視線の先には何が?
「あまりスカートが短いと目線が気になる」と一般の人(女性)が言ったのですが、これが微妙なのですよ。普通は「あまりスカートが短いと視線が気になる」と言うところですが、この場合、ミニスカートを制服として着用することについて客観的に述べていて、周囲から向けられるであろう好ましくない視線が気になる、あるいは、目のやり場に困るからぁ~ちょっとねぇ~、と言いたかったようで・・・。
「視線」は、物を見るとき、目とその物を結ぶ線、目線、目。「人の視線が気になる」は「人の目が気になる」と言い換えることができますね。では、「目線」は? 正確な意味を考えたことはありますか? (演劇・テレビなどで)視線、「目線が合う」「目線を外す」、私が使っている1992年発行の国語辞典にはこのように書いてあって、「視線」と「目線」は、意味はほぼ同じですが、使う場面がちょっと違います。「カメラ目線」はまさに「目線」で分かりやすいですね。
音声おこしをやっていたとき、会議等で「子どもの目線」「大人の目線」「女性の目線」「そういう目線で捉えて」といった言い方を聞くことが徐々に増えていきました。最初に聞いたときは、「目線」って何だろう、「目の高さ」とか「見る角度」とか、「それぞれの見方」とか、はやりの新しい言い方なのかなぁ・・・と思ったのですが、もうすっかり慣れましたよ、よく聞きますもんね。
「○ちゃんの目線になるように膝を床について話しました」という記述を一般人の文章で見たことがありますが、この「目線」は「目の高さ」です。「問題点を、目線を変えて検討してみる」の「目線」は「見方」という意味です。これらは「視線」とは言えませんよね。つまり、今の「目線」は「視線」とは違うのです。そして、表現が単一化し、その意味するところはそっちで考えてちょうだい、ということで。
「上から目線」は面白いですよね、上の立場から見る、上から見下ろしてものを言う、他人を見下す冷たい視線、他人を見下すような目、いろいろひっくるめて表現していますが、「上から視線」とは言えません。やはり「目線」は「目線」なのです。「視線」と「目線」をちゃんと使い分けていますか?
「その目線ははっきりとオリンピックを見据えています」というのを「情報ライブ ミヤネ屋」で聞いたのですが、聞いた瞬間、これは「視線」もしくは「目」が適当だと思いました。そのほか、「目線に変な人が入ったので」「街の男たちの目線を集める」など、これは違うとすぐに感じる言い方もちらほら聞こえてきます。
「視界に変な人が入ったので」「街の男たちの視線を集める」が正しい言い方で、以前はだれでもそう言っていたはずですが、ただ単に「目線」という言い方をしたいだけなのでしょうか、ちょっと格好いいと感じているのでしょうか、そういう人はとても多いですよね、気をつけましょう。
「あまりスカートが短いと目線が気になる」と一般の人(女性)が言ったのですが、これが微妙なのですよ。普通は「あまりスカートが短いと視線が気になる」と言うところですが、この場合、ミニスカートを制服として着用することについて客観的に述べていて、周囲から向けられるであろう好ましくない視線が気になる、あるいは、目のやり場に困るからぁ~ちょっとねぇ~、と言いたかったようで・・・。
「視線」は、物を見るとき、目とその物を結ぶ線、目線、目。「人の視線が気になる」は「人の目が気になる」と言い換えることができますね。では、「目線」は? 正確な意味を考えたことはありますか? (演劇・テレビなどで)視線、「目線が合う」「目線を外す」、私が使っている1992年発行の国語辞典にはこのように書いてあって、「視線」と「目線」は、意味はほぼ同じですが、使う場面がちょっと違います。「カメラ目線」はまさに「目線」で分かりやすいですね。
音声おこしをやっていたとき、会議等で「子どもの目線」「大人の目線」「女性の目線」「そういう目線で捉えて」といった言い方を聞くことが徐々に増えていきました。最初に聞いたときは、「目線」って何だろう、「目の高さ」とか「見る角度」とか、「それぞれの見方」とか、はやりの新しい言い方なのかなぁ・・・と思ったのですが、もうすっかり慣れましたよ、よく聞きますもんね。
「○ちゃんの目線になるように膝を床について話しました」という記述を一般人の文章で見たことがありますが、この「目線」は「目の高さ」です。「問題点を、目線を変えて検討してみる」の「目線」は「見方」という意味です。これらは「視線」とは言えませんよね。つまり、今の「目線」は「視線」とは違うのです。そして、表現が単一化し、その意味するところはそっちで考えてちょうだい、ということで。
「上から目線」は面白いですよね、上の立場から見る、上から見下ろしてものを言う、他人を見下す冷たい視線、他人を見下すような目、いろいろひっくるめて表現していますが、「上から視線」とは言えません。やはり「目線」は「目線」なのです。「視線」と「目線」をちゃんと使い分けていますか?
「その目線ははっきりとオリンピックを見据えています」というのを「情報ライブ ミヤネ屋」で聞いたのですが、聞いた瞬間、これは「視線」もしくは「目」が適当だと思いました。そのほか、「目線に変な人が入ったので」「街の男たちの目線を集める」など、これは違うとすぐに感じる言い方もちらほら聞こえてきます。
「視界に変な人が入ったので」「街の男たちの視線を集める」が正しい言い方で、以前はだれでもそう言っていたはずですが、ただ単に「目線」という言い方をしたいだけなのでしょうか、ちょっと格好いいと感じているのでしょうか、そういう人はとても多いですよね、気をつけましょう。