◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「そこは抑えておいて欲しかった」って?

2016-04-24 10:26:34 | 言葉についてあれこれ
                                  暴走ではなく疾走

 「林先生が驚く 初耳学!」で見た「そこは抑えておいて欲しかった」というテロップ、「そこ」というのは「情報」で、「そこは押さえておいてほしかった」と書かなければいけないところ。ポイントや情報は「押さえる」で、欲望や暴走は「抑える」です。それと、お金や物は「欲しい」ですが、「~てほしい」は平仮名で。林先生が看板の番組ならそこはきっちり押さえておいてほしかったなぁ┐( ̄д ̄)г。
 ナレーションもかなり難があって、「ベルリンの壁へ詰め寄せる」というのを聞いたことがあります。「詰め寄る」は、強い勢いで返事を求めるという意味ですから違いますね、「詰め掛ける」と「押し寄せる」が合体しちゃった? それに、「壁へ」は大げさですよ。「ベルリンの壁に押し寄せる」と書くぐらいのこと、できませんか? 林先生(国語の先生)が看板なのに恥ずかしいですよ。
 「直接肌に触れて、ヒートテックを着ないと暖かく感じないのです」は意味不明。「直接肌に触れるようにヒートテックを着ないと暖かく感じないのです」と言えてこそ日本人ですよ。茶風林ナレーター、ナレーションは初見でやっているのでしょうか。変だと思わない? 変だと思っても直せない?
 「階数表示をしていなく通過ができると」にはあきれました。原稿もおかしいですが、「階数表示をしていなく」なんて平気で言うナレーターもセンスがかなり足りませんね、日本語のセンスが。テロップは「階数表示がなく通過が出来る場合」でしたから、「階数表示がなく、通過できると」と言ってくださいよ。
 「世の中は、香水が臭くてきつくて、迷惑をかけるかたがたくさんいますね」と言った林先生、よくぞ言ってくださいました。しかし、「臭くてきつくて」とまで言っておいて、なぜ「かた」なのですか。「人」でしょ、そこは。テロップも「世の中 香水が臭くて 迷惑かける方がたくさんいる」って( ̄д ̄)! 国語の先生なら「世の中には、香水がきつすぎて周りに迷惑をかける人が大勢いますね」と言ったらどう?
 「見たこともない初耳な包丁」というナレーションと「初耳な包丁」というテロップ、これはやめてほしい! 「見たこともない」なのに「初耳」ですか、「初耳」を入れたいという気持ちは分かりますが、「初耳の」ですよ。画面の左側は、女優が派手な衣装を着て踊っている姿、右側は、矢印付きの吹き出しに「全部自分」と書いてあって、一体どういう意味なのかと思ったら、その女優が「こんなの(細かい縦ロールの髪)も自分でやるんです」と言いました。それなら「全部自分で」と書いてよ!
 「誰でも天皇陛下と・・・お話しできる意外な方法が!」というテロップ、「誰でも天皇陛下とおはなしできる方法がある」というナレーション。「お話しはなかなかできない」というテロップ、「おはなしはなかなかできないはず」というナレーション。「10人ぐらいの一般のかたが両陛下とおはなしする機会を得ています」と言った竹田恒泰、なんともはや・・・( ̄д ̄)!
 そして、「実際に両陛下と会話」というテロップ、これはいいですが、その後はまた「両陛下と2分程お話しする時間がありまして」というテロップ、「両陛下と2分程おはなしをする時間がありまして」と言った一般の人。「どうすれば天皇陛下とお話しできる?」というテロップ、「一体どうすれば天皇陛下とおはなしできるのか」というナレーション。
 「天皇陛下とお話しできる場は歌会始の儀」というテロップ、ここから、ナレーターは永田亮子で、「天皇陛下とおはなしできる場所は歌会始の儀」というナレーション。「歌の内容を説明するため天皇陛下と直接お話しできる」というテロップ、「歌の内容を説明するために天皇陛下と直接おはなしすることができるんです」というナレーション。林先生が看板の番組なのにスーパースプレッダーになるなんて・・・( ̄_ ̄)。
 これも林先生が看板の番組ですが、「林修の今でしょ!講座」で聞いた「肉は冷凍させたほうがおいしさアップ」というナレーション。「冷凍」は他動詞で、食品を凍らせることですからね、「肉は冷凍したほうがおいしさアップ」です。直後に「冷凍保存とは食品を凍らせることで 細菌や微生物の活動を止める」というテロップが出たのにぃ~。
 「保存容器にあさりを入れ水で浸して凍らせる」というテロップ、「水で浸して」ではなく「水に浸して」でしょ。「まさにいいことづくしですが」というナレーション、「まさにいいことずくめですが」でしょ。これらの番組を林先生は見ているのでしょうか、収録のときは分からないとしても、放送を見たら、こんな実態をどう思うのでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「わひゅうビュッフェ」ですか。

2016-04-17 09:23:14 | 言葉についてあれこれ
                                  サラダバーだよ

 「新・映像の世紀」第1集の放送後、2015年11月1日の記事で、伊東敏恵アナのびっくりするほど気持ち悪いナレーションについて書きました。例えば、「夫妻」の言い方が、「吹雪」の「ふ」のような強い「ふ」で「夫妻( ̄_)」ですよ。2016年1月24日に第4集が放送されたのですが、いやはや・・・もぉ・・・( ̄д ̄)!
 「機関(きっかん  ̄_)」「基地(きっち  ̄_)」「潜んで(ひっそんで)いる」「危機(きっき  ̄_)」「密かに(ひっ・そっかに  ̄_)」「不審な(ふっしんな)」「撃墜(げっきっつい)」「指揮( ̄_)した」って、聞くに堪えない! 「ペンコフスキー」なんか「ぺんこふすっきぃ」ですよ、まるで3歳児!! こんなのがNHKのアナウンサーだなんてひどすぎる!!!
 「趣味の園芸 やさいの時間」では、ナレーターが「アルミ製なので軽く扱いやすい」とさらっと言ったので「軽く扱う」という意味に聞こえたのですが、「軽くて、扱いやすい」でしょ。原稿に「軽くて」と書いてあればよかったのですが「軽く」だった、それならそれで「アルミ製なので軽く、扱いやすい」と言えばいいのに( ̄ ̄)。
 「マツコ&有吉の怒り新党」のナレーターが「新・3大、○○調査会」と言うのが気になります。これだと「新しい、代表的な三つの、○○調査会」という意味に聞こえますが、「新しい(面白い、珍しい)代表的な三つの○○を見付ける(決める)調査会」ですから「新・3大○○、調査会」であり、区切るところが違います。
 意味がすんなり伝わる「新・3大○○、調査会」と聞こえるか否かはナレーターの言い方次第。ナレーターが趣旨を理解して言っているかどうか、そう聞こえるように言えるかどうか、ナレーターの技量は大切です。へぇ~、このナレーターはお笑い芸人ですか、やっぱりね、何も考えていませんね( ̄_ ̄)。
 また別のナレーター、誰だか分からないのですが、「少しでも多くの人のニーズにこたえたい」が、「人」を高く発音したので「少しでも多くの、人のニーズにこたえたい」と聞こえました。これは明らかにナレーターの力不足です。まぁね、放送業界全体がそういうレベルなのでしょうね、だから下手でも目立たない。
 だいぶ前ですが、石川テレビの中堅アナウンサーが「和風ビュッフェ」を「わひゅうビュッフェ」と言ったので、アナウンサーでも「わひゅうビュッフェ」になっちゃうんだぁ~と驚いたのですが、今なら全然驚きませんよ。アナウンサーなら何でもすらすら上手に言えるとは限りませんから。さらに、まともな日本語をしゃべっているとも限りませんから、手本にしてはいけません。
 ところで、浮気がばれてしばらく見掛けなかったタレントを起用したCMについて、ある番組でああだこうだ言っていましたが、「一般人だって浮気してる」だなんて、それはそうでしょうけれど、一般人と有名人とでは、そうしたことが招く結果と社会に与える影響の大きさが違いますよ。それに、CMはふいに出てくるので避けようがありませんから、電波を使うのならその辺も考慮してほしいものです。
 それで、日清食品のホームページを見たのですが、さもありなん、です。「皆様に、ご不快な思いを感じさせる表現がありましたことを、深くお詫び申し上げます。(中略)若い世代の方々にエールを贈ることが主旨であり」って( ̄д ̄)! 大企業の広報に正しい日本語を操れる人がいないことはとっくに承知していますが、これもひどいですね。
 「不快な思いをする」という表現を知らないのでしょうか。「思い」を「感じる」と書いてくどいと感じないのでしょうか、「感じる」なら「不快に感じる」ですからね、ここは「皆様に不快な思いをさせる表現」でいいのですよ。あとは漢字ですね、「若い世代の方々にエールを送ることが趣旨であり」です。
 ひょっとしたら、「贈る」に「送る」以上の気持ちを込めたのかもしれませんが、余計なことです。だって、ただの商品CMですから。そして、「主旨」は明らかな誤りで、発想や意図のことを言うなら「趣旨」です。変換候補を表示すると出てくる標準辞書にも「目的・理由は趣旨」と書いてあるじゃないですか、それぐらい見たらどうなの? そもそも、浮気がばれてこけた人の“エール”って┐( ̄д ̄)г?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「想像」と「想像力」は違う。

2016-04-10 10:02:18 | 気になる言葉、具体例
                                  想像の産物?

 2015年7月19日放送の「日曜美術館」、テーマは「与謝蕪村 無限の想像力 西洋美術とあう?!」で、蕪村の俳句と西洋美術の組み合わせを楽しむという内容だったのですが、これでもか! と「想像」と「想像力」が出てきて、意味が時折ごっちゃになったりなんかして・・・( ̄~ ̄)。
 「想像力を膨らませば、蕪村の句と西洋美術の組み合わせは尽きないと言います」は伊東アナのナレーションですが、最初にVTR出演した美術家の話を要約しているようで、その人が「想像力を膨らませば」と言ったのかも。意味は、「想像」か「想像力」か、言った本人もはっきりどちらと意識していないでしょうから・・・微妙です。
 でも、私は、「膨らませる」なら「想像」だと思っていますから、しかも、その後、「俳句を詠むとき、蕪村は、出歩くのではなく、小さな部屋にじっとこもって想像を膨らませたといいます」というナレーションがありましたからね。もちろん、これは「想像を膨らませた」ですよ、これでいいのです。
 「想像力の世界の中で思い浮かべて」「自分の経験を超えて大変大きな想像力の中で様々な俳句が生まれていると思います」「そういう想像力を五七五にまとめる能力というものが」は次にVTRに登場した大学教授の言葉です。「大変大きな想像力の中で」は何となく意味は通じるのですが、一つ目と三つ目は「想像力」ではなく「想像」でないといけません。「想像の世界」「想像を五七五に」です。
 その後、「蕪村の豊かな想像力を感じさせます」「西洋美術までマッチする蕪村の計り知れない想像力」「目にしたことのない光景を想像力を羽ばたかせて表しました」「長い旅で培った想像力を膨らませ、数多くの俳句と絵画を作り上げていきました」「蕪村のとてつもない想像力」と、伊東アナのナレーションが続き、「想像力に加えて瞬発力」は伊東アナ自身の言葉、そして、最後に「東西の想像力が不思議な響き合いを見せてくれました」という伊東アナのナレーション。
 「想像力を羽ばたかせて」は、微妙といえば微妙ですが「想像」です。「想像をかき立てる」と同じで、かき立てるのは「想像」、羽ばたくのも「想像」なのです。「長い旅で培った想像力を膨らませ」も変ですね。長い旅で培った想像力をさらに膨らませる? 培った想像力でもってあれこれ想像し、それを形にしていくのですから、「長い旅で培った想像力を発揮して数多くの俳句と絵画を作り上げていきました」でしょ。
 今朝、テレビをつけたらちょうど「アートシーン」をやっていて、やはり「想像力をかき立てる」とはっきり言った伊東アナですが、ちょっと後に「女性たちのあこがれをかき立てました」と言いましたよ。前者は「想像」ではなく「想像力」と言っておいて、後者は「あこがれ」ですからね、伊東アナのセンスはかなり不足しているようです。
 「みつけよう、美 坂本善三」でも、大沼ひろみアナが「想像力をかき立てる」と言いました。NHKの人たちは「もう『想像力』でいんじゃね?」と言っているようで、「地球ドラマチック」でも「ニューヨーク白熱教室」でも、「グレーテルのかまど」でも「岩井俊二のMOVIEラボ」でも、「想像力をかき立てる」でしたよ( ̄д ̄)!
 このごろ、若い人の犯罪がびっくりするほど残忍で、不可解で、コメンテーターが「想像力の欠如」ということを言いますよね。私も同感で、それでふと思ったのですよ、そもそも“想像力”が足りなかったら“想像”をかき立てるなんて簡単にはできないなぁ~と。背の高いコップの底に沈んだ蜂蜜のように“想像力”が沈んで固まっていたら、上のほうをぐるぐるかき回してもだめですよね。まず、固まっている“想像力”をガンガンつっついてほぐしてガキガキかき回さないと!
 「リフレッシュ」に出演している上野巧郎AD(石川テレビ)が「想像力もかき立てられるような素敵な空間」と言ったのですが、若い人がこういうふうに言うのを聞くと、やはり、想像力そのものをガキガキかき立てないとだめなのだろうなぁと、みょ~に納得したりなんかして( ̄~ ̄)ムムゥ。
 2016年2月10日に見た「マツコ&有吉の怒り新党」のナレーションとテロップが「見る人の想像をかきたてる」だったのはいいですね、本当に珍しいですよ、久しぶりにテレビで「想像をかき立てる」を聞きました。でも、NHKがほとんどの番組で「想像力をかき立てる」と言っていますから、じきに辞書に載るかもね、「想像」と「想像力」が混同され、やがて「想像力をかき立てる」「想像力を膨らませる」という言い方が定着した、な~んてね┐( ̄д ̄)г。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「何とか一旗たててやろうと」って?

2016-04-03 10:19:14 | 言葉についてあれこれ
                                  ディナーだけど

 惜しいのですよ、決まり文句なのですが少し間違って覚えている、ちょっと言い間違えている、そういうのを聞く頻度が上がっているような気がしています。私は正しい言い方と意味を知っているので、話の流れから何となく言いたいことは想像できるのですが、若い人はどうでしょうね?
 1月29日のNHK「さらさらサラダ」でピカソについて話していた人が「何とか一旗たててやろうと」と言ったのですが、惜しいですね、旗を立てるのはお子様ランチですね。「国旗掲揚」という言葉があるように、「旗を掲げる」「旗を揚げる」ですから、「何とか一旗揚げてやろうと」ですよ。
 あるサイトで「○○で業務がはかどるというケースは相応にしてある」と書いてあるのを見たことがあるのですが、これは「往々にしてある」ですね、「往々にして」は「ときどき」という意味です。「そうおう」と「おうおう」ですから、たまたまちょっと間違えたのでしょう。ただし、「往々にして」は、「往々にして失敗する」「裏目に出ることは往々にしてある」というように、悪い意味に使う言葉なわけで。
 「業務がはかどる」なら、それはいいことなのですから「ときどきある」と書けばいいのです。あ、ひょっとして「それ相応に」と言いたかったのか? う~ん、いや、「業務がはかどる」とアピールしたいのですよね、宣伝ですよね、だったら、やはり「それ相応に」はない! 本当は「○○で業務がはかどるというケースはよくある」と言いたいのでしょう? 素直にそう書けば?
 「うそで偽った人生」は「爆報!THEフライデー」で聞いたナレーションですが、「うそで固めた偽りの人生」と言いたかった? 「ごちそんぐDJ」で「火蓋が切って落とされました」と言った清野茂樹、フリーのアナウンサーらしいけれど、「火蓋が切られた」ぐらい知らないってどうなの?
 「存続の危機」と「残すは○○本店の1個のみ」は「沸騰ワード10」のナレーションとテロップ。よく聞くのは「存亡の危機」ですが、廃線が検討されている鉄道、存続か、廃止か、それは「存廃の危機」です。急がないと売り切れてしまう大人気の弁当を求めて移動するリポーター、「残るは○○本店の1個のみ」ですよ、急げ!
 「五つもの世界記録を所持することになった」も「沸騰ワード10」で聞いたナレーションですが、世界記録というものはいつか塗り替えられるわけで、金メダルのような形ある物は所持できますが、記録は所持できるものではありません。「記録保持者」と言うじゃないですか、「五つもの世界記録を保持することになった」ですよ。
 「2度里親に出されたネコ、その後の展開」は「YAHOO! 映像トピックス」で見た見出しで、添えられた文章は「過去に悲しい理由で2度里親に出されてしまったネコ。2度目に出された時はすでに7歳で、里親を見つけるのは難しいかと思われましたが・・・」でした。「出された」だから「里親に」と書いた気持ちは分かりますが・・・。
 他人の家に預けて養ってもらう子という意味の「里子」、里子を預かるのが「里親」、「里子に出す」が決まった形です。ということは、「2度里子に出されたネコ、その後の展開」「過去に悲しい理由で2度里子に出されてしまったネコ。2度目に出された時はすでに7歳で、里親を見つけるのは難しいかと思われましたが・・・」です。
 「そんな突飛もない思いつきから始まった大胆な試みが」は「日曜美術館」のスタッフが書いた文章ですが、「そんな突拍子もない思いつき」と「そんな突飛な思いつき」がごっちゃになっていますね。NHKの、「日曜美術館」の、番組内容を紹介する文章なのですから、こんなことではいけません( ̄д ̄)!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする