◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

あの事件の記事、いろいろ。

2008-09-24 21:00:48 | 言葉についてあれこれ
                       手伝おうか?
 14日に、石川県白山市で起きた殺傷事件の記事について書きましたが、msn産経ニュースは、10時半ごろには更新され、私が載せた「~を切り付け」という言葉の入った文章は消えていました。早い! ま、それはネットのいいところですね、被害者からの聴き取りや警察の調べが進み、明らかになった事情がすぐに知らされる、ふ~ん、便利ぃ~。でも、Yahoo!とgooにはまだ「切りつけ」の入った文章が掲載されていて、あれこれ見比べてみました。あ、そうそう、「きりつけ」の表記は各紙ばらばらですが、面倒なので、これ以降、「切りつけ」に統一します。msnは、「msn」なのか「MSN」なのか・・・?
 祭り関係者を次々と切りつけた(Yahoo!ニュース)、祭りに集まっていた人たちにカマで次々と切りつけた(読売新聞の記事)、周りの人たちを切りつけた(読売新聞のキャプション)、境内にいた人を次々切りつけ(朝日新聞)、という具合です。そして、テレビのニュースを見ていたら、メインのアナウンサーが「~を次々と切りつけ」で、VTRに合わせて詳細を伝えた別のアナウンサー(?)は「~に次々と切りつけ」というふうにばらばら。朝日とNHKは「を」、TBSは「に」。やはり「~に」は劣勢ですよ、ほんと、困っちゃうなぁ。
 ついでに、特に「に」がおかしいということを書いたので、ちょっと例を挙げます。「このことをみんなが知ってもらえる」「大きな改革に迫られていました」「寒さを耐えるために」「寒さに耐え忍んでいる」「口について出た言葉」「彼女に危険な目にあわせるわけにはいかない」「○○が違法で販売されていました」「○○氏に直撃」「スーツを着替えたり」などなど、もっともっといろいろな例があるのですが、長くなるのでこの辺にしておきます。
 正しくは、「このことをみんなに知ってもらえる」「大きな改革を迫られていました」「寒さに耐えるために」「寒さを耐え忍んでいる」「口をついて出た言葉」「彼女を危険な目にあわせるわけにはいかない」「○○が違法に販売されていました」「○○氏を直撃」「スーツに着替えたり」です。みんなたまたま耳に入ってきた例ですよ、これほどおかしいのです。
 「スーツを着替えたり」については補足説明が要りますね。まず、着替える前の服装と後の服装を想像してみてください。スーツは、着替える前でしょうか、それとも、後でしょうか? 実は、このとき、普段着から「スーツに」着替えたのです。それなのに「スーツを着替えたり」と言った、というわけで、それだとスーツを脱いだことになるのですが・・・いやはや。┐( ̄~ ̄)┌
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mummyとmommy。

2008-09-21 09:56:42 | 言葉についてあれこれ
                       唯一のマミー
 「ミイラ」と「お母ちゃん」、「ハムナプトラ3」の記事で、ミイラもお母ちゃんもmummyでつづりが同じだと書きましたが、その後、アメリカ在住のかたから、お母ちゃんはmommyだと教えてもらいました。ところが、私の持っている英和辞書(昭和46年発行、古い! しかも、2~3度壁に投げつけているので背表紙が外れかけている~)には、mommyそのものが載っておらず、mummyのみなのです。
 え? なんで壁に投げつけたんだって? 投げつけたのはテープ起こしをやっていたころですよ。聞いたこともないようなカタカナ語がやたらと出てきて、カタカナ語辞典には載っていないので、つづりを想像して英和辞書で調べるのですが、発音が「英語」ではなく「カタカナ語」なのでつづりを想像しにくいわけです。例えば、Lで始まるのかRで始まるのか、Pなのか、Bなのか、Dなのか、Tなのか、Eが入っているのかいないのか、全く分かりません。「パリビズマブ(palivizumab)」なんて、何回聞いても何と言っているか分からなくて苦労しましたよ~~~、もちろん、辞書に載ってないし。
 話を戻しますが、まぁ、答えは簡単、mummyはイギリス式のつづりで、アメリカ式ではmommyということのようです。パパ、ママ、というのもありますね、papa、mommaもしくはmama、これもイギリスの言い方だと聞いたことがあります。14日に放送された「デイ・アフター」という映画の中で携帯電話の画面が出ましたが、calling・・・MUM でしたね、ロンドンが舞台の映画ですから。そういえば、中国でもお母さんはママ、日本人の「ママ」は中国から来たのではないかという話も聞いたことがありますよ。アメリカではdadもしくはdaddy、momもしくはmommy。
 そういえば、昔ヒットした映画の挿入歌で、「mama~~~do you remember?~~~♪」というのがありましたね。「デイ・アフター」は・・・あまり面白くありませんでした、なんかイライラしちゃって。こんなの要らないよというシーンも多かったし。それに、開かなくなった車のドアをいつまでもいつまでも蹴って・・・、車の中に工具がいっぱいあるだろ、それでさっさと窓を割れよぉ~~~ってテレビに向かって言っちゃいましたよ。( ̄д ̄)現実はこんなものかなぁ。
 この写真、随分前のものですが、うちの初代ハムやんです。うちで唯一マミーになったハムやんが右側の子、そして、左の姉妹ハムがその子どもです。(^.^)/~~~
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役不足、力不足、力に余る。

2008-09-17 21:03:07 | ちゃんとしゃべれ!変な日本語
                       手にすっぽり
 「役不足」は、実力のある俳優に通行人は役不足、その人の力量より仕事の内容や役割が軽いということである。「君には役不足だけど頼むよ」というのは、君にとっては簡単な仕事だから張り合いがないだろうけれど頼むよという意味になる。仕事の内容に対して力量が不足しているということを表す言葉としては、「荷が重い」や「荷が勝つ」「力に余る」などがあるが、「役不足」に対して「力不足」という言葉がちゃんとあるのだから、これはきちんと使い分けたい。
 以上、電子書籍『ちゃんとしゃべれ!』-スーパースプレッダーに気をつけて- の中の「役不足」に関する記述の抜粋ですが、「役不足」の意味を「力不足」と同じだと誤解している人は大勢います。いや、大勢いるというより、正しく理解している人は3割ほどしかいないという情けない状況のようです。「情けない」とあえて言うのは、このことが、「役」と「力」を混同してしまうほど日本人の日本語センスが低下しているということを示しているからです。
 誤解しているAさんと正しく理解しているBさんが話していて、互いに何かおかしいなぁと途中で気づくでしょうか? もしも気づかなかったら、Aさんは、Bさんに自分の力量を認めてもらえていないと思い込んでがっかりして終わり、ということになるでしょうね。
 「君には役不足だけど」は、「力のある君にこの役は不足だけど」ということであり、「力不足」の場合、「君は、この役をやるには力が不足しているのだけど」となり、言葉の組み立て方が違ってきます。今、日本語の肝心な部分である助詞を正しく使える人が減り、めちゃくちゃな組み立て方をしています。特に「に」は、本当は「に」なのに別の助詞、本当は「に」ではないのに「に」といった状況で、正しく使われているのをあまり見かけません。ですから、「力不足」と同じ意味の「力に余る」なんて理解できないのではないでしょうか。力が足りているのか、それとも、足りないのか、分かりますか?
 力に余る → 何が? → 役が。「余る」には、自分の力以上になるという意味があり、「手に余る」「身に余る光栄」などが思い浮かびますが、「力に」ですから、力に対して役が余る、役のほうが力より大きい、つまり、力が足りないからその役をうまくこなすことができない、ということになります。こういうふうに順序立てて想像できますか?(^.^)/~~~
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今朝のmsn産経ニュースの記事です。

2008-09-14 11:02:11 | 気になる言葉、具体例
                     鎌といえば稲でしょ~
 祭りに乱入7人殺傷、露天商逮捕 石川の神社
 13日午後10時20分ごろ、石川県白山市鶴来(つるぎ)桑島町の桑島神社で開かれていた秋祭りの会場に男が乗用車で乱入し、持っていたかまで次々と切り付けた。県警によると、30代の男性1人が死亡、男性6人が重軽傷を負った。県警は殺人未遂の現行犯で、金沢市法光寺町の露天商、新井敏明容疑者(42)を逮捕した。容疑を殺人に切り替えて調べている。新井容疑者は、白い車で神社に乗り込み、祭りの参加者をはねた後、「殺してやる」などと叫びながら、祭りの参加者をかまで次々と襲ったという。
 そして、写真のキャプションは、「男が周りの人たちを切り付けた現場付近を調べる捜査員ら=14日午前1時30分、石川県白山市」です。
 この事件のことは、昨夜テレビの速報に出ましたからすでに知っていて、今朝、パソコンを開いて記事を読んで確認したのですが、こういう記事って、だれも校閲しないのでしょうか? この記事に限らず、けっこうめちゃくちゃな日本語で書いてありますよね。
 8時半ごろに見たときは「持っていたかまで次々とかまで切り付けた」となっていて、そこまで慌てなくてもいいのに・・・と思ったのですが、20分ぐらい後に再度見たときは「持っていたかまで次々と切り付けた」となっていました。だれかが気づいて知らせ、すぐに修正したのでしょうか。それはいいことですが、もっと大きな間違いがあるのにそこには気づかなかったようです。
 「秋祭りの会場に男が乗用車で乱入し、持っていたかまで次々と切り付けた」って何ですか? 何に、あるいは、だれに切り付けたのですか? しかも、キャプションが、7月12日に「店員を次々と切り付け」について書きましたが、これも同じ、「男が周りの人たちを切り付けた」です。「~を切り付け」が立て続けに出たので定着してしまうだろうなぁと思っていましたが、やはり定着したようです。放送業界も、新聞の業界も、「正しい」より「慣れる」が勝つようですね。
 正しくは「秋祭りの会場に男が乗用車で乱入し、持っていたかまで参加者に次々と切り付けた」です。肝心なところの「参加者」が抜けていて、その後、「祭りの参加者」が続けて2回出てきます。そして、さらに、キャプションに「男が周りの人たちを切り付けた」なんて書いているのですから、いやはや、日本語をもっと勉強してください。夜中に書いたとはいえ、これはいけませんよ。
 あ、そうだ、この記事(私が書いたブログの記事)も、用意していた記事は次に回し、今朝、慌てて書いたわけで、あまりじっくり見ていませんから、何か間違いがあったら教えてくださいね。m(_ _)m
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「困ってる人は、ほっておいてもいいんじゃない?」って?

2008-09-10 20:49:13 | 言葉についてあれこれ
                     困ってる? ハムやん
 何かのPRのためのVTRの中で若い女性が言っているセリフです。最近何回か耳にして、そんなことではいけないということを言いたいらしい、ということは分かったのですが、いかにもセリフ、日本語のセンスのない人が書いたセリフで、実際の会話ではありえません。血の通わないセリフです。考えてみてください、普通はこう言いませんか? 「困ってる人がいても、ほっておいてもいいんじゃない?」。
 7日の記事の最後に「次回に続く」と書きましたが、迷子のことがあったころ、ちょうどこのセリフについて考えていたものですから、関連づけて書こうと思ったわけです。助けが必要な人を目の前にしたとき、もし、助けられるのが自分だけだったら、これはもう否応なしに助けないといけないことになります。でも、大勢人がいたら、自分は用事があってだめだとか、きっとほかの人が助けてくれるとか、助けない理由をいろいろ考えて自分を納得させますね。
 最初に「困ってる人は、ほっておいてもいいんじゃない?」と聞こえたとき、えーっ、今、何て言ったぁ~~~? と思いました。困っている人はほうっておくという言い方は日本語として変です。わがまま言ってる人はほうっておく、というのならいいのですが、困っている人はほうっておけないというのが基本ですから。あ、いや、たとえ自分のことで精一杯で人のことなんかかまっていられないという状況であったとしても、ですよ、気持ちの問題として、ほうっておいてはいけないというのが基本ですから、「困ってる人がいても」というのが自然な言い方というものです。
 それなのに、「困ってる人は、ほっておいてもいいんじゃない?」というセリフを書いた人がいて、それをそのまましゃべっている人がいて、そのまま収録し、編集している人がいて、だれも、何も思わないのでしょうか? そんなことではいけないということを言いたいのだとしても、こんなセリフを言わせていたのでは説得力ゼロです。これを変だと思わない人たちは、「助けない理由」を考えることすらしないのでは? そういう人たちがこの国を動かす中心的な層になったら・・・う~む( ̄_ ̄;)恐ろしい~。
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だれかが連絡するだろう。

2008-09-07 10:59:56 | 言葉についてあれこれ
                        おはぎ?
 20年ほど前の話ですが、休日に繁華街を歩いていて、何だかふらふら歩いている年配の男性とすれ違いました。真っ昼間ですから、酔っているというより、具合が悪いのかな、という感じ。でも、人の流れに押され、そのまますーっとすれ違い、気になって振り返ったときはすでに人混みに紛れて分からなくなっていました。今は、携帯電話が普及し、だれでも、何かあったらすぐその場で連絡できるわけですが、当時は、その男性をどうにかしようと思ったら、まず、どこへどうやって連絡するか、とても困ったと思います。
 先日、ショッピングセンターで迷子を探しているという館内放送が流れ、気にしながら歩いていたのですが、だいぶたって、買い物を終え、駐車場へ行ったところ、その子らしい子どもがいて、「○○ちゃん?」と尋ねたら「違うよ」と言われました。ふ~ん、違うのか~、でも、特徴が同じなんだけどな~と思いつつ車に荷物を置き、そこでふと20年前のことを思い出し、このまま放っておいたらずっと気になるだろうなぁと思い、とりあえず1階のインフォメーションへ行き、確認しました。
 迷子はまだ見付かっておらず、母親はその子を探し続けているということで、駐車場で見た子どものことを話し、あの子に違いないからだれか寄越してほしいと言いました。そして、再び駐車場に行くと、その子が相変わらずうろうろしていましたから、また「○○ちゃんでしょ?」と声をかけました。すると、「違う!」と言って逃げようとしましたから、とっさに捕まえて「お母さんが心配してるよ、逃げないで!」と言ったところ、泣きだしました。やはりその子だったのです。
 それにしても、かなり時間がたっていたのにだれも連絡しなかったのだろうかと疑問がわきましたが、「○○ちゃん?」と尋ねて「違うよ」と言われたら・・・連絡しませんね。私も、迷いましたが、「違うよ」と言われたからだれも連絡しなかった、それでまだこんな所をうろついているんだと考えて確認してみたというわけです。
 どこへ連絡すればいいか分かっている場合は行動しやすいですね。20年前のような場合、どこに連絡したらいいのかな、警察? 消防? 電話はどこに? 今でもたまに思い出して考えるのですが、今ならみんな携帯電話を持っているのだからだれでも連絡できる、だけど、逆に、だれかが連絡するだろうという気持ちにもなりますから、まず、助けようという気持ちがないと行動には移せませんね。
 ・・・次回に続く。(^_^)/~
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そんなこと言ってないぞ。

2008-09-03 19:26:49 | 言葉についてあれこれ
                  安心していただけているようで
 以前、テロップの入力作業について、適切な書き換えができる技術が必要だということをちょっと書きましたが、実際、適切な書き換えにお目にかかれることはほとんどありませんね。これって故意? まぁ、故意とは言わないまでも、話し手の意図をちゃんと伝えようというプロ意識がないと言いましょうか、そんなおかしな書き換えをよく見ます。こうなると、「書き換え」ではなく「書き変え」です。
 例えば、話し手が「安心していただけると思ってはおりますが・・・(-_-;)」と言っている場面で画面に出たテロップが「安心していただけている」です。はて? この話し手の不安な気持ちはどこへ行った?
 「若さを保てるように」と言っているのに「若く見えるように」と書いてある、話し手に失礼でしょ。「いやぁ、でも、もったいないね」と言っているのに「いやでももったいないね」と書いてある、意味が分からない! 「体重計のないダイエットと同じで、意味がない」と言っているのに「意味のないダイエットと同じ」って、何を書いてまんねん!
 「~しておられました」と言っているのに「~しております」と書いてある、主語が別の人になった? 「今までの働きかけは」と言っているのに「今までの働きは」と書いてある、意味が全く違いますよ。「将来・・・だから・・・土木関係とか・・・」と言っているのに「将来だから、土木関係とか」と書いてある、「将来だから」って何? 「・・・なの?」と言っているのに「・・・なの!」と書いてある、疑問が解決しちゃったのか?
 切りがないのでこの辺でやめておきますが、皆さんも、ちょっと注意して見てみてください、こんな例が嫌でも目に入ってきますよ。ほんとにもぉ~、こんないいかげんな仕事してて給料もらえるなんて、この業界、どんだけ甘いの?( ← かなりやっかみが入ってる・・・^^;)
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