晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

上林の盃状穴(7) 河牟奈備神社 1/29

2013-01-30 | 歴史・民俗

2013.1.29(火)曇

 思ったより早く雪が解けた。三種の神器をもって盃状穴調査にゆく。
まずは地元の河牟奈備神社、ここは鳥居の敷石に芸術的とも言える盃状穴らしき穴を見つけ、この調査の発端となったところだ。もっとも発見当時は盃状穴という知識も無く、金属の粉砕、調合あるいは薬草のすりつぶしや調合などの目的かと思っていた。それは形といい大きさといい盃状穴そのもので、場所的にも理想的なものであった。ところが、初詣なんかで参拝したときに、その他の盃状穴は無いものかと探すのだが、一向に見つからないのである。もしこの神社で盃状穴を穿つ習俗があったとしたら、複数個見つかっても良さそうだと思うのだ。P1010601
 




2012.5.1、鳥居敷石に妙な穴発見。

 まずは本殿下の石段から見て行く。十数段の石段だが、表面の凸凹したものと、滑らかなものと混ざっている。長さも位置もバラバラで年代の新旧もなさそうだ。凹凸の激しい方にいくつかの穴が見つけられるが、自然のもので盃状穴では無い。形がいびつであるのだ。滑らかな方の石には穴は見当たらない。P1030776 P1030775
 



石段は二種の石があるが、穴は自然のものである。

 本殿の周り、小宮の周り、ありとあらゆる石、石造物を見て行くが盃状穴は見当たらない。少し暗澹とした気持になる。
 下の段には社務所、手水鉢新旧2鉢、狛犬一対、寄進や記念の石柱、鳥居がある。まだ雪が残っているところは払いのけてくまなく探すが見当たらない。そこいら中しずくが落ちてやたらと冷たい。P1030789P1030788
 



手水鉢は新旧二つあるが、盃状穴は見当たらない。

 と、その時かつて見つけた鳥居の敷石を見て愕然とする。乾いているときは同心円の盃に見えた穴に水が溜まって細長い水たまりになっているのだ。そしてそこには10秒間隔ぐらいで水が落ちている。滴はその石の所から一直線に落ちており、砂の筋を作っている。もしそこに石があったら同じ様な穴があいていたかもしれない。P1030782 P1030786




この穴に見事に滴が落ちている、横から見ると雨だれの列がはっきりわかる。

 これは間違いなく、滴による自然の造形である。雪解けのこの時に来たからこそ解ったのだ。何百年と水を受けてあいた穴なのだろう、人工の盃状穴に比し何と美しいことか、しばし見とれる。
 それにしても盃状穴を初めて教えてくれた、テレビ出演のおじさんは、「雨だれが石に当たっても盃状にはなりませんよ、筒のように真下にあいていきますよ」なんてことを言っておられた。この穴を見られたら何といわれるだろう。
 残念だけど河牟奈備神社には盃状穴は見当たらない。

【作業日誌 1/29】
ウッドデッキ床張り、植木穴造作P1030772
花鉢台作り(植木穴の材料再利用)




パラソルも立ててみる。

【今日のじょん】:何でも持ち出してくる犬はあれども、それを片付ける犬はそういないだろう。じょんの最近のしつけはお片付けである。出してくるのはまくらとゴジラ、サークルの中に片付けるのはなかなか大変みたい。P1030456

 このまくらどうやって片付けるかなあ。

コメント
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