晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 探訪丹後半島の旅(上) 11/9

2013-11-09 | 雨読

2013.11.9(土)曇り
 「京都北山を歩く(1~3巻)」に感動し、それ以前に刊行された「探訪 丹後半島の旅(上中下巻)」は是非読んでみたいと思っていた。ところがその間に読んだ「西丹波秘境の旅」の内容に不満を憶え、丹後半島の旅を読むことは無かった。現在では絶版になっており、購入するには相当な値段となっている。
 日置のことを研究し始めたり、沢山できた丹後の温泉めぐりを始めたりで丹後に行く機会も増えた。購入はできないけど、図書館で借りられないかと調べたら綾部図書館に全巻揃っていた。順次借りてきて読むことにする。
 「探訪 丹後半島の旅(上)」澤潔著 文理閣1983年1月第2刷発行 綾部図書館借本
P1010735


 「京都北山と東丹波高原山旅の蠱惑」につづく著作だが、澤氏70才の発行である。晩成とはいえ、著作のジャンルから見ると最も脂ののりきった時期といえる。澤氏の著作をすべて読んだわけではないが、本書が最も優れた著作ではないかと感じている。
 「西丹波秘境の旅」について辛口の評価をしているが、そのうち、紀行文なのか研究論文なのかという風に書いている部分にまさに赤面の思いをしている。(雨読 2011.1.8参照)本書の副題は、地名語源とその歴史伝承を尋ねて、という。
 地名語源を探るために数多くの書物を見てきたが、そのほとんどが地域ごとに箇条書きで地名語源の説明をするものであった。便利なものは巻末に索引がついていて辞書のように使えるものもいくつかあった。地名語源の研究をするためにはそういったタイプの書物が有効で、主にそのような書物を求めていた。従って先ほどの「西丹波秘境の旅」のごとく批判的批評をしてしまったのだが、現在では旅として各地を訪ねながら地名語源や歴史伝承を探るのがもっとも理想的なスタイルだと思っている。地名語源を尋ねる旅というスタイルは澤氏独特のもので、その中でも本書は最高傑作といえるだろう。
 本を読みながら、その場に居るような臨場感があり、過去に訪ねたところはその情景が浮かんでくるし、未訪のところは想像たくましくして是非訪ねてみたくなるのである。
 10月の中頃、丹後町久僧(きゅうそ ※本書では”きゅうそう”と書かれている)を訪れる。
P1010572
宇川温泉から久僧海岸方面

誠に美しい景色のところなのだが、氏はその語源を糞(くそ)と解く。古代人は汚賤・糞穢名称をもって、悪霊を近づけず、諸々の危害を防ぐものとしていた、というのがその理由である。また、上谷正男氏は「間人と宇川路の古地名をアイヌ語で歩く」で、Ki-us-o、茅が・そこに群生している・川尻と解いている。地名アイヌ語小辞典でみると、確かにその意味となっている。
 地名というものは不思議なものだ。

【作業日誌 11/9】
タマネギ苗植え付け20本

【今日のじょん】先日相性が合わずに一緒に遊ぶことができなかったゲンタ君が、今日は慣れたのかじょんと大はしゃぎしている。みんな大喜び、また遊びに来てネ。P1010733
P1010734


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする