2014.10.12(日)曇り 穴虫考(125)は2014.10.9
日本地名大辞典の福井県小字一覧にはすべてにカナが振っているわけではない。
従って三味田や三味谷をどう読むかははっきりしない。手持ちの資料でカナのうって
あるのは、三味田(シャミダ)、三味之下(サンマイノシタ)、三味上(サンマイウエ)
である。これだけで判断は出来ないが、三味と三昧の漢字の誤用、混同があることは
想像に難くない。つまり三味地名の幾つかは三昧(サンマイ)を表していると思われる。
三昧というのは死者追善の三昧堂に由来する言葉と言われているが、両墓制の埋葬墓地、
一般の墓地、火葬場など広い意味で使われている。ひとつひとつの三味地名がどのような
ところか現地訪問を重ねれば、その意味もはっきりするのだろうが、三枚田、五味田など
という小字もあって複雑である。
福井平野によくある、田んぼの中の墓地が三味田である可能性は低いように思う。
三味が三昧でない場合如何なる意味があるのだろうか。三味田(しゃみだ)が
田んぼの地質や水質を示すものと考えると、サビの意味があるのだろう。
「地名の語源」(鏡味完二)には、サミ ※サビ (1)水サビとある。
「分類農村語彙」(柳田國男)には、サビタ 谷あひの陰地に在る田で、冬の間落とし水
をしても二毛作は出来ない田(一志)とある。
水サビというのが如何なるものか不明なんだが、金気が多く、赤茶けた水のことでは
ないだろうか。いずれにしても現実に三味田を見てみないと判断できない。
福井県にいくつも見られる、穴田、三味田地名が京都府に入ってくると見られなくなる。
綾部市では皆無の様相で、舞鶴市を見ると穴田が二ヶ所、三味田は見当たらないが
泉源寺に三味口という地名があり、なんとサンマイグチとカナがうってある。
こうなると三味=三昧の可能性はかなり高いのではという気になってくる。
福井県は圧倒的に”田”地名が多い。田というのは一般的には田んぼのことを示す
と思われがちだが、タ、ダは場所や位置を示す接尾語とされている。従って、田
がついているから田んぼだとは限らない。
福井県の地名にやたら多い田地名が果たして田んぼの状態を表しているのだろうか。
柳田國男氏の「分類農村語彙」上下巻を借りて確認をしている。
今一つ福井県の小字地名を見ていて奇妙な地名に気付く。
それは「釘貫」(くぎぬき)という地名である。
【今日のじょん】
写真は左から10月8日、12日、本日のものである。
8日写真の大根畑、左の畝一番手前の大根を注目していただきたい。
8日には順調に育っていたのが、12日朝突然萎れてしまった。なんかの病気かなと
思い、水をやるとあっという間に吸い込まれる。う~む、これはモグラの仕業だ。
木ぎれでツンツンするとボソッと穴があいている。モグラ自体は害を及ぼさないのだが
その穴にネズミが入って悪さをするといわれる。穴を詰めて水をやっておく。
実はこれ以外にも2本が萎れていたのだが、そのうち一本は根の部分が囓られていた。
いずれも土をかけて水をやった。13日、夕べも雨が降った為だろうかなんとか回復して
ほっこり。何しろ今年の大根は14本限定だから、1本たりとも失敗できない。