◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

変な日本語と日本人の心。

2007-12-28 20:06:21 | 電子書籍(でじたる書房)
                       よいお年を
 私はたまたま変な日本語アレルギーを発症してしまいましたが、毎日テレビから流れてくる日本語がかなり変なのですから、私のように毎日毎日変な日本語を修正させられるということでもないかぎり、変な日本語に徐々に慣れていってやがて変だとは思わなくなりますね。日本語をテーマにしたテレビ番組でもたまにあれこれ言っていますが、そんなものはレベル高すぎ! 実際はもっとひどいことになっています。アナウンサーやキャスター、ナレーターといった、人前で話す職業の人たちも自分が間違った日本語を話していることに全く気づいていないのですから、恐らく、チェックして省みる時間もないのでしょう。だからいつまでも直らないのです。
 自分の話している言葉が正しいか正しくないかを気にしている人は、はっきり間違いだと分かれば自分で修正することができますが、うやむやのまま間違いばかりを聞かされているとだんだん慣れていき、いつの間にか間違いのほうに引っ張られていってしまいます。もちろん、徐々に変化していく言葉もありますが、「変化」と「乱れ」は違います。より便利に分かりやすく、時代に合わせて変化していくならともかく、そうではないもの、あっという間に広がって大勢の人が使うようになっても誤りは誤り、これでは誤解が生まれるよ、困るなぁ、というものがたくさんあります。そして、変な日本語によって心を失うということと、逆に、心を失っているから日本語が変になるということと、両方あります。
 正しいか間違っているか分からない、さらに進んで、間違いなのではないかと感じることさえできない、そして、そのまま流されていく、細い流れが集まってやがて大きな流れになり、崩れていってしまう日本語、それをただ見詰めるだけの毎日ですが、今、電子書籍『ちゃんとしゃべれ!』を書き直しています。ささやかな抵抗・・・といったところでしょうか。本当は、そのつど自分で調べて正しい日本語を確認すればいいのですが、これはなかなかできないことです。私は仕事の中でそういう作業を即座にすることができたから正しい日本語をある程度整理することができたのですが、皆さんも、「ん? なんか変だなぁ」と思ったら、その疑問を忘れないで、できるだけ確かめてくださいね。
 12月29日から1月3日まで、更新を休みます。皆様が、仕事も心配事も何とか片付けて、日常とは違う何かを感じ、エネルギーを蓄える、そんな素晴らしいお正月をお過ごしになれますよう心からお祈りいたします。
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「出させていただいて」って?

2007-12-27 20:01:21 | めちゃくちゃな敬語
                        出して~
 例文は「ださせていただいて」と読むのですが、何に「出させて(ださせて)いただいて」かというと、タレントがテレビ番組や映画に「出させて(ださせて)いただいて」です。これ、しょっちゅう聞きますよね。でも、タレントの「~させていただいて」にあまりにも慣れ、これがおかしいということには気づきませんでした。おかしくないかというコメントを頂いて初めて気づいた次第です。
 「ださせていただいて」ですから「出す」ですが、テレビ番組や映画に「出る」のであって、「出す」のではないですよね。「顔を出す」という表現はありますが、出演させていただくということを言うのに「顔を出す」はおかしいですね。超大物が「うん、ちょっと(顔を)出させていただいてね( ̄ー ̄)フフン」ということならありえますが、そういうことも今はないでしょう。あるいは、マネジャーが「うちのタレントを出させて(ださせて)いただいて」なら、「タレント」を「出す」ですから、ありえます。でも、タレント本人が言えるセリフではありません。
 5月14日に「レギュラーにさせていただいて」について書きました。これを言ったのは「どんだけぇ~」のおかまタレントです。タレント本位の言い方では「レギュラーにならせていただいて」ですが、レギュラーを決める権限を持つ人本位の言い方をすれば「レギュラーにしてくださって」となります・・・と言いたいところですが、「くださる」はほとんど使われませんから、「レギュラーにしていただいて」となります。それがそのまんま「レギュラーにさせていただいて」なのですから、正誤を考えないにも程がありますよ(`н´)。
 番組に私を起用していただく、使っていただく、そういう気持ちで「出していただく」と言うのなら分かります。その「だ」がそのまんま「~させていただく」に乗っかって「出させて(ださせて)いただく」になったのでしょうか。う~ん、どうもこの線が濃厚ですねぇ~。そういえば、関係ないけど、監禁された人は「ここから出してぇ~」と叫びますね(^^;)ゞ。
 では、どういう言い方が正しいのかというと、「出る」ですから「でさせていただいて」ですが、「でさせて」はちょっと言いにくいですし、一般人は、そもそも「出させて(でさせて)いただく」と言う機会そのものがあまりないですよね。「出る」といって思いつくのは・・・外に出る、会議に出る、「出させて(でさせて)いただく」より、「外出させてもらう」「出席させてもらう」と言いませんか? 「~させていただく」自体が少々くどい言い方ですからね。
 多くのタレントは正しい日本語を話すという意識をあまり持っておらず、しかも、「~させていただく」が大好きですから、何も考えず、言いやすい「ださせて」になったのでしょうけれど、ここまで来たらもう・・・( ̄_ ̄)、せめて「出演させていただいて」と言ってほしいところですが。私たちは、「出る」を「出させて(ださせて)いただいて」などと言わないように気をつけましょう。
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「しゃべられる」って?

2007-12-26 20:04:14 | めちゃくちゃな敬語
                        長いで
 いつだったか、女王キャラの人がなぜか不機嫌で、質問に「別に・・・」と答えて場の空気をまずくしたことが話題になりましたね。そのことを言った後、「あれ以来、皆さん饒舌にしゃべられるようになりましたね」などと言う司会者、「しゃべられる」って、一応敬語でしょうけれど、「しゃべる」なんてそのままでいいと思いますよ、無理に敬語にしなくても。どうしても敬語にするなら、「あれ以来、皆さん饒舌にしゃべるようになられましたね」でしょうか。
 さて、「いただく」は、すっかり「くださる」を隅っこに追いやってしまいましたが、考えてみれば、人の心が「くださる」ではなく「いただく」なのですからしょうがないですね。でもね、私はどうしても許せないのですよ、「○○さんがおいしいキャベツを持ってきていただいたので」だなんて。助詞が違います。「持ってきていただいた」のなら、「○○さんに」です。これも、こうなった理由として一つ思い当たることはあります。私が細々とブログで訴えても山すその石一つ動かすことはできませんが、テレビの影響力の大きさには本当に背筋が寒くなります。
 はい、またまた例のO&TコンビのTさんです。ゲストのかたが全国を飛び回っていて自宅でゆっくりすることが少ないという話をしていて、「旅が長いでらっしゃいますからね」ですよ、笑ってしまいました。妙に似合うのですよ、あの顔にこのセリフが( ̄_ ̄)ブフフ。「旅が長いですからね」と言えばいいものを無理に敬語にするから・・・、「旅が長くてらっしゃいますからね」ぐらいならいいですよ、Tさ~ん。

 電子書籍「ちゃんとしゃべれ! あなたの日本語 ここが変だから直してください」は、改訂作業に入り、本日、でじたる書房における掲載を停止いたしました。
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「皆さんに頂いて・・・いただいて」って?

2007-12-25 19:35:56 | めちゃくちゃな敬語
                       頂きます
 はい、例のO&TコンビのTさんです。その場で実際に作った料理を出演者に食べてもらって感想を聞いて、煮込む時間が足りなかったとか何とかわいわい言っていたのですが、Tさんが「さて、皆さんに頂いて・・・いただいて・・・いただいている間に」としどろもどろになって、Oさんが「食べている間に、はい」とフォローしました。Tさん、敬語を一から勉強してください! 「皆さんに召し上がっていただいている間に」と言えない司会者なんてありえない・・・ありえるのが今の世の中なの? う~ん、給料泥棒と言ったら言いすぎぃ( ̄ε ̄)?
 あ、お気づきになりました? 例文の「頂いて」と「いただいて」、一方が漢字で、もう一方は平仮名です。「食べる」「もらう」の意味の動詞なら「頂く」で、「~ていただく」という形で使われる補助動詞なら「いただく」です。「下さる」「下さい」と「くださる」「ください」も、何か物をくれる、ちょうだい、という意味の動詞なら漢字で、~してくれる、~してちょうだいという意味の補助動詞なら平仮名ですよ(^-^)。
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あ、言い直した!

2007-12-24 19:37:27 | 言葉についてあれこれ
                      クリスマスって?
 「一見、普通のアイロンがけに見えますが」って・・・、全然普通じゃない! どう見たっておかしいよ、屋外でランニングしながらアイロンがけなんて。「クリスマスを最初にお祝いしたのはだれがいつごろなんですか」って、まあね、言いたいことは分かるけれど、日本語としてちゃんと成立していない。子どもではないのだから、「クリスマスを最初にお祝いしたのはだれで、それはいつごろなんですか」ぐらい言ったらどうだ? 「○○さん、私と挑戦してください」と言っている人(アナウンサーもしくはリポーター)が目の前の○○さんに手渡したのは○○さんあての挑戦状。「うえの句」って何かと思ったら「上(かみ)の句」。う~ん、処置なし( ̄‐ ̄)。
 以前は怪しい日本語を話す外国人がうけていましたが、今は怪しい日本語しか話せない日本人が大うけで、どんどん増えています。一般の人の話を聞いていても、例えば、これは原稿を読んでいるなとはっきり分かる講演でも日本語がおかしいのです。ということは、その原稿がおかしい、変な日本語で書いてあるということですね。推敲する時間がなかったのかな? メールやファックスで投稿された一般の人の文章もおかしいですね、「選挙のときだけ頭を下げればいいものではありません」って、なーんか変! 「ちょくちょく○○のことを話すことが多くなっていきました」って、前と後ろがつながっていないよぉ。
 先日、NHKのある番組で、一般の人が話をしていて「そういうことが、を」と助詞を言い直すのを見て、「あ、言い直した!」と思わず言ってしまいました。適切でない助詞を言っても、ほとんどの人が言い直さずそのまま続けるので、ちゃんと言い直す場面を見たのは久しぶりです。書いたものは、一度読み返せば、「選挙のときだけ頭を下げればいいというものではありません」だ、「という」が抜けてる、「ちょくちょく○○のことを話すようになっていきました」か「○○のことを話すことが多くなっていきました」だ、というふうに気づくのでは? それとも、読み返してもやっぱり気づかない?
 ところで、21日に「ナショナル・トレジャー」について書いたのですが、昨夜、テレビで第1弾を放送していましたね、見ました? 見て、あ~、これ、前にテレビで見たことあるよ~と思い出しました。完全に忘れていましたよ、「ナショナル・トレジャー」という地味なタイトルのせいでしょうか。書いたことにちょっとしたずれが生じましたが、まぁ、これ以上は言うまい。どっちにしろ面白いですから、第2弾もごらんください。
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「人に役立つ職業に就きたい」って?

2007-12-23 19:40:04 | 気になる言葉、具体例
                     十分役立ってますよ
 若い人はもちろん、社会人になってうん十年たつような人でも意外にちゃんと使えていないのが「役立つ」という言葉です。まず、「役立つ」は自動詞、「役立てる」が他動詞ですから、「○○に募金を役立たせていただきます」は間違いで、「○○に募金を役立てさせていただきます」が正しい言い方です。「私の経験が役に立てると思います」という言い方は適切ではなく、「私の経験が役立つと思います」もしくは「私の経験を役立てることができると思います」が分かりやすい言い方ですね。あるいは、「私は必要な経験をたくさん積んでいますから、きっとあなたのお役に立てると思います」といったところでしょうか。
 でも、これをちゃんと言える人は本当に少ないというのが現状です。アナウンサーでもちゃんと言える人はあまりいません。「○○に募金を役立たせていただきます」だって、ベテランのアナウンサーが言ったのですから。「役立てる」が他動詞ですから「募金を役立てる」、「役立てる」の使役表現は「役立てさせる」、それで「役立てさせていただきます」となるわけです。お手本がほとんどないのですから、若い人が「習ったことを役立てる仕事に就きたいなと思います」なんて言うのを責められませんが、正しくは「習ったことを役立てられる仕事に就きたいなと思います」です。「役立てる」は「役立つ」の可能動詞の形でもありますが、「役立つ」は自動詞ですから、「習ったことを」に続けて言うことはできません。
 さて、例文の「人に役立つ職業に就きたい」、これについては、「~に役立つ」という形はいいのですが、それは「仕事に役立つ」「研究に役立つ」「活動に役立つ」などであって、「人」なら、「人の役に立つ職業に就きたい」というのが自然な言い方ですね。人様のお役に立てるような仕事をしたいという気持ちを、税金から給料をもらっている人たちがもう少し持っていたら・・・( ̄∧ ̄)。
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「やっばーい」はもういいよ。

2007-12-22 19:22:08 | 言葉についてあれこれ
                     おいしゅうございます
 語彙が乏しい、表現が貧しくてワンパターン、合っていようがいまいがそんなことは関係なし、だれも彼もみーんな同じ。日本人みんなそういう傾向にありますが、特にこのごろの芸能人は、周りと同じ言葉遣いでないと落ち着かないようです。「~させていただいて」については何度も書いてきましたが、これはまだ許容できる範囲内で使われることが多く、たまに文法的におかしな言い方が出てきたり( ̄н ̄)、似合わない、形だけだなぁ、と感じたり( ̄д ̄)、不要なのにやたらと繰り返されてうるさかったり(`へ´)、というような状況ですから、まだ何とか我慢できます。
 今、気になるのはこれ、芸能人必須はやり言葉の一つ、とてもおいしいものを食べて「やっばーい」って・・・、うんざりです。とてもかわいい女性が見るからにおいしそうなものをパクッ、そして、必ず「やっばーい」、いいかげんにしてよ、もぉ~っ(`ε´)プンプン。はやってるから言わなければいけないというルールでもあるかのように「やっばーい」って、でも、似合わない人は言わなくていいのですよ、ね。中には「やっばーい」がものすごくぴったり似合う人もいますから、それはいいのですよ、どうぞいつまでも言っててください。
 もう一つは「すごい」ですが、「すごい覚えてる」というのは「はっきり覚えている」ということでしょうか。こんな言い方はやはり変ですね、違和感があります。今では当たり前の言い方になっている「すごいきれい」「すごいおいしい」なども、もはやこれを直せとは言えませんが、そのまま文字にするとガキっぽいので、文章化するときは「すごくきれい」「すごくおいしい」と直します v( ̄_ ̄) ブイッ。
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ナショナル・トレジャーを見た。

2007-12-21 19:39:28 | いろいろあれこれ
                      マイ トレジャー
 今日は映画の割引デーではないのですが、妹が懸賞で当てた優待券を使って見てきましたよ、「ナショナル・トレジャー-リンカーン暗殺者の日記-」。
 リンカーン大統領の死に封印された謎、それは、世界中に仕掛けられた禁断の暗号を解くための鍵だった・・・ということで、主な舞台はアメリカですが、主人公のベン(ニコラス・ケイジ)や仲間のライリー(ジャスティン・バーサ)はパリやロンドンにも飛びます。行く先々でいろいろな人をほいほいーっと巻き込んでいくベンの巧みな話術と誠実な人柄、いいですねぇ~。それにしても、これ、シリーズ第2弾なのですね。第1弾は3年前ですか・・・うーん、知りませんでした。世界32か国でNo.1ヒットを記録したのだそうですよ。見ました?
 謎解きだの、宝の争奪戦だの、もうネタは出尽くしただろうと思っても、あるものですねぇ~、本当に感心します。ロンドンで謎解きのヒントが書いてある重要なものを奪われそうになったとき、ベンのとった行動には「ひゃぁ、その手があったか!」です。また、途中で、あるシーンを見て、こういうシーンがあるということは、ラストはこうかな~と想像したのですが、外れ! ちょっとないパターンでした。
 ベンのお父さん(ジョン・ボイト)もいい感じ、この人は善人も悪人も演じられるんですね。そして、この謎解きのきっかけを作ったウィルキンソンを演じるエド・ハリスは、私のイメージでは冷徹な悪役なのですが、最後にちょっと意外な顔を見せます。それがまた別の謎になってしまうのですが・・・。
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変な口癖に気づかない

2007-12-20 19:37:23 | 言葉についてあれこれ
                   ちょっと、ちょっとちょっと
 17日に、だれにでもしゃべり方の癖がある、やたらと繰り返してしまう言葉があるということを書きましたが、今、気になるのは「ちょっと」です。「ちょっと、ちょっとちょっと」ではありませんよ、あれはいいのですが、普通の人が普通にしゃべっているときに「ちょっと」がやたらと入るのです。本来の「ちょっと」という意味の「ちょっと」とはまた違う「ちょっと」で、ひどいときはこれで意味不明になるので困ります。
 「この辺を強力にちょっと少し推進していく必要があるのではないかと」「これを見てちょっとかなりショックを受けました」「学校をちょっと出た後、就職して、仕事の内容は随分ちょっと変わりましたが」「ちょっと大規模な災害がちょっと発生して、数字が大幅にですね、ちょっと減ってきそうで」などなど、これみんな別々の人ですよ、大勢いるんですよ、こういう人が。
 以前、「トリビアの泉」で見た、娘と結婚したいということで父親にあいさつに来た、どこからどう見ても不良の男、もちろん演技ですが、「ちょっと」が頻繁に入り、これがいかにもという感じだったのです。いや、「ちょっと」が口癖の人は不良だと言っているわけではありませんよ。でもね、いかにも、と思ったのは私だけではなく、番組の司会者もなんですよ。ごく普通の人でも、「強く誘われてちょっと入ったんです」って、どこに入ったと思います? 会社ですよ、会社・・・(°°)エットォ~、そっか、就職したのね。
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「減らせることができる」って?

2007-12-19 19:35:20 | 気になる言葉、具体例
                     これは減らせない
 話し手が「有害物質を減らすことができる」とはっきり言っているのに「有害物質を減らせることができる」と書いてあるテロップを見ました。それで、あれ? もしかして・・・と、ちょっと思いついたことがあります。
 まず、「減らせる」は「減らす」の可能動詞ですね。読む→読める、書く→書ける、のように、五段活用の動詞は下一段活用の可能動詞になります。世の中には、「読めることができる」「書けることができる」というように、可能動詞の後に「ことができる」と続けて重複表現になってしまう人がいます。これは明らかにおかしいのですが、意外に多いのですよ、しょっちゅう耳に入ってきますからね。
 先月末から今月初旬にかけて、動詞が五段活用から下一段活用へずれていくような現象があるということを書きましたが、そのときは、その現象と重複表現とを直接つなげて考えることはありませんでした。「張り巡らせることができる」は、可能動詞をさらに可能表現にして、重複になっているように感じる、ということは書きましたが、「有害物質を減らせることができる」という文字を見るまでに至り、ひょっとして、下一段化しているから重複であることに気づかないのではないかと思ったのです。
 「悩ませる」「つなげる」のように、下一段がすでに一般的になって耳に慣れているものはありますが、「張り巡らす」「張り巡らせる」、「もたらす」「もたらせる」、「研ぎ澄ます」「研ぎ澄ませる」のように、下一段では具合が悪いというものもあるのです。「減らす」も、「減らせる」とは言いません! きっぱり、言い切っちゃう(^‐^)v。「減らせる」は「減らすことができる」という意味です。だから、「減らせることができる」は重複表現であり、誤りだと言い切れます。にもかかわらず「減らせることができる」と書いてしまう人の頭の中では、動詞の下一段化が急速に進んでいるのではないでしょうか。
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雷→停電→ろうそく→マッチは?

2007-12-18 19:47:45 | いろいろあれこれ
                    てーへんだ、てーへんだ
 昨日の夜、雷が随分うるさいなぁと思っていたら、停電ですよ、約10分間の停電です。雷で通信が切れる、電灯やテレビが一瞬消える、そんなことはしょっちゅうですが、去年まではすぐに電気が戻ってきて、停電というほどのことはなかったのです。でも、今年はちょっと違います。数分間、電気が戻らない、いわゆる停電がもう何回かありました。そうです、電気が戻るのが確実に遅くなっているのです。それでも、私のパソコンはノート型なので、もちろん通信は切れますが、昼間ならさほど困りません。夜だと、画面だけがぴかーっと光っている状態で作業をするというのはちょっとしんどいので、電気が戻るまで作業はストップです。
 ピカ、カッ、ガッシャーン、パシッ! あ~、まただよぉ~、しょうがないなぁ~。窓から外を見てみたら、街灯もみんな消えて妙な感じ・・・、今までより範囲が広いかなぁ、これまで見たことのない風景が広がっていました。パソコンの前に座ってみましたが、当然、通信は切れていて、やはり光の刺激が強くてじっと見ていられないので作業はあきらめて・・・、でも、できることが何もありません。ガスストーブの周りはほんのり明るくて暖かくて、そばに座ってしばらくストーブをながめていましたが、う~ん、まだ戻らない。長い! 長すぎる!
 停電して7~8分たったころ、そうだ、ろうそくでもつけてみようかと思いつき、わくわくしてろうそくを出しました。クリスマスが近いからって、真っ赤なねじねじろうそくじゃありませんよ、普通の白いろうそくです。でも、マッチはどこ? あるにはあったのですが、マッチを探している間に電気が戻ってきてがっくり。あ~、もう戻ってきちゃったよ~、って、ずーっと停電のほうがよかったんかい!←自分で突っ込んじゃったよ~ヾ( ̄o ̄)オイオイ。それにしても、ろうそくとマッチを一緒にして置いておかないとだめだということになぜ気づかなかったのでしょうか。電気があって当たり前の生活をしているとそんなことも分からないんだなぁと反省。それにしても、復旧にかかる時間がだんだん長くなるってどういうことなのかなぁ~?
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「~たいと思います」はもういいよ。

2007-12-17 19:41:32 | 言葉についてあれこれ
                  ひょっとして、鯛・・・と思います
 NHKのテレビ番組で、いろいろ手作りする○○講座をやっていますよね。そういうのが好きでよく見るのですが、講師のかたの言葉遣いが気になって気になって・・・。この部分を切り取っていただいて、別に厚紙を用意していただいて、こちらに貼り付けていただいて、う~ん、「~いただいて」の連続でちょっと苦しくなりました。「~いただいて」を言わないと間がもたないのかな~?
 続けてもう一つ見たのですが、こちらの講師のかたは、こうやって描いていきたいと思います、これを切っていきたいと思います、こういうのを作りたいと思います、こういう色にしたいと思います、これを一つにしたいと思います、最後にこれを置きたいと思います、これをまたコピペしたいと思います、もう一手間加えて完成させたいと思います、んががぁ、「~たいと思います」ばっかりでだんだん腹が立ってきました(`д´)。
 そりゃぁね~、だれにでもしゃべり方の癖というのはありますよ、やたらと繰り返してしまう言葉というのもありますよ、ありますが、これはちょっと・・・、テレビ番組で若いタレントが何やらリポートしてるっぽいというか、とっても変な言葉遣いです。スポーツ選手でも、「頑張りたいと思います」「努力したいと思います」なんて言う人、たまにいますけどね。もとい、「頑張りたいと思います」「努力したいと思います」と言う人がほとんどですけどね( ̄・ ̄)。
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「私も弁護士になります」って?

2007-12-16 19:36:56 | 言葉についてあれこれ
                       怪しい~~~
 報道番組で、ある詐欺事件について調査をしていました。番組側の人が電話をかけ、その電話に出た犯人と思しき人に「あなたも弁護士さんですか」と問いかけると、その人は「私も弁護士になります」と答えました。どうですか?
 飲食店などで聞かれるおかしな言葉遣いのことを「マニュアル敬語」と言うようですが、私は、あれは業界用語であるととらえ、お金のために接客業のお店で働くには気持ちのうえで‘従業員’になりきる必要がある、だからそういう言葉遣いをしている、そうすることでスイッチが入るのだと推測しています。
 ただし、変な言葉は広まりやすく、路上インタビューで出身地を聞かれた50歳前後の女性が「秋田県になります」などと答えたりするのですから困ったものです。普通、出身地を聞かれたら「秋田県です」と答えるでしょう。「~のほう」も、私に言わせれば「勘違い丁寧語もどき」です。
 「あなたも弁護士さんですか」と聞かれて「はい、弁護士です」とは答えず、「私も弁護士になります」などというふざけたものの言い方をする人なんか相手にしてはいけませんよ。う~~~気持ち悪ぅ~~~( ̄н ̄)ウプ。
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「果物や野菜が売ってある場所」って?

2007-12-15 19:38:49 | 気になる言葉、具体例
                    ナッツはここに入れてある
 「ここは本当にいろいろな種類が売っていて」って、どうですか? 正しい助詞を使えず、言ってしまった助詞に合う言い方もできず、こういう変な日本語をしゃべる人たちが大勢います。「おいしい果物が売っている」「新鮮な野菜が売っている」、正しくは「おいしい果物を売っている」「新鮮な野菜を売っている」で、自分が買い物に来た客の立場であってもこういう言い方になります。「この店は」という主語を省いているだけですから。もし、「いろいろな種類が」「果物が」「野菜が」にそのまま言葉を続けたいのなら、「売られて」と言わなければいけません。
 さて、今日の例文「果物や野菜が売ってある場所」ですが、昨日の記事に「○○さんの歌がいるから自分がいる」というのを書いてこれを思い出したわけで、日本語は落ちる一方だなぁと私も落ち込みます(‐_‐)。ちょっと前までは「野菜が売っている」だったのに、「野菜が売ってある」ですよ、さらにひどいじゃないですか。もう説明のしようもありません。正しくは、「果物や野菜を売っている場所」もしくは「果物や野菜が売られている場所」ですね。「果物や野菜が並べてある場所」という言い方ならできますが、お客さんが来る前に並べて、並べてある果物や野菜を閉店までずっと売っているわけです。
 あ、若いアナウンサーが、理系の本を示して「何が書いているのかさっぱり分からない」なんて言っている・・・もうだめだ( ̄_ ̄)フゥー ←倒れた!
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とうとう負けた、慣用句。

2007-12-14 19:27:15 | 気になる言葉、具体例
                    で、上海蟹ってどうなの?
 以前、「負けずとも劣らない」というのを聞いたことがあります。うむぅ~、何だかとても惜しい感じがするのですが、つい先日、「味は上海蟹に負けるとも劣らない」というのを、しかも、大物俳優が言うのを聞きました。こうなるともう、惜しくも何ともありません。とうとう負けました。ここで笑える人は幸いですが、笑えない人は・・・(^^;)どうする? 正しくは「勝る(まさる)とも劣らない」で、程度が同じかそれ以上であるという意味です。「負けず」は意味で「勝る」に近い、「負ける」は音で「まさる」に近い、う~ん、五十歩百歩かなぁ~(^_^)。
 「上には上がいる」と「上には上がある」、どちらが正しいでしょうか? というのを例のOさんTさんコンビがやっていましたが、どう思いますか? 慣用句として辞書等に載っているのは「上には上がある」なのですが、「上には上がいる」という言い方は、これはもうしょうがないのではないでしょうか。「上」が「優秀な人」や「偉い人」を意味する場合、「いる」と言うのは自然なことです。
 ところで、若い女の子が「○○さんの歌がいるから自分がいる」なんて言っていましたが、もちろん、正しくは「○○さんの歌があるから自分がいる」ですね。こういう変な「いる」は困りますよ(`н´)。
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