晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 鉄の文化史 1/4

2013-01-05 | 雨読

2013.1.4(金)雪

 以前に一部分だけ読んで紹介した本だが、今回読了したので改めて紹介したい。
「鉄の文化史」新日本製鐵(株)広報企画室編 東洋経済新報社昭和59年12月発行 定価1500円 古書P1030620
 



 本書は新日本製鐵という日本最大の製鉄会社の広報担当の部署が広報紙に記載された記事などをとりまとめて出版されたものである。サブタイトルが「五千年の謎とロマンを追って」というふうになっているとおり、鉄に関する歴史的なものとあらゆる方面から見た鉄に関するエピソードや論文が記載されている。あらゆる分野の筆者によって書かれているので、ざっと読んでしまえば一体何だったのか解らないという結果になるかもしれない。
 私の場合は、古代の鉄生産が何時始まったのか、遺物としての鉄製品の原料、生産地、年代、生産方法、それらを探究するための化学分析、鉄滓に関する同様の事柄などを知りたくて読み始めたわけである。
 実はわたしの読解力、記憶力の無さや化学的な知識の欠乏によって、過去に数多くのこの種の本を読んできたにもかかわらず何も理解できていないという焦燥感があることも確かである。
 つまり数多く読んできた鉄に関する書物の中には、鉄製品や鉄滓について科学的な分析が表されており、それに関する結論も語られている。ところが読者であるわたしの内部では断片的な知識として存在するだけで系統的に理解されていないのである。
 本書の中で鉄が科学的に分析されている記事は、3章の「古代鉄器を科学する」という章である。七支刀の謎、古斧が語る当時の製鉄技術、稲荷山鉄剣六片の錆という記事は30年近く前の出版物だからそれ以前の分析だろうから鉄の分析の元祖的なものと思える。化学組成の分析など技術的には現在とかなりの開きがあるのだろうが、おそらく充分に信頼に耐えるものと思う。結論もわかりやすく記されているのだが、現在の学者に言わせれば意見の分かれるだろう部分も見受けられる。
 鉄に関するあらゆる方面からの記事があるが、飯田賢一氏の「製鉄技術学の本を追って」という記事は、他には見られない興味深いものである。例えば「泰西七金訳説」1810年頃書かれたようだが、鉄が薬として使われるという内容が紹介されている。
 「薬用ニハ鋼鉄ヨリ生鉄ヲ良シトス。諸医家、月水及ビ諸管ノ閉塞ヲ開クニハ、潔精ニナシタル鉄粉ヲ以テ妙薬トス」
 生鉄とは銑鉄のこと、月水とは月経のことだそうだが、ヨーロッパでもそうで有ったように日本でも古来金属は薬であったようだ。修験道者が鉱脈を追ったのは金属生産のためというより、薬物の採取という意味が少なくとも当初はあったのではないかと考えている。

 【作業日誌 1/4】
看板描き、支柱作り

【今日のじょん】:たいしたことはないがとりあえず雪が降った、積雪は10cmってとこだろうか。新雪を走ろうと思ったら先客がいた。いつもの小動物かもしれない。犬、鹿、イノシシでないことは確かだ。かみさんが目撃したテンかイタチかもね。
じょんと一緒に探索してみよう。P1030612




最終は堰堤のところから谷に降りている。
P1030615 P1030616




隣家の裏、縁側沿いに進み、その隣、そのまた隣の裏手を通過、高橋さん、川北さん宅は裏手の山を通過、通れないので府道を迂回。P1030617 P1030618




ゲートボール場を横切っている。
 念道バス停の上の方に足跡を見つけるが、先程のものかよく解らない。ここで時間切れ、かなり広いテリトリーを持っているようだ。
 

 

コメント
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