◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「発売開始以来ずっと」って?

2012-04-29 09:05:48 | 気になる言葉、具体例
                                連動するハムやん

 はい、今回も重複です。重複だけに・・・(~_~;)ゞ。皆さんは「発売」と「販売」の違いを認識していますか? 「発売」は売り出すこと、「販売」は売りさばくこと、ちょっと違いますが、これを区別せずに言う人は多く、同一商品を何年も「発売中」なんて言っていても聞き流しているのではないでしょうか。
 それでも、さすがに「発売開始以来ずっと」はなぁ~んか違うなぁ~( ̄・ ̄)と感じますよね!? それって、「発売以来ずっと」と言うものでしょ。販売を開始することを「発売」「新発売」と言いますから、「発売開始」では重複になります。「○○開始以来ずっと」なら「販売開始以来ずっと」です。
 「しのぎを削り合い」はどう感じますか? 「しのぎを削る」は、一つのものを求めて激しく争うこと。刀で激しく切り合い、刀と刀がジャキーン、火花が散り、両者にらみ合い、ガギギギ~ッと互いの刀がこすれて鎬(しのぎ)が削られる、というわけです。AがBを殴る、BもAを殴り返す、そういう「殴り合い」とはちょっと違いますね、つまり、「合い」は不要です。
 「念願の夢がかなった奥様は」というナレーションも聞きましたが、「念願がかなった奥様は」もしくは「夢がかなった奥様は」です。「念願の夢」なんて変ですよ、くどい! あ、ひょっとして、「長年の夢」というフレーズが頭に残っていて、それがちょっとした勘違いで「念願の夢」になったとか?
 夢といえば、CMで「私の夢は医療事務」なんて言っていますね、見事な(?)尻切れトンボですが、逆に、将来の夢を語る子どもたちのほとんどが「私の夢はケーキ屋さんになるのが夢です」という言い方で、中学生でもこうですからね、「私の夢はケーキ屋さんになることです」「ケーキ屋さんになるのが私の夢です」というスマートな日本語をなぜ教えない( ̄ ̄)?
 「連動して動く可能性がある」は、つい先日聞いた「報ステ」のナレーションです。「連動する」も言いましたけれど、「連動して動く」は何度も言いました。さらっと聞いていたら分からなくても、こうして文字で見れば分かりますね。これは「連動する可能性がある」と言えばいいのですよ( ̄・ ̄)。
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「起こりうるかもしれない」って?

2012-04-25 20:06:12 | 気になる言葉、具体例
                                  かわいい盛り

 「いちばん最初」「第1回目」「断トツ1位」「古来から」「従来から」など、重複花盛りのこのごろですが、一口に重複と言っても、( ̄д ̄)ダラケッ! と言うしかないものからちょっと面白いものまでいろいろあります。また、聞いただけでは重複だとあまり感じなくても、文字で見るとはっきりします。
 「ほぼ同じくらいの大きさ」は、「ほぼ同じ大きさ」か「同じくらいの大きさ」です。「約10年ぐらい前」といった言い方はしょっちゅう聞きますね。「ステンレス製でできており」は、「ステンレス製」がすでに「ステンレスでできている」ということですから、「できており」が余計です。「現在の今上(きんじょう)天皇」は「今上天皇」を知らなければ分からないでしょうね、「今上天皇」は現在の天皇の呼び方です。
 「パワフルな感じで力強さがあったので」は、「よりベター」みたいですが、「パワフルな感じだったので」もしくは「力強さがあったので」のどちらかです。だって、「パワフル」=「力強い」ですからね。「力がどんどんパワーアップする」と言った、いわゆる文化人もいますが、「力が」が余計です。
 「課税がかかる」と言ったのはタレントですが、「課税」とは税金を割り当てること、つまり、税金がかかるということですから、さらに「かかる」はおかしいですね、普通は「課税される」と言うものです。「いまだにまだこれやってるの?」と言った女優もいますが、役者でも言葉がちゃんとしていない人は多いですね。
 「過保護過ぎ」は一般人の文章にあったものですが、「過保護」に「過ぎ」はくどい、くどいけれど、そう言いたい気持ちは分かります。20年ほど前にいた職場での話です。隣の席の女性が「○さん(私)、窓、開けていいですか、暑いから。でも、○さんは半袖だから、開けたら寒いかな~?」と、いかにも暑そうな、赤い顔で言うので、こう言ってやりました、「まず、その冬物みたいなごっついカーディガン脱いだら?」。親がさっさと脱がせたり着せたりしていたらこうなるそうですよ。
 ナレーションでも重複は実によくあります。「なぜ変わったネーミングを付けているのか」は、「ネーミング」=「名前を付けること」ですから「なぜ変わった名前を付けているのか」です。大学で何を勉強してたんだ、これ書いたディレクターは( ̄д ̄)! 大学、出てますよね!? 「起こりうるかもしれない」は、「起こりうる」か「起こるかもしれない」、どちらかでいいのですが、書いてて気づかない(ーー;)? あるいは、それくらい自信がなかったのか?
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「見た目よりニオイが重要な根拠は?」って?

2012-04-22 09:23:54 | 気になる言葉、具体例
                             忙しそうな矢追名誉館長

 15日に、脳の仕組みから見た嗅覚ということを書きました。夜遅くにたまたま見た番組で大学の先生らしき人が言っていたのですが、においは、脳内で、理性が働く部位を通らずに好きか嫌いかを感じる部位に直接行く、だから理性が働かない、そして、においの好き嫌いは個人差が大きい、ということです。
 私は、いかにも石油化合物という感じのしつこいにおいが嫌いです。また、たとえいい香りでも、強すぎれば悪臭になります。この冬、職場でそういうにおいに苦しんだわけですが、息ができないほど苦しんだのは私だけ。こんなに強烈な刺激臭が平気だなんて、みんな鼻の穴が開いてないんじゃないか、な~んて思っていましたが、その番組を見て、なるほど納得! だったわけです。
 しかぁ~し、テロップが何ともお粗末で、さらに、話を聞いていた芸人がトンチンカンなことを言って、いや、これがね、おばかな芸人だったらトンチンカンでも何でもいいんですが、いわゆる高学歴芸人というやつで、面白くも何ともないことをむきになって言うものだから、先生がたまらず言いましたよ、「話、聞いてた?」って。
 さて、まずは「見た目よりニオイが重要な根拠は?」というテロップ、このときのナレーションは「見た目よりもにおいが重要という、その根拠は何なのか」でした。とにかくにおいが重要なのですよ、その根拠を説明しようとしているのですから「見た目よりニオイが重要、その根拠は?」と書けばいい、それだけです。
 次は「ニオイの判断は理性の判断を優先する」というテロップぅ~( ̄д ̄)! 先生は「生理的に嫌いだという状態になると、理性で『この人は経済力があるから』という判断ができなくなる」と言ったのです。さらに、別の人が「負けちゃうんだ、理性が」と言い、先生が「はい」と答えたのですよ。においの相性が悪ければ幾らお金があっても無理ぃ~ということですね。つまり、「ニオイの判断は理性の判断より優先される」です。もっと言えば「ニオイの判断には理性が働かない」ですけどね。
 昨日、羽咋市(はくいし、UFOの町)のコスモアイル羽咋に行ってきました。なんと、「本物に遇える宇宙科学博物館」ですよ、「NASA特別協力施設」ですよ、そして、あの矢追純一さんが名誉館長ですよ。館内のUFOライブラリーにて執務中のところを激写! ハムやん准教授に写真を提供して紹介してもらいました(⌒・⌒)ぶふふ。
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「会場に入れさせて」って?

2012-04-18 19:40:47 | 気になる言葉、具体例
                        ハムスターを猪口に入れましたけど

 4月11日の記事で「○○のメンバーに入れさしてもらってますけども」という例について書きました。「はいれさして」はおかしい、「いれさして」もおかしい。本人は「いれさして」と言ったのですが、正しくは「はいらせてもらって」もしくは「いれてもらって」です。でも、もっと言えば、「メンバーに加えてもらって」「メンバーにしてもらって」ですね。
 「出る」「出す」を区別せず「ださせていただく」と言う人がほとんどになってしまった放送業界、その影響を受けてか、「入る」と「入れる」を区別できなくなっている人も見掛けるようになりました。普通は「○○に入れてもらう」と言うものですが、「~ていただく」症候群を発症している人は「入れさせてもらう」と言うようです。
 「私たちは一足先に会場に入れさせていただいているんですけども」と言ったのは「ウェークアップ!ぷらす」の五十嵐アナです。アナウンサーなのに、やはりこの人も「~ていただく」症候群を発症しています。「会場に入る」「会場に入れてもらう」ですから、正しくは「はいらせていただいて」もしくは「いれていただいて」です。あるいは、テレビ中継ですから、「カメラを一足先に会場に入れさせていただいているんですけども」はありえますね。
 「あんな若いうちからフライトに出す、出させる(ださせる)学校がすごいですよね」と言ったタレントは、なぜ「ださせる」と言い直したのか。能登空港に隣接して日本航空高等学校石川があるのですが、フライト実習があって、生徒が小型飛行機を実際に操縦するのです。つまり、学校は、生徒にフライト実習をさせる、生徒をフライトに出す、ですから、「出させる」ではなく「出す」でいいわけです。芸能人は「ださせる」と言わないと不安になるのかなぁ( ̄ ̄)?
 さて、桜も咲いたし、春ですねぇ。「ケータイ大喜利」は変なところで切れるし、日テレのゴルフ中継は途中までサイレントだったし、テレ朝の夕方のニュースでは、アナウンサーが「ヘリが接触して墜落・・・」と言っているのにテロップは「巨大ヘビにかまれ 男性死亡」だし、TBSの「Nスタ」では「以上、▽○□※◇△」って・・・腹を抱えて笑っちゃった。まったくもぉ~~~春だからねぇ(~_~;)。
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「頭痛や吐き気とかになったり」って?

2012-04-15 09:32:20 | 気になる言葉、具体例
                              りっぱな腹回りですな

 「朝ズバッ!」のテロップ、「頭痛や吐き気とかになったりします」って( ̄д ̄)! 話し手は「頭痛がしたり、吐き気が、なったりします」と、変なところで迷ったようですが、「頭痛がする」「吐き気がする」ですから「頭痛がしたり吐き気がしたりします」でいいのですよ。それにしても、何ともお粗末なテロップですが、「~たり~たり」という繰り返しの原則を無視した放送業界が当然の結果として落ちた穴ですね。
 ところで、以前、リンスや柔軟剤の強烈なにおいに苦しんでいると書きましたが、新年度になって席を移動し、においの元から少し離れることができました。ようやくマスクからは解放されたのですが、においは今の席にもときどき流れてきて気持ち悪くなります。においの好き嫌いは個人差が大きく、理性は働かず、好きか嫌いか感じるだけ、脳の仕組みから見ると、嗅覚とはそういう感覚なのだそうです。ということは、ある人にとっての香りは別の人にとっての悪臭であり、迷惑この上ないのです。この世に空気がある限り、悪臭からもボールペンのカチカチからも逃げられない(T_T)。
 8日の昼ちょっと前に、NHKの会長・・・かな、受信料がどうとか話していて、「○○を充実し、利便性を向上させ」というナレーションが続き、「充実させ」だろ、充実させようなんて本気で思ってないな、受信料返せ! なぁんて思っていたら、その後のニュースで「腹周り」というテロップが、しかも5回、これは変換ミスではありませんね。「腹囲」だから「腹回り」だぞっ! 受信料返せ!
 「古畑任三郎」の再放送を見ました。犯人役は明石家さんまで、機関銃のようにしゃべりまくり、「至難の業」を( ̄____ ̄)と発音しましたが、関西の人、ましてや芸人ですからね、東京弁でしゃべれとは言いませんよ。でも、標準語で話すことが当たり前のアナウンサーやキャスター、ナレーターが( ̄____ ̄)では困ります。一体だれを手本にしたらいいの?
 ある政治家が「○○とおはなしをさせてもらえる」と言い、テロップが「○○とお話をさせてもらえる」だったのですが、大人ならせめて「お話しさせてもらえる」か「話をさせてもらえる」でしょ。政治家は「お会いをさせていただく」なんて平気で言いますからね、これも「お話しをさせてもらえる」と書くところなのでしょうけれど、「お話をさせてもらえる」で幼稚な感じになりました。どっちにしろ変ですよ。
 北陸朝日放送「土曜はドキドキ」に新しいリポーター(竹田さん)が登場しました。VTRが始まり、自身がナレーションを付けたのですが、「この日は爆弾低気圧が脅威をふるった日」と言いましたよ。おいおい(~_~;)、だれか原稿を見てやってよぉ。それに、「十数種類ある」を「十、数種類ある」、「おいしいものを食べ歩きして」を「おいしいものを食べ、歩きして」と言ったのです。
 「十」を(――)ではなく( ̄_)と発音し、一呼吸おいてから「数種類ある」、「食べ」を(_ ̄)ではなく( ̄_)と発音し、一呼吸おいてから「歩きして(_ ̄__―)」と言ったのです。「おいしいものを食べ」と言った時点で気づかなかったとしても、「歩きして(_ ̄__―)」はないでしょ( ̄д ̄)! 若い人はみんなこの程度!? 放送なんだから・・・ということ自体がもはや無意味? この世に電波がある限り、変な日本語から逃げられない( ̄ ̄)。
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「○○さんが春を連れてきてもらいました」って?

2012-04-11 20:13:11 | 気になる言葉、具体例
                                  私も入れて~

 「~ていただく」症候群が流行し、芸能人はもちろんのこと、一般の人までが大勢感染して発症、もうどうにもならないというのは皆さんの共通認識だと思います。そもそもスーパースプレッダーが存在するから流行するのですが、スプレッダーになるような人は、謙虚に見せたいだけ、単に言葉の終わりを「~ていただく」にしているだけですから、日本語として見るとおかしいのです。
 ところで、以前書いたときは「~せていただく症候群」と表記したのですが、今の症状をよくよく考えると、少し範囲を広げて「~ていただく」症候群とするのが適当だろうと思います。よって、以後は「~ていただく」症候群と表記することにします。私はそうすると決めただけですよ、念のため(^_^)。
 「貴重なものを送っていただいて」はおかしくありませんが、「○○さんが貴重なものを送っていただいて」は変です。分かりますか? 分かりますよね。でも、「~ていただく」症候群の人は分かっていないのです。ここでまた一つ、今度は「~ていただく」症候群の症状を整理しておきましょう。私なりに、ですよ、念のため(~_~;)。
 【1】 顕著な症例として「出させて(ださせて)いただく」があります。本来「出させて(でさせて)いただく」「出演させていただく」「出して(だして)いただく」という形になるところを「ださせていただく」と言う、つまり、日本語文法としてありえない言い方をしているわけで、芸能人に多く見られます。
 「出す」があれば「入れる」も・・・もちろんありますよ。「○○のメンバーに入れ(いれ)さしてもらってますけども」と言った政治家がいます。「はいらせてもらって」もしくは「いれてもらって」のはずが、「ださしていただいて」と同じように「いれさしてもらって」になっています。普通は「メンバーに入れてもらう」と言いますよね、でも、「~ていただく」症候群の人は、なぜか、「入れる」をそのまま「~せていただく」の形にして「入れさせてもらう」と言ってしまうのですね。
 【2】 「映画を見る」を「映画を見させていただく」、「本を読む」を「本を読ませていただく」、「感動する」を「感動させていただく」と言う。「~ていただく」の中でも、「~せていただく」は「~することを許してもらう」という意味になるのですが、他人が許容するかしないかなんて関係ないことまで何でもかんでも「~せていただく」にします。
 「出馬をさせていただかない」と言った元政治家(落選したからただの人)もいます。「出馬をさせていただかない」は「出馬することを許してもらわない」という意味になりますが、この人は、続投を望まれていたのに出馬しない、要は辞めたかったのですよ、別のもっと大きなポストをねらっていたから。そうなると、出馬しないことを許してもらわないといけないわけで、「不出馬とさせていただく」が正しい言い方です。
 【3】 「お伺いさせていただきます」のようにやたらくどい言い方をする。「お伺いします」に、さらに「訪問することを許してもらう」という気持ちを込めたいというのは分からなくもないですが、くどい! もうちょっとスマートに、せめて「伺わせていただきます」かな。重症化すると「共感させていただきながら拝見させていただきました」なんて言いますからねぇ( ̄д ̄)!
 【4】 「~ていただく」なのに、その前に「○○さんが」と言う。「~ていただく」の主体は自分ですから「○○さんに」が正しいわけで、「○○さんに書いていただく」「○○さんに出ていただく」です。「○○さんが書いていただく」「○○さんが出ていただく」を誤りだと認識できない人は重症患者であり、まずいことに、あまり目立たないのでスプレッダーになります。
 アナウンサーでさえ「たくさんのかたが来ていただきまして」なんて言うのですから、今のは間違いだと認識して自分に言い聞かせないと、ぼーっとそのまま聞いていたらちゃんと話せなくなるのは当然です。若い人がちゃんと話せないのは、テレビから流れる変な日本語を聞いていることが原因であるのはもちろんですが、それほど若くない人も含め、一般人の日常会話がおかしくなっているからでしょう。
 【5】 ある番組で、Aさんが「春ですねぇ」と言い、それを受けて一般の人が「Aさんが春を連れてきてもらいました」と言いました。「~ていただく」ウイルスに感染している人は、「~てもらう」と気軽に言う場面でも、「○○さんに」を「○○さんが」と言ってしまうようです。このごろはけっこう見掛けるのですよ、こういう、いわば「~ていただく・~てもらう」症候群の人を。
 変な日本語を平気で電波に乗せる、表面だけ謙虚な芸能人、日常会話レベルの日本語さえちゃんと話せないアナウンサー、その影響をもろに受け、「Aさんが春を連れてきてくれました」と言えなくなってしまった日本人、本当に困りますねぇ。「大勢のかたに来ていただきまして」「大勢のかたが来てくださいまして」と言えてこそのアナウンサーではありませんか? 「○○さんが」と言った後は、「いただく」ではなく「くださる」と言ってこその日本人ではありませんか?
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「きっと大和撫子なのかな」って?

2012-04-08 09:54:12 | 気になる言葉、具体例
                               きっといい夢見てる

 連用修飾語(特に副詞)について、続きです。「なかなか」「あまり」「ほとんど」「きっと」など、副詞だ、なんて意識しなくても、なかなかいいねぇ、なかなか花が咲かない、あまり寒くないよ、ほとんどそろった、きっとよくなるよ、というふうに、日常会話で頻繁に使う言葉です。それがおかしいってどういうこと?
 「貯金はほとんど難しいという状況で」は、「貯金はほとんどできないという状況で」もしくは「貯金は難しいという状況で」、どちらかです。「ほとんど100点が多かったですね」「ほとんどは家庭ごみが多かったんですよね」は、結局どうなのかよく分かりません。「ほとんど100点」だったのか、「100点が多かった」のか。「ほとんどは家庭ごみ」だったのか、「家庭ごみが多かった」のか。
 「ポチたま」の「きっと大和撫子なのかな」というナレーション、ナレーターは俳優ですが、俳優なのに「きっと大和撫子なのかな」なんて、ほかの人が書いた原稿を読んでいるだけだとしても、よくまぁ平気でそのまま言えますね。俳優がナレーションをやるのはよくあることですが、本業の合間にやっている副業のようなものなのでしょうか、だからてきとーにやってる?
 「きっと」は、見込みが外れないという気持ちで言うわけですから、「きっと勝つ」「きっと大丈夫」「きっとうまくいく」というように、勝つこと、大丈夫だということ、うまくいくということを強く信じているわけです。ということは、「~なのかな」と続けるなんてありえないわけです。
 本当に「きっと」を何だと思っているのか、「きっと・・・かもしれませんね」「きっとここで写真を撮ったのでは?」「今回も、きっと有能な人が教えてくれるのを待ちましょう」「きっと多分これからもやんちゃだと思うんですよね」など、めちゃくちゃです。「きっと・・・なんです」「きっとここで写真を撮ったんですよ、そうに違いない」「今回もきっと有能な人が教えてくれますよ、期待しましょう」「きっとこれからもやんちゃですよ」と言えばいいのです。言えないなら「きっと」なんて言わないで!
 テレビでちょくちょく見掛ける政治家も「全然よく分かりません」って・・・、「全然分かりません」ときっぱり言ったらどうなの?! 始めと終わりがちぐはぐ、後半腰砕けというのは、謙虚さをアピールすることに必死な今の風潮のせい( ̄・ ̄)? 言葉だけやたら謙虚でも・・・ね<( ̄・ ̄)>。
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「圧力があまりかかりにくい」って?

2012-04-04 19:25:22 | 気になる言葉、具体例
                              キウイの隣にハムやん

 「朝ズバッ!」で医学博士のM先生が「圧力があまりかかりにくい」と言ったのが気になっていたところへ、またすぐに「洗車機ではなかなか落ちにくい汚れ」というのを聞いたので、連用修飾語(特に副詞)について書きます。最初に書いたのは3年ほど前でしたが、やはりうまく使えていない人が多いようです。
 「なかなか」は、「なかなかいい線いってる」のような「かなり」という意味と、「なかなかうまくいかない」のような「(打消の言葉を伴って)簡単には」という意味と、二つありますが、おかしくなっているのは後者です。「落ちにくい」は否定の形ではありませんから、「なかなか」に続けるのなら「洗車機ではなかなか落ちない汚れ」と言わなければいけないわけです。そして、「なかなか落ちない」は「落ちにくい」ということですから、「落ちにくい」と言うのなら「なかなか」は要りません。
 「なかなか~ない」なんて、日常会話に出てくる、別にどうということのない表現のはずですが、いろいろおかしな例があります。「なかなか写真が撮りにくくて」は「なかなか」が不要で、「写真が撮りにくくて」と言えばいいわけです。「なかなか」に続けるなら「写真が撮れなくて」です。「写真が撮りにくくて」と「なかなか写真が撮れなくて」は同じことですから、「なかなか写真が撮りにくくて」は変でしょ?!
 「テレビでしかなかなか見られないステージ」、これはちょっと面白い例です。「なかなか見られないステージ」の部分はいいのですが、その前に「テレビでしか」とありますからね、「テレビでしか見られないステージ」が正しいわけで、「なかなか」は不要です。「親子でもなかなか手をつなぐことはほとんどない」は「ほとんど」が不要。「なかなかまだ実行できずにいますが」は「まだ」が不要です。
 「なかなか見ることが減りました」は、「なかなか見ない」という状況になったということですから、「なかなか見なくなりました」あるいは「なかなか見掛けなくなりました」ですね。そもそも、単純に「見ることが減りました」と言えばいいのに、なぜ無理やり「なかなか」に続けるのですかねぇ( ̄_ ̄)?
 「あまり」も、「あまり使うところがほとんどない」だの「キウイは虫があまりつきにくいのです」だの「あまりだめだと思う」だの、おかしいでしょ( ̄д ̄)! 「圧力があまりかかりにくい」もそうですが、「あまり」は要りません。気持ちは分からなくもないですが、「あまり」と言う意味がありません。
 「圧力がかかりにくい」「使うところがほとんどない」「キウイは虫がつきにくいのです」でいいのですよ。「あまり」に続けるなら、「あまり圧力がかからない」「あまり使うところがない」「キウイは虫があまりつかない」と言えばいいのです。「虫があまりつかない」と「虫がつきにくい」は同じ意味ですからね。
 「あまりだめだと思う」は、面白いですよねぇ、これを言った人、言葉を選んでいるようで選んでいない。「だめだ」と言い切るのはちょっと・・・と思っていたのでしょうけれど、「あまり」と言った割には結局「だめだと思う」ですから、けっこうきつい性格なのかも。私なら「あまりよくないと思う」かなぁ(~_~;)。v
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「○○を取り扱いを行う代理店」って?

2012-04-01 09:15:37 | 言葉についてあれこれ
                      栄養摂取を行うハムやん、なんちゃって

 ○○のメーカーをネット検索していたとき、ある企業のプレスリリースの文章が出てきたのですが、「○○を取り扱いを行う代理店を募集」ですって( ̄д ̄)! いい大人が「○○を取り扱う代理店を募集」と書けないなんて不思議でならないのですが、こういう書き方はけっこう見掛けますよね。せめて「○○の取り扱いを行う代理店を募集」と書けないものか・・・(ーー;)?
 「~方法なかったか(ここで改行して)思い悔やんでいる」というのはNHKのニュース番組で見たテロップですが、「思い悔やんでいる」は変ですよね。アナウンサーは「◎◎は『~方法がなかったかと思い、悔やんでいる』と話しました」と言ったのですよ。「~方法なかったか」まで書いて改行したならしたで、じゃぁ、次の行は「悔やんでいる」だけにしよう、そういう判断がなぜできない?
 「□□で通学をしています。◇◇をあげ走りながら、順番を抜かしをする△△。会うたびに、睨み文句を言われます」というのは大学生の書いた文章のようなのですが、これも「通学しています」が「通学をしています」に、「順番抜かしをする」が「順番を抜かしをする」になっています。ちょっとした書き間違い? じゃぁ、「○○を取り扱いを行う代理店を」は? プレスリリースですけど。
 さらに、「◇◇をあげ走りながら」と「睨み文句を言われます」は、「思い悔やんでいる」同様、「あげ」と「走りながら」が、「睨み」と「文句を言われます」がくっついてしまい、意味不明になっています。「◇◇をあげて走りながら順番抜かしをする」「会うたびに睨まれ、文句を言われます」と書くのは大学生でも難しい?
 「怒られて相手が怖い顔がとても怖かった」は、どんな人が書いたのか分かりませんが、せめて「怒られて、相手の怖い顔がとても怖かった」と書いてよ。「暴れながら、泣き困りました」は「暴れながら泣き、困りました」ですよ。「ただ今更そんなことを言ってもしょうがないので」は「ただ、今更そんなことを言ってもしょうがないので」です。全くもぉ、本当に日本人?
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