2014.10.26(月)晴
青年座の中でも変遷を繰り返してきたブンナがまたリーディングという
新しいジャンルに挑戦する。普通の劇で観たいなあという気持ちと、新しい
もので見たいなあという気持ちが交錯する。はっきり言ってリーディングには
期待していなかったのである。俳優さんが普通の姿で台本を手に手に登場され
たときには正直がっかりした。
ところが舞台が始まると、ずんずんブンナの世界に入り込んでいく。子供達
が母親の読み語りに、次はどうなるんだろうと期待するあの感じである。
本で読んでストーリーを知っているからだろうか、いや、知っていても
次は、次はと期待感が湧いてくる。自分自身が椎の木に登って、天辺の土の
中に潜んでいる気がするのだ。さすがにプロの劇団である、本で読むよりも
大きな感動を与えてくれる。
あっという間に70分の上演は終わってしまうのだが、あの長文の童話の
すべてが劇の中に収まっていることに気付く。
ストーリーを知らないじっかんさんに如何でしたかと聞いてみる。
「いやあ感動したで、俳優さんが涙を流していたもんなあ」
もちろん演出として泣いておられたのではない、感極まって涙を流して
おられたのだろう。
演ずる俳優さんが、涙を流す場面でないところで涙を流すことがどういう
事なのか、素人のわたしには判断できないが、それがブンナの世界なのかも
しれない。
一滴文庫の皆さん、嬉しい一日をありがとう。
【今日のじょん】
散歩道の昨日の事件が何だったのか確かめに行く。蔓が生えて倒れかけの
防獣柵があったので、そこが倒れたのかなと想像したが、かろうじて立っていた。