◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「話させられるんですよ」って?

2012-10-31 18:22:23 | 言葉についてあれこれ
                                      お

 「とくダネ!」で見た「話させられるんですよ」というテロップ、「はなさせ」まで読んだときに「話をさせられる」と聞こえ、「を」を省いた「はなしさせられ」だったのかぁ~と思ったのですが、話し手が「話をさせられるわけなんですよ」と言っているのに、なぜわざわざ「を」を省いて読みにくくするのかな?
 「話す」「話させる」「話させられる」と書いてあったらどのように読むでしょうか。私は、話す(はなす)、話させる(はなさせる)、話させられる(はなさせられる)ですが、世代によって違うかもしれませんね。「はなさせる」「はなさせられる」と書き添えなければ「はなしさせる」「はなしさせられる」と読まれるかも。
 「はなさせられる」は、はなさ+せ(使役)+られる(受身)ですが、「話」と「話し」の区別をしない人が大勢いるうえに、最近は助詞を省いて書く人が増え、文章が読みにくいったらもぉ~(ーー゛。「話をさせられるわけなんですよ」と言っているのですから、せめて「話をさせられるんですよ」と書いてください( ̄д ̄)!
 あるとき、一般人の書いた文章を読んでいて、「平気で席は慣れていますから」という記述が出てきて意味を理解できず、考え込んでしまいました。「席は慣れて」も変だけど、「平気で」に続くのが全くもっておかしい。「平気で」に自然に続く言葉は何だろうか・・・へいきでせきはなれて・・・「平気で席離れて」か?
 つまり、「平気で席を離れていますから」の「を」を書かずに変換した結果「平気で席は慣れていますから」になったわけですが、その誤変換に気づかず、そのまんま、ということだったのです。これが話し言葉なら「へいきでせきはなれていますから」と聞こえるので別にどうということはありませんが、書くという行為にはそれなりの注意が必要になるわけです。
 助詞を書かないのはこの人だけではありません。「○さん会って」「もらい事故あい」「でもあきらか失敗だと思うのです」は「に」が抜けています。「あきらめてはどうか提案しましたが」は「と」が抜けています。「○さんに会って」「もらい事故にあい」「でも、明らかに失敗だと思うのです」「あきらめてはどうかと提案しましたが」と書いて初めてちゃんと読める文章になります。
 「とくダネ!」で笠井アナが「○さんとお電話つながっております」と言ったとき、アナウンサーなのに、なぜ「○さんと電話がつながっております」と言わないのかと思いました。「お話ししまして(おはなししまして)」と「お話しまして(おはなし、しまして)」については何度も書いていますが、これも「話をしまして」と言わなくなったことが関係しているでしょうから、「電話が」と言わずに「お電話」と言ってしまうことの危険性について少しは考えてください。
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「鍵を取り変える」って?

2012-10-28 09:29:03 | 言葉についてあれこれ
                                  幾つあるの?

 「鍵を取り変える」「彼に変わって謝ってくれた」「大統領が変わったことで」って、変でしょ? 「鍵を取り変える」と書いたのは一般の人、「彼に変わって謝ってくれた」と書いたのも一般の人。まぁね、これぐらいはよく見ます。一般人でしかも若い人となると、漢字の使い分けなんてこの程度ですけれど、「大統領が変わったことで」は「池上彰の学べるニュース」で見たテロップなのですよ。いけませんね、こんなことだから日本人の漢字を使う能力がどんどん落ちるのです( ̄д ̄)!
 そもそも、「とりかえる」で変換すると「取り替える」か「取り換える」でしょ、なぜ「取り変える」なのか、なぜわざわざ「変える」にしたのか理解できません。鍵を新しいものにした、それは「取り替える」です。例えば、暗証番号を入力するような鍵だとしたら暗証番号を変えればいいわけですが、鍵そのものを取り外して新しいものを取り付けるのなら「変える」ではなく「替える」です。
 それから、うちのパソコンは、「かれにかわって」で変換すると「彼に代わって」となるのですが、皆さんのはどうですか。「彼に変わって」を無理やり解釈すると、彼女から彼に変わって、つまり、何といいましたっけ、おかまじゃなくておなべですか、そういうことになってしまいます。え、そんな解釈は要らないって(~_~;)? 「代理」という意味ですから「彼に代わって謝ってくれた」ですね。
 「大統領が変わったことで」なんて書いたテロップ入力作業者、原稿を書いたディレクター、これでまた「かわる」を誤解する人が増えたぞ( ̄д ̄)! 大統領が心を入れ替えて別人のようになったのなら「変わった」ですが、どこの世界を見てもそんなことありませんよね。別の人が大統領になったのなら「大統領が替わったことで」です。これぐらいの使い分けはできて当たり前ですよ、放送に携わっているのなら。
 ところで、どこからどう見ても鉄骨なのに「鉄筋」と言った「新 報道2001」のナレーター、原稿を書いたディレクター、やはりどう見ても鉄骨なのに「鉄筋のゆがみが」と言ったお笑い芸人、NHKの番組でも、「みじん切りしたニンニクを入れ」と言いながら実際に入れているのは輪切りにしてあるだけのニンニクだし、「粉」と「結晶」を区別できないディレクターもいるし、(ーー;)一体どうなってんの?
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「文章が読みずらい」って?

2012-10-24 16:34:33 | 言葉についてあれこれ
                              カニを売っていますね

 すっかり定着しましたね、「いちばん最初」「作業が進まずにイライラ」「従来から」「古来より」「責任感重大」「影響力を与える」「明らかとなる」「出させていただく」「観光地に訪れた」「お客さんが来ていただく」「お休みです」「ご使用できません」「野菜が売ってます」「くっつきづらい」「多額の保険金を掛ける」「想像力をかきたてる」などなど。
 「めざましテレビ」の女子アナやリポーターがしゃべっている日本語の程度の低さときたらひどいもので、「野菜がたくさん売ってます」なんて言い方を平気でしますからね。そのせいか、これが広く定着してしまったようで、若い人のほとんどがこういう言い方をしているような印象すらあります。
 Eテレ「高校講座」を見ていたら、若い女性が「たくさんメロンが売ってますねぇ~」と言いました。でも、その後、大きな機械を見ながら「ものすごい速さで糖度が測られています」と言ったのですよ。「糖度を測る」→「糖度が測られる」は言えるのに「メロンを売る」→「メロンが売られている」を言えないのはなぜ?
 「分かりづらい」「広がりづらい」「これが危険だとは思いづらい」「テフロン加工ならくっつきづらい」など、「~づらい」も随分広がって定着しました。「言いづらい」「やりづらい」はいいのですが、明らかに「~にくい」のほうが合う言葉まで「~づらい」ですからね、うんざりです。
 しかも、「~づらい」の元々の意味が「つらい」だということを忘れたかのような表記、例えば「わかりずらかった」というテロップまで見られますし、一般の人が書いた文章の中にも「文章が読みずらい」などという表記が出てきますから、「~ざるおえない」同様、読みにくいったらありゃしない( ̄д ̄)!
 大体、「これが危険だとは思いづらい」なんて、本来「これが危険だとは考えにくい」「これが危険だとは気づきにくい」「これが危険だとはなかなか思えない」と言うところですよ。さすがに「これが危険だとは思いにくい」と言う人はあまりいないと思うのですが、「~づらい」がはやったせいで簡単に「思いづらい」なんて言ってしまうのですから、はやりに流されたらどうなるか、少しは考えてくださいよ。
 転落死、多額保険金・・・、一人や二人ではなく、かなりの人数がお金を搾り取られた挙げ句に殺され、保険金まで取られるという、何とも恐ろしい事件が起きましたが、この事件の報道で完全に定着してしまった「多額の保険金が掛けられていました」という言い方、おかしいですよ、困ったものです。保険を掛けた → 保険金をもらう、高額の保険を掛けておいた結果、多額の保険金が支払われるのですよ。
 またもや「日曜美術館」で森田アナが「見る者の想像力をかきたてます」と言うのを聞きました。「美の壺・ドールハウスの美」のナレーションも「想像力をかきたてる仕掛け」です。かきたてる、刺激して沸き上がらせる。不安をかきたてる → 不安が沸き上がってきます。想像をかきたてる → 想像が沸き上がってきます。「想像力」をかきたてると「想像力」が・・・沸き上がる・・・なんかすんごい感じぃ~~~( ̄~ ̄)。
 ところで、あるとき、「報ステ」のナレーターがやけにきっぱり「古来」と言ったのですが、いいですよ~d(⌒・⌒)、とてもふさわしい感じがしました。正しい日本語は、ただ単に「正しい」というだけではなく、ビシッと決まって感じがいいものなのです。今の変な日本語は、まるで何かのすき間を埋めるようにくどくどしゃべっているだけで締まりがない、どうにも決まらないという感じです。
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「美濃のめいけ」って?

2012-10-21 09:10:08 | 言葉についてあれこれ
                                   てうまま!

 「美濃の名家」を「みののめいけ」と言った人がいましたが、「めいけ」と言う人は案外います。「韓流スペクタクル史劇『千秋太后(ちょんちゅてふ)』の世界」のナレーターが「めいけ」と言ったのを聞いた少し後、TBSの土井アナが「めいけ」と言うのを聞きました。うむぅ~、書家(しょか)、大家(たいか)、名家(めいか)ですよね。
 鎌倉時代以降の公家の家格としての名家は「めいけ」と読むこともあるようですが、単に有名な家柄という意味なら「めいか」です。ですから、「めいか」は公家でなくてもいいわけで、「美濃の名家」は「めいか」、ドラマ「千秋太后」は、もちろん日本の公家は関係ありませんから「めいか」、土井アナの「めいけ」は、そのときのテーマが平安時代の安倍晴明でしたから、やはり「めいか」ですね。
 「○○が△△と初対面」はどのように読みますか? 「○○が△△としょたいめん」と読んだナレーターがいるのですが、「初入閣」は「はつにゅうかく」、「初出勤」は「はつしゅっきん」でしょ。「○○と△△はしょたいめん」ならいいのですが、「○○が△△と」ですから「はつたいめん」です。
 「41キロ」を「よんじゅういっきろ・・・いっ・・・よんじゅう・・・いちきろ」とぎりぎり言い直したアナウンサーがいます。言い直したことは素晴らしいですよ、言い直す人はめったにいませんからね、ですが、それ以前に「1キロ」を「いっきろ」と言うのをやめなさい( ̄д ̄)! 「いっきろ」で思い出した! 「1粒」を「いっつぶ」と言った人もいますよ。もしも「一粒」と書いてあったらこの人でも「ひとつぶ」と読むのかなぁ? それとも・・・?
 「しりき(死力)を尽くして頑張ります」も聞いたことがありますが、正しくは「しりょく」です。「地力」や「自力」は「じりき」ですね。今どき「死力を尽くして頑張ります」なんて珍しい! そういうふうに言えるだけでも素晴らしいと思いますが、だからなおさら惜しい! 実に惜しい!
 それから、「そりゃまたちょくさい(直截)な」というのを久しぶりに聞きましたが、まわりくどいところがない様子という意味です。本当は「ちょくせつ」と読むものなのですけれど。以前は、「ちょくさいに申し上げれば」とか、たまに聞くことがあったのですよ。皆さん「ちょくさい」ですから「ちょくせつに申し上げれば」と言ってもピンと来ないかも。どっちで言えばいいか迷います(~_~;)。
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「~かなぁと思っております」って?

2012-10-17 18:57:25 | 言葉についてあれこれ
                                   どうかなぁ

 「非常に梅雨とはちょっと違うかなと」というのを聞いたときはずっこけました。非常に違うのか、ちょっと違うのか、違うとは言えないほどなのか、分かりません。「新モデルが出たら絶対乗り替えようかと思って」というのは携帯電話の話ですが、絶対に乗り替えるのか、乗り替えようかどうしようか迷っているのか、どっち?
 「膵臓に明らかに異常がありそうだね」というドラマのセリフ、「明らかに」と言ったのに「ありそうだね」って、やはり自信はないらしい。「皆さんもぜひ出掛けてみては?」だの「ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか」だの、「ぜひ」と言った割には強く勧めていないからどうでもいいみたい。「明らかに異常がある」「ぜひ出掛けてみてください」「ぜひ足を運んでみてください」と言えばいいのですよ。
 「ポチたま」で聞いた「きっと大和撫子なのかな」もそうですが、確信があるのかないのか分からない、こういう人、多いですよ。「自分たちで何かやれないかという気持ちが出てくればいいのかなぁと」と言ったのは教師ですが、「出てくればいいのかなぁ」って、その程度なのですか┐( ̄д ̄)г?
 「~てほしいかなと思っております」と言ったのは子どもたちを指導する立場の人ですが、子どもたちに対して「~てほしい」という希望を述べている場面でなぜ「~てほしいかな」なのか。指導者なら「~てほしいと思っております」と言ってください。「~できれば非常にいいのかなぁと思っております」というのも聞いたことがありますが、非常にいいのか、そうでもないのか、本音はどうなのかなぁ?
 「~かなぁと思っております」はときどき聞こえてきます。「~」の部分は自分の気持ちを言っているわけですが、にもかかわらず「~かなぁ」ですよ。もちろん、お昼、何を食べようかなぁ、ラーメン食べたいかなぁ、というのは分かりますし、私もそう言うでしょうけれど、「思っております」と言わなければいけない場面で「~かなぁ」はねぇ・・・、まぁそんなものだと言われればそれまでですけど(~_~;)。
 アスリートのほとんどが「頑張りたいと思います」と言いますし、言い切ることを避ける傾向は広く見られます。教育者の言葉といっても、結果を考えると実際のところ望み薄なのでしょうか、そういう気持ちでいるから「~てほしいと思っております」とは言えないのでしょうか。でも、あくまでも希望なら、スパッと言えば?
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「自信が持てずに洋服で隠す」って?

2012-10-14 09:51:52 | 気になる言葉、具体例
                                  微妙なくびれ

 テレビ朝日の昼前のニュースで「アメリカが承認できずに先送りへ」というテロップが出たので、アナウンサーがどう言うのか注意して聞いていたら「アメリカが承認していないため」でした。それでなぜ「アメリカが承認できずに」なのか、「承認できずに先送りへ」も変です。「アメリカが承認せず、先送りに」ではないのですか(ーー゛?
 Eテレ「EURO24 テレビでドイツ語」を見ていたら、「お滝さんとうまく発音できずにオタクサンと呼んでいました」というナレーションが聞こえました。ん? この声は・・・内田恭子、フジテレビのアナウンサーだった人ですね。そういえば、何かの番組で「並び替え」と連発するのを見たことがありますが、やはり日本語力は低めのようです。まぁ、ね、そもそも変な「~ずに」を広めたのは小倉智昭ですし、フジの女子アナに日本語力なんてものを求めるのが無理なのでしょうけれど。
 通販CMには変な日本語がよく出てくる、というより、通販CMの日本語はいつもおかしいのですが、とうとう「体形に自信が持てずに洋服で隠す」というのが聞こえてきました。世の中の変な日本語をわざと取り込んでいるのか、変だと思う感性や能力がないのか・・・、変な日本語を電波に乗せてどんどん日本中に広めています。
 「相棒11」が始まりましたが、少々不満がありまして・・・、新しい相棒の甲斐享(かいとおる)が不機嫌すぎるというか、態度がでかすぎるというか、まだ始まったばかりですけどね、あんまりひどかったら嫌だなぁ(ーー;)。ところで、脚本はいつも同じ人というわけでもないようですが、以前放送されたものの中で右京さんが「身元を特定できずに困っています」と言ったことがあるのですよ。
 「お滝さんとうまく発音できずにオタクサンと呼んでいました」「体形に自信が持てずに洋服で隠す」「身元を特定できずに困っています」の「ずに」の前後の関係について考えてみてください。いずれも、「ずに」の前に言ったことが原因となって後に言ったことのような事態になっています。うまく発音できない→オタクサンと呼んだ、体形に自信が持てない→洋服で隠す、身元を特定できない→困っています、こういう関係なのに「に」が入るのは誤りです。また、ついでに言えば、わざわざ「洋服」というのも変です。
 「~ずに」は「~ないで」ということですが、「発音できないで」「自信が持てないで」「特定できないで」なんておかしいですよ、ありえません。「~ず」は「~なくて」ですから、「発音できなくて」「自信が持てなくて」「特定できなくて」ということになります。したがって、「お滝さんとうまく発音できず、オタクサンと呼んでいました」「体形に自信が持てず、服で隠す」「身元を特定できず、困っています」でないといけないわけです。お願いだから、右京さんに変なセリフを言わせないでぇ~m(_ _)m。
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「神は乗り越えられる試練しか与えない」って?

2012-10-10 19:40:05 | 気になる言葉、具体例
                                  そりゃそうだ

 「神は乗り越えられる試練しか与えない」って、本当によく聞きますよね、映画やドラマのセリフとして、あるいは、どうかすると一般の人でも言うことがあるでしょう? でも、私はこれを聞くたびに強い違和感を覚えます。だって、荒野(あらの)でイエス・キリストに試練を与えたのは悪魔ですよ。
 「もしあなたが神の子であるなら、石がパンになるように命じてごらんなさい」と言われたイエス・キリストが「人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言(ことば)で生きるものである」と答える。その後も、宮の頂上から飛び下りろだの、ひれ伏して自分を拝めばこの世の全ての国々とその栄華とをあげるだの、あれこれ言って試したのは悪魔です。
 釈尊が菩提樹の下で悟りを得ようと瞑想していたときも「試練」はあったようですが、現れたのはマーラ・パーピーヤス(天魔波旬、魔羅、天魔、悪魔)です。なんか、妙にかわいい感じの名前ですねぇ(~_~;)。自己の中にある煩悩の擬人化だとか、諸説あるにしても、マーラは神そのものではないのです。
 ということは、神が試練を与えるわけではなく、神以外の、人間ではない存在、つまり、悪魔が誘惑する、誘惑して行くべき道を行かせないようにする、試練を与えるということで、その試練は、乗り越えられる場合もあり、乗り越えられない場合もあり、そうしてこれまで多くの人が道半ばで挫折してきたのではないでしょうか。
 何かとんでもなくつらいことがあると、人はそれを「不幸な出来事」とか「災い」とか言いますが、「試練」と言うとちょっとイメージが違ってきます。本来の「試練」とも少し違う感じがしますが、「不幸な出来事」や「災い」より前向きに捉えられるような気もして、なかなかいい表現ではあります。ちなみに、「パッション」というと大抵は「熱情」と解釈されますが、「怒り」「情欲」「熱望するもの」という意味もあり、「the Passion」だと、これは「キリストの受難」ですからね。
 試練は、神によってもたらされるものではなく、悪魔、あるいは、もっと日本人にとって身近なイメージでいうと「因縁」によってもたらされるものだと私は思っています。つまり、恵まれているのは先祖が徳を積んだから、だとすれば、要するにその逆ということになります。試練を乗り越えられなければだれが喜ぶかというと、それは悪魔であり、乗り越えれば、悪魔は悔しがり、神と先祖は喜ぶでしょう。
 励ましのつもりで「神は乗り越えられる試練しか与えない」と言う、だから乗り越えられるはずだと思ってもらいたい、その気持ちは分からなくもないですが、最初から乗り越えられると予測できる程度の試練なら、試練の意味がないのでは? 乗り越えられる試練しか与えられなくて本当に成長できるの? 到底乗り越えられないような悪魔の試練を全力で乗り越えることを神は心から願っているのではないでしょうか。
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「魔法にかけられ」って?

2012-10-07 09:22:07 | 気になる言葉、具体例
                                ちょっとした旅?

 YAHOO!のトップページ、エンターテインメント情報という欄に「中山美穂『魔法にかけられ』」と書いてあったのでクリックして中を見てみたのですが、ふ~ん、映画ねぇ、あの人、女優だったんですね、知りませんでした。エンターテインメント情報の見出しはだれが書いているのか知りませんが、ちょっと変ですよ。
 中山美穂へのインタビューをQ&Aという形で書いた文章のようでしたが、「わたし自身も『魔法にかけられた』気分になったんです」とあったので、「魔法にかけられた」は中山美穂自身が語った言葉で、それを、字数制限の関係なのか、「魔法にかけられ」と書いたということになるでしょうか。でも、解せないのは、次の質問に対して「その意味でも『魔法をかける』映画なんですよ」と言っていることです。
 だいぶ前に「魔法にかけられて」という外国映画の邦題を例に書いたことがありますし、だれだか忘れましたが「魔法にかけられたように」と言いましたし、こういう人はやはりいるわけですが、「魔法をかける」もしくは「魔法にかかる」が基本です。「かけられて」は「魔法をかける」の受身表現ですから、それは「魔法をかけられる」であって「魔法に」ではありません。「魔法に」に続けるなら「かかって」です。「魔法をかける」が、「かけられた」だと「魔法に」となるのは一体なぜ?
 「先ほど作ったソースにパスタを絡めて」と言ったのは女子アナです。さて、何が何に絡まっているのでしょうか。ラーメンの話題で「スープが麺によく絡む」というのを聞くことがありますよね。ソースがパスタによく絡む、ソースをパスタによく絡める、つまり、「先ほど作ったソースをパスタに絡めて」です。
 「地球ドラマチック」でも「勝利を導いた」というセリフを聞いたのですが、「勝利に導いた」と言うのが普通です。名コーチが弱小チームを勝利に導いたとか、たまに聞く言い方ですよね。コーチが導くのは「弱小チーム」、では、どこへ導くかというと、「勝利」です。勝利に向かって導いていくのです。ちなみに、「勝利を」に続けるなら「もたらした」ですかね。
 ところで、つい先日、久々に長距離ドライブをしたのですが、いいものですね、はっきり目的を持ってする旅というのは。このごろは、どっか行きたいなぁ~なんてあまり思わなくなりましたし、思ったとしても、それぐらいのことで実際にどこかへ行くなんてそうそうできません。今回は、目的、タイミング、周囲の協力、天候、その他いろいろな条件がうまく合いました。感謝です(⌒・⌒)。
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スッチャスッチャうるせぇんだよ。

2012-10-03 19:06:05 | いろいろあれこれ
                              それは回してください

 私は香水や柔軟剤の強烈なにおいが嫌いです。アロマアロマって、うっとおしい! 他人が吸う空気に濃厚なにおいを勝手につける権利がどこにあるのかと腹が立ちます。においは、脳内で、理性が働く部位を通らずに好きか嫌いかを感じる部位に直接行く、だから、理性は働かず、好きか嫌いか感じるだけ。嗅覚とはそういう感覚で、においの好き嫌いは個人差が大きいのです。かすかに香るぐらいなら別にどうということもないのですが、吐き気がするぐらい強烈なのって( ̄д ̄)!
 ところで、Eテレで「野田ともうします。」のシーズン3が始まりましたね、毎週月曜日午後11時25分からです。面白いですよぉ(⌒・⌒)。シーズン2は見逃した回もあったのですが、9月22日に20話全て一挙に放送されたので、録画して全部見ました。その第6話、ぜひとも多くの人に見てもらいたいものですが、私は「だよね、だよね、そうなんだよねぇ!」と画面に向かって言いましたよ。
 野田(大学生、手影絵サークル部員)が部室に入ると知らない人がいて、部長たちから新入部員(候補)だと紹介されました。その人が「ほかからも誘われている」と言って出ていった後、妙な違和感について部長たちと議論するのですが、野田は事実を冷静に分析し、考えを率直に述べます。「視覚はすぐに慣れますが、聴覚って逆に全く慣れませんよねぇ・・・聴覚って不思議だな・・・その音が聞こえなくなっても耳に残って、脳に直接刺さるような・・・」ということで、その違和感はある音が原因なのだと気づきます。
 そこへ新入部員(候補)が戻ってくる(音が近づいてくる)のですが、野田が「聴覚への違和感は決して慣れることはない。それはもぉ排除するしかないんですよ!」と言ってドアに鍵をかけたので、その人は去っていきました。そして、野田が外を歩きながら「スッチャスッチャ、スッチャスッチャ、うるせぇんだよ」と小声でつぶやいたとき、上からペンが落ちてきて、2階の窓から「おめえ、スッチャスッチャうるせぇんだよ! うっとおしいんだよ! どっか行けよ早く!」という声が聞こえ、野田は、やはりみんなそうなのだと、ほっとした様子。最後に「聴覚への不快感は人を惑わせる・・・」というテロップが画面中央にバーンと出ます。
 「スッチャスッチャ」はペン回しの音です。私は、ノック式ボールペンをずっとカチカチやっている人、ペン回しをずっとやっている人、大っ嫌い!!! カチカチとスッチャスッチャは脳に直接刺さるのですよ、決して慣れることはないんです。野田よ、よくぞ言ってくれた( ̄o ̄)! 今度は嗅覚についてやってくれないかなぁ。
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