上野の森美術館にて『長坂真護展』が開催されています

ガーナで捨てられた電子機器の廃棄物を用いて作品を制作し、その売上の一部をスラム撲滅に当てるなどして活動するアーティスト、長坂真護の展覧会が、上野の森美術館にて開かれています。



その『長坂真護展 Still A “BLACK” STAR Supported by なんぼや』について、WEBメディアのイロハニアートへ寄稿しました。

長坂真護の壮大なプロジェクトとは?上野の森美術館にて個展が開催中 | イロハニアート

まず冒頭では長坂がガーナへ向かう前、路上アーティストとして生活していた頃の作品が紹介されていて、学生時代に描いたスケッチから大量消費社会への疑問を表したという絵画などが展示されていました。

長坂がガーナへ赴いたのは2017年のことで、スラム街のアグボグブロシーにて大量の電子機器が燃やされ、多くの人々が極めて不衛生な状況に置かれていることに強い衝撃を受けました。そこではスラムの住民が外国から持ち込まれた廃品を燃やして金属を売り、わずかな日銭を稼ぎながら日々の生活を送っていました。



いわゆる「ガーナ」シリーズとは廃棄物を用いて作られた作品で、捨てられたパソコンのマウスやゲーム機のコントローラーなどをキャンバスに貼り付け、油彩を施して絵画として表現しました。

こうして作られた一連の絵画を売りながら、同地にガスマスクを届けたり、学校を設立するなどして活動していて、現地の人々の描いた絵をガーナ国外で販売し、売上の一部を本人に還元するプロジェクトなども手がけました。


現在、長坂はアグボグブロシーに近い場所へ文化施設を設立し、スラム街の失業者を雇用するためのリサイクル工場を築くなどしていて、農業事業も展開するなど活動の幅を広げてきました。

今回の展示では作品のオンライン販売も行われ、売上や入場料の一部が長坂の目指す工場建設や農地の取得等の支援にも充てられます。



廃棄物を用いた作品はもとより、長坂のアーティストから実業家へと展開するようなチャレンジングな取り組みそのものにも注目が集まるかもしれません。

11月6日まで開催されています。

『長坂真護展 Still A “BLACK” STAR Supported by なんぼや』@magoten2022) 上野の森美術館@UenoMoriMuseum
会期:2022年9月10日(土)~11月6日(日)
時間:10:00~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
休館:会期中無休
料金:一般1400円、高校・大学生・専門学校生1000円、小・中学生600円。
住所:台東区上野公園1-2
交通:JR線上野駅公園口より徒歩3分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅・京成線上野駅より徒歩5分。
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