2019年4月に見たい展覧会【クリムト/ドービニー/メアリー・エインズワース浮世絵コレクション】

新たな元号が「令和」(れいわ)に決まり、次の時代へと変わりゆく中、各地で桜が満開を迎え、春色に染まってきました。地元の千葉でも、桜が花開いてからしばらく経ちましたが、やや寒い日も続いたからか、まだお花見を十分に楽しむことが出来ます。
 
新年度の4月にはたくさんの展覧会がスタートします。気になる展覧会をリストアップしてみました。
 
展覧会
 
・「両陛下と文化交流―日本美を伝える」 東京国立博物館(~4/29)
・「志賀理江子 ヒューマン・スプリング」 東京都写真美術館(~5/6)
・「藝大コレクション展2019 第1期」 東京藝術大学大学美術館(4/6~5/6)
・「華ひらく皇室文化」 泉屋博古館分館(~5/10)
・「春の江戸絵画まつり へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」 府中市美術館(~5/12)
・「絵画展...なのか?」 川口市立アートギャラリー・アトリア(~5/12)
・「尾形光琳の燕子花図 寿ぎの江戸絵画」 根津美術館(4/13~5/12)
・「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」 国立西洋美術館(~5/19)
・「六本木クロッシング2019展:つないでみる」 森美術館(~5/26)
・「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」 東京国立近代美術館(~5/26)
・「女・おんな・オンナ~浮世絵にみるおんなのくらし」 渋谷区立松濤美術館(4/6~5/26)
・「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション―初期浮世絵から北斎・広重まで」 千葉市美術館(4/13~5/26)
・「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」 東京国立博物館(~6/2)
・「花・Flower・華―四季を彩る」 山種美術館(4/6~6/2)
・「サンダーソンアーカイヴ ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」 そごう美術館(4/20~6/2)
・「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」 サントリー美術館(4/27~6/2)
・「六古窯 ―〈和〉のやきもの」 出光美術館(4/6~6/9)
・「世紀末ウィーンのグラフィック―デザインそして生活の刷新にむけて」 目黒区美術館(4/13~6/9)
・「大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦」 国立科学博物館(~6/16)
・「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」 DIC川村記念美術館(~6/16)
・「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術」 東京都現代美術館(~6/16) 
・「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」 森アーツセンターギャラリー(4/9~6/16)
・「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」 東京ステーションギャラリー(4/27~6/16)
・「ギュスターヴ・モロー展―サロメと宿命の女たち―」 パナソニック汐留美術館(4/6~6/23)
・「Meet the Collection ―アートと人と、美術館」 横浜美術館(4/13~6/23)
・「鎌倉禅林の美 円覚寺の至宝」 三井記念美術館(4/20~6/23)
・「トム・サックス ティーセレモニー」 東京オペラシティ アートギャラリー(4/20~6/23)
・「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR」 21_21 DESIGN SIGHT(~6/30)
・「シャルル=フランソワ・ドービニー展」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(4/20~6/30)
・「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」 Bunkamura ザ・ミュージアム(4/27~6/30)
・「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」 東京都庭園美術館(4/20~7/7)
・「クリムト展 ウィーンと日本 1900」 東京都美術館(4/23~7/10)
・「The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project」 原美術館(4/13~7/28)
・「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」 国立新美術館(4/24~8/5)
 
ギャラリー
 
・「アニッシュ・カプーア / 遠藤利克 / 大庭大介 / ヴァジコ・チャッキアーニ」 SCAI THE BATHHOUSE(3/26~4/27)
・「TDC 2019」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/3~4/27)
・「第21回亀倉雄策賞受賞記念 色部義昭展 目印と矢印」 クリエイションギャラリーG8(4/4~5/21)
・「イームズハウス:より良い暮らしを実現するデザイン」 ギャラリーA4(~5/30)
・「永坂 嘉光 写真展:空海 永坂嘉光の世界」 キヤノンギャラリーS(4/18~6/3)
・「うつろひ、たゆたひといとなみ 湊茉莉展」 メゾンエルメス(~6/23)
・「荒木悠展:LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ」 資生堂ギャラリー(4/3~6/23)
 
クリムト・イヤーがいよいよ開幕です。東京都美術館にて「クリムト展 ウィーンと日本 1900」が開催されます。
 

「クリムト展 ウィーンと日本 1900」@東京都美術館(4/23~7/10)
 
19世紀末から20世紀初頭にウィーンで活動した画家、グスタフ・クリムト。装飾性と官能性をあわせ持つ作品は、国内でも人気を集めてきましたが、画業を俯瞰して見る機会は決して多いとは言えません。
 
 
今回のクリムト展では、ウィーンのベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館のコレクションを中心に、「ユディトI」や「ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)」など、国内過去最多の約20点以上の作品にて、クリムトの画業の変遷を辿っていきます。またあわせて全長34mにも及ぶ壁画「ベートーヴェン・フリーズ」の複製画によって、ウィーンの分離派会館での展示を再現するそうです。

 
クリムト、及びウィーン世紀末美術に関しては、目黒区美術館の「世紀末ウィーンのグラフィック―デザインそして生活の刷新にむけて」(4/13~6/9)、そして国立新美術館の「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」(4/24~8/5)でも取り上げられます。ひょっとすると、今年、最も注目される西洋美術はクリムトになるかもしれません。3館の展示を追っていきたいと思います。
 
昨年の山梨県立美術館を皮切りに、ひろしま美術館で開催されたドービニー展の、最後の巡回地となります。東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館にて「シャルル=フランソワ・ドービニー展」がはじまります。
 

「シャルル=フランソワ・ドービニー展」@東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(4/20~6/30)
 
19世紀フランスのバルビゾン派の画家であるシャルル=フランソワ・ドービニーは、水辺や戸外の風景を描き、のちの印象派の先駆けとして活動しました。そのドービニーの初期から晩年の作品、約60点で構成されるのが、今回の展覧会で、ドービニーだけでなく、コローやクールベなど、周辺の画家の作品もあわせて20点ほど展示されます。意外にも国内では初の本格的な回顧展でもあるそうです。
 
ラストは浮世絵です。千葉市美術館にて「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション―初期浮世絵から北斎・広重まで」が開催されます。
 

「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション―初期浮世絵から北斎・広重まで」@千葉市美術館(4/13~5/26)
 
1867年にアメリカのイリノイ州で生まれたメアリー・エインズワーズは、1906年に来日したことを機会に浮世絵の収集をはじめ、のちに母校の大学の美術館へ約1500点の作品を寄贈しました。
 
 
そのメアリー・エインズワーズの浮世絵コレクションが、はじめて日本へ里帰りしてきます。出品総数は約200点ほどで、中には希少な作品も少なくないそうです。また同館では、同時開催の所蔵作品展において、先だって国内の企業が一括して購入し、千葉市美術館へと寄託したことで話題を集めた、経営学者のピーター・F・ドラッカーの水墨画コレクションの一部も公開されます。同コレクションは2015年にも、同館にまとめて出展されましたが、見慣れない画家に思わぬ優品が多く、再び鑑賞出来る良い機会となりそうです。
 

諸々とバタバタしております。しばらくブログは週に3回程度の更新になります。ゆるゆるとお付き合い下されば幸いです。
 
それでは今月もよろしくお願いします。
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