流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

響け! ユーフォニアム3 第三回 を語る

2024-05-03 12:21:41 | <響け! ユーフォニアム3>

沙里さん。
髪をかき上げるけど落ちてくる。
髪をいじる動作ってリズを思い出しますが、
今回は部室の鍵を開けること、髪の描写など、
ちょっとリズを下地にしたような印象がしたかな。
それにプラス手の描写か。
京アニ的な考え方のカット群だけど積み方が新鮮に感じられたな。


神社の朝の雰囲気も良かったですが、
この辺の光の反射を含めた朝の静謐な空気感みたいなのがいいかな。


反射というのが至る所に出てきて3期はこの方向なのかと、
ちょっと霹靂とさせられる部分でもあるかな。
やや過剰に感じる。
進路を語るところで机を並べて見せて自身の映り込みを見せるとか、
まあ割と絵で語ろうという意識が強いのかなという感。



個人的に引っかかったシーン。
すずめがよく動く、っていうのは2話でもやられていて、
今回の話数は特に力が入ってますけど、
このシーンは撮影のフィルターがやや薄めに感じて目を引いたなと。
割とバリバリ撮影効果を載せた画面を1話からやってきているので、
沙里さんの髪のハイライトを色味で見せようとしてる感じというか、
あまり撮影効果が載ってない感じがやや引っかかる感じ。

特にハイライトは頭が回ってもくっついて回るので、
少しそういう部分も強く意識してしまう感じ。



この娘、ノリノリだなと思っていると、



急に寄って被写界深度浅めの画面。
なんというかこういう描写はけいおん!の頃の山田演出的な考え方かなと。
そこまでは普通に日常的な動きを見せつつも、
繊細な部分にスポットを当てる時はアップで意識をピックアップするように。
今回の話は1話完結型で見せやすかったためか、
従来のTVアニメ演出を意識させられる回で、
ゲストキャラを扱いやすい回だったのでできたのかもなと思ったり。
2話で前フリはできてますしね。

演出は似西芽衣さん。
このシーンの感じを見ていて、たぶん今まで見たことない人だな、
という気がしていたのでちょっとワクワクしてしまっていました。


時間経過の演出で兼用カットありましたが、
どれも新鮮に感じたな。見上げる仰角の絵だからかな。


この辺は三好さんっぽさを感じたな。
ローアングルからの楽器なめだからかな。
意図としてはやや薄目な印象。


からの引きの絵。


×印の否定の感じはやっぱ狙ってるのかな。
黒髪ロング演出を引き継いでいるという絵かなと思ったりなど。
リコリコはだいぶ黒髪長髪キャラの化身みたいな印象だったので、
つい意識してしまう。


衣装合わせ。
服のフィット感を確かめるように服を触って裏地を見せるような描写、
服を見せるっていうのが珍しいので新鮮に感じられたな。
これが次のシーンの伏線的な意味合いを持つのも楽しい。
肉体的成長という意味では原点回帰的な一連かもしれませんね。
あと奏か真由かだったら自分は奏派のベクトルですかね。



大人って大変そう、という久美子の失言も原点回帰的。



滝先生の机周りの描写も新鮮感あったかな。
カップを取る俯瞰の絵とかノートを曲げて閉じる動作とか、
こういうのを見せたいという感じが新鮮に映るかなと。
ここも机への反射を描いていたりするんですよね。
どういう工程でカット内容を決めているのか気になる感。


この辺、麗奈の髪の感じが気になるかな。
冨岡さんみたいな印象があるというか。
毛先が印象的だからですかね。



雨の日の影の質感。
日に落ちる実影と床に反射してる像とを分けて描いてるとか。
こういうのも新鮮ですね。


で、沙里の反射と久美子の影が重なるとか、
複雑な見せ方を見せている。
部長に話がある1年生の図、というのをこう見せるかと印象深い。


ポン寄りでいって表情をじっくり見せたり。
この一連は冒頭との差異もあって目を引きますね。
特に髪の色味や顔への髪の影落としかなども違うので。
髪の描写は影でも作れるというのは今までも意識していましたけど、
あんまり触れてこなかったなという反省をさせられる気がしたな。

というのも、ここなんでカット割ったのかなみたいに思っていたんですが、
寄ったときの髪のかかり方が凄く絵になってる感があるんですよね。
上の動作のちょっと前を紹介すると、



前髪の影の落ち方のわずかなニュアンスで全然違うなと感じて。
より寄ったことで見えるものが違ってくる、
みたいなところに切実さが感じられるのにグッとくるというか。


手のニュアンスも冒頭のところとは違いますしね。
こういう意識の向け方がわかりやすく良いですね。
しかし麗奈と二人きりになるのはどういう拒否ニュアンスだったのかななど。



定点カメラっぽい感じからまた違った絵で、
またすずめの動きを見せるのが新鮮だけど、
深刻さと相反していて何があるんだろう前フリ感を強く感じる一連。


ボイコットふり。



間違えて素材の写真を載せてしまったかのような写実性でビックリしてしまったな。


ノートに書く。
麗奈と秀一とのノート、滝先生のノートなど、
音楽をまとめるためにノートに記載していましたが、
ここでは何も書けなくなっているの図。
具体的な案を講じるより、久美子の思いを優先するような感じ、
久美子自身への才、というのを印象付ける感じだったのかななど。



回想挟んでの寄り方、ここは回想のカット割りに順じた感あるかな。
影の中のやり取りで、暗い雰囲気を引っ張りつつも、
明るい天気に前向きな雰囲気を感じ、
久美子が奮い立つ姿を後押ししてる感。



黒江真由、発動。
たかが部活、とか言う過激な発言など。
手のニュアンスは読ませられるところかも。
というかこのあとの沙里の描写とも通じる感があるので。



神社の描写も新鮮で良かったですね。
玄関への入り方とか、普通正面から見せそうなところを横からとか、
神社の非日常感と合わせて新鮮に映ったな。
木漏れ日などの描写もぐっとくる。


狭い部屋にピアノがドン!とあり、鍵盤楽器は不吉が頭をよぎるけど、
そこを吹き飛ばす久美子パワー発動という感。




髪をかき上げるけど落ちるニュアンス、
沙里が結局どの場面に心を影を落としているのか、
というその場面へとPANダウンで見せてるあたり新鮮な透過の見せ方かなと。
心の動きとカメラのとらえるものの動きがマッチしているのにグッとくる感じ。
彼女が冒頭で何を祈っていたかにも通じるところがあるのもGOOD。



星にすがる絵、っていうのをやれるのは凄いなと思う。
ヒトデかもしれないけど。


小さい社が隣にあるを見せてるのもポイントかな。


ここでの力強いありがとう!の返し、強い。
沙里と同じように悩んできた久美子だからこその返しでもあり。
久美子の語りの中で初心者の子が成長しているのは、
久美子や麗奈や秀一がそういう姿を見ているから
っていう部長の目を意識させられるなと。

その中で見えてなかったことを、
ありがとう!で伝えられているのは良いなと。


沙里の中で芽生えた感情の波紋。


それがみんなの目標へと通じる。



目指しているものは同じだから。
1話に通じるところでもあるかな。
みんなで目標にしてたからこそ、部長として引っ張っていく、と。
1年生から見た3年生への頼もしさにグッとくる感。

ここが話的に一番盛り上がるところなので、
光のニュアンスを綺麗に散りばめていて良いですね。
後半に向けて前半は撮影効果も抑え目に、
だんだん変化をつけていって、というのが話として見やすくて良いなと。

しかし、たかが部活、という言葉に久美子が批判的なこと、
目標を決めたときに黒江真由がいなかったことから、
久美子の中で黒江真由への反発心が一定あることが読み取れるやり取りでもあったかな。



冒頭では朝の絵だけど夕景からの変化で、
新しい朝を迎えるようにしているのがまた良いかな。


リズは音楽室の鍵を開ける工程の話、というのがあったので、
またそれがリフレインされることで、
部活ものというのが繰り返されるところでもあるかな。

そしてそれはアニメ制作も同様であるように思える、というか。
いろんな含みを感じた話数でした。
似西さんのほかの演出回がまた楽しみです。


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