2013.11.12(火)曇り、雨 日置のこと(56)は2013。11.7
阿比地神社(あびちじんじゃ)は福知山市興(おき)にある式内社である。
「西丹波秘境の旅」(澤潔著)に次のように書かれている。
幻想あふれる於成平
ところで、夏至の太陽の移りゆく真下あたりに、天火明命を祀る石原(いさ)の興似鎮座する阿比知神社があるのは、不思議このうえもないことで、偶然の一致にしてはできすぎているのである。やはり、そのような位置をあらかじめ計測して、そこに阿比知神社を奉斎したものであろうか。そうすると「アヒチ」(夏至の太陽が会うところ)の意味が、語呂合わせかも知れないが、わかってくるような気がしないでもない。「丹波文庫」に「興」とは「日置」の略語であるというが、まさに鋭い指摘である。(119ページ)
ここで書かれている「丹波文庫」の内容というのは、「丹波文庫第15号 創作 青い花」のなかで斉藤喜一氏が福知山の「土」(つち)は朝鮮語で「ヒキ」と呼び、「土」も「日置」ではないかという説に付帯して次のように書かれているものである。
火美子「私はそう考えてる。現代朝鮮語の辞書だし、ハングル表と見比べて私が引くのだから、あまり発音は正確ではないと思うけど、土はヒキとも読んでいる。土(ひじ)と読んでクシフルのことかもわからないけど、でも福知山の土は日置のことと思う。その西隣に興でしょう、これもヒオキのオキで日置のことね。」
阿比地、阿比知、阿毘地などいろいろに書かれているが、ここでは福知山市史にあるように阿比地神社(あびちじんじゃ)としておこう。
祭神は、天照大神(あまてらすおおみかみ)で、一社一座で天照大神を祀る宮は珍しいこととしている。澤氏の言うところの天火明命とは別のものである。
阿比地神社は府道8号線福知山綾部線の阿毘地踏切の北にある。
弥仙山から西南に30度のところに確かに阿比地神社は来るようだが、その方向に日没するのは冬至であって夏至ではない。
土を日韓翻訳すると、フk、heulgと発音するらしい。これがヒキと聞こえるかはともかく、日置を日本語に置き換えて土を意味するから土という地名が生まれるかと考えるとどうも疑問を感じてしまう。また、文中土の西隣に興という風にあるが、実際は東隣であり、誤植か勘違いかと思われる。
福知山市土は今年の台風18号の被災地だが、南半分は高台となっており、浸水の被害はないようだ。
興についてもヒオキがオキになったというのも、澤氏の言うほど鋭い指摘とは思えないのである。
要するに土も興も日置だというのは少し難があると思っている。
ところが、興に存在する阿比地神社に妙なものを発見したのである。つづく
【今日のじょん】雨が三日間続いている、朝夕の散歩もレインコート着用で運動不足になりがちである。こんな時いつもと違った激しい動きを見せることがある。やっぱりどこかでうっぷんを晴らさなければいけないのだろう。