◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「仲良しにさせていただいて」って?

2015-02-22 12:17:58 | めちゃくちゃな敬語
                                  仲良し?

 「入選・・・させていただきました」と言ったのは一般の人ですが、素直に喜んで「入選しました」と言えばいいのですよ、「させていただきました」なんて言ったら、かえって自慢たらしく見えるから。テレビで紹介されたお店の人は「地元の大豆で作らせていただいてます」「地元の食材で作らせていただいてます」「五穀米を使わせていただいてます」ですよ、それ、謙虚と違うからo(`д´)o!
 「警察に通報さしていただきました」と言ったのは一般の人です。全国に指名手配されている容疑者らしき男を発見し、警察に通報したということなのですが、テレビの取材を受けて緊張したにしても、そんな言い方はおかしいですよ。謙虚? 丁寧? とんでもない! 薄っぺらな感じに見えるだけです。
 「不適切な発言をさせていただいた・・・あ・・・してしまった・・・」とぎりぎり言い直したのは、何やら一生懸命弁解していた都議。「~させていただいた」と言うのが習慣になっているようで、いつだったか「非常に重く受け止めさせていただいたんですが」と言った人がいましたが、その人と同じで反省はしていませんね。
 「中学と高校のとき、柔道部やらさしていただいてました」と言ったのはおかまタレントですが、「柔道部やる」って何ですかね( ̄д ̄)! 部活ですかね、おかまだろうが何だろうが柔道をやるのは勝手ですよ。「中学と高校のとき、柔道をやっていました」と言えばいいのに「やらさしていただいてました」って何?
 「きょうの料理」で、料理講師の女性が3人並んで随分にぎやかだったのですが、そのうちの1人が「仲良しにさせていただいております」と言いました。「~ていただく」って本当に便利、もとい、怖いですよね、日本語としてありえない言い方を、さもそれで成立しているように感じさせてしまうのですから。
 例えば、「座る」「座らせていただく」、「出席する」「出席させていただく」、この辺まではいいですよ、別におかしくないのですが、「感動しました」を「感動させていただきました」なんて言う人は「~ていただく」症候群の患者です。「○○(店名)でそろえました」と言えばいいのに「○○(店名)でそろわせていただきました」なんて言った人、もはや日本語として成立していませんから。
 話し手が「離婚が成立しました」と言っているのに「離婚を成立させていただきました」と書いた新聞記者はかなり重症。「皆さんに迷惑をおかけしているかと思うんですけど」と言うべきところで「皆さんご迷惑いただいているかと思うんですけど」と言ったタレント(デヴィ夫人って芸名?)、全く意味不明( ̄д ̄)!
 「仲良しにさせていただいております」を“直訳”すると「仲良しにすることを許してもらっている」となります。でも、「仲良しになる」とは言いますが、「仲良しにする」とは言いませんよね、それを言うなら「仲良くする」です。「仲良くする」→「仲良しになる」→「仲がいい」ですから「私たちは仲がいいんですよ」と言えばいいんですよ。
 「仲良くさせていただいて」もちょいちょい聞こえます。2013年6月9日の記事で取り上げましたが、その後、「検事・朝日奈耀子」(脚本 奥村俊雄)でも「仲良くさせていただいてたので」というセリフを聞きましたし、「ST赤と白の捜査ファイル」メンバーの座談会では芦名星が「仲良くさせてもらってました」と言いました。「出して(だして)もらう」を「出させて(ださせて)もらう」と言うのと同様の誤りです。せっかく気を遣っているのに、結果的に偉そうな言い方になっていますよぉ┐( ̄д ̄)г。
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「甘みに変わっていただ・・・」って?

2015-02-15 11:53:49 | めちゃくちゃな敬語
                                  言葉は正確に、だよね

 「加熱すればするほど甘みに変わっていただ・・・」と言ったので( ̄д ̄)ダラケッ! と思ったら、「変わっていただ・・・ん~・・・くれるので」と何とか言い直した! 本当にぎりぎりでしたけれど、言い直したのはいいですよ。まぁ、ね、そもそも「加熱すればするほど甘みに変わるので」と言えばいいだけですが。
 「唯一生き残っていただいているのは○○さん」と言ったのは「ワイド!スクランブル」のコメンテーターです。俳優として長年活躍した人が一人また一人とあの世へ行き、非常に残念だ、この世に残っているのは○○さんぐらい、ということらしいのですが、「~ていただく」症候群の患者って恐ろしいですね。
 芸能人にちゃんとした日本語を話せと言っても無理。いかに謙虚に見せるか、それだけを気にしているわけで、日本語としておかしくなっていることは気にしていません。多くの日本人がそうしたいいかげんな人たちの影響をもろに受けています。ちゃんと伝わるかどうかなんて気にしない、気にしていないからもろに影響を受ける、影響を受けてますます分からなくなる、気にならなくなる、まさに悪循環です。
 「香りを楽しんでいただきたいかたには傘の開いたものをお薦めします」と言った人、プロの料理人かな、「香りを楽しみたいかたには傘の開いたものをお薦めします」と言えばいいのです。そんな無理やり「いただきたい」なんて言わなくていいですから。どうしても「いただきたい」なら「お客様に香りを楽しんでいただきたいときは傘の開いたものをお薦めします」でしょ。これ、松茸の話です。
 「少しでも役立っていただければ」と言ったのは一般の人です。「あれで役に立つのかなぁ?」「いやいや、役立ってもらわないと困りますよ~」といったニュアンスで言うことはありますが、通常、「役立っていただく」とは言いません。「役に立つ」なら「少しでも役に立てば」ですし、「~ていただく」なら「少しでも役立てていただければ」ですし、何が(だれが)何の(だれの)役に立つのか、だれが何を役立てるのか、ちゃんと意識しないとちゃんと言えませんよ。
 「よくぞ聞いていただきました」だの「CMでご存じいただいております◇◇の」だの、「いただく」と続けること自体が無理なのに、それをおかしいと感じない人もいるのですからあきれます。「よくぞ聞いてくださいました」も「CMでご存じの◇◇の」もほとんど決まり文句ですよ、一度や二度は聞いたことがありますよね。
 「きょうの料理」を見ていて、この人、前に書いた「置いておきたいと思います」「切りたいと思います」「こちらのほう、盛り付けていきたいと思います」の講師だ、と気づいたのですが、今度は「入れていただいて」「混ぜていただいて」「焼いていただいて」の「いただいて」連発( ̄д ̄)! 連発はやめろ、連発は!
 「掛けていただいて、片方を普通に結んでいただいてちょっと長さを、胸元辺りまで持ってきていただいてそこにこれを入れるだけ、ちょっとタイのような雰囲気になりますよね。ここもちょっと調節していただいて上に持ってきていただいて、例えばこうちょっとずらしていただいて、こんなふうにしていただくと一気にゴージャスになりますよね。次は首に掛けていただいて、片方を長めにしていただきます」と言ったのは「イッピン」に出てきた一般の人ですが、もぉ~うんざり( ̄~ ̄)クヌヌゥ。
 ところで、金沢の老舗旅館を舞台に繰り広げられる嫁・姑バトルを楽しく描いた「花嫁のれん」という連続ドラマが放送されているのですが、これも、もう、見るのをやめますよ。今のは第4シリーズで、金沢女将塾というのを軸にストーリーが展開していくのですが、塾生の佑美が次々やらかすのが我慢できなくなってきて、あれで何ら罰を受けないってどういうこと? 女将塾なんてこの程度のものなんだなぁ~とあきれました。
 若い女性が女将修業をしているわけですから、そりゃぁいろいろ失敗はしますよ。だけど、佑美は、未熟さゆえに失敗するのではなく、性格が悪いから、悪いことだと分かっているのにやっちゃう、というわけで、そういうのは幾ら修業しても直りません。ましてや、この旅館の女将である奈緒子(女将塾の発案者)とほかの塾生は佑美をかばうばかりで、罰を与えることは全くないのですから直るわけがありません。
 蕎麦アレルギーの客に蕎麦を使った料理を出すという大失態により、同じ塾生の真知子が女将塾から追放されるということがありました。客から「蕎麦アレルギーだ」と聞いた真知子は、担当の佑美に「蕎麦がだめらしいから、板長に伝えて」と言った。そのため、危険性をあまり感じなかった佑美は、つい、板長に伝えるのを忘れた。つまり、二人のミスが重なったことが原因だったのですが、真知子は佑美をかばってその事実を隠し、一人だけ罰を受けたのです。
 後日、真相を知った奈緒子が裏でうまく立ち回って真知子の女将塾復帰を実現させますが、佑美はというと、やはり何ら罰を受けていません。その後も、真知子に対する嫉妬心から、真知子を陥れようとして、真知子が担当するお客様に出す料理を予定外のものにすり替えるなどという意地悪なことをやったのですよ。なのに、またもや奈緒子と塾生は佑美をかばい、罰しない。あのね、幾ら何でもおかしいですよ。
 女将修業中の身として、という以前に、人としてやってはいけないことを繰り返しやらかすのに、奈緒子は佑美に修業を続けさせたいという気持ちが非常に強く、ひたすら佑美をかばい、励ますのです。でも、ここまで来ると、それがいいことだとは思えません。もちろん、これはドラマですから、この後どんな展開が待っているか分かりませんよ、納得できる結末が用意されているのかもしれませんが、もう我慢の限界です。
 そもそもあんな人が金沢女将塾の塾生? ありえない! たとえドラマでも、作り話でも、ありえない! 程度が低すぎる! あんなに性格が悪くて、お客様を第一に考えてもてなすなんてこと、できる? 無理! 絶対に無理!!! 甘すぎる! これがドラマのいやらしさ? ドラマを作っている人たちの力の限界?
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「お聞きしていただければ」って?

2015-02-08 11:07:10 | めちゃくちゃな敬語
                                  歯は丈夫

 歯科医院で受付の女性と3か月後の予約をどうしようかと話していたら、「そのときにまた電話でお聞きしていただければ」と言われました。へ? あぅ~( ̄д ̄)! 「お聞きして」なら、聞くという行為の主体はその女性ですから、電話をかけてくるのかと思いきや、「いただければ」で引っ繰り返りました。若い女性に正しい敬語を話すよう求めるのは無理なのでしょうね。
 「お酒がいっぱい売ってあるお店」「漢字の意味が全然知ってなかったんで」と言ったのは平愛梨ですが、若い人の話す日本語なんてこんなもの、なのでしょうかね。「いろいろなお酒を売っているお店」、「漢字の意味を全然知らなかったので」もしくは「漢字の意味が全然分からなかったので」ですが、やっぱり無理・・・かな。
 以前、電話の相手に「それをお伝えしていただければ」なんて言った人について書いたことがありますが、「お聞きしていただければ」同様、だれがだれに伝えるのか分からない言い方になっています。計画に一部変更があったことを知らなかった、今後、そういうことはちゃんと自分に知らせてほしい、ということを言いたいのです。本人はそう言っているつもりですが、そうは聞こえません。
 「くりぃむvs林修!」とかいう、あれはクイズ番組かな、ナレーターの茶風林は「皇室のかたがたがご出席して」なんて言うし、MCの大政絢は「ご用意していただいたんですね」なんて言うし、テレビ番組でしゃべるのを仕事にしている人たちに正しい敬語を話すよう求めるのも、もう無理! 「ご(お)~“して”いただく」が誤りだとは気づいていない、そもそも正しいかどうかなんて気にしていませんから。
 受付のお嬢さん、「そのときにまた電話で聞いていただければ」でもいいし、「そのときにまた電話でご予約いただければ」なら、なおいいですよ。若い社員さん、「それを私に伝えていただければ」と言えばいいのですよ、無理して「お伝えして」なんて言うからおかしくなるのです。茶風林、「皇室のかたがたがご出席になり」とか、せめて「皇室のかたがたがご出席なさって」ぐらい言ってよ。大政絢、「ご用意いただいたんですね」ですよ、敬語のことを少しは気にして!
 「ご注意していただきたいと思います」と言ったのは「モーニングバード」の小松アナ。やはり羽鳥慎一の言い方がうつっていて、アナウンサーとしてもうこれでおしまいかと思ったのですが、次からは「ご注意いただきたい」でした。小松アナの場合、頭の中で「ご注意していただきたい」と「ご注意いただきたい」が戦っているようです。正しいかどうか全く気にしていない人たちより随分まし?
 近所、といってもかなりの距離ですが頑張って歩いていたら、幹線道路の横断地下道の入り口に「自転車を降りてご通行して下さい」という表示板がありました。川のそばで、国土交通省河川管理事務所が設置したものです。坂になっていますし、高さ1.6メートル、幅も狭いから、見れば分かりますよ、危険です。あのね、それは「自転車を降りて通行してください」ですよ、なんなら「自転車に乗ったまま通行することを禁ず」でもいいですよ、びしっといこうよ、びしっと!
 さて、ここからは余談ですが、がっかりすることがありまして・・・、昨年の夏に当地に引っ越してきて以来、ケーキ屋、パン屋、あちこち行ってみましたが、どうもぱっとしない、そんな中、外観がいかにもパン屋、これは期待できるぞ、という店に入り、なるほど、どれもおいしそう、実際、帰宅して食べてみたらおいしかったのですよ、だけど、もう二度とそこには行きません。
 パン屋ですから、店内はパンのいい香りでいっぱい、なのに、レジに行くと、店員の若い女性から、私の大嫌いな、吐き気を催すような強烈な柔軟剤のにおいがして、さすがにパン屋でこれはない! と思ったのです。本人はにおいに慣れて何も感じなくなるようですから周りの人が注意しないといけないのに放置ですか? パン屋なのに。
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「少しお休みをする」って?

2015-02-01 11:48:04 | めちゃくちゃな敬語
                                  お休みなさいませ

 有名なスポーツ選手が「少しお休みをする」と言いましたが、これって、若い人にすれば普通の言い方ですか? 話し言葉が助詞を省略するのとは逆に、例えば「写真を掲載をした」というように余計な「を」を書いてあるのを見掛けることがよくあるのですが、「お休みをする」も普通なのですか? ガキっぽくないですか? それに、何でも「お○○」と言えばいいというものではありませんけど。
 ところで、羽生選手がGPシリーズ日本大会の前の会見で「皆さんにご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。深刻に心配なさらぬように、よろしくお願いいたします」と言いましたが、びっくりしましたよ、いいですねぇ。セクスィー部長の「ビジネスと色恋は、一緒になさらぬよう!」以来ですかね(⌒・⌒)。
 「一度お話を聞いていただけませんか」は「吉原裏同心」(脚本 尾崎将也)で聞いたセリフですが、だれの「お話」を「聞いていただけませんか」と言っているかというと、このセリフを言っている人(主人公である善良なお侍さん)自身の話です。自分がする話なのに「お話」と言っているという、何ともお粗末な話( ̄д ̄)!
 「職歴について少しお話してください」と「職歴についてお話しします」は「しごとの基礎英語」で見たテロップです。欠員補充のために面接で新メンバーを決めるという場面で、前者はその部署の人、後者は応募者が、それぞれ英語で話しています。和訳を文字にしたのはだれなのか分かりませんが、多分、日本人スタッフでしょう。
 立場の上下がはっきりしているのに「おはなししてください」と「おはなしします」って、変だと思わないのかなぁ? ホラン千秋が「おはなししてください」と言ったのがまた何とも残念ですが、日本人が「お話してください」と書いたのならこれはもうしかたないですかね。正しくは「職歴について少し話して(はなして)ください」ですよ、これだけのことなのです。これだけのことができない人ばかりなのです。
 ドラマで「教授とはよくお話するので」というセリフを聞きましたが、これも本当は「教授とはよく話をするので」と言うべきところです。「話を」と言わずに「お話」と言うのが丁寧な言い方だとでも思っているのですかねぇ。「お話」なんてガキっぽいですよ、とんだ勘違いです。「おはなしする」は、目上の人物に対して「お話しする」であって、気軽に会話をするのは「話をする」ですよ。
 YAHOO!のトップページでYAHOO!スタッフが書いた「『○としか話あわないんだよね』が口癖」という見出しを見付け、記事を見てみたら、「△の口癖は『○としか話し合わないんだよね』や『最近○としか話してない』『私に話しかけてくるの、ほとんど○だよ』です。○としか話し合わないというか、私達にはほとんど話しかけてこないです」でした。助詞抜きのせいで混乱していますねぇ、△は○としか話が合わないとアピールしているようなのですが┐( ̄д ̄)г。
 「メモのご準備してお待ちください」と言ったのは石川テレビの山本美寿ディレクター。すぐ後に「今回ご準備しましたのは」と言ったので、「ご(お)~する」を知らないわけではないようで・・・。「メモをご準備なさってお待ちください」と言えないなら「メモの準備をしてお待ちください」と言えばいいわけですが、「準備を」が「ご準備」になってしまう、このごろよくあるパターンです。
 ところで、山本美寿ディレクターが最近「ご紹介くださるのは」と言うようになったのですよ。これは正しい言い方ですが、以前は「ご紹介してくださるのは」と言っていましたから、おかしいと気づいて直したのかな? でも、「ご紹介くださる」や「ご覧ください」はしょっちゅう聞こえる決まり文句ですからね、だれかが「ご紹介くださる」と言ったのを聞いたのでしょう、多分。
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