◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「~と考えて(Tシャツ)をつくった」って?

2019-01-27 10:28:58 | 言葉についてあれこれ
                                  これなら問題なし

 「少しでも歴史に興味をもってもらえるのでは、と考えて(Tシャツ)をつくった」(2018/11/9 14:27配信 WoW!Korea)は、どこがどうおかしいか分かりますか? 私なら「幾らかでも歴史に興味を持ってもらえるのではないかと考えて(Tシャツを)作った」とかね、あるいは「少しでも歴史に興味を持ってもらえたらと考えて(Tシャツを)作った」と書きます。
 流れをちょっと修正しましたが、今日のポイントは「(Tシャツを)作った」なのですよ、「を」まで括弧に入れて、「をつくった」ではなく「作った」と続けます。「(Tシャツを)」を飛ばして読んでも「幾らかでも歴史に興味を持ってもらえるのではないかと考えて作った」と、す~んなりつながるわけです。うん、それで、何を作ったの? 「(Tシャツを)」と補足するわけです。
 一般の人の文章に「彼氏は以下のような行動(言動)をとってきて」という不思議な例があったのですが、なぜわざわざ「行動(言動)」と書くのか? 小倉智昭も「この女子生徒の言動とか行動を見てると」なんて言いますから、「言動」を分かっていない人は多いようですが・・・。「行動」と書いた直後に言葉もそうだと思ったのなら、「彼氏の言動は以下のようで」とでも書き直せば? 書き直すのが面倒だったのか?
 「今日は(来たのは)山梨です」というお粗末なテロップも見たことがあります。一般の人に「どこから来たの?」と聞いたら「今日は、山梨です」と答えた、つまり、「今日は山梨から来た」ということですが、それがなぜ「今日は(来たのは)山梨です」になるのかな ┐( ̄д ̄)г。「山梨です」でも十分なのに、わざわざ「(来たのは)」と補足するのだったら、「山梨から来ました」と書き直せば? それは思いつかない?
 皆さんは括弧の使い方をちゃんと意識していますか? これはおかしいなぁと思うことはたまにあるのですが、考えてみたら、これまでそういう例を記事にしたことはありませんでした。それで、たまたま、やたら括弧が出てくるうえに非常に読みにくい、実例として挙げるのにおあつらえ向きの文章が目についたので、抜粋して解説します。
 「家族で旅行、計画や予約は私に任せるということで、全て私が計画し準備しました。(運転は旦那です。)私がやっている短期アルバイトのお金(専業主婦)があり、そのお金を使っての旅行です。出来るだけ子供を喜ばせたいという思いで計画(旦那が大好きな○○も組み込んで)を立てていました。旅行前日に、知人と食事の約束をしたと旦那から伝えられました。夕食の後に買い物に行ったり、街を散策したい(繁華街だったので)という、子供が楽しみにしていた予定があったので別行動にしようかと提案すると、相手に失礼だろうとキレ気味に言われました。勝手な約束(その上キレ気味)にカッとなりましたが、ぐっと我慢しました」
 というわけですが、どうですか? まず、自分ならこう書くというのを考えてみてください。考えてみましたか? さて、次の段は、私ならこう書くという例です。
 「家族で旅行、計画や予約は私に任せるということで、全て私が計画し準備しました。運転は旦那です。私は専業主婦ですが、短期アルバイトをやっているので、そのお金を使っての旅行です。できるだけ子どもを喜ばせたいという思いで(旦那の大好きな○○も組み込んで)計画を立てていたのですが、旅行前日、知人と食事の約束をしたと旦那から言われました。夕食の後に買い物に行ったり、繁華街だったので街を散策したりと、子どもが楽しみにしている予定があったので別行動にしようかと提案すると、相手に失礼だろうとキレ気味に言われました。勝手な約束をしたうえにキレ気味の態度で、とても腹が立ったのですが、ぐっと我慢しました」
 おや? 書いてから気づきましたが、括弧は一つだけになりました。元の文章で「旦那が大好きな○○も組み込んで」を括弧に入れてあったのは、ずっと旅行したがっていた子どもを喜ばせたいというのがメインではあるけれど、旦那の好きな○○もしっかり入れましたよ、忘れていませんよ、という補足(言い訳?)ですね、そういうわけで、やはり括弧に入れました(⌒-⌒)。
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「経済成長率はみぎかたのぼり」って?

2019-01-20 08:57:21 | 言葉についてあれこれ
                                  ボトルスタンドのぼり

 「経済成長率は25%アップのみぎかたのぼり」は「高田純次のセカイぷらぷら」で聞いたナレーションで、ナレーターは秀島史香( ̄д ̄)! これは「右肩上がり」ですね、「みぎかたあがり」が正しいわけで、「みぎかたのぼり」なんて初めて聞きました。ひょっとして、原稿に「右肩上り」と書いてあったのでしょうか。
 「上がり」と「上り」を区別していますか? 「上がり(あがり)」「上り(のぼり)」ですよ、「右肩上り」と原稿に書いてあったとしても、「右肩上がり」を分かっていたら「みぎかたあがり」と言いますよ。40代のナレーターが「右肩上がり」を知らないのか? 平気で「古来から」だの「古来より」だの言う人ですから「みぎかたのぼり」にも疑問を感じることはなかったのかな ┐( ̄д ̄)г。
 「大騒動」を「だいそうどう」と言ったのは「世界へ発信!SNS英語術」のナレーター、Owen真樹ですが、「おおそうどう」でしょ。ただ、ほぼ金沢弁の私は「だいそうどう」に抵抗感はなく、むしろ「大」に力を入れて「大騒動(だいそーど  ̄__)やわぁ」と言ったりするのですが、若い人はもうそんなふうに言わないので笑われます(^^;。
 2018年9月21日放送の「直撃LIVE グッディ!」で、お年寄りが暮らす施設の方針・やり方について思うところを書いてある手紙をスタジオの男性アナウンサーが読んでいたようで、私は画面を見ずに聞いていたのですが、「でも、そのかたがピンピンしてて、コロリと死ねるのにねェ~」と言ったので、何だか変だなぁと思って画面を見たら、「でも、その方がピンピンしてて、コロリと死ねるのにねェ~~~」と書いてありました。
 「その方が」ですよ、勘のいい人はもうお分かりですね(⌒・⌒)。お年寄りに対して、何でもさっさとやってあげるより、自分でできるようにいろいろ工夫しておいて、職員はやり方を教えるだけ、自分でできることは自分でするように促す、そういうやり方のほうがいい、そのほうがピンピンコロリにつながるという趣旨です。
 報道番組は、事前に打ち合わせをして、こういう手紙を読むなら、放送が始まってから初見で読むなどということはないと思うのですが、それでも、「そのほうが」と読むべき「その方が」を「そのかたが」と読んだのです。ほかのことをしながら聞いていた私にもすぐ分かることなのに、そのアナウンサーは理解できなかったのでしょうか。ちなみに、私は「ほう」も「かた」も平仮名で書きます。漢字で書くのは「北の方」「南の方」といったときだけです。
 それから、同日の「直撃LIVE グッディ!」で、今度は倉田大誠アナがやらかしてくれました。大量に廃棄されるプラスチック製ストローが海洋汚染を引き起こしている、そのため、飲食店での使用を制限するという話をしていて、「一日に廃棄されるストローの本数が・・・」というテロップが出ていて、当然、それは「いちにちに」と読むべきなのですが、なんと、「ついたちに」と読んだのです。
 このごろは「いちばん」もしくは「一番」と書かないといけないものまで「1番」と書く人が多く、テロップ入力作業者なんて「1番」としか書きませんからね( ̄" ̄)、「一日に」というテロップを見て、なんとも珍しいなぁと思いました。そこへ聞こえたのが「ついたちに」ですよ( ̄д ̄)! 安藤さん、どうしたのかな? 昔は、ほかのアナウンサーが変なことを言ったら即座に訂正していたのに (・ω・)。
 私は、「一番星」「一番乗り」などは漢字で書き、「最も」という意味のときは「いちばん後ろ」「いちばん大きい」というふうに平仮名で書きます。「一日一善」や「一日千秋」は横書きでも「一日」ですが、「1日につき~」という意味で横書きなら「1日に廃棄されるストローの本数が・・・」と書いてもいいと思います。倉田アナ、これだったら「いちにちに」と読んだかな?
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「犬のくそにもならねぇんだ」って?

2019-01-13 09:56:08 | 言葉についてあれこれ
                                  ハムやんのうんち

 「下町ロケット ヤタガラス」(脚本 丑尾健太郎)の最終回(1月2日放送)を何度も繰り返して見ました。このごろ、お笑い番組や報道番組をあまり見なくなり、見たい番組がぐっと減ったこともあって、放送後の5日間、毎日見ましたよ。でも、何度も見ているうちに思ったのですよ、やはりほっとけないなぁ~と( ̄~ ̄)。
 「プライドなんか犬のくそにもならねぇんだ」は伊丹大(尾上菊之助)のセリフですが、随分思い切りましたねぇ。「プライドなんか役に立たない、かえって邪魔だ」と言いたいのでしょうから、わざわざ「犬の糞(くそ)」なんて言わなくても、「プライドなんかくそにもならねぇんだ」でいいと思いますけど。
 でも、「くそにもならねぇんだ」なんて尾上菊之助には言わせたくないような・・・、それで「犬」を入れたくなって「犬のくそにもならねぇんだ」になった、とかね。でも、それなら「プライドなんか犬のくそにも劣るんだよ」と言うのが自然です。あるいは、「プライドなんか犬にくれてやれってんだ」とかね。
 「佃とは何度も面識があるだろ!?」「待ってるのは地獄しかないぞ」は重田登志行(古舘伊知郎)のセリフです。「面識がある」だったら「何度も」が余計で、「佃とは面識があるだろ!?」です。でも、面識があるどころか、伊丹は佃に何度も会っているので、「佃とは何度も会ってるだろ!?」でしょ! そして、「待ってるのは地獄だけだぞ」か「その先には地獄しかないぞ」でしょ!
 「どれだけの苦労と時間がかかってんのか」「帝国重工を辞めたのだって、会社との方針が合わなかったからでしょう!?」は立花洋介(竹内涼真)のセリフ。「苦労」ではなく「労力」ですね、「どれだけの労力と時間がかかってんのか」でしょ。「苦労」と言いたいなら「どれだけ苦労して、どれだけ時間がかかったか」です。「会社との方針が」は、ひょっとして言い間違い? 「会社の方針と合わなかったからでしょう!?」でしょ!
 プロジェクト参加企業の人たちを前に「弊社、ギアゴーストで製造しているトランスミッションに関して精査したところ、構造的欠陥とでも言うべき問題があるとの判断に至りました」と言った伊丹、あ~ぁ、やっちゃった <( ̄д ̄)>。製品の欠陥を見逃し、製造中止もやむなし、それで伊丹がそんな言い方をしたら、これが、ドラマではなく現実に起きていることだったら、その場で袋だたきに遭いますよ。
 聞いた瞬間、私は「なんか、欠陥を軽く考えてるのかな?」と感じました。ちゃんと責任を感じている人のセリフなら「構造的欠陥とも言うべき問題が」でしょ! 「構造的欠陥とでも」ではなく「構造的欠陥とも」ですよ、「で」が余計です。「~とでも・・・」は、例えば「おれに責任があるとでも言いたいのか」とかね、ですから「構造的欠陥とでも言いましょうか・・・ま、そのぉ・・・」とでも言うのかと・・・( ̄_ ̄)。
 それにしても、製造中止を回避するためには佃製作所の特許を使わせてもらうしかないというとき、重田から「佃に殴られようが蹴られようが、おまえはやるしかないんだよ」と言われたときの尾上菊之助の演技がすごくて、「陸王」の市川右團次もそうですが、黙っていても伝わってくるものが、ほんっと、すごい( ̄・ ̄)。
 「家康、江戸を建てる(前編)」(脚本 八津弘幸)で「水を一杯所望したい」と言った大久保藤五郎(佐々木蔵之介)。「所望」は、欲しいと頼むこと、ねだること、「水を一杯所望する」で「水を一杯ちょうだい」という意味になります。「今後は私が采配をとります」は春日清兵衛(千葉雄大)のセリフですが、「今後は私が采配を振ります」でしょ!
 それから、「トレース 科捜研の男」(脚本 相沢友子)が始まったので見てみたのですが、案の定、虎丸良平(警視庁捜査一課刑事、船越英一郎)が真野礼二(科捜研法医研究員、錦戸亮)に向かって偉そうにがんがん怒鳴るわけで、衝突から始まって徐々に信頼へというパターンなのでしょうけれど、とにかくうるさいし、もぉ、うんざり ┐( ̄д ̄)г。後半は、虎丸が怒鳴りそうになったら“消音”にしてスルーしましたよ。
 それに、「科捜研は言われたことだけやってりゃいいんだよ!」は“お約束”ですからどうということはありませんが、捜査員が被害者の名前を間違えていることを真野が指摘したら、「つまんねぇことにこだわってんじゃねぇ」などと言うのですからあきれました。脚本家がそんなセリフを書いたのだとしたら・・・( ̄" ̄)。後の大事なシーンの伏線だとしても、苦い顔で舌打ち、ぐらいにしておいて!!!
 報道番組でも人名の誤りはたまにあって、ずっと前、「報ステ」で人名のテロップが間違っていたとき、古舘伊知郎が「名前を間違えるのは本当に申し訳ないこと」と言って謝罪したことがありますが、本当にいけないことですから、たとえドラマのセリフであっても「つまんねぇこと」などと言ってはいけないのです。ひょっとして、虎丸は傲慢で無能な刑事だということを強調しているのでしょうかね <( ̄д ̄)>。
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「快適に使いづらくなって」って?

2019-01-06 12:46:00 | 言葉についてあれこれ
                                              出ておいで

 「○はユーザーが増え過ぎ、快適に使いづらくなってしまった」(2016年06月22日 11時10分)、これを書いた人はITジャーナリストということなのですが、「快適に」の使い方が日本語として不自然です。快適に使えないことを「使いにくい」と言うのですから、「○はユーザーが増え過ぎ、快適に使うことができなくなってしまった」もしくは「○はユーザーが増え過ぎ、使いにくくなってしまった」でしょ!
 「動向を要チェックすれば、大丈夫」は「YAHOO!占い」で見たのですが、「要チェックすれば」って何ですかね? 単なるミス? それとも・・・( ̄д ̄)! 「要チェック」なら「動向を要チェック!」でいいのですが、本当は「動向をチェックすれば大丈夫」と言いたかったのですよね、「要」が余計です。
 「要」といえば、「値段は要相談」という「出没!アド街ック天国 西荻窪」で見たテロップ、非常にもやもやします。今は「要相談」に疑問を感じない人は多いのでしょうけれど、私なら「応相談」と書きます。「安くしてほしい? う~ん、まぁ、相談には応じますよ」といった意味です。「おう」と「よう」で勘違いして、「応じる」と「要する」を区別せず・・・、そんなところではありませんかね ┐( ̄д ̄)г。
 「○さんは精神を病んでいるという診断結果が下されたという」(2018/7/29 7:00配信 NEWS ポストセブン)は「結果」が余計で、「診断が下されたという」でしょ! 「帰国子女をうらやましい気持ちがあります」(2018/9/21 7:00配信 withnews)は少し言葉が足りません。「帰国子女をうらやましいと思う気持ちがあります」もしくは「帰国子女がうらやましいという気持ちがあります」でしょ!
 「俺にはどうしようもできないんだ」は「ほんとにあった怖い話」で聞いたのですが、「俺にはどうしようもないんだ」と「俺にはどうにもできないんだ」がまぜこぜになっています。「君にしか頼める人がいないんだ」は「TEAM~警視庁 特別犯罪捜査本部」#8(脚本 吉本昌弘)で関田陽介(浅野和之)が言ったセリフ。「君にしか頼めないんだ」もしくは「君しか頼める人がいないんだ」でしょ!
 「朝起きたら、横にいる夫が突然死んでいた日の話」という見出し(2018/10/9 10:00配信 現代ビジネス)を見て、「突然」が余計だなぁと思い、記事を読んでみました。「朝、ふと目が覚めたら外が明るくなっていました。(中略)私は慌てて飛び起き、夫の寝室に向かって『早く起きて~。遅れる!!』と叫びながら部屋に入りました」ということは、寝室は別々ですね、それなら「朝起きたら夫が死んでいた日の話」では?
 以下の例は一般の人が書いた文章から拾いました。「A子が行くなら行くつもりでしたが、A子は都合が悪く行けないので、一緒に行かないことにしました」の「一緒に行かない」とはどういうことなのか、「自分だけ行く」か「別々に行く」か? 「同じ」という意味で「一緒」と言うことはありますが、この書き方で「私も、A子同様、行かない」と受け取るのは難しいですね。続きを読んで「私も」のつもりなのだと分かったのですが、やはり「私も行かないことにしました」と書かないといけません。
 「人様のことを目の前で言ってはいけない失礼さを教えなくてはいけませんね」は、言いたいことは分かるのですが、日本語として成立していません。「人様のことを目の前で言うことの失礼さを教えなくてはいけませんね」とか、「人様のことを目の前で言ってはいけないと教えなくてはいけませんね」とか、「人様のことを目の前で言うのは失礼だと教えなくてはいけませんね」とか、いろいろありますよ。
 「その作業の前にはひと呼吸を行い、慎重にやろうなど、私の姿勢は前向きです」も、分かりますよ、言いたいことは分かるのですが、「その作業の前には、慎重にやろうと一呼吸おくなどして、私の姿勢は前向きです」とかね。ライターは当然ですが、一般の人だって、自分だけが読む日記ではなく、誰でも読める、他人に読ませるものを書いているという意識が必要です(⌒_⌒)。
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