◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「きりばり」「おすすめ」はどう書く?

2014-04-27 10:19:44 | 気になる言葉、具体例
                               いいねぇ

 論文に載せた画像の一部を「きりばり」する、その「きりばり」ですが、「とくダネ!」のテロップでは「切り貼り」と「切り張り」が混在していました。「クローズアップ現代」を見ていたら、50代の国立大学教授が書いた文書が画面に映ったのですが、それには「切り貼り」と書いてありました。
 以前は「貼」が常用漢字ではなかったので、辞典では「張る」という表記になっていて、私も、多少の違和感があっても「張る」と書いていました。実は、PCのコピー・ペーストの「はりつけ」は最初から「貼り付け」で、そのほうがしっくり来るので、そういうときは「貼り付け」のほうがいいと思っていたのです。
 「張る」は、糊付けするにしても、しわが寄らないようにぴんと張るというイメージですから、片手でちょこっとはる、なんていうのは「張る」とは違う感じがしますよね。うれしいことに、今は「貼」も常用漢字に加えられたようですから「貼る」と書けます。PCでは、もちろんしわにはなりませんし、「切り貼り」ですね。
 それから、ずっと気になっていたのですが、2008年1月に書いた「お伺いさせていただきます」って? の最後、「お客様に確認をお願いするのなら、『確認していただきたいことが』もしくは『ご確認いただきたいことが』が正しい形で、このほうがずっとスマートですからお薦めです」の「お薦め」ですよ、これって「お薦め」でいい?
 皆さんは「勧める」と「薦める」を区別していますか? 「購入を勧める」「食事を勧める」「転職を勧める」など、行為に関しては「勧める」で、「候補者」「新製品」「お店」など、人物やモノを推薦するときは「薦める」です。ということは、「このように言うこと」なら「お勧めします」、「この形」なら「お薦めします」ですかね。
 「このように言うこと」「この形」のどちらとも取れますし、「おすすめです」ですからね、「おすすめ」って何なのかと、かなり迷った記憶があります。名詞なら「勧め」ですが、ネット検索すると「お薦め」もたくさん出てきて、「お薦め商品」などは「推薦商品」の柔らかい言い方という感じでしっくり来ます。
 「すすめ」でも、行為なら「勧め」、人物やモノなら「薦め」? 「おすすめ」だと迷いますね。「Aを買ってはどうかという勧めを断ってBを買った」は、「Aを購入するという行為の勧め」で、明らかに名詞の「勧め」ですが、「おすすめのAを断ってBを買った」の「おすすめ」は果たして名詞でしょうか?
 「もうお帰りですか」「何をお探しですか」は、「お帰り」も「お探し」も名詞ではなく、「もうお帰りになるのですか」「何をお探しになっているのですか」を省略した言い方ですからね。「Aを買ってはどうかとお勧めになったのを断ってBを買った」を略した言い方が「おすすめのAを断ってBを買った」かな?
 「・・・が正しい形で、このほうがずっとスマートですから」に続けるから、「この形がお薦め」ということで「お薦めです」としたのですが、店舗やネット上で見る表記は「オススメ」が多いようで、正直言って迷っています。「スゴい」「キモい」といった片仮名表記の氾濫を見るにつけ、「オススメ」には抵抗を感じるけれど、「お薦め」にはいま一つ自信が持てないので、平仮名で書こうか・・・?
 ちなみに、「あなたがオススメのラーメン店」というのをテレビで見ましたが、「あなたのおすすめラーメン店」じゃないの? あっ、それでいくと、「おすすめ」に続くのは店や品物ですからやはり「お薦め」ですね。「オススメされた」「オススメします」という表記も見掛けますが、それは「オススメ」の誤用であり、明らかに「勧められた」「薦められた」、「お勧めします」「お薦めします」です。動詞だったら、「勧める」か「薦める」か、選ばないといけませんよ。
 ところで、ワイヤレスキーボードって、ほんっと、やだ(´ω`)ブゥ~。矢印キーを押してカーソルを動かすと、思わぬ所にかぎ括弧(「 」)の右側(閉じるほう)が入ってしまい、修正が追いつきません。もし、このブログの記事で余計なかぎ括弧を見付けたら、笑ってスルーしてください(^^;ゞ。
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「負けず嫌いに火がつきました」って?

2014-04-20 11:03:53 | 言葉についてあれこれ
                               ふぁいとぉ~

 「所でナンじゃこりゃ!?」という番組が3月23日の昼過ぎに放送され、初めて見るなぁと思って調べてみたら、テレビ東京の番組なのですね、東京では1月に放送されたようです。テレ東の番組は、例えば、「カンブリア宮殿」は北陸朝日放送、「まさはる君が行く!」は石川テレビ、「和風総本家」は北陸放送、「所でナンじゃこりゃ!?」はテレビ金沢という具合に、放送する局がばらばらです。
 「所でナンじゃこりゃ!?」から、耳に残った変なナレーションを幾つか紹介します。ほかの番組でも似たような例は出てきますが、1回分でこれだけあるとはねぇ~。「一見、何の変哲もないこのカエル」「プレミア硬貨の並び替え問題」「日本から用意した空中カメラで」「鉄骨を組み合わせたようなものを」「そうと分かれば、早速バスツアーに参加してみることに」「眼下に広がる断崖絶壁」。
 「何の変哲もない○○」と前置きしたい気持ちは分かりますよ、マジックの「タネも仕掛けもない○○」と同じですからね、分かりますが、グラスフロッグなんか見るからに変ですから。「並び替え」ではなく「並べ替え」、これも相変わらず出てきます。「日本から用意した」ではなく「日本から用意していった空中カメラで」ですよ。
 以前、「新 報道2001」のナレーションが、どう見ても鉄骨なのに「鉄筋」だった、また、どう見ても鉄骨なのに「鉄筋のゆがみが」と言ったお笑い芸人がいた、と書いたことがありますが、今回はどう見ても「鉄骨」ではなく「鉄筋」でした。鉄骨と鉄筋は明らかに違いますよ、それは私にだって分かります。
 「そうと分かれば、早速バスツアーに参加してみることに」は、説明するのは難しいのですが、「そうと分かれば、早速、バスツアー参加だ!」とか、「そうと分かれば、早速、バスツアーに参加するぞ!」とか、勢いがないといけないのですよ。「早速バスツアーに参加してみることに」と続けたいなら、「そういうわけで、早速バスツアーに参加してみることに」といった言い方になります。
 「眼下に広がる断崖絶壁」ですか・・・、私は、「断崖絶壁」と聞くと、能登金剛(巌門・ヤセの断崖)やアイルランドのモハーの断崖を思い浮かべますが、これは銅を露天掘りで採掘している鉱山で、巨大なすり鉢状の穴、斜面は階段状になっています。大きな重機もちゃんと走行できるようになっていて、作業をしている複数の車両や作業員が見えていますから、それは「断崖絶壁」とは言いません。
 それから、先日、録画しておいた「たけしの新・世界七不思議大百科」と「世界遺産“三大迷宮”ミステリーⅡ」を続けて見たのですが、これもテレビ東京なのですね、そして、どちらもナレーションが「明らかになる」でした。これはいいですよ、近ごろは報道番組でも「明らかとなる!」なんて言いますからね、本当に珍しい! やはり「明らかになる」はいいですね、しっくり来ます。
 まぁね、何でも大げさに言うような番組ならしかたない・・・なんてね、それなら格調高い番組はちゃんとしているかというと、これがそうでもない。Eテレだって、落ち着いた口調で「明らかとなる」ですし、変な日本語がわんさか出てきます。ナレーションの原稿なんて、だーっと書いて終わりっ! なのでしょうか。
 北陸放送はたまにうんと落ち着いた感じの番組を放送するのですが・・・。「名を知られていなければだれも注目されないと思い知らされ、負けず嫌いに火がつきました」「均一した幾何学模様」は「シリーズ北陸の工芸作家 石川の匠たち」で聞いたナレーションです。「名を知られていなければだれからも注目されないと思い知らされ、負けじ魂に火がつきました」「均一な幾何学模様」でしょ┐( ̄д ̄)г。
 北陸朝日放送は・・・、4月12日と13日に「さくら祭り」をやっていたのですが、「さくら祭り」というロゴの周囲に花が三つ配置されていて、見た瞬間に変だなぁと感じました。ん? 桜・・・だよね、「さくら祭り」だし・・・、花弁が6枚だけど。三つとも6枚って、だれか気づけよ( ̄д ̄)!
 ところで、Eテレですけどね、映るようになりました。映ったり映らなかったりするからアンテナが原因だと思っていたのですが、テレビの裏側にあるアンテナ入力端子の辺りを触ってみたら、本当に触っただけですよ、抜いてまた差し込むとか、そんなことはしていませんよ、ちょっと触っただけなのですが、なんと、映るようになりました。よく分からないけど、ま、いっかぁ<( ̄_ ̄)>。
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「ご相談していただきたい」って?

2014-04-13 11:43:07 | めちゃくちゃな敬語
                               すぐ片付けまーす

 ア○サダイ○クトのCMで「何でもご相談していただきたいですね」というセリフが流れていますが、これは敬語として誤りです。「何でもご相談いただきたいですね」が正しいのですが、こういうふうにちゃんと言える人はアナウンサーでも少ないうえに、こうして毎日何度も聞かされたら、もう直らない┐( ̄д ̄)г。
 ただ「ご(お)」を付ければいいというものではありません。正しくは「相談していただきたい」もしくは「ご相談いただきたい」で、「ご(お)~いただく」という基本の形にのっとってこその「ご」なのです。あるいは、相手からの「相談」に「ご」を付けて「ご相談」、そして、その「ご相談」に「に」や「を」などの助詞を続けてから、「ご相談に応じます」「ご相談を承ります」といった言い方をします。
 「ご相談していただきたい」なんて言っている人は、「ご(お)~いただく」の「ご相談いただきたい」を知らず、「相談していただきたい」だと丁寧さが足りないと思って「ご」を付けているだけですね。「何でもお気軽にご相談ください」なら、ああ、そう言うよね、と思うでしょう? 「ご相談ください」なら「ご相談いただきたい」ですよね、それがなぜ「ご相談していただきたい」になるの?
 誤りが定着してしまい、もう直らないなぁと思うことが多くなっています。渦中の人、△◇□さんも、「まだそれについて話をしていない」という意味で「まだ おはなし していません」と言いましたが、テレビで見掛ける人たちみんなこうです。「話を」を「お話」と言って「を」を省く、つまり、「まだ話をしていません」と言うべきところで「まだ、お話、していません」と言っているわけです。
 そりゃね、定着しますよ、森田美由紀アナですら「おはなししてくださいますのは」なんて言うのですから( ̄_ ̄)。古谷敏郎アナはぎりぎり「お話をしてくださるのは」と言いますが、その後「ご説明していただけますか」と言うのを聞きましたから、古谷アナが「おはなししてくださるのは」と言うのは時間の問題でしょう。
 本来、「○さんのお話を伺いまして」「○先生から伺ったお話を要約しますと」など、目上のかたが話すから「お話」なのであって、こちらから○さんにするのは「話」で、謙譲語Ⅰなら「お話しする」です。○さんと話をする、話し合う、これは「話をする」「話し合う」と言えばそれでいいわけで、「お」を付けなくていいのですよ。
 それから、満開の桜の下で幼児にマイクを向けて「お花見はどう?」と聞けば「楽しかった」、「おめでとうございます」と言われて「ありがとうございました」と答えた人、なぜ「楽しい」「ありがとうございます」ではないのか? 謝罪会見で「申し訳ございませんでした」と言う人は多いですよね、というより、今はもうほとんどの人がそうですが、何も終わっていないのに「でした」は余計です。それと、△◇□さん、下げた頭を上げた直後にクイクイッ、長い前髪をバサバサ、これもいけません。
 水曜日の記者会見、「ワイド!スクランブル」で、時間を拡大してその様子を放送すると言っていたのですが、本人が登場してしゃべりだした途端に番宣って・・・、続きはNHKで見ました。最初は緊張がひしひしと伝わってくる様子でしたが、だんだん落ち着いてきてしっかり質問に答えていましたね。内容はともかく、聞き取りやすい、素直な、あまり修正する必要のない、文章化しやすい日本語で、これのディクテーションはやりやすいだろうなと思いました。
 私は、論文のここがどうだとかあそこがどうだとか、そんなことは聞いても分からないし、あくまでも「あります」と言うのならさっさと証明してほしいけれど、何が真実かなんて分からないし・・・、でもね、私は思うのですよ、悪意があるとかないとか、そんなことよりも、こんな大変な結果を招いてしまうようなことを平気でする、周囲の人たちも含めて鈍感すぎる、そういうところが問題なのではないかと。
 放送業界について、きちんと確認しないで間違ったことを報道したり、人の名前や写真を間違えて出したり、そういうミスをけっこう気軽にやっていて、指摘を受けたら訂正すればいいといういいかげんな姿勢が見える、ということを書いたことがありますが、後で訂正なんかしてもほとんど取り返しがつかないでしょ!? 指摘されたら謝ればいいと思っていること自体がいけないのでは?
 うむぅ~、Eテレがまた映らなくなった・・・( ̄_ ̄)。
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ますます乱れる「おはなし」。

2014-04-06 10:29:52 | 気になる言葉、具体例
                               何の話?

 「集まっていた報道陣を前に『皆さんにお話したいことがあります。聞いてください』と切り出した」は「デイリースポーツオンライン」の記事、ということは、書いたのは記者? これで・・・記者? 明らかに「お話ししたい」と書かなければいけないのに「お話したい」なんて書く人が記者?
 有名人の特別講座(金沢中日文化センター主催)の案内をテレビで流しているのを見たのですが、「今、人気のテレビ番組に出演、楽しくお話しします。特別講座 ○○氏を迎えて文化フォーラム」で、念のため「中日新聞CHUNICHI Web」も見てみたのですが、「講師に○○氏をお迎えし、楽しくお話していただきます」と書いてありました。もはや新聞も放送と同程度のようです。
 それから、テレビ朝日「グッド!モーニング」で「お話しし合って」というテロップを見ました。ますます混乱してきましたね( ̄・ ̄)ウ~ム。「○様に事情をお話しして」というような、謙譲語の「お話しする」などすっかり忘れ去られたような・・・、忘れたのはいわゆる業界の人たちだけで、一般の人、特に上下関係のはっきりした組織で働く人々は忘れていないのかもしれませんが、ちゃんとした「お話しする」を見たり聞いたりすることがとても少なくなっています。
 このときの「お話しし合って」は、話し手は華原朋美、話し合った相手は交際中(?)の人で、今は仕事が一番だという話をしたのだとか。自分の仕事を「お仕事」と何度も言うのですから、確かに「おはなししあって」と言ったのでしょう。ただし、「お話、し合って」のつもりでしょうね。でも、さすがに変だと思ったのか、もう一度同じような説明をしたときは「話し合って」と言いました。
 私なら、たとえ「おはなししあって」と聞こえても「はなしあって」と入力しますが、テロップ入力作業者は、何も考えずに「おはなししあって」と入力し、たまたま「お話しし合って」と変換された、それだけのことでしょう。昨今の「おはなしする」は「お話しする」ではなく、「お話をする」の「を」を省いた「お話、する」であることが多いようですが、だからって「お話、し合って」もやめてよ( ̄_ ̄)。
 そして、改めて説明した島本真衣アナは「お仕事頑張っていくとおはなししてましたけども」と言いましたよ、アナウンサーなのに( ̄д ̄)! この場合の「お仕事」はいいのですが、「お仕事を頑張っていくとお話しなさってましたけども」とか、「お仕事を頑張っていくと話してらっしゃいましたけども」とか・・・、若い女子アナには無理かな、先輩アナだって指導もろくにしていない、できないでしょうからね。
 「おはなしする」の変換候補(IME2012)には、「お話しする」だけではなく、「お話する」もあります。さらに、「お話しする」は、〔行為〕お話しする、話し合い、話し相手、「お話する」は、〔内容〕話をする、話がまとまる、話にならない、このように説明されています。でも、「お話する」なんて大人の日本語ではありませんからね、「お~する」というパターンに機械的に「話し」と「話」をはめ込んであるだけです。
 こういう、いかにもコンピューター任せという感じのテキトーな説明が、この例に限らず、たくさんあります。それが、コンピューターがやってくれる変換に依存し、正誤を自分で考えず、安直に文章を書いている人たちに数々の誤解を生じさせているのではないでしょうか。例えば、「おうかがいする」を変換して辞書の説明を読んでみてください。いかにいいかげんか分かりますよ。
 もっとも、「みんなで話合いをします」「~について話合う際に」「~さんに話に行くと息巻いて」「そのことは話済みで」「~があることは話ているのでしょうか」「変な話しです」「お話しがございまして」など、変換キーを押すのは1回だけ、候補の中から選ぶという発想がない、そもそも合っているかどうか気にもしていない、そういう人が大勢いますから、辞書の説明なんか読んだことはないかもね┐( ̄д ̄)г。
 「はなしあいを」の変換候補には「話し合いを」はもちろん、「話合いを」だってあります、なぜか( ̄~ ̄)。「話し」は〔行為〕話し合い、IMEの標準辞書にこう書いてあるのに、候補としてありえない「話合いを」があるのは非常に不可解です。こういういいかげんなものに依存するなんて実に恐ろしいことです。
 そして、もっと不可解なのが、「~させてくださいと話たところ」「~と話あってのこと」「~と直接話ことにしました」「話し会いにならないようなら(中略)話し合いましょう(中略)家族の間で話し会い」「お話会いで分かってくれれば」という記述が実際に多く見られることです。
 「はなした」なら、「話した」はありますが「話た」はありません。「はなしあっての」なら、「話し合っての、話しあっての、話合っての」はありますが「話あっての」はありません。「はなすこと」なら「話すこと」だけで「話こと」はありません。「話し会い」はもちろん、「お話会い」なんかありません。候補にないのですから、わざわざそういうふうにしたのですか? なぜ( ゜Д゜)?
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