◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

輸送量を増やす努力?

2011-06-29 21:13:13 | 言葉についてあれこれ
                            ハイデンシティ・ハムやん

 ZIPに出演している若い女性、やたら大勢いるのではっきりだれとは分かりませんが、木曜日のHATE?NAVIでLCC(ローコストキャリア、格安航空会社)についてリポートしていた人が「輸送量を増やす努力をしてるんです」と言いました。機内でのリポートも自身でやって、しゃべる内容も自分で書いたのではないかと思いますが、「輸送量を増やす努力」とは何を指して言ったのか。
 Wikipediaによれば、LCCは、運航機種を一つに絞る、空港使用にかかるコストを抑える、雑務全般を乗務員がやる、訓練費用や待遇といった人件費を抑える、機内サービスを簡略化する、航空券販売コストを抑えるなど、さまざまなところでコストを削減する一方で、機内食や飲み物を有料にする、免税品等の機内販売に力を入れる、機内広告で収入を得るなど、収益を増やす工夫もいろいろしています。
 「輸送量を増やす」というのは、「機内サービスの簡略化」の中の一つなのですが、ハイデンシティ(高密度)配置といって、座席の数を増やしてフライト1回当たりの運賃収入を少しでも増やそうとしているわけです。「ハイデンシティ」なんてかっこいい響きですが、なんてことはない、通常より間隔が狭いということです。
 それは、客に「運賃が安いんだから狭くても我慢しろ、それぐらい当然だろう」と言っているのと同じ、なのに、これを「輸送量を増やす努力をしてるんです」と言ったのですから、それは違うでしょ? この点については、客が、狭くても、安く旅をするために努力(我慢)するわけですよ。まぁ、若いんだからしょうがな・・・くない、放送だし、それで報酬を得ているんだし、しょうがないなんてことはないぞっo( ̄д ̄)o
 それから、「女手一つで3人の子どもを育てました」というのはNHKの番組で聞いたナレーションですが、「夫は船員として働いていて、夫が稼いでくれたので食べることができた」と妻は言っていました。夫は船員だから留守がち、これを「女手一つで」と言うなんて、夫を亡くしたり離別したりした妻が聞いたら怒ります。
 これはどこの局だか忘れましたが、給食があるにもかかわらず、子どもに弁当を持たせる母親が増えているという話題で、「○○さんが神経質になるのには訳がある」なんて言うからどんな訳かと思ったら「放射性物質への心配だ」と、当たり前のことを言いました。心配ならだれだってしています。
 「訳がある」と言う以上、例えば、体力がない、免疫機能に問題がある、重い持病があるなど、神経質になる特別な理由があるはず、そう思って聞いていたのですが、何も出てこなかったのです。だったら「訳がある」なんて言うのはおかしいでしょ? ( ̄д ̄)! 日本語に関する能力に問題があるディレクター、出てこい!
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「明らかとなる」→「明るみになる」

2011-06-26 09:51:51 | 気になる言葉、具体例
                                     おいで

 すっかり定着してしまった「明らかとなる」ですが、そんなふうに言うのは放送業界だけでしょ? まさか、一般の人まで「明らかとなる」なんて言いませんよね。本来「明らかになる」と言うものですし、「静かとなる」「さわやかとなる」とはだれも言いませんからね。ギョーカイジン(←宇宙人のたぐい)が、「明らか」だけ、大げさに「明らかとなる!」と言いたかった、それだけなのですよ。
 形容動詞の中から「明らか」に形の似たものを挙げてみると、浅はか、うららか、おおらか、穏やか、軽やか、きらびやか、細やか、ささやか、さわやか、静か、つまびらか、伸びやか、冷ややか、ほがらか、まろやか、安らか、やわらか、などがありますが、どれも「~となる」なんて言わないですよね、「~に」ですよね。
 ですが、一つだけ、ん~? と思ったのが・・・「つまびらか」です。なるほどねぇ、「報ステ」や「パンキシャ!」のスーパースプレッダーが好みそうな言葉です。ということは、そのうちこれも「明らかとなる」のようになるかも。そのころには、一般の人までが「明らかとなる」と言うようになるでしょうか。
 なぜそんなことを心配するかというと、若い女子アナが、特に強調するとかいうことでもなく、にこやかに、ごくごく普通に「明らかとなりました」なんて言うし、NHKの教養番組のナレーションでさえ、落ち着いた口調で「明らかとなった」などと言うのですから、まるで「明らかになる」を知らないようではありませんか(-_-;)。つまり、ここまで来ているということですよ。
 それから、最近になって気がついたのですが、「明らかとなる」に連動したと思われる表現があります。「明らかとなりました」では大げさだな、ちょっと硬いな、と感じる人はこれですよ、これ、「明るみになりました」・・・( ̄д ̄)! 「と」より「に」のほうがソフトだしぃ・・・って、「明らかになる」があるじゃないのっo( ̄0 ̄)o!
 これもちょいちょい聞きます。先日はNHK Eテレの「さかのぼり日本史」で石澤アナが「明るみになりました」なんて言いましたからね、しかも、VTR中のナレーション部分で。「明るみに出る」ぐらい知ってるでしょ、ベテランなんだから。まさか初見でいきなり収録しているわけじゃあるまいに、原稿を見たときに変だと気づかなかったの? あ~~~もうだめだ~~~<( ̄д ̄)>
 急に暑くなって、20年間しっかり動いてくれた冷蔵庫がついにダウン、冷凍室のアイスクリームは全て溶けてしまい、ハムやんのハウスの冷房用保冷剤が固まりません。それで、昨日、冷蔵庫を買いに家電販売店に走りました。次に、冷凍保存している肉類を母の家に走っていって預け、保冷剤をもらって帰り、庫内に置き、ちょっとでも冷たく保とうと、もう必死です (~_~;λあ~しんど。
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「私にできることは歌うだけ」って?

2011-06-22 21:10:41 | 言葉についてあれこれ
                              nowhere man・・・?

 ある番組で「私にできることは歌うだけ、という気持ちが伝わりました」というのが聞こえたので、画面を見てどういうことか確かめました。どうやら一般の人が送ってきたメールか何かを読み上げたようですが、ちょっと変でしょ・・・(ーー;)・・・「私にできるのは歌うことだけ」ですよ~。
 去年の春、私は、風邪+αの原因により、1か月間、全く声が出なくなってしまい、その後徐々に回復したのですが、1年以上たった今も、会話はできるものの、元どおりにはなっていません。CDを聞きながら好きな歌を思わず口ずさむ・・・けれど声が出ない、無理に歌えばりりィ(←ふるっ! 知らないでしょ?!)みたいになります。ま、いいですけどね、(~_~;)ほほほ。
 ビートルズを聴きながら自分で書いた文章の見直しをしようと思ったのですが、だめですねぇ。曲が聞こえていればほとんどの曲を一緒に歌えますから、どうしても脳みそが歌詞に引っ張られてしまいます。♪ nowhere ma~n plea~se listen~♪~しかたない、歌えないCDに替えるか。
 ある講演で「魂の行方だけが重大な関心だった」というのを聞きました。テーマは死生観だったのですが、演者も魂の行方は知らないようでした。知らないで死生観についてとうとうと語るってどうなの? という疑問がわきましたが、それは置いておいて、「魂の行方」は「関心」ではなく「関心のあること」、つまり「関心事」ですね。
 はい、では次の例です。「測定値が3回連続で下回った場合、解除する基準を示しました」は「めざましテレビ」のナレーションですが、抜けていますよね、・・・何って・・・「という」が。測定値が3回連続で下回ったら解除する、それが基準であるということを示したのですから、「測定値が3回連続で下回った場合は解除する、という基準を示しました」です。
 こういうのをちゃんと表現できない若い人が増えているように感じるのですが、どうですか。ちなみに、テロップは「という」を省くことが多いように思いますが、何か関係あるでしょうか ( ̄・ ̄)? 「解除する基準」という表現を残すなら、「3回連続で下回ること」が「解除する基準」ですから、「測定値が3回連続で下回ること、という、解除する基準を示しました」となります。
 ついさっき、「きめの細かい測定方法が適用されていなかった」と言っているのに「きめの細かい測定方法がされていなかった」と書いてあるテロップを見ました。作業者は、直感的に抜いていいと思った言葉を勝手に省くようですが、「方法がされる」なんて日本語になっていませんから。貧しい日本語力しか持ち合わせていないのに、ほいほい何でも省かないでく~ださ~いっ( ̄д ̄)。
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「影と 影の先を結ぶ」って?

2011-06-19 09:43:42 | 言葉についてあれこれ
                            いつもこうではありませぬ

 NHK Eテレで放送している子ども向けの番組で「影と 影の先を結ぶと東西になる」というナレーションがありました。森や野原など、屋外で、方位を示すものが何もないとき、方位を知るにはどうしたらいいかということなのですが、日時計の要領ですよ、想像してみてください。
 まず、地面に1メートルほどの高さの棒を立て、棒の影の先端に目印を置きます。しばらく待って、影の先端が20~30センチ移動したら、またそこに目印を置きます。そして、その二つの目印を結ぶ線を描いてください。それが東西を示す線になるということなのですが、想像したことと同じでしたか?
 私は、実をいうと、へえぇ~と感心しながらちょっと混乱しました。「影と、影の先を結ぶ」と聞こえたからです。画面を見ていましたから、「最初の影」と「移動後の影」、それぞれの先端に置いた目印どうしを結ぶのだということは分かっていました。それでも、え? どこを結ぶって? 「影」と「影の先」? 違うよね、「影」の「先」と「先」を結ぶんだよねぇ、と思いました。
 なんたってNHK Eテレですからね、おまけに子ども向けの教育番組ですからね、ちゃんと「影と影の、先を結ぶ」と聞こえるように言ってください。あるいは、「影の先と先とを結ぶと東西になる」と言ってもいいですが、正確に伝わるように話せるナレーターって、なかなかいないものですねぇ(ーー;)。
 「今でも紛争が再び起こらないように、○○軍は駐留を続けているのです」は報道番組で聞いたのですが、「今でも、紛争が再び起こらないように、○○軍は駐留を続けているのです」あるいは「紛争が再び起こらないように、今でも○○軍は駐留を続けているのです」と言ってください。だって、聞く側の理解力だってあやしいのですから。
 そういえば、別の子ども向け番組でも「いつも○○するときに大切にしていることは何ですか?」というのがいつも出てくるのですが(あ、これもNHK Eテレですけど、毎週見てますよ、けっこう面白いので(^^ゞ)、「○○するときにいつも大切にしていることは何ですか?」ですよね。
 講演やセミナーで話すことの多い人が「こういう事件に直面して私が考えることは、いつも日本人ならどうか」と言うのを聞いたこともありますが、どういう意味かというと、そのとき、チリの○○たちはこうだったけれど、これが日本人だったらどうだろうか、ということですから、「こういう事件に直面するといつも私が考えることは、日本人ならどうかということです」と言ってほしいものです。
 まだありますよ(~_~;)、「中から開けてもらっていつも入る」って、そりゃね、日本人なら分かりますよ、けどね、「いつも中から開けてもらって入る」でしょ、いつも何も考えないでいいかげんにしゃべっていると、ちゃんとしゃべらないといけないときにちゃんとしゃべれなくなりますよ~~~<( ̄д ̄)>。
 ところで、うちもやっと地デジ対応のために32型ブルーレイ・HDD内蔵液晶テレビにしたのですが、「ひつじのショーン」を見て感激しました。なにしろ画面の大きさが以前の4倍近いのですから当然といえば当然ですが、ショーンやビッツァーの微妙な質感に感動、洗剤の泡が小さな粒々だということに気づいて感動。それに、番組を録画しながら別の録画済の番組を再生できるなんて、もうとにかく感動的です(⌒・⌒)。
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「外食にはマイ箸で」って?

2011-06-15 20:52:49 | 言葉についてあれこれ
                              直後に噛まれる予定?

 北陸放送のエコキャンペーンで「外食にはマイ箸で」という文字が画面に出るのですが、ちょっと変じゃないですか? これに続く言葉を想像してみてください。「外食にはマイ箸で・・・・・」、果たしてどういう言葉を続けるのが適切でしょうか。
 答えは一つ、「外食にはマイ箸で臨もう」と言うしかありませんが、「外食」に「臨む」ですよ、随分と硬い、変な言い方ですね。「僕は、外食はよくするんですが、マイ箸で臨むようにしてるんですよ」なんて言う? 普通に考えると「外食はマイ箸で食べよう」あるいは「外食にはマイ箸を持って行こう」ですが、それだと「外食はマイ箸で」あるいは「外食にはマイ箸を」「外食にはマイ箸!」となります。
 「外食にはマイ箸で」を発案した人は、この後に続く言葉をちゃんと想定しているのでしょうか。「僕は、外食にはマイ箸で臨むようにしてるんですよ」と言うのでしょうか。キャンペーンというからには何人もの人がこの言葉について検討したと思われますが、仮に「臨もう」を想定していたとして、そのとおり「外食にはマイ箸で臨もう」と即座に言える人がどれほどいたんですかねぇ。
 逆に、キャンペーンだから大仰に「皆さん、外食にはマイ箸で臨みましょう!!!」というのもいいかもしれませんが、それならそれで「外食にはマイ箸で臨みましょう!」と書いてください。中途半端に「外食にはマイ箸で」と画面に出ても、何か変だなぁと感じるだけ。省略するなら「外食はマイ箸で」のほうがよっぽどいいですよ。
 さて、「のぞむ」ついでにもう一つ、「日本海にのぞむ歴史の町」と聞いて「臨む」と「望む」のどちらを想像しますか? 画面を見ていた私は「日本海を望む歴史の町」なのではないかと思いました。日本海は見えるのですが、すぐそこにあるわけではない、それで「臨む」はちょっと変。日本海に面して建っているホテルなら「日本海に臨む客室」があるでしょうけれどね。それに、限定的に漁師町あるいは漁村というほどの範囲を指して「日本海に臨む」と言うならまだしも、けっこう大きな町全体を指して「歴史の町」と言っていましたから。
 「台風は、この後、九州方面に向かう予定です」と言ったのは「情報7daysニュースキャスター」の天気予報のお姉さん(?)ですが、何だかみょ~~~ですね。それって「予定」ですか? なぁ~んかおかしいと感じる表現をする人が大勢いる放送業界、大丈夫か? いや、ぜんっぜん大丈夫じゃない( ̄д ̄)!
 ところで、「サラリーマンNEO」のミカンのっけてるネコちゃんたち、最高!!! シーズン6も快調です。
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「クレーマー」の意味。

2011-06-12 09:28:15 | 気になる言葉、具体例
                                    う・・・

 7~8年前でしょうか、ある大手企業の社員が講師となって開かれたセミナーのディクテーションをしたのですが、テーマは「クレーム対応」です。講師はその企業のクレーム処理を担当する部署の責任者でした。話を聞いて、大変な仕事だなぁ、「クレーマー」なんて言葉があるのか、いろいろな人がいるなぁ・・・と思いました。そのころはまだ「モンスターペアレント」という言葉も聞かれませんでしたからね。
 A社の製品を買って何か異常なことがあったらクレームを言うのは当然のこと。そのクレームがよりよい製品を育てるわけですし、その対応はA社の品格を示します。でも、プラスに働かないクレーム、訳の分からないクレームを、ときには暴力まで用いてぶつけるクレーマーというものが存在することに驚きました。
 A社にとっては言われる筋合いのないような文句を執拗に言って、それはほとんど言っている本人のただの鬱憤晴らしじゃないか、といった場合や、肉体的・精神的苦痛を受けたから賠償しろということで、暴力で脅して法外な金品を要求する、といった場合など、常識の範囲をはるかに超えていたのです。
 ですから、当然、「クレームを常識の範囲内で言うお客様」と「クレーマー」とは区別していました。前者はあくまでも「お客様」であり、誠実に、手順どおりに対応すればそれで済むわけですが、クレーマーが登場すればそう簡単に事は済まないので、対処するのはその道のプロです。
 ところが、このごろ「クレーマー」の意味が変わったような気がします。クレームを受ける側が「クレームを常識の範囲内で言うお客様」まで「クレーマー」と呼んでいるような・・・、そう感じることがちょいちょいあるのです。誠実に対応するという態度が最初から見られず、プロでも何でもない、ただの「たまたまクレームを受けた人」が「お客様」を「クレーマー」と呼ぶことで鬱憤晴らしをしている、そういう印象です。
 お客様に迷惑をかけたにもかかわらず、ろくに反省もしない。言うべきことを言っているだけの客は火に油を注がれるわけです。油を注いだのは自分なのに、それを棚に上げて客をクレーマー扱いする、その人は、客を「クレーマー」と呼んだ瞬間、客を悪者にして自らの問題点を見失ってしまいます。
 そして、そういう風潮を助長しているのがやはりメディアなのですよ、本当に困ったことです。クレーマーなんて言葉は、それを業務として日々格闘している人たち、企業の一部の人たちだけが使う言葉であるべきだと思います。え? モンスターペアレントはどうなんだって? う~ん、これはしょうがないかなぁ~~~(ーー;)。
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「金銭面な負担」って?

2011-06-08 20:33:40 | 気になる言葉、具体例
                                 小型のハムやん

 勤め先で、昼休みに「不正侵入については今後、金銭面な負担が発生するとの見通しを示した上で」という文章を読み、変だと思ってメモしました。YAHOO!ニュースのロイター配信の記事なのですが、書いた記者は書いた後に読み返さなかったのでしょうか? それとも、読み返したけれど気づかなかったのかなぁ?
 帰宅してから、そのメモを見ながらだーっと入力し、その入力した文字を読み返したとき、「不正侵入については今後、金銭的な負担が発生するとの見通しを示した上で」となっていて、これのどこがおかしいのかなぁ、なぜこれをわざわざメモしたんだ? と思ってしまいました。
 メモをもう一度よ~く見てみたら「金銭面な負担が」と書いてあり、「金銭的な」ではなく「金銭面な」だ、そこがおかしいからメモしたんだった! と思い出しました。つまり、それくらい、「金銭的な」と書くのが普通なのに、なぜこの記者は「金銭面な」と書いたのか(ーー;)? もちろん、「金銭面の」と書いたつもり、という可能性もあります。「金銭面の負担」なら別におかしいことはありません。でもね、ただの入力ミスで片付けられない昨今の状況がありますから。
 「同じみなメンバー」というのを見たことがあるのですが、どういうことか想像してみてください。私もいろいろ想像しましたよ。文章全体を読み、「おなじみのメンバー」という意味だということは分かりました。「おなじみの」と入力して変換すれば「お馴染みの」となったはずですが、「おなじみな」と入力したのでしょうね、そうすると、「同じ皆」もしくは「同じみな」となりますから。
 「お馴染みのメンバー」と「同じ皆メンバー」「同じみなメンバー」、う~ん、これまたびみょ~~~(~_~;)。「な」と「の」に混乱が生じていますから、「旬な魚」なんていうのも見ます。「旬」は名詞なので「旬の魚」ですが、「~な」と「~の」は違うのだという意識すら、もはやないのでしょう。
 「秋の味覚が満載な一皿」「未使用なものでお願いします」「有数な真珠の産地」「別途な」「ハンドメードなもの」「初めてな食感です」「一流なホテル」「妊娠中の身重な体だが」「大変人気な商品でした」「~というのが基本な見方ですね」「小型なタコ」など、( ̄д ̄)ダラケッ な例がたくさんあります。こういう( ̄д ̄)ダラケッ なことを平気で書く人たち、こういう「な」が( ̄д ̄)ダラケッ だということに気づいてくれぇ。
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「かんしつせい」の漢字は?

2011-06-05 09:17:27 | 言葉についてあれこれ
                                 馴らすのは無理

 「かんしつせい」、10年ぐらい前、病院のカンファレンスをディクテーション作業していたときに出てきた言葉ですが、どんな漢字で書くかご存じですか。全く知らない言葉だったので、ネットで調べ、「間質性」と書いてチェックの人に渡しました。知らない言葉は調べる、これ、当然ですよね、え、違う? 調べない?
 ほかの人が「乾湿性」と書いてきたのを偶然見たので、チェックのベテランに「間質性」だと言ったら、「そんな字だったの?」と言うじゃありませんか(゜゜)へ? 「間質性肺炎」など、ちょいちょい出てくる言葉のようだし、今までどうしてたんだ? なんと、ずっと、最初に「乾湿性」と入力作業者が書いてきたものをそのまんま確認もせず、そもそも疑問に思わなかったのだから確認なんかするはずないですが、そのまま納品していたというのです。違うかも・・・と思わないことが恐ろしい(ーー;)。
 「かんしつせい」と入力して変換したら「乾湿性」になった、それでいいの? 「たきがわさん」を変換したらたまたま「滝川さん」になった、それでいいの? もしかして「多岐川さん」かもしれないとは思わないの? 「サスカチェワン(カナダの州の名前)」なのに、「サスカチェ湾」と書いて平気って、どういうセンス?
 なぜこうなるかというと、コストカットですよ、作業にかかる時間をできる限り短くしたい、多分合っているだろう、たとえ誤りであったとしてもそれは気にしない、気にしてはいられない。正しいという確信がなくても確認する時間はない、そういう手間はかけられない、放送業界だってそうでしょう?! 指摘されたらアナウンサーが謝ればいい、指摘されなければOK、と思っていますよね。
 発注者は、録音やメモについてどういうものが望ましいかなんて考えやしませんから、渡されるメモだって何の役にも立ちません。そこに何人いるかも分からないのに話し手をちゃんと区別しろなんて、よく言えるよねぇ~(-_-)。知人の声は聞き分けられても、知らない人の声はそう簡単に聞き分けられないのですよ。せめていい録音状態のもので作業できたらと切実に願うのですが、これもだめです。
 ディクテーションをやるにはどれほどの集中力と理解力と想像力が必要か。さらに、知識、検索力、日本語力、忍耐力( ← これが最も重要)。誠実に仕事をするのは当たり前なのですが、条件は厳しくなる一方ですから、誠実であればあるほどつらくなります。そういうわけで、私はもう何年も前に転職しましたが、何も気にせずてきと~~~にやっている人だって大勢いますよ。どの世界も同じですね。
 またディクテーションのことを長々と書いてしまいましたが、言いたかったことはほぼ言いましたからね、漢字の話に戻ります。勤め先で報告書等の誤字・脱字チェックをすることがあるのですが、多いのは「伺える」「恐れ」です。「・・・であることがうかがえる」は「話を伺う」「お宅に伺う」の「伺う」とは違いますから、平仮名で「うかがえる」です。「・・・するおそれがある」は「恐れを感じる」の「恐れ」とは違いますから、平仮名で「おそれ」と書いてください。
 先月、「もう時期『母の日』だし」というテロップを見たのですが、びみょ~、時期が時期だけに、確かに時期だよねぇ~~~(ーー;)って、「もうじき」だからね、当たり前だけど。また、テロップは何でもカタカナにする傾向がありますが、「地下埋設カンロの継手」はあほすぎます。「カンロ」といえば「カンロ飴」でしょっo(`д´)o、「管路」をカタカナにする人って( ̄д ̄)ダラケ!
 「60℃に暖める」なんて2回出てきたから変換ミスではないでしょう。60℃ですから「温める」ですよ。サウナじゃないんだから、60℃に暖めたら暑すぎます。「ですから、馴れるしかないんです」は、これまたびみょ~、なんて言ったらいけないかなぁ・・・、書いた作業者は(~_~;)ダラケェ~ですねぇ。王子の恋人がパパラッチに追いかけられるのはしかたないこと、だから慣れるしかないという意味なのですが、「馴れる」は怖いじょ・・・(ーー;)わざとなのか?
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「ありま・・」ってどっちや?!

2011-06-01 19:32:26 | ディクテーションについて
                               100万円のおつりっ

 ディクテーションを本業としてやっていたとき、受注→入力→チェック→最終チェック→納品という流れの中で、私は入力を主にやっていました。入力をする人とチェックをする人は録音を聞いて作業します。チェックをやっていたとき、「あります」とはっきり言っているのに「ありません」と書いてあるのを見ました。でも、これはたまにあることなのですよ、別に驚きはしません。
 「あります」が「ありません」と聞こえる、「ありません」が「あります」と聞こえる、あるいは「あります」か「ありません」か判別できないこともあります。「あり」まで聞こえて「ま」がかすかに聞こえ、「す」あるいは「せん」は完全に聞こえない。こうなると、話の内容そのものに詳しい人間でないと判断できません。全くもぉ~(-_-;)こんな話し方で一体だれに何を分かってもらおうっていうんですかね。
 さて、驚いたのはもうちょっと後です。話が終わってから質疑応答があり、質問者がたまたまその部分について念を押すように「あるのですね」と尋ね、話し手が「あります」と答えた、にもかかわらず、そこでも「ありません」と書いてあったのです。普通はここでさっきのは「あります」だったのだと気づいて直しますが(ーー;)、直すのが面倒でここも「ありません」にしちゃったのかなぁ ┐( ̄д ̄)г。
 この人(Aさん)はベテランで、Aさんが入力したものは録音を聞かないでさらっと読むだけ、そういう簡単なチェックで納品しているという話でした。そういうわけで、チェックするというより、「勉強になるから録音を聞きながら見て」と言われてこれを見たのですから困りました。勉強? これで? あのぉ~~~、間違いだらけなんですけどぉ~~~。最終チェック担当の人にそう言ったら、「ふぅん、Aさん、調子悪かったのかなぁ?」ですって。あのねぇ、そういうことではないと思いますよ。
 話し手が「これで計算すると××、あ、えっと、○○ですから」と言ったら、××は言い間違えた部分、○○は訂正した正しい部分、例えば、「これで計算すると1530円、あ、えっと、1530万円ですから」だと、1530円ではなく1530万円が正しいわけで、「これで計算すると1530万円ですから」となりますよね。ところが、Aさんときたら、「これで計算すると1530円ですから」と書いてあるのです。
 しかも、この話し手が、間違える、間違える、一体何を慌てているのか、緊張しているのか、数字に限らず、間違えて言い直し、また間違えて言い直し、何度も何度も「××、あ、えっと、○○」が出てきて、Aさんはそれを全て××と書き、○○は無視、ちゃんと聞こえるのに無視、ぜ~んぶ、○○ではなく××のほうを書いてありました。こんな不可解なことって、あり? あったんです!
 実態はこうなのに、ほとんどノーチェックで納品していたというのですから、発注者は自ら録音を聞いて誤りがないか確かめているのかいないのか、気になりました。確かめていない人は確かめたほうがいいですよ。正しい日本語で、明瞭な発音できちんと話す話し手、非常に聞きやすい完ぺきな録音、十分な資料、状況がよく分かる親切なメモ、そして、複数の優秀で誠実な作業者・・・なんてありえないのですから。
 ところで、皆さんお気づきですか? 今度は何だって? あまりにもナレーションが気持ち悪くて見なくなった番組「大改造!! 劇的ビフォー・アフター」を久しぶりに見たら、何かが違う・・・ナレーションがあまり気持ち悪くないのですよ。ひょっとして原稿を書く人が替わったのかな~( ̄・ ̄)?
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