◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「安心しているのも束の間」って?

2018-09-30 10:58:25 | 言葉についてあれこれ
                                  束の間の達成感

 「安心しているのも束の間」は「仰天!パニック映像スペシャル」で、「まさかと思っていたのも束の間」は「秘密のケンミンSHOW」で聞いたナレーションです。「安心している」も「思っていた」も、ある程度の時間が経過したことを感じさせます。それに対して、「束の間」はわずかの間であって、「安心している」と言えるほどではありませんから「安心したのも束の間」でしょ! それくらいですよ。「まさかと~」のほうは、そもそも「束の間」という言い方が合いません。
 2012年に問題を起こした芸人がその後もずっと出演していて、どうしてもその芸人を見るのが嫌で「秘密のケンミンSHOW」を見なくなりました。よって、この例はそれ以前に拾ったのだと思いますが、今はどうでしょうか。ナレーション原稿を書いた人は相変わらずおかしな日本語をあれこれ書いているのでしょうか。「まさかと思った、そのとき」とか、「まさかと思った、その直後」とか、でしょ!
 2018年5月10日放送の「2時どき キャッチ」(北陸朝日放送)で「喜んでいるのも束の間、間髪入れず、次の現場へ」と言った米田宏行リポーター。百貨店のバイヤーが物産展準備のため次々と会社や店舗を訪問する、その忙しさを強調したいという気持ちは分かりますが、「喜んでいるのも束の間」って、なぁんかおかしい( ̄" ̄)。「間髪入れず(間、髪を入れず)」も言い過ぎですね。
 商談成立、あざぁーす、だけど喜んでいる暇なんかない、すぐに次の会社へ移動、ということは「喜んだのも束の間、すぐに次の現場へ」もしくは「喜びも束の間、すぐに次の現場へ」ですかね、あ、いや、ちょっと違いますね。「~も束の間」だと、直後にキャンセルになったとか、がっかりするようなことが起きたと想像してしまいますから、「喜びに浸る間もなく次の現場へ」と言えればいいですね。
 「盗んでいた車に乗っていたので捕まると思って逃げた」は「とくダネ!」のナレーションとテロップですが、「盗んでいた」って何ですかね( ̄д ̄)! 盗んだ直後ではなく、だいぶ前に盗んだ車に乗っていたということを言いたいのでしょうか? それでも「盗んだ車に乗っていたので」でしょ! 「盗んでいた」と言えるのは、例えば「犯人はこれまでに何台もの車を盗んでいた」といったときですよ。
 「店長は採用担当者に話していてくれていたようです」は一般人の文章にあったのですが、「店長は採用担当者に話してくれていたようです」でしょ。「『あまり調子が良くない』と言っていて伏せっていた」(2018/9/10 10:00 現代ビジネス)は「『あまり調子が良くない』と言って伏せっていた」でしょ。「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」最終回(脚本 浜田秀哉)で「だからあなたには、見届けていてほしい」と言った井沢(沢村一樹)、「だからあなたには、見届けてほしい」でしょ。どれも「いて」が余計です。
 「苦情が続けば家の立ち退きと罰金支払いに直面しているからだ」(2017/11/13 22:00 TechinsightJapan編集部)は、いつ、そういう困った事態になるのか分からない表現になっています。「苦情が続けば」は仮定の話なので「直面している」はおかしいですね、それに、ちょっと言葉が足りないので補う必要もあって、「苦情が続けば、家の立ち退きと罰金支払いという事態に直面するからだ」でしょ!
 「僕たちは2か月くらいかけて式場探しを始めました」は一般人の文章にあったのですが、式場探しを始めるまで2か月も何をやっていたのでしょうか。いや、そういうことではありません。式場探しを始めてから見付かるまで2か月かかった、式場を決めるまで2か月かけた、「僕たちは2か月くらいかけて式場探しをしました」ですね。
 「趣味どきっ! 家で楽しむ 私のカフェスタイル」を見ていたら「じっくり見付ける」と聞こえてむずむず( ̄" ̄)。「じっくり」と「見付ける」とでは時間の感覚が合わないのですが、言った人は平気なのか? じっくり探して、ぴったり来るものを見付けるのですよね、見付かるまで「じっくり探す」のですよね。過去、現在、未来、ちゃんと分かるように書けますか?
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おかしなセリフは誰のせい?

2018-09-23 08:43:55 | 言葉についてあれこれ
                                  友達?

 「私がご友人になりたいと思うかたがたにお声をかけさせていただきました」は「モンテ・クリスト伯」(5月3日放送、脚本 黒岩勉)で真海(ディーン・フジオカ)が言ったセリフで、復讐相手をまずはホームパーティーに招いたというわけです。これは脚本家がいけないのかなぁ、でも、気づかないかなぁ <( ̄д ̄)>。
 「友達になりたい」とは言いますね、「友人になりたい」も、まぁ、言いますね。でも、「ご友人」は、ない( ̄д ̄)! 「友人になりたい」の「友人」を「ご友人」なんて言ったら、自分のことを「ご友人」と言っていることになります。「友人になってほしいと思うかたがた」なら「友人」は相手になりますが、それでも「自分の友達」ですから「ご友人」とは言いません。
 それから、病気で言葉を話せなくなっている老人に文字盤を示して「これで、おはなしできますか?」と言った真海。これも脚本家の日本語力不足ですね。「お話、できますか」とでも書いてあったのでしょうか。でも、大人どうしの会話なのですから「これで話をできますか?」でしょ! ところで、すみれを演じていた人って、女優?
 「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」#4(脚本 井上聖司)で「この捜査情報を開示すればミハンの存在が明るみになる」と言った東堂定春(伊藤淳史)、「ミハンの存在が明るみになっても知りませんよ」と言った山内徹(横山裕)、二人ともいけませんね( ̄д ̄)! 台本にそう書いてあったのか、それでも、俳優が「明るみに出る」を知っていれば・・・、30代は知らないのか? ちなみに、井上聖司は20代。
 50代の佐伯卓郎(小野了)はちゃんと「事が明るみに出ると全てが終わる」と言いましたからね d(⌒・⌒)good。台本にそう書いてあったのか、台本は「明るみになる」だったけれど小野さんが「明るみに出る」だと分かっていてそう言ったのか、どちらでしょうね。佐伯卓郎のセリフだけ「明るみに出る」と書いてあったというのは可能性として低いですから、多分、後者だと思いますが、何ともみょぉ~( ̄ー ̄)。
 9月6日放送の「ハゲタカ」最終回(脚本 古家和尚)でも、冒頭のナレーションで「データ改ざん・不正会計と、不祥事が明るみになる中」なんて言いましたよ( ̄д ̄)! ナレーターは小手伸也、あ、最後に飯島(日本ルネッサンス機構会長)に解任を告げた人だ、この人は40代ですね、古家和尚も40代のようです。ふぅ~ん、40代でも「明るみに出る」を知らないのかぁ ┐( ̄д ̄)г。
 あ、『ちゃんとしゃべれ!』の神様降臨m(_ _)m。出ましたよ、残念な結論が。9月10日放送の「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」最終回(脚本 浜田秀哉)で「ある秘密が明るみになった」と言った井沢(沢村一樹)、沢村一樹は50代、浜田秀哉は40代。ふぅむ、40代でも50代でも、知らない人は知らないんだ、そりゃそうだ <( ̄д ̄)>。
 ところで、「絶対零度」#4で田村薫(平田満)が「今回、あまり活躍できず、すいません」と言ったのはいいですね d(⌒・⌒)good。え? 何がいいのかって? 「活躍できず」ですよ、小倉智昭が広めた変な「~ずに」ではない、ということです。ちなみに、「相棒」では複数の脚本家が「~ずに」の使い方を間違っていて、杉下右京(水谷豊)も他の出演者も、み~んな、「~ず」でないといけない場面で「~ずに」と言っています。
 特に目立つのは米沢守(六角精児)です。「仮釈放」(season8 #9 脚本 ハセベバクシンオー)では「お役に立てずに申し訳ありません」、「陣川、父親になる」(season10 #17 脚本 守口悠介)では「編集作業がうまくいかずに自殺をしたと、それで判断されたようですな」、それと、どの回かメモし忘れたので不明ですが、「被害者の指紋以外は見付からずに、特徴的なものは何も」(脚本 戸田山雅司)ですよ、このようにいつも変な「~ずに」なので、六角精児自身、全く誤りに気づいていないようです。
 「告発は愛社精神ゆえによるものだとおっしゃるわけですね」は「ハゲタカ」#7(脚本 古家和尚)で聞いた鷲津政彦(綾野剛)のセリフですが、くどいですね。「告発は愛社精神ゆえだとおっしゃるわけですね」もしくは「告発は愛社精神によるものだとおっしゃるわけですね」でしょ! 最終回の「あと1か月以内に」という桜井加奈(青野楓)のセリフもおかしいですね、「あと」が余計です。
 同じく「ハゲタカ」#7で「突然押しかけてきまして申し訳ございません。日本ルネッサンス機構の飯島さんからお話は伺っていると思いますが、その件で参りました」は芝野健夫(渡部篤郎)のセリフ、言った相手は松平貴子(日光みやびホテル社長)。芝野と松平の立場はどちらが上とも言えませんが、「その件で参りました」から考えると「飯島さんから話はお聞きになっていると思いますが」ですね。ちょっと残念 <( ̄д ̄)>。
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「夢中にやっているだけ」って?

2018-09-16 09:18:25 | 言葉についてあれこれ
                                  頂上制覇に夢中

 「YAHOO!ニュース」の「コミケ盛況を振り返る『好きなものを夢中にやっているだけ』」という見出し( ̄д ̄)! 「で」ではなく「に」という例がたくさんあって、前回、少し紹介しましたが、これは逆です。「夢中に」ではなく「夢中でやっているだけ」でしょ、「夢中に」と書くのなら「夢中になってやっているだけ」ですよ。
 もっといえば、「やっている」と続けるなら「好きなことを」と書くのが自然で、「もの」だったら「好きなものに夢中になっているだけ」でしょ。「好きなことを夢中でやっているだけ」もしくは「好きなものに夢中になっているだけ」ですが、この記事に登場する人物がどちらの意味で言っているのかを考えて書く、ライターなら、それぐらいの力量は必要でしょう。
 前回、「状態は本人でしか分からない」「当事者でしかわからない」は誤りで、「状態は本人にしか分からない」「当事者にしか分からない」が正しい、こういう例はけっこうあると書いたのですが、9月10日放送の「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」最終回(脚本 浜田秀哉)で長嶋(北大路欣也)が言ったセリフが「突き進んだ先に何があるのか、そこに行った者でしか分からない」でした( ̄д ̄)! だからぁ、「そこに行った者にしか分からない」なんですってば!
 「教えて!goo>ウォッチ>専門家」(2016年10月10日 12:00)で「ほとんどが水分であるうえで食物繊維が豊富なので」というのを見たのですが、そう言ったのは管理栄養士のようです。その人が言ったとおりに書いたのか、書いた人が「あるうえで」と書いちゃったのか、それは分かりませんけれど、ちょっと変ですね、「ほとんどが水分で、そのうえ食物繊維が豊富なので」でしょ!
 「母や自分で焼いたクッキー」は一般人の文章にあったのですが、お母さんもクッキーを焼くことがあるのですよね、だから「母や」と書いたのでしょう。だったら「母や自分が」何をするかを書かないといけないのに、「母や自分で」だと「母や」で切れてしまい、「自分で焼いたクッキー」しか伝わりません。
 もし、「自分」ではなく「私」と書いたなら「母や私が焼いたクッキー」と書いたでしょう。でも、「自分」と書いてしまったから「自分で」になってしまった、というところでしょうか。「自分で」ではなく「母や自分が焼いたクッキー」と書いて初めて「母が焼いたクッキーや自分が焼いたクッキー」という意味になります。また、「母が焼いたクッキーや自分で焼いたクッキー」なら「自分で」でもいいですね。
 一般人の文章で、「私の父が夫とで晩酌を始めました」と、余計な「で」が入っているのを見ました。夫にとって「私(妻)の父」は義父ですから少しばかり妙な場面ということで、「私の父が夫と晩酌を始めました」なら、「私の父」が「夫」に酒を勧めたのでしょう。でも、「夫とで」なら「父が」ではなく「父と」ですよ、「私の父と夫とで晩酌を始めました」でしょ。つまり、「二人で晩酌を始めました」みたいなもので、そこに「○○君、一緒にどうだ?」といったドラマはありません。
 「やっとで我が家に慣れた新入り猫達」という見出し(2018/5/18 7:30 Impress Watch)、これも「で」が余計ですね、「やっと我が家に慣れた新入り猫たち」でしょ。あるいは「やっとのことで我が家に慣れた新入り猫たち」ですが、こっちのつもりで「やっとで」なのでしょうか。でも、見出しに「やっとで」はむずむずします( ̄" ̄)。そういうのは友人とのおしゃべりのときだけにしておいてください。
 「食事マナーについて何も言われない家庭で育ち、箸の持ち方も自らで矯正した」(2018/06/25 05:30 しらべぇ)って、「箸の持ち方も自ら矯正した」でしょ! 「自分で矯正した」なら「で」でもいいのですけれどね。しかしまぁ、家庭では教えてもらえなかったのに、それに、箸の持ち方がおかしいことに気づきさえしない人が大勢いるのに、ちゃんと気づいて自ら矯正したなんて、偉い! 偉いぞ d(⌒・⌒)good。
 助詞を的確に使える、それは日本人なら当たり前、箸をちゃんと使える、それは日本人なら当たり前です。なのに、芸能人の格付け番組で見た高橋みなみの箸の持ち方が、寒気がするぐらい気持ち悪い( ̄д ̄)! 金田明夫と遠藤憲一は、ドラマでラーメンを食べるシーンを見たのですが、箸を2本とも人差し指と中指の間に挟み、まるでフォークのような使い方でラーメンの麺を持ち上げていましたよ、なんてこった( ̄д ̄)!
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「車ではねられ」って?

2018-09-09 10:23:02 | 言葉についてあれこれ
                                  回し車で

 「YAHOO!ニュース」で「車ではねられ4人死傷 男逮捕」という見出しを見たのですが、「車にはねられ4人死傷 男逮捕」でしょ( ̄д ̄)! 「複数の歩行者を車ではね・・・」という流れなら「車で」ですが、「はねられ」ですから「車に」です。日本人なら何も考えなくても「車にはねられ」と書けますよ・・・書けるはず・・・( ̄" ̄)。
 「YAHOO! あなたへのおすすめ」にあった「伊○園でしかできない野菜ジュースです」という広告にもやもや。広告そのものを見ても「伊○園でしかできない」とはどこにも書いてなかったので、ヤフーのスタッフが「伊○園で」と書いたのでしょうかね( ̄д ̄)! 伊○園は飲料メーカーですから「伊○園にしかできない野菜ジュースです」でしょ! 「で」ではなく「に」です。
 「状態は本人でしか分からない」と言ったのは元フィギュアスケート選手の佐野稔。「当事者でしかわからない」は一般人の文章にありました。こういう例はけっこうあるのですが、なぜこうなるのでしょうか。ひょっとして、「本人でないと分からない」「当事者でないと分からない」とごっちゃになった? 「状態は本人にしか分からない」「当事者にしか分からない」が正しい日本語です。
 「ワイド!スクランブル」の大型モニターに「血でにじんだ頬を見た時」と出たのですが、「血がにじんだ頬を見たとき」でしょ! 「1円で笑う奴は1円で泣けという言葉のように」は一般人の書いた文ですが、「1円を笑う者は1円に泣く」でしょ、「1円で泣け」って、ちょっと面白いけどね( ̄― ̄)。「この辺りはいまだに焦げ臭いにおいで充満しています」と言ったのは北陸朝日放送の女子アナかディレクターですが、「焦げ臭いにおいが充満しています」でしょ!
 「(行方不明の我が子を)この手で、この胸で、抱きしめてあげたい」は「月曜ゴールデン 佐々木譲サスペンス 制服捜査2」(脚本 峯尾基三)で女優の高岡早紀が言ったセリフなのですが、いやはや、じーんと来るシーンのはずなのに、見事にずっこけました。「この胸で、抱きしめてあげたい」なんて気持ち悪いですよ、「この手で、この胸に抱きしめてあげたい」と言ってよ( ̄д ̄)!
 「バルコニーをよじ登って15メートル下に飛び降りたのを見た人物もいるという。コンクリートで激しく体を打ちつけたアンドリューさんは」(2018/5/31 05:00 TechinsightJapan編集部)って ┐( ̄д ̄)г。アンドリューさんが飛び降りた、そこへ崩れたバルコニーのコンクリート塊が落ちてきてアンドリューさんを直撃した?
 そんなホラー映画の一場面のような状況を想像してしまいましたが、実は、違います。15メートル下は、ふかふかの芝生や低木の植え込みだったらよかったのに、残念ながらコンクリートだったわけですよ。そういうのは「コンクリートに激しく体を打ちつけたアンドリューさんは」でしょ!
 「この場所でしかない豪華なお墓」は「お坊さんバラエティぶっちゃけ寺」で聞いたナレーションで、「この国で住む」は一般の人の文章にあったのですが、こういう「で」をこのごろよく見掛けます。「この場所でしか」なら「建立できない」と続けないといけないわけで、ただ「ない」と続けるのなら「この場所にしかない豪華なお墓」でしょ! 「この国で」なら「生活する」「暮らす」「働く」「学ぶ」などが続き、単に「住む」と続けたいのなら「この国に住む」ですよ。
 「日本で1台しかない消防車両、レッドサラマンダー」というナレーション、これが、なんと、「NNN newsevery.特別版 震災7年 知りたい災害新常識」ですよ、報道をやっている人の日本語がこのレベル( ̄д ̄)! 「日本に1台しかない消防車両、レッドサラマンダー」でしょ! 「で」ではなく「に」なんですってば!
 「いつも静寂で包まれているホスピスの病室から(中略)その傍らでは、○さんと△さんが青ざめた顔で立ち尽くしていました」(2018/6/3 13:01 BuzzFeed Contributor)はどうですか? 「静寂で」は「静寂に」ですね、これは分かりやすいですが、「その傍らでは」は? これも「その傍らには」ですよ。ライターなら「静寂に包まれている」「その傍らには」と書けるセンスが必要です。
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「評論家として著書やテレビ出演」って?

2018-09-02 09:39:32 | 言葉についてあれこれ
                                  出るは出るでも

 「評論家として著書やテレビ出演」は「バンキシャ!」で見たテロップです。この番組はほとんど見ないのですが、たまたまちょっと見たらこれですよ( ̄д ̄)! 「評論家としてテレビ出演」はいいのですが、「著書や」って? 「○や△」というとき、片方が「テレビ出演(テレビに出ること)」だったら、もう片方も「著作(本を書くこと)」ですよ、「著書(書いた本)」ではありません。
 つまり、「評論家として著作やテレビ出演」が正しいわけで、それは「評論家として本を書いたりテレビに出たり」ということです。「評論家として著書やテレビ出演」だと「評論家として著書やテレビに出たり」になりますが、それはおかしいと感じるでしょう? そもそも「テレビ出演」で終わっているのが中途半端です。「評論家として著書やテレビ出演多数」なら「著書」でもいいのですよ、著書が多数ある、テレビ出演の回数も多い、というふうに読むことができます。
 「けがや病気になる登山客は必ず出てきますよね」は「サマーレスキュー」#9で医学生の鈴木真子(能年玲奈)が言ったセリフですが、いかにも台本に書いてある文字を読んでいるだけという感じで、いけませんね ┐( ̄д ̄)г。ちょっと考えれば分かることですが、「けがになる」とは言いませんから、「けがをしたり病気になったりする登山客は必ず出てきますよね」が自然な日本語です。
 「夕食後に旅館回りをかるく散歩やお土産選びをし」(2018/3/9 17:02 ファンファン福岡)は、旅館を何軒も訪ね歩くのではありませんからね、漢字も間違っているし、伝わるようで伝わらない文になっています。細かいことはさておいて、「夕食後に旅館の周りを軽く散歩したりお土産選びをしたりして」ですね。
 う~ん( ̄~ ̄)、やはりこの際“細かいこと”にも触れておきます。「旅館の周りで」なら、旅館の近辺で散歩、ついでに土産物店ものぞいたということになり、「夕食後に旅館の周りで散歩やお土産選びをし」と書くことができます。しかし、「旅館の周りを」ですからね、これは「散歩」にだけかかっています。だから、この例では、なおさら「~たり~たり」と書かないといけないのです。
 「職場が老朽化すれば 移転や修繕を施し」は「ありえへん∞世界 2017年!本当にあった世界の衝撃事件」のナレーションとテロップ、今にも天井が崩れそうなのに職員はヘルメットをかぶってそこで仕事ですか!? それはともかく、「職場が老朽化」は変ですね、老朽化するのは「建物」や「設備」でしょ、この場合は「建物」です。
 この例は簡単ですよ、「建物が老朽化すれば 移転や修繕をして」でしょ! 「○や△を施し」と書くと「○を施したり△を施したり」という意味になりますが、「移転を施し」なんて言いませんから。どうしても「修繕を施し」と書きたいのなら、「建物が老朽化すれば 移転したり修繕を施したりして」でしょ! 放送業界の人たちのほとんどが「~たり~たり」を使えない(使わない)ようで、さらにひどくなって「○や△を~」もおかしくなっています。正しい表現を見たり聞いたりすることはめったにありません。
 「家事や外出する気力もなくなり」は「チョイス@病気になったとき 胸やけ」で聞いたナレーション、佐藤真由美ナレーター。「家事をしたり外出したりする気力もなくなり」でしょ! 長いですか? え? 「~たり~たり」なんて言い方は知らない? それなら「家事や外出をする気力もなくなり」と言えばいいのに、こんなに簡単なのに、NHKなのに、それすらできない?
 だいぶ前ですが、通販CMで「私がお薦めしたいのは、安さと簡単!」というセリフを聞いたことがあります。「私がお薦めしたいのはこれ!」だったら、「安くて簡単!」「安いうえに簡単!」「安い! 簡単!」と続けられますが、「私がお薦めしたいのは、安さと簡単!」って、なぜだぁぁぁo(`д´)o。「私がお薦めしたいのは、安さと簡単さ!」でしょ! こんな簡単な日本語すらまともに言えない?
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