◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「ご協力してくださるかたがた」って?

2009-09-30 20:03:10 | めちゃくちゃな敬語
                               これはOKね
 「ご協力してくださるかたがたのおかげです」だなんて、NHKのアナウンサーが・・・もうだめだ( ̄д ̄)! 「ご協力して」なら「差し上げる」と続くはずなのに「くださる」ですか? それから、別のアナウンサーも「こちらにご用意していただきました」だなんて・・・( ̄д ̄)ダラケッ! 「こちらにご用意して」だから「おきました」と続くと思いきや、「いただきました」ですか( ̄ ̄)?
 前回に続きしつこく言いますが、「ご(お)~する」は謙譲表現です。お話しする、お聞きする、お勧めする、ご案内する、お送りする、お受けする、ご提案する、お手伝いする、ご協力する、でしょ? 謙譲表現ということは、他人の行為ではなく、自分の行為について言うのですから、「くださる」や「いただく」が続くなんてありえません。
 多くの人は、敬語というと何でもいいからとにかく「ご」「お」を付ければいい、と思っていますね。敬語の基本の形をきちんと頭の中で整理してあれば「ご協力してくださる」は誤りだと気づくはずですが、アナウンサーといえども近ごろはそういった基本ができていないようです。そういう勉強はしないのかな? しょうがないなんて言っていたら外国人に笑われます( ̄ ̄)ウムゥ。
 正しくは、「協力してくださるかたがたのおかげです」もしくは「ご協力くださるかたがたのおかげです」、そして、「こちらに用意していただきました」もしくは「こちらにご用意いただきました」です。例えば、「書く」なら、さすがに「お書いてくださる」「お書いていただく」なんて言わないでしょう、でも、これが「協力」+「する」や「用意」+「する」になると途端におかしくなるのですね。これでは「お出迎えしてくれたのはポポちゃん」と同じレベルです。
 「協力」や「用意」に「する」が付いて複合動詞になりますから、頭に「ご」を付けても「協力して」まで一気に言ってしまう気持ちは分からなくもないのですが、「書いてくださる」を「お書いてくださる」なんて言う人はいないのですから、その「書いて」に相当するのが「協力して」なら、「協力してくださる」であって「ご協力してくださる」ではないことぐらい、ちょっと考えれば分かりそうなものです。アナウンサーなら、ちょっとぐらい考えてね~m(^_^)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「放送をお休みします」って?

2009-09-27 10:07:17 | めちゃくちゃな敬語
                             昼寝するハムやん
 「メンテナンスのため、放送をお休みします」なんて言っちゃうNHKのアナウンサー、そんなに日本語がだめというわけではないアナウンサーなのですが、やっぱり言うんですね、「お休みします」って。そういえば、古舘さんも「お休みします」と言いますね。そんな「お休みします」ですが、私はかなり抵抗を感じます。
 敬語の基本、「ご(お)~する」は謙譲表現です。お話しする、お聞きする、ご相談する、お伝えする、お持ちする、お勧めする、ご案内する、ご説明する、お送りする、お迎えする、お受けする、ご提案する、お手伝いする、お世話する・・・、え? じゃぁ「お休みします」でいいんじゃないかって?
 では、次の例はどうでしょうか。お勉強する、お仕事する、お散歩する、お昼寝する、お食事する、お買い物する、お出掛けする、お料理する、お洗濯する、お掃除する・・・、謙譲というより、う~ん、何と言いましょうか・・・、私は決してこういう言い方はしません。だって、こういうキャラではありませんから。
 またまた「ちゃんとしゃべれ!」の神様が降りてきました。これを書いていたまさにそのとき、テレビ画面に「大人の学校」という文字が見えました。何かと思ってそのまま見ていたら、講師らしき人が出てきて「今日は○○についてお勉強しましょう」ですって!( ̄д ̄)ダラケッ! 何が大人の学校だよ、がきんちょ集めてやってろ! あ~コホン、失礼、お子ちゃま向けのセリフみたいですわね、(⌒O⌒)おほほ。
 さて、「お休みします」は前者でしょうか、後者でしょうか。例えば、話す、聞く、相談する、これらは相手がいなくては成立しない行為ですが、「休む」は相手がいなくても成立しますね、ですから、後者です。私なら「休みます」と言いますね、「お休みします」なんて言えませんよぉ、恥ずかしい~(⌒_⌒;)。
 「メンテナンスのため、放送をお休みします」の場合は「メンテナンスのため、放送を休止します」と言えばいいでしょう。番組の放送が1回休みになる程度なら「来週の放送は休みます」でいいのでは? 会社に勤めている人が用事で休みたいなら「○日は休ませてください」、自営業なら「○日は休業いたします」でしょうか。何にしても「お休みします」ではないですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「花王『○○』の一時販売を自粛」って?

2009-09-23 20:16:52 | 気になる言葉、具体例
                           グリフィンドールじゃ
 はい、今度はmsnのトップページです。ニュースの経済カテゴリーに「花王『○○』の一時販売を自粛」というのがあって、「一時販売」って何だろうなぁと思いました。お試しキャンペーンなら一時販売かな、でも、○○はだいぶ前から販売しているし、キャンペーンはキャンペーンであって一時販売とは言わないなぁ、う~ん、分からない、というわけで記事を読みました。

花王、○○関連製品の一時販売を自粛(ロイター)
 [東京 16日 ロイター] 花王は16日、○○関連製品の一時販売自粛・出荷停止を行うと発表した。欧州を中心に安全性の議論が出ている「グリシドール脂肪酸エステル」が含まれていることを確認したため。一般食用油と同等レベルに低減できるまで、販売自粛・出荷停止を行う。

 どうですか? 記事の中の「○○関連製品の一時販売自粛・出荷停止を行う」はいいのですが、タイトルの「花王、○○関連製品の一時販売を自粛」はすでにおかしいですね。そして、「花王『○○』の一時販売を自粛」はそこから「関連製品」を削ってかぎかっこでくくっただけですから、やはりおかしいです。う~ん、なぜこんな変なものが堂々とトップページに載るんだ( ̄~ ̄)?
 一時的に販売を中止するわけですから、正しくは「花王、○○関連製品の販売を一時自粛」「花王『○○』の販売を一時自粛」です。あるいは、「一時」を前に持ってくるなら「の」を削り、「花王、○○関連製品、一時販売を自粛」「花王『○○』一時販売を自粛」ですね。かえって字数が減って、いいでしょう?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「なくなりたいとか」って?

2009-09-20 09:48:54 | 気になる言葉、具体例
                            手をお上げください
 質がものすごく落ちていることの証明のようなテロップを幾つも続けて見ました。あの薬物事件のSが語った言葉として、それを聞いたという人が話していたのですが、「楽になりたいとか」と言ったのにテロップは「なくなりたいとか」でした。確かに、「らくに」は「らくん」と聞こえましたよ、「らくんなりたい」でしたが、これがどうして「なくなりたい」になるのか、日本語として不自然だと思わないのでしょうか。
 「楽になりたいとか」の後に続いた言葉が「死にたいとか」だったのでそんなに変だとは思わなかったのかもしれませんが、「なくなりたい」なんて言いますか? 「消えてしまいたい」は聞いたことがありますが。仮に「亡くなる」をイメージしたのだとしても、死にたい本人が「亡くなりたい」とは言いませんね。それを聞いた人の言葉としても「亡くなりたい」はありえません。
 ありえないテロップをもう一つ。Sの保釈直前でしたが、「おわびの頭部を下げると思います」って・・・? 私は「お詫びのこうべを垂れると思います」と聞こえ、ちょっと変だなぁとは思ったのですが、テロップを見て驚きました。「おわびの頭部を下げる」は幾ら何でもおかしいですよ。「こうべ」と入力して変換すると「神戸、頭、首」が候補として出てきますから「とうぶ」と入力したのでしょう。「おわびの頭部を下げる」なんて「謝罪」からは程遠いイメージですね( ̄ ̄)。
 それにしても、Sが保釈直後の会見で語った言葉、「事件に手を染める」だの「私が犯しました出来事」だの、罪の意識が薄いように感じます。「罪を償う」など、「罪」も何度か出てきましたが、「出来事」は「ふと、起こったこと」という意味ですからね、こういうところに本音が出るなぁ、重大な「犯罪」だという認識はないのだろう、やっぱり、という感じがしてならないのですが、どうですか?
 はい、話を駄目駄目テロップに戻しましょう、駄目押しですよ。話し手が「積年のいろんな不満や不信が」と言っているのに「色んな責任、不満や不信が」なんて書いてあったのです。この作業者は「積年の」が分からなかったようですが、だからといって、「積年の」と「いろんな」の語順を変えてまで「色んな責任」にしていいわけがない( ̄д ̄)!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「やらないと」→「あげないと」?

2009-09-16 20:39:00 | めちゃくちゃな敬語
                              ご飯でちゅよぉ
 話し手が「親としてやれることはやってやらないといけないと思いますので」と言っているのに、テロップは「親としてやれることはやってあげないといけないと思いますので」と書いてありました。「親として」でお分かりのように、やってやらないといけない、その対象は自分の子どもです。なのに、一体なぜ「やらないと」をわざわざ「あげないと」と書き変えるのでしょうか。
 テロップのいいかげんさについてはこれまでたびたび書いてきましたが、そのテロップが、敬語のつもりで言っているらしい変な「やられる」をそのまま書くテロップが、なぜかここだけはみんなほぼ同じ、「~てやる」を「~てあげる」に書き変えているのです。「かきかえる」の表記は、特別な意図の下に変更を加えるという意味の「書き変える」ですよ。
 親が子に対して「やってやらないといけない」は、間違いでも何でもない、当たり前の言い方です。そういえば、「この絵は娘に描いていただいて・・・描いてもらって」と言い直したお母さんがいました。一般の人ですが、残念ながら放送業界にまん延している変な日本語に感染していますね。
 「親としてやれることはやってやらないといけない」と聞いたとき、決して子どもを甘やかしてはいない、でも、親の責任ということをきちんと考えている、親らしいすてきな人だと感じました。なのに、なぜそれをわざわざ書き変えるんだ( ̄ ̄)? 久しぶりに感心したのに、ぶち壊しじゃないくわぁ~っ!
 まだまだありますよ。かわいい動物が主役の番組で、「犬のご飯とかやってみた?」という獣医の問いに「やってみたんですけど・・・」と答える飼い主、犬のご飯というのは単にドッグフードということですが、そのとき、テロップはやはり「あげてみたんですけど」でした。だらけっ( ̄д ̄)!
 私もかわいいハムやんに向かって「は~い、ヒマ種あげまちゅよ~」なんて言ってますよ、言ってますけど、「花に水をやる」「犬に餌をやる」は、わざわざ書き変えなければならないほど品がないというわけではないのですから、話し手が「やってみたんですけど」と言っているのを勝手に書き変えないで! 敬語もどきの「やられる」のほうがよっぽど品がないですよ、こっちを何とかして~。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「昨秋ならこんな負けず」って?

2009-09-13 09:44:11 | 気になる言葉、具体例
                             別ハムです、多分
 いやはや、ネットのオンラインニュースというのは変な日本語の宝庫(意味からいくとはきだめと言うべきかな?)ですねぇ。9日の夜8時40分ごろ、YAHOO!JAPANのトップページのトピックスに載っていたのがこれです。

   首相「昨秋ならこんな負けず」

 ・・・?・・・全く理解できないのでクリックして記事を読んでみました。

 昨秋ならこんな負けなかった=麻生首相
 麻生太郎首相は9日午前、首相官邸で海洋政策研究財団の秋山昌廣会長と会談した。首相はこの中で、衆院選の自民党惨敗に関し「昨年秋に衆院選をしていたら、こんなに負けていなかった」と述べた。

 どうですか? まず、「昨年秋に衆院選をしていたら、こんなに負けていなかった」が「昨秋ならこんな負けなかった」になり、さらに「昨秋ならこんな負けず」になったというわけですが、字数制限があるとはいえ、あまりにもひどい! トップページですから大勢の人の目に入るのに、こんなことでいいのか? いや、よくない( ̄_ ̄)。
 「昨年秋に衆院選をしていたら、こんなに負けていなかった」→「昨秋ならこんなには負けなかった」もしくは「昨秋ならこんな負けはなかった」→かっこ内は10文字という前提で考えると、う~ん、「昨秋ならこれ程負けぬ」といったところでしょうか。
 さて、もう一つ、昨日の朝の情報番組で「だれを総理に指名するかでもめていた」というナレーションを聞いたのですが、画面に映っている‘もめている人たち’は自民党の議員です。あれれ? 野党の総裁が総理になれるわけないから「だれを総裁に指名するかでもめていた」か? と思ったのですが、総理なんですね、つまり、民主党のだれかですよ。それで自民党の議員の名前が出てきて「指名」というのはおかしくないですかね。名前を書くだけなら自由だぁ~?
 以前、「総裁分離」という変なテロップについて書きました。自民党政権における「総理=総裁」ということを意味する「総理総裁」という言葉があり、総理と総裁は別々の人にということを「総総分離」と言い、この「総総分離」が「総裁分離」になっていたというわけですが、とうとう本当に「総総分離」になりましたね( ̄_ ̄)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「○○さんも詫びております」って?

2009-09-09 20:23:11 | ちゃんとしゃべれ!変な日本語
                               呼んでなぁい
 前回、「○○代表は国民に深くお詫びした」という例を挙げましたが、久しぶりに降りてきましたよ、ちゃんとしゃべれ!の神様が(⌒・⌒)。
 6日の朝、テレビをちらちらと見ながらパソコンに向かっていたら、「先ほど、不適切な表現がありました。○○さんも詫びております」というお詫びが聞こえてきました。しゃべっているのはフジテレビのSアナウンサー(役員待遇エグゼクティブアナウンサー)で、○○さんというのはゲスト出演している政治家です。
 おっ? 「お詫び」じゃなくて「詫びて」だよ、だよね、そう来なくっちゃぁ、と思ったのですが、その後がいけない、「おります」と続き、あ~やっぱりぃ~~~Sさんらしいなぁ~~~とがっくり。まぁ、Sアナウンサーは小倉さんほどひどくはないので、Sさんということにしておきましょうかね。
 以前、首相官邸の前から中継で・・・エグゼクティブアナウンサーなのに中継先にいるという、良く言えばフットワークの軽さ、悪く言えば重みのなさ、ま、いいですけど、「首相は官邸におります。これから出発いたします」なんて言っちゃうのですから( ̄д ̄)ダラケッ! 秘書でもないのに「おります」「いたします」ってどういうこと?
 「おります」の受け取り方は世代によっても異なるようですが、私は、「雨が降っております」なら丁寧語、「首相は官邸におります」なら謙譲語というふうに受け取ります。よって、首相と同じ立場でないなら「いらっしゃいます」もしくは「います」でしょう。そして、「いたします」も謙譲語ですから誤りで、「出発なさいます」もしくは「出発します」と言うべきです。でも、大方の人は「首相は官邸におられ、これから出発されます」かな? あ! こういう言い方をしないところがSさんらしいかも(⌒_⌒)。
 というわけで、「○○さんも詫びております」ではなく、「○○さんも詫びています」が妥当だと思うのですよ。不適切発言を詫びるのですから「いらっしゃいます」とは言いにくい、でも、Sさんはアナウンサー、○○さんはゲストなのですから、単純に「います」ということでどうですか?
 さて、「○○代表は国民に深くお詫びした」は、「お詫び」を「した」のではなく「お詫びした」ですから謙譲表現です。ナレーターという立場なら「○○代表は国民に深く詫びた」と言わなければなりません。「お詫びした」と言ったナレーターは、「お詫び」を「した」と言っているのと同じ感覚、つまり、「お出掛けした」のような感覚だったのかもしれませんね。かなり幼稚です( ̄ ̄)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「お出迎えしてくれたのは」犬ちゃん。

2009-09-06 10:16:43 | 言葉についてあれこれ
                              気づいてくれた
 天気予報で「お出掛けされるかたは傘を忘れずに」「お出掛けをされる際は傘を持っていったほうがいいようです」というのをよく聞きますが、前回の記事に書いたように、とにかく「お」「ご」さえ付ければいいという「安心してお暮らしできるように」のような言い方があれこれ聞こえてきます。
 「暮らす」の可能表現は「暮らせる」で、「暮らせる」の尊敬表現は「お暮らしになれる」ですから、「安心してお暮らしになれるように」が正しい言い方です。それでいくと、「お出掛けをされる際は」にしても本当は「お出掛けになる際は」と言わなければならないのですが、もはや「お出掛けをされる際は」は許容範囲内でしょうか。
 リポーターが玄関の扉を開け、「お出迎えしてくれたのは」と言うので画面を見たら、そこにいるのは犬です。「出迎えてくれたのは」が正しい言い方だと思うのですが、いい年して犬に「お出迎えしてくれたのは」って・・・、まぁ、かわいい犬ちゃんだからそう言いたくなる気持ちも分かりますけどね(^^;。「お出迎えしてくれたのは」って、「お出掛けをされる際は」同様、幼稚な感じがします。
 「お仕事」も、また新たに炭酸飲料のCMで聞きました。なぜ自分の「仕事」なのに「お仕事」などと言うのか私には理解できません。濃いメイクのきれいなお顔に合っていると言えなくもないですが。職場でも「○○は、今日はお休みを頂いておりまして」というのを聞いたのですが、おかしくないですか? 「休み」でいいと思いますよ。
 それから、これは選挙の前ですが、ニュースで「○○代表は国民に深くお詫びした」というナレーションを聞きました。アナウンサーやナレーターはあくまでもニュースを伝える人であり、国民に詫びた○○代表と同じ立場でないことは言うまでもありません。「お詫びした」では○○代表と同じ立場になってしまいますから、ここは「○○代表は国民に深く詫びた」と言うべきです。
 今、10代の若者の76%が「日本語を大切にしている」らしいですが、その割に変な日本語をしゃべっているのは、大人が変な日本語をしゃべり、アナウンサーやナレーター、テロップが変な日本語を堂々と広めているからではないでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「安心してお暮らしできるように」って?

2009-09-02 20:37:19 | 気になる言葉、具体例
                             安心してお暮らし
 やれやれ、やっと終わりましたね、選挙戦。ふだんより国民向けの(国民にやたら気を遣った)セリフが多く聞かれるこの期間、まぁいろいろ聞こえてきましたが、変な日本語を挙げて解説するこのブログらしく、政治家の変な日本語について特に気になったことを書いてみます。
 政治家特有の変な言い回しについては以前にも書いたことがありますが、今回やたら耳についたのは「ご」「お」の誤用です。何でも付ければいいというものではありませんよ。「皆様の新しいご生活が始まっていきます」だの、「皆さんのお暮らしを考えたときに」だの、くどい! そんな「ご」「お」は要りません。
 でも、芸能人はもっとひどい! 「ご生活」「お暮らし」はまだ‘気を遣いすぎ’と言えなくもないのですが、自分のことに「ご」「お」を付け、「人前に出るお仕事なので」なんて40歳ぐらいの女性が言うのですから、ばかみたい、こんなことでよくまぁ人前でしゃべれますね。そういえば、ちょっと前に全裸で騒いで逮捕されたあの人も「メンバーのみんなとお仕事ができる」なんて言っていました。う~~~気持ち悪い( ̄д ̄)。
 はいはい、政治家に話を戻しましょう。選挙戦といえば街頭演説ですからね、こんなのもありました。○○党の党首がマイクを握って大きな声でゆっくりと「安心してお暮らしできるように」ですよ。これはもう明らかな誤りなのですが、誤りだとちゃんと認識できますか? たまに聞こえてくる「ご利用できません」と似た構造ですね。
 「利用できません」に「ご」を付けても尊敬表現にはなりません。人に向かって「できません」だなんてただのぶっきらぼうです。「利用しない」の尊敬表現は「ご利用にならない」で、「利用できない」の尊敬表現は「ご利用になれない」、よって、「ご利用できません」ではなく、「ご利用になれません」と言わなければいけないのです。
 「お暮らしできるように」は「ご利用できません」よりひどいですね。「ご」を取った「利用できません」は日本語として成立しますが、「お」を取って「暮らしできるように」にしても成立しませんから、どこからどう見てもありえない言い方です。政治家によく見られる‘何でも名詞化’、つまり、「お暮らしができるように」の「が」が抜けたと見ても、「安心して」と「お暮らしができるように」がつながりません。
 まず、「暮らす」の可能表現は「暮らせる」ですね、そして、「暮らせる」の尊敬表現は「お暮らしになれる」です。いい年して「安心してお暮らしになれるように」とちゃんと言えないのなら、無理しないで「安心して暮らせるように」と言えばいいのに、なんで墓穴を掘るかなぁ~( ̄ ̄)、安心して暮らせる日は遠そうだなぁ~( ̄・ ̄)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする