2014.10.9(木)曇り 穴虫考(124)は2014.10.4
福井県には田地名が多い、地名大辞典、福井県の小字一覧を無作為に取り上げて
見た。福井市灯明寺という字には71の小字があり、30の田地名がある。豆田、
五味田、池田、西八反田、向田、鍵田、開田、久田、太鼓田、、、とつづく。
航空写真で見ると福井市中央部のやや北の住宅街で耕地などほとんど見られない地域だが
かつては田園地帯であったことが見て取れる。これらの田地名はおそらく田んぼの
性質や広さ形状を表すものだろう。過去の人びとにとってそれは最も重要な関心事で
あったに違いない。穴田もそういった田地名の中にある。田んぼの性質を示す地名と
思われるが、穴とはいったいどのような状態なのだろうか。
穴という言葉には、崖、窪地、沼地、三方を丘陵に囲まれた地などという意味
がある。(古代地名語源辞典)考えられるとしたら沼地から、湿地という考え方
だろう。丹波では汁田とかじる田とか言うものが穴田なのかも知れない。そういうと
福井県では圧倒的に多い穴田が、若狭から舞をみるとだんだん少なくなり、
綾部に来ると皆無になる。
穴田地名を現地調査すればわかることかもしれないが、田んぼの中にある火葬場
とは考えにくい。しからば真宗地帯に穴虫地名の少ないのはどう考えるべきだろうか。
幾つかの考え方を持っているのだが、結論を出すのは、現地で田んぼの中の火葬場
を如何に呼んでいるかを調べてからでもいいだろう。
数は多くはないのだが、三昧(さんまい)地名も散見される。小三昧、三昧山など
でこれは明らかに墓地、葬地を表すものなのだが、圧倒的に多いのが三味地名である。
福井県-2(2014.9.4)では三味も三昧のことだろうとしたが、これは
勇み足かも知れない。
地図には三味山と書かれている山が、小字一覧では三味山(さんまいやま)と
なっていたり(多賀穴虫、2014.4.1)、福井市越廼蒲生では、三味上
(さんまいうえ)、三味田(しゃみだ)(角川日本地名大辞典)があり
かなり混同しているようである。
三味田、三味腰、三味出、古三味、三味谷、三味島、三味屋敷、三味古河
三味前、三味下、三味山、三味向など数多くあり、もしこれが三昧(さんまい)
と同じ意味であれば、福井県においては穴虫に代わる地名として理屈が
通るのだが、今はなんとも判断できない。
【作業日誌 10/9】
簡易温室作り
【今日のじょん】堤防の道を散歩していると、鳥の親子が遊んでいる。
様子から見て鴨の親子かなと思い、遠くから見て引き返すことにする。
かわいい鳥たちが楽しそうに遊んでいるので邪魔したらいかんなあと
思ったのだが、じょんは既に気付いていてじっと見つめて動かない。
無理矢理ひっぱって帰ったが、写真を引き伸ばしたら雉の親子だった。
猟師に打たれん様にせいよ、もうすぐ猟期やからね。