらく眺めていると、確かに森の中を自由に羽ばたく鳥の群れを前にしているような気持ちにさせられるかもしれません。
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開発好明「雲と雨」
開発好明の「雲と雨」も目立っていました。正面から見ると、まさに蛍光管で「雨」を象っていて、その上には、発泡スチロールによって作られた雲が浮いていました。素材同士の意外な組み合わせも面白いのではないでしょうか。
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西原尚「イカロス2」
音を主軸に美術制作を行うという西原尚は、前後に動いては羽ばたき続ける「イカロス2」を出展しました。
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西原尚「イカロス2」
ちょうどベニヤ板レールの上を、二枚の金属板がひたすらに行き来していて、たわんだ板からは、音が終始、発せられていました。
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山下拓也「Sistamp」
版木化した衝立によって、アニメのキャラクターを思わせるインスタレーションを展開した、山下拓也の「Sistamp」も目を引きました。一見、版画とは思えない質感も面白いかもしれません。
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小田原のどか「↓(2019)」
GHQの占領下の長崎で、爆心地の標柱をモチーフとした、小田原のどかの「↓(2019)」も存在感がありました。まるで暗がりの地下空間を焦がすように、赤いネオンサインが煌々と灯っていました。
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高橋啓祐「public=un+public vol.2」
高橋啓祐の「public=un+public vol.2」もスケール感がありました。羊が大量に発生し、街を埋めて繋ぐという映像で、ちょうど駅の曲線状の壁面をスクリーンとして用いていました。
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松田るみ「in the drawing」
なお展覧会は、「BankART Station」と「R16スタジオ」の2箇所での同時に開催されています。一通り、「BankART Station」を見終えたのちは、「R16スタジオ」へと向かいました。
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「雨ニモマケズ(singing in the rain)」(BankART Station)会場風景
「後編:R16スタジオ」に続きます。
「雨ニモマケズ(singing in the rain)」 BankART Station + R16スタジオ
会期:2019年3月1日(金)~3月24日(日)
休館:会期中無休。
時間:10:00~19:00
料金:無料。
住所:横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅地下1F(BankART Station)、横浜市西区桜木町7-48(R16スタジオ)
交通:みなとみらい線新高島駅直結(BankART Station)。みなとみらい線新高島駅より徒歩5分、横浜市営地下鉄高島町駅より徒歩5分(R16スタジオ)。
「雨ニモマケズ(singing in the rain)」
2019/3/1~3/24
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BankART Station + R16スタジオで開催中の「雨ニモマケズ(singing in the rain)」を見てきました。
2018年3月、建物の解体により事業を終了した「BankART Studio NYK」は、今年2月、新たな移転先として、みなとみらい線の新高島駅の地下1階に「BankART Station」をオープンさせました。
そのオープンの最初の企画展として行われているのが、「雨ニモマケズ(singing in the rain)」で、現代アーティストらが映像やインスタレーションを出展していました。
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さてこの「BankART Station」ですが、私もオープンしてから初めて行きました。新高島駅の地下と聞いていていましたが、駅の改札を出て、エスカレーターを上がった1つ上のフロアにありました。通路もエントランスと直結していて、改札外とはいえ、ほぼ駅と呼んでも差し支えありません。
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新スペースは、中央に受付を挟み、左手に通路と壁で隔てられた部分があり、右手に展示室や倉庫などがありました。面積は計1500平方メートルで、3階建てだった「BankART Studio NYK」(3000平方メートル)の半分ほどながらも、思いがけないほど広く感じました。
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松本秋則「Sound Forest」
微かにカランカランと金属の鳴る音が聞こえてきました。それがかねてより音の出るサウンドオブジェを手がけた、松本秋則の「Sound Forest」でした。鳥のようなオブジェが宙に吊るされ、モーターで緩やかに回転しながら、羽を上下に動かしていて、その先に付けられた鐘のような部分から音が出るようになっていました。
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松本秋則「Sound Forest」
そして竹が木立を作るように群れていて、どこか心地の良い空間が築かれていました。解説に「地下空間に出現した、憩いの森。」をとありましたが、しばらく眺めていると、確かに森の中を自由に羽ばたく鳥の群れを前にしているような気持ちにさせられるかもしれません。
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開発好明「雲と雨」
開発好明の「雲と雨」も目立っていました。正面から見ると、まさに蛍光管で「雨」を象っていて、その上には、発泡スチロールによって作られた雲が浮いていました。素材同士の意外な組み合わせも面白いのではないでしょうか。
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西原尚「イカロス2」
音を主軸に美術制作を行うという西原尚は、前後に動いては羽ばたき続ける「イカロス2」を出展しました。
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西原尚「イカロス2」
ちょうどベニヤ板レールの上を、二枚の金属板がひたすらに行き来していて、たわんだ板からは、音が終始、発せられていました。
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山下拓也「Sistamp」
版木化した衝立によって、アニメのキャラクターを思わせるインスタレーションを展開した、山下拓也の「Sistamp」も目を引きました。一見、版画とは思えない質感も面白いかもしれません。
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小田原のどか「↓(2019)」
GHQの占領下の長崎で、爆心地の標柱をモチーフとした、小田原のどかの「↓(2019)」も存在感がありました。まるで暗がりの地下空間を焦がすように、赤いネオンサインが煌々と灯っていました。
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高橋啓祐「public=un+public vol.2」
高橋啓祐の「public=un+public vol.2」もスケール感がありました。羊が大量に発生し、街を埋めて繋ぐという映像で、ちょうど駅の曲線状の壁面をスクリーンとして用いていました。
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松田るみ「in the drawing」
なお展覧会は、「BankART Station」と「R16スタジオ」の2箇所での同時に開催されています。一通り、「BankART Station」を見終えたのちは、「R16スタジオ」へと向かいました。
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「雨ニモマケズ(singing in the rain)」(BankART Station)会場風景
「後編:R16スタジオ」に続きます。
「雨ニモマケズ(singing in the rain)」 BankART Station + R16スタジオ
会期:2019年3月1日(金)~3月24日(日)
休館:会期中無休。
時間:10:00~19:00
料金:無料。
住所:横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅地下1F(BankART Station)、横浜市西区桜木町7-48(R16スタジオ)
交通:みなとみらい線新高島駅直結(BankART Station)。みなとみらい線新高島駅より徒歩5分、横浜市営地下鉄高島町駅より徒歩5分(R16スタジオ)。
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