◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「さらなる手助けを求める声」って?

2010-11-28 22:21:26 | 気になる言葉、具体例
                                  仲良し小良し
 なかなか景気がよくならない、明るい話題の少ない昨今ですが、今年も残すところ1か月だなぁと思うと、ほら、思い出しませんか、派遣村ですよ、派遣村。契約を切られて寮を追い出され、仕事も家もない、なんていう悲惨な状況の人たちが大勢いて、その報道で聞こえてきた「さらなる手助けを求める声が相次いだ」というナレーションを思い出しました。うっかり聞き流してしまいそうですが、分かりますか?
 仕事も、お金も、住む家もない人たちが求めているのは「手助け」ではなく「助け」です。深刻なトーンで「さらなる手助けを求める声が相次いだ」なんてよくまぁ言えるもんだ、あほなナレーター、そして、この原稿を書いた人、一体だれ?( ̄д ̄)ダラケッ! 「手助け」とは、ほかの人の仕事を手伝って助けること。仕事がなくて困っているっていうのに、よりによって手助けとは・・・。(ーー;)
 「ここで漁船に乗り換え」と言えばいいのに「ここで漁船へと乗り換え」なんて言うほど大げさに言うのが好きな放送業界ですから、「助け」だと何か物足りない感じがするのでしょうね。だからって「手助け」なんて言うか? って、言うんですよ、これが。「助け」と「手助け」のどちらが重いか分からないのでしょう、お笑いやバラエティならまだしも、報道でもこの程度の人ばかり。
 強盗放火殺人という重大事件の報道で見たテロップは「孫にストーカーも・・・」でした。意味が分からないので注意して聞いていたのですが、どうやら亡くなった被害者は話し手の孫娘のようで、事件の前から容疑者にしつこくつきまとわれていたらしいのです。ということは、「孫にストーカーも」ではなく「孫にストーカー行為も」あるいは「孫にストーキングも」です。
 「ストーカー」は、しつこく人をつけ回す変質者という意味で、そういう行為を言うときは「ストーキング」ですが、これはいまいちなじみがありませんね。やはり「ストーカー行為」のほうが分かりやすいわけですが、報道のテロップ作業者が「ストーカー行為」と書けないのは問題ですよ。<(`^´)>採用基準ってないのかなぁ?
 全国ネットでもこうですから、ローカル局は推して知るべし。ローカルといっても、MRO(北陸放送)ですよ、本州の日本海側では初の民間放送会社、1958年12月に開局した老舗ですが、それなりの自負ってものがないのでしょうか。女子アナが「○沖の海底で男性の遺体を見付けましたが、男性はすでに死亡していました」なんて言うんですよ。悲しいニュースなのに悲しくないったら。(~_~;)
コメント (2)
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「いじめを止められず」をどう読むか。

2010-11-24 23:49:38 | 気になる言葉、具体例
                                  んまいのよね
 10月27日に「辞める」と「やめる(止める)」について書きましたが、今回は「やめる」と「止める」です。実は、「やめる」のつもりで「止める」と書く人が多いので「やめる(止める)」と書きましたが、「止める」を「やめる」と読むのは常用漢字の音訓外であり、「やめる」の表記は平仮名です。私は、「やめる」のときは「やめる」、「とめる」のときは「止める」と書いています。
 ただ、「とめる」には「止める」と「留める」があり、「けんかをとめる」は、辞書には「けんかを留める」、漢字使い分け辞典には「けんかを止める」と書いてあったりなんかして~(ーー;)、これだけで記事が書けるくらい改めて考えないといけないので、それはちょっとあっちに置いておいて、とりあえず「止める」で書きます。
 朝の報道バラエティ番組(日テレ)でいじめについてあれこれ話していたのですが、リポーターが示したフリップに「いじめを止められず大人になって後悔している人が」と書いてあったのです。話の流れから、「やめられず」と読むだろうと予想したのですが、リポーターは「とめられず」と読みました。
 「とめられず」ということは、その人はいじめに直接かかわっていたのではなく、傍観者であったという意味になります。でも、大人になってからとても苦しんでいるといった深刻な話で、それは加害者の心理ではないか、つまり、「とめられず」ではなく「やめられず」と言うべきだったのではないか、そう感じたのです。
 「やめられず」のつもりで「止められず」なんて書くから分からなくなるのですよ。ふだんから「やめる」は「やめる」、「とめる」は「止める」と表記していればはっきりするわけで、視聴者を悩ませることなんかないのです。放送業界で給料をもらっている人たちに、誤解を生じない的確な表現、分かりやすい日本語ということを一度真剣に考えてもらいたいものです。
 次回、28日は、朝ではなく夜に更新します。
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「~ような形が強くなりましたので」って?

2010-11-21 08:49:45 | 気になる言葉、具体例
                                  味わってるね
 よくある口癖としてこういうのがあるのですが・・・「自然といくような形になったのですか」「民間のやり方がいいという形で役所に入っても」「こうしたほうがいいという形ですね」「いつも元気よくという形で」「優越感とか、そういった形を味わいまして」「顔面とかそういう形が血だらけになってまして」・・・さて、どのあたりからおかしいと感じますか?
 「議論が、協会でガイドラインを設けたらいいのではないかという形であるのですが」は、本来、「協会でガイドラインを設けたらいいのではないかという議論があるのですが」と言うべきところですが、「形」が口癖になっている人は前者のような言い方をします。「議論が」を先に言ってしまい、後で「形」でもって無理やりつなげる、つまり、後者のようなすっきりした言い方をする努力を放棄してしまっているわけです。
 一つめの例は、誤りとは言えませんね。二つめは・・・ぎりぎり・・・、三つめ以降は『ちゃんとしゃべれ!』-スーパースプレッダーに気をつけて- に書いたものですが、先日久しぶりにこういう「形」の例を聞いてあることに気づきました。これはむしろ一般の人に多く、放送業界の人たちはあまりしない表現のようなのです。一般の人が、会議やインタビューで、少し緊張してしゃべっている、そういう場面なのです。
 先日、伝統工芸について紹介するローカル番組を見ていたら、一般の人(伝統工芸の作家)が「だんだんに仏門にひかれるような形が強くなりましたので」と言いました。うわぁ~~~出たぁ~~~久しぶりに聞いたよぉ~~~(゜゜)~~~、私はこういう「形」が大嫌いなのですよ。<(`^´)>
 あれはいつだったか・・・伯母の一周忌法要で、読経を終えた僧侶が今度は生きている人間(遺族、親戚一同)に向かって説法を始めたのですが、聞いているうちに何だか脳がむずむずしてきて、しばらくしてその原因に気づき、いらいらしてその場にいるのもつらくなりました。それが、全く意味のない「形」だったわけです。
 「~のような形で」「~という形なんですね」「そういう形ですから」と、10~15秒に1回「形」と言うのですよ。当然、説法の内容なんて脳が全く受け付けやしません。それは、「説法」というより「仕事」でした。大勢の人を前にしているのですから多少緊張して、とにかく用意したセリフを全部しゃべる、そういう「形」です。口癖になるようではおしまいですよ。
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「映像化したときは僕を主役で」って?

2010-11-17 21:01:44 | 気になる言葉、具体例
                               大丈夫じゃないから
 以前、「疲労がとれずに翌朝すっきり目覚めない」と医師が言ったのを「疲労がとれず」と書いてあって、珍しくテロップが正解だったことがあるのですが、これがなんと「とくダネ!」ですよ、本当にびっくりしました。なにしろ、変な「~ずに」を広めたのは「めざましテレビ」と「とくダネ!」ですからね。まだ感染していない新入り作業者だったのかなぁ( ̄・ ̄)?
 あるとき、料理番組を見ていたら、講師がはっきり「焼け目がつけばOK」と言ったのですよ。ん? と思ったら、テロップもそのまま「焼け目がつけばOK」と書いてありました。普通は「焼き色」「焼き目」でしょ。言う人も言う人なら、それをそのまま書くテロップもテロップです。こんがり焼けた目を想像してしまった。<( °o °)>キャーッ
 出版社の賞を取った小説を書いた人に、その知人の俳優が「映像化したときは僕を主役でお願いします」と言っていました。変だなと感じますか? 「もし映像化するなら、そのときは僕を主役に選んでください、お願いします」ということなのですが、「映像化したときは」って変でしょ。「僕を主役で」も変でしょ。テロップはそれをそのまま書いてありました。
 人気アニメが実写の映画になったという話題のときは、主演俳優が「ものすごい責任も感じましたし」と言ったのを、テロップは「ものすごい責任感も感じましたし」と書いてありました。これにはあきれましたよ、「ズームイン!!SUPER」です。「責任」なのに「責任感」と言ってしまう人が増えたというのは以前書きましたが、この作業者はしっかり脳に刷り込まれているようです。
 話し手が「日本だから、大丈夫じゃない?」と言ったとき、その意味は「日本だから多分大丈夫だと思うよ」なのですが、テロップは「日本だから大丈夫じゃない」でした。意味が逆になっています。ナレーションが「カメラなしで、見学だけならOK」だったとき、テロップは「生野アナ OK」でした。完全にテロップの使命を見失っています。「めざましテレビ」のテロップは全くいいところなし!
 テロップは3パターンに分かれます。1.話し手の変な日本語を修正して書いてあるもの、2.話し手の変な日本語をそのまま書いてあるもの、3.話し手の普通の日本語を変な日本語にして書いてあるもの。1はめったにありませんから、見付ければ感動さえします。2は、これが現実・・・。3は論外、ですが、非常に多いのですよ。いいかげんな仕事で給料をもらっているなんて納得できないぞっ!<(`^´)>
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「歌と踊りをする」って?

2010-11-14 08:47:03 | 気になる言葉、具体例
                                踊ってるんですか
 「ゆっくりお話したことがないので」を、声を出してはっきり読んでみてください。「お話」までを「おはなし」と読みましたか、それとも、「お話し」までを「おはなし」と読んで「おはなした・・・?」、その後、読み直しましたか?
 「ゆっくりお話したことがないので」というテロップを見て、やっぱり「お話する(おはなし・する)」だと思っているんだなぁ、プロなのに分かってないなぁ~と思っていたら、すぐ後に別の番組のテロップで「お話ししない」というのを見て、なんだ、ちゃんと書ける人もいるじゃないか、と思いました。でもね、その直後、つまり、同じ作業者なのですが、「お話できない」というのが出てきました。ありゃりゃぁ~~~、そういうことか。前のは偶然で、分かっていて書いたのではない、「話し」と「話」を区別していない、違いを全く意識していないということなのですね、改めて確認しました。
 音はどちらも「おはなしする」ですが、文字にすると、「お話しする」ならちゃんとした謙譲表現「ご(お)~する」で、「話し」は動詞、「お話する」は「お話・を・する」の「を」が抜けただけ、「お話」は名詞です。このとき、話す相手は幼児ですよ!<(`^´)>バブゥ 書くことが仕事なら、そのくらい区別しましょうよ。
 「話して(はなして)」と「話して(はなしして)」の違いが分からない人でも、「話す(はなす、動詞)」と「話(はなし、名詞)」ぐらいは区別できますよね。では、「子どもたちは父親の前で歌と踊りをすることになった」というナレーション、どこがどうおかしいと思いますか。「歌い、踊る」が「歌と踊りをする」になっていますが、こんな言い方、します? (ーー;)フゥー
 「子どもたちは、父親の前で、歌い、踊ることになった」と言うのが普通ですが、「歌と踊り」から離れられなかったのでしょうね、それならそれで「歌と踊りを披露する」とでも言えばいいのに、できないんですねぇ。例えば、「話す(はなす)」「結婚する」「帰省する」を「話する(はなしする)」「結婚をする」「帰省をする」と言う人が増えていますから、「~をする」しか浮かばないのでしょう。
 「イースター島で居酒屋をしているのは」というのも聞いたことがありますが、「居酒屋をする」ではなく「居酒屋をやる」ですよぉ~~~。( ̄д ̄) あ、ちょっと意外でしたか? 「やる」には「(仕事・職業を)行う」という意味があり、魚屋をやる、花屋をやる、これは、鮮魚店を営む、生花店を営む、ということで、「イースター島で居酒屋をやっているのは」が正解です。(⌒ー⌒)ニシシ
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「想像力をたくましくして」って?

2010-11-10 20:16:39 | 気になる言葉、具体例
                                 imagine・・・
 インターネットは人類にとって素晴らしい道具なのか恐ろしい道具なのか分からなくなるような事件がちょいちょい起きます。まぁ、包丁だって、料理に使うか犯罪に使うか、それは使う人の動機次第ですからしょうがありませんけど。<(`_´)>
 ある事件の裁判に関する報道で「社会的影響力の大きかった事件」というのが聞こえたのですが、何か引っ掛かりますか、それとも、スルー? 正しくは「社会的影響の大きかった事件」ですね。影響が大きかったというのは、ネットで共犯者を募るといった新しいタイプの犯罪が広がるきっかけになるような事件だったからです。
 『ちゃんとしゃべれ!』-スーパースプレッダーに気をつけて- にも「非常に影響力を与えている」という例を挙げてありますが、本人は「非常に影響を及ぼしている」という意味で言っているつもりなのです。相当なだら(←金沢弁)だと思うのですが、小倉智昭も言いましたよ、「タイガー・ウッズにも影響力を与えたと思うんですが」って。
 だいぶ前、石川選手がゴルフの大会でタイガー・ウッズと同じグループだったことについて話していたのですが、石川選手の影響でタイガー・ウッズが不調だったらしいです。「影響」を「影響力」と言ってしまう単純なミスですが、「○○力」だから「与える」というおまけ付きです。もちろん、「影響力を及ぼす」もときどき出てきますよ。
 いつだったか、「Nキャス」を見ていたとき、「国政に影響力を与える勢力になる」とだれかが言ったのですが、その後、今度はナレーターが「大きな影響力を及ぼす可能性がある」と言い、その後、コメンテーターの女性が「その中で影響、を、与えることが」と、ぎりぎりセーフ! 何ともだら~な展開に脱力しました。テレビの影響って本当に大きくて恐ろしいものです。┐(´д`)гテレビ感染だね、こりゃ。
 新しい「○○力」という言葉がやたらと出てきますが、サプリメントのCMで「実感力」などというだらな言葉まで登場し、もぉうんざり( ̄д ̄)! 体が効果を実感するのに力もくそもない・・・コホン・・・「力」って、そんなのあり? いや、ない!
 NHK教養の番組の中でも、ナレーターが「皆さん想像力をたくましくしていろいろ答えてくれましたが」とか言って、ん? と思ってすぐに辞書を引きました。「たくましゅう・する。他動詞。思う存分にする。想像をたくましゅうする」と書いてありました。あれこれ勝手に想像していろいろなことを言うのは「想像をたくましゅうする」であって、「想像力をたくましくする」ではありませんよ。( ̄ー ̄)
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「ホタテが入荷できず」って?

2010-11-07 09:23:11 | 気になる言葉、具体例
                                    出られず
 日テレの報道番組で、ディレクターやナレーターが「ホタテが入荷できず」と言いました。ナレーションの原稿は「ホタテが入荷できず」と言ったディレクターが書いたのでしょうかね、多分そういうことだと思うのですが、ナレーターは書いてあるとおりに読むしかないのかなぁ。
 この夏の猛暑、海水温の上昇によって陸奥湾の養殖ホタテが8割方死んで、出荷したくてもできない、肝心のホタテそのものがないという大変な事態なのだそうです。ええ~っ、ホタテが食べられなくなるのか? それで生活している業者はどうなるんだ? 大変だぞっ! と思いながら、やはり気になったのは「入荷できず」です。
 「入荷できず」は変でしょ?! 「○○が入荷する」は「○○が入ってくる」ということですから、「入ってこない」と言うしかありません。それは「入荷せず」であって「入荷できず」ではないのです。報道らしく「~ず!」と言いたかったのでしょうけれど、「入荷せず」は語彙になかったのでしょうか、本当に大卒?( ̄д ̄)
 「入荷できない」と言えるのは、生産者は出荷したけれど、販売者側のトラブル、例えば、災害で倉庫が倒壊してしまった、店を開けられなくて品物を受け入れることができなくなった、そういった何らかの理由があって「荷物を入れる」という作業が「できない」というとき・・・かな。生産者、出荷する側の人が「出荷できない」と言うことはできますね。そして、生産者が出荷できなかったら、入荷を待っていた販売者は「入荷しない」と言います。
 「できる/できない」は、いつも成立する言い方というわけではないのです。「補助金なしで大会を成功できるのか」というナレーションをやはり報道番組で聞いたことがあるのですが、たまに聞くんですよ、これ。「成功」は、物事がうまく進んでいい結果が出ること、「大会が成功する」「大会を成功させる」「大会を成功させることができる」とは言いますが、「大会を成功できる」とは言いませんからね。(ーー;)
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「台風にも負けずと」って?

2010-11-03 20:25:32 | 気になる言葉、具体例
                            ハムやん国のスパイかいっ
 これまで何度か変な「~ずに」について書きましたが、こんな面白い例もあるのですよ、「先日の台風にも負けずと3万本が紅葉し」なんてね、30代かな、やや若い、アナウンサーらしき人が言っていました。┐( ̄д ̄)гアァア~ 「明らかになる」なのに「「明らかとなる」と言う人が大勢いるように、大げさに聞こえる「と」はいろいろなところで大活躍(?)しています。
 「負けじ」は、負けまい、負けてはいられない、つまり、負けないぞという意志を表しています。「負けじ魂」という言葉もありますね。「ライバルに負けじと全力を尽くす」といった言い方で、これでいくと「台風にも負けじと」になるのですが、なぜ「台風にも負けずと」なのか?
 もちろん、「負けじ」になじみのない世代が、何となくこんな言い方があったような気がするなぁ~というわけで言ってみた、けど、ちょっと違った、ということかとも思いますが、あるいは、変な「~ずに」の「に」が「と」になっただけ、ということなのではないか、いや、むしろこっちでしょぉ~(ーー;)?
 「先日の台風にも負けずに3万本が紅葉し」は正しい表現ですが、変な「~ずに」をフジテレビが広めた結果、「~ずに△△する」という表現を正しく理解して正しく言うことができない人ばかりになり、「負けずに」という形そのものが「ずに」であることの意味を失い、「に」でなければ成立しないのに、大げさに言うために「と」に替える、こういう流れだと思います。
 さらに複雑な例として「ノウハウを持たずにして積んでしまう」なんていうのがあります。これを聞いたとき、誤りを放置するとさらにひどい誤りを生むのだなぁと悲しくなりました。正しくは「ノウハウを持たずして積んでしまう」であり、「に」が余計です。何でもかんでも一様に「ずに」と言ってしまう人たち、なぜ気づかないの?
 ところで、このごろその姿を見ない日がない池上さん、こう毎日そのしゃべりを聞かされるとやっぱり気になります。「同じ本が並べてるでしょ」「どうやって儲かるんでしょうか」「日本には世界中から大勢のスパイのかたがいらっしゃってる」「左遷させられることもある(正しくは左遷されることもある)」「外に出てはいけないということにさせられてしまう(されてしまう)」などなど。
 どれもよくある誤りですが、いかに誤りが世の中に充満しているかということを示していると思うのです。つまり、いつの間にか脳に忍び込んでさらっと口から出てしまうわけです。「させられる」はもともとそう言っていた可能性もありますが、それ以外は、池上さんぐらいの年齢なら、後でVTRを見れば変だと気づくでしょう。でも、「台風にも負けずと」「ノウハウを持たずにして」の人は気づきませんよ、そもそも誤りだということを知らないのですから。
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