◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「山で説法を説くお坊さん」って?

2017-02-26 09:47:28 | 言葉についてあれこれ
                                  だぁね

 「山で説法を説くお坊さん」は「ビートたけしの知らないニュース」で聞いたナレーションですが、見れば重複であることがすぐ分かりますね、法(仏法)を説くのが説法です。ナレーション原稿を書いたときに気づかないのが不思議なくらい、分かりやすい例ですが、放送業界で働く人がこんなことでは困ります( ̄д ̄)!
 「亡くなった遺体を」は「世界ナゼそこに?日本人」で聞いたナレーションですが、ナゼそこに「亡くなった」? とっくに亡くなっているから遺体ですよね。「池上彰のニュース解説 これくらい知っておこう」で「よく耳にすることが多い」と言った池上彰、「よく耳にする」と「耳にすることが多い」が合体、よくある例です。
 「とても紳士的でジェントルなかたですね」と言ったのは政治評論家、「弱点ポイント」と言ったのは「報ステ」でトランプ大統領について解説していた人、「各部署ごとに」は「サラメシ」のナレーション、「古来より」は「精霊の守り人Ⅱ」(脚本 大森寿美男)で聞いたセリフ、言ったのは柄本明。はい、説明不要ですね <( ̄_ ̄)>。
 「毎年年末恒例のテレビ番組『NHK紅白歌合戦』が、2016年大みそかに放送され、平均視聴率は第1部が35.1%、第2部は40.2%だったことが発表された。特に第2部は、2部制に以降した1989年以降としては“歴代最低”の39.2%を記録した前年(15年)を辛うじて1.0%上回り、第1部は前年より0.3%の上昇となった」は「サイゾー」(1月2日)の記事から拾いました。
 「毎年年末恒例のテレビ番組」はくどいですね、年末に紅白歌合戦というのは、見るかどうかは別として日本人なら当たり前で、ずーっと前からやっていることも知っていますから「毎年」は余計です。「2部制に以降した1989年以降としては」は、「移行した」が「以降した」になっていて「以降」が続き、すぐ気づきそうなものですが、書いた後に一度読んでチェックする、というのをやっていないのでしょうか。
 「goo話題のトピックス」で「あの女子アナ『思ったより使えなかった』」という見出しを見付け、「日刊サイゾー」の記事を読んでみたら、「あの女子アナ」はテレビ東京の紺野あさ美アナで、「紺野は元モーニング娘。の元メンバーとして、2011年にテレビ東京へ入社。だが、元アイドルの肩書のわりに、目立った活躍はなかった」と書いてありました。
 モーニング娘。のメンバーから女子アナに転身した人がいるということは聞いた覚えがありますが、こちらで放送されるテレビ東京の番組なんて限られていますから、どんな人かは全く知りません。「元アイドルの肩書のわりに」ですか? 前職が何であれ、アナウンサーとして有能なら活躍できるはずですが、そうでもなかったのでしょうか。ま、それはさておき、「元モーニング娘。の元メンバーとして」って何ですか?
 女子アナとして有能というのがどういうことなのか、それもよく分かりませんが・・・、「Nスタ」で女子アナが「奥さんに一緒に同行してもらってるんですって」と言いましたよ( ̄д ̄)! 「奥さんに一緒に行ってもらってるんですって」か「奥さんに同行してもらってるんですって」か、どちらかにしてください。
 「白熱ライブ ビビット」で林みなほアナ(TBS)が「2児のお子さんをもうけています」と言ったのですが、あっさり「2児をもうけています」と言うことに抵抗があったのでしょうか、それで、敬意を添えて「お子さんを」と言ったようですが、アナウンサーなら「二人のお子さんを」ぐらい言ってよぉ Ψ( ̄д ̄)Ψ。
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「にく」は音読みですけど。

2017-02-19 09:44:42 | 気になる言葉、具体例
                                  たんぱく質はチーズ

 2月12日の「フルタチさん」で、「他人事」について、金田一さんが「アナウンサーのかたは『ひとごと』と読んでいただきたい」と言いました。それで思い出したのですが、2014年に「ひとごと」についてちょっと書いたことがあるのです。ほんのちょっとですから、そのまま転記しますよ、次の段落がそうです。
 「ひとごと」の表記は、表記辞典では「人ごと」です。「人事」も挙げてありますが、これだと「じんじ」と読んでしまいますからね。「たにんごと」で国語辞典を引くと「他人事」、「ひとごと」で引くと「人事」「他人事(あて字・難訓)」です。先日、テレビ番組で「他人事」は「ひとごと」と読むのだと言っていましたから、これが優勢になるでしょうか、う~ん、迷うなぁ。
 というわけですが、ここでいう国語辞典は1992年発行で、読み方は「たにんごと」でも「ひとごと」でもいいということになります。「フルタチさん」で紹介していた新明解国語辞典 1974年刊行 第二版 は「ひとごと」、1981年刊行 第三版 は「ひとごと、最近では『たにんごと』と読む向きも有る」と記載しているとのことで、どちらでもいいというように変化してきたようです。
 表記については、「人事」は、ややこしいのでとりあえずやめておきましょう。「他人事」は、あて字・難訓というのがちょっと引っ掛かりますが、またテレビで学者がはっきり言いましたからね。表記辞典の「人ごと」は少数派になるでしょうから、「他人事」と書いて好きに読んでくれ、ということになるかな(^^ゞ。
 「肉汁」については、近年は「にくじゅう」「にくじる」の両方が使われていると画面の右上に書いてあったのですが、古舘伊知郎が「アナウンサーだったら『にくじる』と言ったほうがいい」と、さらに金田一さんが「訓・訓でね、音・音でいくわけですよ、で、『苦汁(くじゅう)』は音・音なんですよ、それが正しい。『にく』だから」と言い、古舘伊知郎が「『にく』だから『にくじる』になるわけですね」と続けました。う~ん、テレビでそんなことを言うから・・・( ̄д ̄)! これについては2007年に書いたので、次の段落に転記します。
 「肉汁」はどう読みますか? 汁、しる、じゅう、肉汁、にくじる、にくじゅう、最近のグルメ番組では「にくじる」が主流ですね。味噌汁、きのこ汁、蟹汁、煮汁、澄まし汁、絞り汁、肉汁、果汁、胆汁、苦汁、あれれ? 訓読みなら「しる」で音読みなら「じゅう」だと思ったけど、「にく」なのに「じゅう」なのか? と思ったら、なんと、肉(にく)は音読みだったのですね~、だから「にくじゅう」なんですね~(^^)v。でも、私は「にくじる」も好きですよ、にくじる~( ̄¬ ̄)じゅるる。
 にくじる~、じゅるる、何かおかしいですね。漢和辞典を見ると「にく」は音読みで、片仮名で「ニク 呉音、ジク 漢音」と書いてあります。さらに、「肉汁」は「ニクジュウ」と書いてあります。2007年に書いたとき、自分は「にくじゅう」と読んでいて、漢和辞典を見て「にく」が音だと知り、音読みだから音読みで続けて「にくじゅう」でいいのだと納得しつつ、最近は「にくじる」が主流になってきた、ということで、そうすると、その前は「にくじゅう」が主流で、それは音・音だから正しいわけですが、アナウンサーは「にくじる」ですか? もう、どっちでもいい <( ̄・ ̄)>?
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「ピアニストとして、生きる道を」って?

2017-02-12 10:18:43 | 言葉についてあれこれ
                                  ハムや、ん?

 「あさチャン!」で夏目アナが「ピアニストとして、生きる道を選んだ○○さん」なんて言うのであきれていたら、その後、「日本に訪れている外国人」と言いましたよ。「ピアニストとして生きる道を選んだ○○さん」と一気に言わないといけないのですよ、「日本を訪れている外国人」ですよ。アナウンサーなのに、いけませんね( ̄д ̄)!
 「金沢 市民芸術村」を「金沢市民、芸術村」と言ったのは北陸朝日放送の金子アナ。「タピオカドリンクスタンド」を「タピオカ、ドリンクスタンド」と言ったのは石川テレビの稲垣アナ。「フォト スカベンジャーハント」を「フォトスカ、ベンジャーハント」と言ったのは、名前は分かりませんでしたが、北陸放送のアナウンサーです。みんな、なぜちゃんと言い直さないの?
 「産経新聞 12/29(木) 16:45配信」で見た「SNSの1種・フェイスブックを見なくなった」「『ある』と答えた人は、27%で約3人に1人が被害に遭っていた」という記述、書いたのは記者? テロップでよく見る「1番いい」だの「1番最後」だのが当たり前になっちゃった? 「SNSの一種であるフェイスブックを見なくなった」「『ある』と答えた人は27%で、約3人に1人が被害に遭っていた」でしょ! 書いた後で見直せるでしょうに、見直さない? 見直しても、気づかない?
 「だいぶ こう年期が入っているように感じるんですけど」というテロップを「イッピン 福島 会津木綿」で見ました。そのときはずっと画面を見ていたので、それは「年期」じゃなくて「年季」でしょ~と思っただけだったのですが、この記事を書きだしたらすぐにあることに気がついて、おかしいのなんのって(⌒O⌒)アハハ。
 話し手は、いかにも長年使ってきたという様子の機械をながめながら「だいぶ、こう、年季が入ってるように感じられるんですけど」と言ったのです。「こう」は書く必要がないので、「だいぶねんきがはいっているように」と入力すれば「だいぶ年季が入っているように」となりますが、「こうねんきがはいっているように」だったら「更年期が」になりますよ、それでも「こう年期が」にはならないけど( ̄ー ̄)。
 必要な言葉をやたら省くかと思えば、逆に、不必要な言葉を何も考えずに書いて、しかも、「だいぶ」と「こう年期が」の間に、ご丁寧に1文字分の空白を入れてあるのですからね、だったらなぜ「こう」と「年期が」の間にも空白を入れないのでしょうか。入れれば「年季が入っているように」になったのではないですかね。
 「先生も びっくりするぐらい下がった」は、だいぶ前に「ためしてガッテン」で見たテロップなのですが、話し手は患者で、「先生」は医師、下がったのは血糖値です。先生も血糖値が下がった? 空白を変なところに入れたせいで「先生も下がった」になっていますが、患者が「先生もびっくりするぐらい(私の血糖値が)下がった」と言っているのですから、空白を入れたいのなら「先生もびっくりするぐらい 下がった」でしょ!
コメント (2)
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「耳ざわりの良い声で」について。

2017-02-05 10:41:41 | 言葉についてあれこれ
                                  耳の中が見えるぅ

 「フルタチさん」で日本語についてワーワー言っているのを見ました。冒頭で「常に正しい日本語で話すことを求められるのが『言葉の番人』アナウンサー」というナレーションが流れ、「常に正しい日本語を求められる『言葉の番人』」というテロップが出ましたが、吹き出してしまいました( ̄o ̄)プフ。
 昨今は、若くて見栄えするアナウンサー、特に「女子アナ」は「タレント」「アイドル」とほぼ同じ意味ですし、「アイドル」が局アナになる例もあるようで、とても言葉の番人だなんて言えない状況です。それに、若いアナウンサーだけではありませんよ、改めて感じましたが、ベテランでも「明るみになる」のどこがどう違うのか答えられなかったのですから、「番人」が聞いてあきれる( ̄д ̄)!
 さて、続けて「そこで、今夜のフルスペは、各世代を代表したアナウンサーが集結」というナレーション、「各世代を代表した女子アナが集結!」というテロップですよ。「代表した」って何ですかね、そこは「代表する」でしょ! 「寝ていた最中」は「スーパーJチャンネル」のテロップ、「けっこう目立った所にありますね」と言ったのは「情報7daysニュースキャスター」のディレクターですが、「寝ている最中」「目立つ所」でしょ! なぜ過去形?
 それから、「○ 申し訳ない」「× 申し訳ありません」というテロップ、「『申し訳ない』はいいんだけど『申し訳ありません』はないです」と言った金田一秀穂。今更テレビでそんなことを言ったらどうなると思うの? しかも、私が使っている辞書には、「申し訳無い」のところに「『申し訳ありません』『申し訳ございません』は丁寧な言い方」と書いてありますよ。編集に携わった人の氏名が表紙に書いてあるのですが、その中に「金田一京助」と「金田一春彦」もあるのですよ <( ̄・ ̄)>。
 日本語テストの場面では、アナウンサーがこんないいかげんなことでどうするのかとあきれました。ですが、世の中の、いわゆるアナウンサーのほとんどが同様ですからいちいち書きません。言葉の標準がどうとか話しているときに「やっぱりNHK」と言っていましたが、それも怪しいですよ。日本語について研究はしているのでしょうけれど、アナウンサーの質はどこも同じです。
 「『耳ざわりの良い』声で原稿を『音読していた』山﨑アナでしたが、『知ったかぶり』の発言は、まさに『見かけ倒し』でした」という文章で、四つの『・・・』のうち、どれが間違っているかという問題が出たのですが、みんな「耳ざわりの良い」が間違いだと思いますよね。私は、テストの答えとしてはそれだと思ったのですが、本当はそれも間違いではないのです。ですが、「耳ざわりの良い」ではなく、「耳に心地いい」にしたほうが安全・確実だなぁと思いました。
 「耳ざわり」という表記がいけません。辞書には「みみざわり・耳触り」が載っていて、意味は「聞いたときの感じ・印象」です。そして、例文は「耳触りのいいことを言う」ですから、ほら、議員選挙の立候補者が耳触りのいいことを言うでしょ、あれですよ。「手触り」「肌触り」と同じようなことですね。
 それと、私は、「みみざわり(_ ̄ ̄ ̄ ̄)がいい」だったら「耳触り」と聞こえます。「耳障り」と言っているとは思いません。また、はっきり「耳触り」と書いてあれば、それは「耳触り」なのでしょう、誤字とは限りませんから文脈で判断しましょう。でも、「耳ざわり」と書いてあったり、「みみざわり(_ ̄ ̄__)だ!」と聞こえたりすれば、多分、それは「耳障り」ということになるのでしょうね。
 このテストの答えは「耳ざわりの良い声で」が間違いということで、「耳ざわり 聞いて嫌な感じがすること 聞いて気にさわる 不快な場合に使う」というテロップが出ました。さらに「耳ざわりは良いことはありません」と金田一秀穂が言ったのですが、やはり金田一京助・金田一春彦とは意見が違う? 「耳触り」はもう消えた? それとも、説明する時間をもらえなかった? ちなみに、古舘さんは「『耳に心地よい』でしょうね、言うとしたら」と言いました。賛成です。
 さて、もう一つ、「会議が難航し、『煮詰まって』きたので気分転換に話題の映画について尋ねました。『さわり』のシーンが、とある名作のはじまりと『似通っている』ため、あきられて『失笑しました』」という文章で、正しいのは一つだけだというのですが、私が考える正解は、正しいのは「さわり」と「似通っている」の二つ・・・、「失笑しました」も許容範囲内かもしれませんが。
 「さわり」と「はじまり」を続けて書いて、「さわり」は「はじまり」ではなく、歌で言えばサビ、一番盛り上がる部分だ、だから「さわり」は間違いなのだと言いたかったのでしょうけれど、話題の映画の「さわり」が過去の名作の「はじまり」と似ているという話でしょう? 何も問題はありません。例えば、「相棒」の「さわり」が「刑事コロンボ」の「はじまり」と似ているとか、そういうことですよね。
 おまけに、「あきられて『失笑しました』」ですからね( ̄д ̄)! テストの答えは「失笑」ではなく「苦笑」だということで、まぁ、それはいいですが、「あきられて」ではなく「あきれて」でしょ! 金田一秀穂が「あきれて苦笑しました、とかですね」と言いましたが、フリップの「あきられて」には気づいていたのか、それとも、気づいていなかったのか、どっちだろ?
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