◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「風合いと臭いを取り除きます」って?

2018-06-24 09:54:58 | 言葉についてあれこれ
                                  臭くないので

 「ためしてガッテン」に出てきたクリーニング店。持ち込んだ服をどのように洗ってもらいたいか選べるということで、いわゆる“メニュー”に「スッキリした風合いと臭いを取り除きます」という説明書きがあり、もやもや <( ̄д ̄)>。まず、「臭い」について、私は反射的に「くさい」と読むのですが、これは「におい」と読まないといけないようですね。
 私は、いい匂いは「匂い」、臭い(くさい)のは「におい」と書くことにしていますから、「取り除きます」まで読んでから、あ、これは「におい」だね、はいはい、ということになるのですが、「臭い臭い」と書いてあるのをすぐに「くさいにおい」と読めるかというと難しいですね、「臭いにおい」のほうがいいと思います。
 さて、「スッキリした風合いと臭いを取り除きます」ですか、「臭いを取り除きます」はしかたないとして、その前の「スッキリした風合いと」って、なぜこういう中途半端な書き方をするのでしょうか。「スッキリした風合い」と「臭い」を「取り除きます」って、それでいいのか? スッキリした風合いも取り除くのか? この書き方だとそういうことになりますよ( ̄д ̄)!
 こんな不思議な日本語をそこらじゅうで見聞きします。しかも、紙に油性ペンでちゃちゃっと手書き、とかいうものではなく、業者に発注してちゃんと作製してもらったようなものでもこんなレベルですから、一体どうなっているのでしょうか。「臭いを取り除き、スッキリした風合いに」か「においを取り除き、すっきりした風合いに仕上げます」でしょう? そうでないと頼む気になりませんよ。
 「皆さんにはご迷惑とご協力をいただいて」と言ったのはテレビに出ていた幼稚園の先生で、「県民に迷惑と不安をかけました」と言ったのは役人、「混乱と迷惑をかけたことを陳謝し」と言ったのは政治家、みんなテキトーにしゃべっています。ちゃんと「皆さんには迷惑をかけ、ご協力もいただいて」「県民に迷惑をかけ、不安な思いをさせました」「混乱させ、迷惑をかけたことを陳謝し」と言わないと~( ̄_ ̄)。
 「憎いのはAやBですが、一つも理解も守ってくれなかったあなたに最後は向かいます」は一般の人の文章にあった例です。AやBはやりたい放題なのに、“あなた”(C)は事情を何も理解せず、D(Cの妻)を守ろうとしない。そうなると、最後には、DはそんなCを憎むことになるというわけで、言いたいことは何となく想像できますが・・・、せめて「憎いのはAやBですが、何一つ理解してくれず、守ってもくれなかったあなたに最後は向かいます」と書かないとね。
 「いろんなところへ遊びに行っている写真や、中には旅行にも行っていました。写真のコメントには合コンをやっていた話やデートという題名の写真もありました」も一般人が書いた文章ですが、この人だけではなく、大半の日本人がこういうレベルの文章を書いているように感じます <( ̄д ̄)>。短い文章をぱぱっと投稿するのに日本語としてどうかなんて気にしていない、ということ?
 ちゃんとした文章も書こうと思えば書けるんだから心配ご無用、ですか? いやいや、そこまで言える人はあまりいないでしょう? 「いろいろな所へ遊びに行っている写真や旅行中の写真、デートという題名のものまでありました。それに、合コンをやっていたというコメントもありました」と、ぱぱっと書ければいいですね( ̄― ̄)。
 「父は、ご飯の炊き方も洗濯機も回したことがありません」も一般の人が書いたものです。事情があって男親が家事をやらなければいけなくなった、それはいかにも大変そうです。「父は、ご飯の炊き方も洗濯の仕方も知りません」か「父は、ご飯を炊いたことも洗濯機を回したこともありません」か、もしくは「父は、ご飯の炊き方も知りませんし、洗濯機を回したこともありません」か。読み手に甘えてばかりではいけませんよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「なじみ込ませる」って?

2018-06-17 09:27:40 | 気になる言葉、具体例
                                  手になじむサイズ

 「なじみ込ませる」と言ったのはお笑い芸人で、どうやら、肌のしわにクリームをしっかり塗り込んでなじませる、「塗り込む」+「なじませる」+「しみ込ませる」=「なじみ込ませる」ということのようで <( ̄д ̄)>。大多数のタレントは日本語の誤りを恥じることなどなく、楽しんでさえいますが、それが一般の人に悪影響を及ぼしているということには、そろそろ気づいてほしいと思います。
 「味をなじみ込ませる」と言ったのは「きょうの料理」の講師。芸人の「なじみ込ませる」を聞いてから少したったころです。こちらは、材料に味を、「なじませる」+「しみ込ませる」=「なじみ込ませる」かな、芸人が「なじみ込ませる」と言うのを聞いたのでしょうか。耳にした言葉をおかしいと感じるセンスがなければこうなりますね、いとも簡単に感染してしまいます。
 「隠れ込んだ」は、なんと、「リトルチャロ」(NHK)の和訳テロップで見たのですよ( ̄д ̄)! 「逃げ込む」はおなじみですが、「隠れ込む」は初めて見ました。逃げて、逃げた先に入り込む、「逃げる」+「隠れる」=「逃げ込む」ですから、「逃げて、○○に隠れた」もしくは「○○に逃げ込んだ」でしょ!
 「とくダネ!」の「小倉が斬る パート2」で聞いた「コートに崩れ込み」というナレーション( ̄д ̄)! 賭博にかかわって競技会への出場停止という処分を受け、その後、復帰したバドミントン選手の話です。試合に勝って感激のあまり号泣(?)、へなへなとその場に崩れ落ち、倒れ込み・・・<( ̄д ̄)>。
 「部屋に入るなり、彼は地面になだれ込んだ」(gooいまトピ コラム 2018/4/5 20:00)なんていうのもありますよ。大勢が一度にどっと入り込むのが「なだれ込む」ですから、「彼」だけで「なだれ込む」はありえません。おまけに、部屋に入ったのに「地面」はおかしいですね、「部屋に入るなり、彼はその場に倒れ込んだ」もしくは「部屋に入るなり、彼は床に倒れ込んだ」でしょ!
 「○○さんをおとしこめる情報」と言ったのは学者ですが、話の流れからすると「陥れる」とか「おとしめる(貶める)」とか言いたかったようで、「データを落とし込んで」というときの「落とし込む」の可能表現「落とし込める」でないことだけは確かです。ほかにも「不幸のどん底に落とし込まれる」とか、いろいろ見聞きしますから、皆さん「~込む」と言いたいだけ? 「不幸のどん底に突き落とされる」でしょ!
 「ラム肉の脂のコクがスープににじみ込んでいて」と言ったのは一般の人ですが、コクが、スープに、ですから「出ていて」でいいのではないでしょうか。「にじむ」は、「入る」というより「出る」ですが、「込む」は「入る」のイメージだし、ラム肉の脂のコクは、個体から液体へ、間違いなく「出る」だし・・・。あるいは、どうしても「~込む」なら「ラム肉の脂のコクがスープに溶け込んでいて」とかね。
 「本部からの補填金がほぼそのままオーナーの手元に入り込んでいる状態だ」(2018/1/22 18:40配信 J-CASTニュース)って、そういう場合は「流れ込んでいる」でしょ! 「目に入り込んでくるのが」は「谷原章介のTimeless Kitchen」のナレーション。部屋に入ると、大きな食器棚に大量の食器! わーっ、すごい! それは「目に飛び込んでくるのが」でしょ、定番の言い方ですよ。
 トマトがメインの具を普通の皮で包んだ餃子のことを「トマトが練り込まれた餃子」と言った人とか、騒ぎの張本人が「とんでもない出来事に巻き込まれた」とか、なぁ~んかおかしい <( ̄д ̄)>。逆に、「お客様は神様だという精神を叩きつけられたので」は一般人の文章にあったのですが、そこは「込む」でしょ、「たたき込まれたので」です。全く、どうなってるんだ <( ̄д ̄)>?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「罰金と書いてました?」って?

2018-06-10 09:34:40 | 言葉についてあれこれ
                                  かじってあります

 「確かに××は罰金と書いてました?」は一般の人が書いたものなのですが、内容からいくと、「××は罰金」という注意書きがあるのをこの人は見て、ちゃんと分かっていたのです。ということは「確かに××は罰金と書いてありました」ですが、それをなぜ「書いてました?」と書くのでしょうか。こういうのは、この人に限らず、ちょいちょい見たり聞いたりしますし、これの何がおかしいのかと思うのでしょうけれど、正直・・・寒気がします( ̄_ ̄)。
 「いや、そんなこと書いてませんけど」は日本郵政グループのCMで聞きました。郵便局に来た男性が、小学生のころに先生からもらったという手紙を見せて「『早く大人になってね』って書いてあるんです」と言うと、若い女性が「いや、そんなこと書いてませんけど」と返します。手紙には「ゆずりあいの心をもち、早く大人になりなさい!」と書いてあって、趣旨が違うと言いたいわけです。
 「いや、そんなこと書いてませんけど」が「いや、先生はそんなこと書いてませんけど」から「先生は」が抜けているだけだと考えることもできますが、やり取りの雰囲気から、これはそういうことではなく、若い人の“はやり”の言い方なのだと分かります。若い人どうしでは当たり前なのかもしれませんが、私は「書いてありませんけど」と言ってほしい、お願いだから m(-_-)m。
 2012年に、誰かが「すごい、ミカン、皮がむいてる」と言ったのであ然としたと書いたのですが、画面に映ったミニチュアのミカンを見て、私は「ミカン、皮がむいてある」と言いましたよ。「皮がむいてる」なんてガキっぽくて、背中がぞわーっとするのですが、「書いてました?」「書いてませんけど」も同じだから Ψ( ̄д ̄)Ψ。
 ハムやんお気に入りのチーズがなくなったので、YAHOO!で「ハムスターがおててにもってたべるチーズ △△市で扱っている店」で検索したら「『ハムスターがおててにもってたべるチーズ △△市で扱ってる店』ではありませんか?」と出たのですよ、なんか、むかつくぅ~、余計なお世話じゃ o(`д´)o!
 「チョコがたくさん売っています。(中略)ひとひねりあるグッズがたくさん売ってることで有名ですよね」(2018/01/23 17:01 BuzzFeed Staff,Japan)というパターンはうんざりするほど出てきますが、「~が」なのに「売っています」「売ってる」なんてとんでもなくおかしいですよ、書いた人、何歳( ̄д ̄)?
 私も、雑貨マーケットに行って「うわぁ、面白いもん、いっぱい売ってるぅ」ぐらいは言いますよ、でも、「面白いものがいっぱい売ってる」とは言いません。ましてや、「面白いものがたくさん売っています」なんて絶対に書きませんよ、ガキじゃないんだから。そこはやはり「チョコがたくさん売られています。(中略)ひとひねりあるグッズがたくさん売られていることで有名ですよね」もしくは「ひとひねりあるグッズをたくさん売っていることで有名ですよね」でしょ!
 「飼い主さんいわく、このあと、無事抜け出せれたとのこと」(2018/02/11 11:08 BuzzFeed News Reporter,Japan)って、「抜け出せた」に余計な「れ」が入る、“れ入れ”とか“れ足す”とか、ちょっと話題になりましたから聞いたことがあるでしょう? とてもガキっぽいので、大人が「抜け出せれた」なんて言うのはかなり恥ずかしいわけで、ましてや、「抜け出せれた」と書くなんてどうかしています ┐( ̄д ̄)г。
 「先程、北海道のさっぽろ雪まつり、きれかったですけれど」なんて言ったのは「ウェークアップ!ぷらす」の蓬莱大介 気象予報士。そういうキャラといえばキャラかもしれませんが、情報番組で「きれかったですけれど」はない( ̄д ̄)! 「違っていた」を「ちがかった」と言うのと似ていますが、ガキじゃないんだから、気象予報士としてしゃべっているのですから「きれいでしたけれど」と言わないと!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「暴行をふるわれる」って?

2018-06-03 09:29:12 | 言葉についてあれこれ
                                  足蹴にされた

 「泥酔した客から暴行をふるわれるタクシー運転手」は「とくダネ!」で聞いたナレーションで、このとき、なぜかテロップは「暴力をふるわれる」でしたよ、珍しく正解。「暴行」なら「暴行される」ですね。「もこみちさんの腕にかかると」と言ったのは小田島愛アナ(テレビ金沢)ですが、「料理の腕前」とごっちゃになったのでしょうか。「かかると」なら「手」ですよ、「手にかかると」でしょ!
 「スタッフも経験ある女性ばかり」は美容室のCMで聞いたのですが、「経験豊かな」とか「経験を積んだ」とかね、そこまで言う自信がなかった? 「二つをかけそなえた大人になりたい」と言ったのは二十歳になったタレントですが、「兼ね備えた」も言えない二十歳って <( ̄д ̄)>? 「気が気でならないんです」と言ったのも若い女性タレントですが、「気が気でないんです」でしょ。
 「どこに向かっているのか、読んでいけば分からなくなる」と言ったのは「王様のブランチ」で見た若い女性です。この番組で聞こえてくる日本語はふざけているのかと思うほどおかしいのですが、これは読んだ小説の感想を述べる場面で、おふざけではないですよね、「読んでいけばいくほど分からなくなる」と言いたかったのですよね!? 「こともあろうか」は「王様のブランチ」の映画紹介コーナーで聞いたナレーションですが、「こともあろうに」と言うものですよ。
 「びた一文もな」は「猿の惑星ジェネシス」の日本語吹き替えセリフなのですが、むずむずします。「びた一文、な」が自然で、「も」が余計です。「お前にはびた一文やらねぇ、びた一文、な!」と言ってみてください。「も」を入れるなら「お前には一文もやらねぇ、一文もな!」です。「一刻でも早く」と言ったのはタレント、「一刻でも早くご報告をと」はドラマで聞いたセリフですが、「一刻も早く」でしょ、「で」が余計です。
 Wikipediaで「インフルエンサー(influencer)」を見たら「世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと」とありましたが、これを書いた人は小倉智昭の影響をもろに受けちゃったのでしょうか、「影響力」と「影響」の違いを分かっていませんし、「行動を行う」もくどいですね。「その言動が世間に大きな影響を及ぼすような人物のこと」とでも書けばいいのではないでしょうか。
 「あしたも晴れ!人生レシピ」で70代らしき女性からのメールを読み上げたのですが、「見ず知らずのすかがわへ」というところに違和感を覚えました。すぐに「すかがわ」は地名だと分かりましたが、それだと「見ず知らずの」は合いません。「見ず知らず」は、会ったことがなくて全然知らない、一面識もないこと、つまり、「人」について言うわけで、行ったこともなくて全然知らない土地なら「縁もゆかりもない」「不案内な」「なじみがない」などですね。
 「代引きならお金をはらわなければ発送先に返されます」は一般人の文章にあったのですが、送り主に返されるのですから「発送先」ではなく「発送元」です。「はらわなければ」も、なぜ平仮名で書いてあるのでしょうか。きちんと変換するのがめんどくさい? 「代引きなら、お金を払わなければ発送元に返されます」でしょ!
 「○事件、△事件の早期解決に従事」は「小さな巨人」第1話で聞いたナレーションです。「○事件、△事件の捜査に」なら「従事」でもいいのですが、「早期解決に」だったら「従事」はおかしいですよ、そこは「貢献」でしょ! あ、いや、本当に貢献したかどうか、それは知りませんよ。そうなると「尽力」でしょうか。
 「ナスD『無人島生活』にお茶の間ドン引き!?腐乱した烏龍茶を飲み干した!」という見出しにびっくりして記事(2017/12/31 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)を読んだら「ナスDの飲んでいた飲料は真っ黒に腐っていて」と書いてありました。「腐乱した烏龍茶」だなんて気持ち悪い( ̄д ̄)! こんなもの、よくまぁ堂々と出せますね ┐( ̄д ̄)г。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする