先日、熊本の病院からの帰り
気分をかえて 「今日はデパートでもいってみる?」 じいやの誘いに
「うん、うん 行こうか」
熊本城が目の前のHデパートです。
地元で随分探しましたが 今はボールペン、サインペンの流行で、地元ではとうとう
見つからず、あきらめていた 万年筆 のお話です。
文房具売り場をウロウロしていた じいやがニコニコして
「あったよ~、見てみらんね ほら パイロットも あるじゃんね」
「え~ ・・・アラ 万年筆、 色々 いっぱいあるねぇ・・・」
「さすがデパートばいね、来てよかったじゃんね、早よ 買わんね、どれがよかとね」
矢継ぎ早やの じいやもうれしそう・・・です
昭和30年代、高校卒業前の関西方面への2泊3日の修学旅行、
当時 お小使いは3,000円と決められていて、知恵をしぼっての買い物です。
大阪 一日目の夜です
道頓堀付近まで 女子は数人の団体行動、時間制限付の夜の外出は21時まで
珍しいものばかり目にはいります。
ある文房具店へはいりました
え~っと 万年筆は・・・ あっ あった 赤、黒、茶、紺・・・
色々あって迷うこと数十分・・・ 決めました 渋い赤です
「これください・・・」
「はいはい、赤色のですね サービスですから お名前いれましょうね」 親切な店員さんです。
機械にいれて まさに名前を入れようとした瞬間、「ちょっ と待ってくださいッ 」
友人たちも何事か?とびっくり
残りの陳列ケースの中をよ~く見たら その万年筆 なんと一本が 5,000円 の値札が・・・
あ”~
丸い小さな紙の値札が クルリと万年筆に巻いて貼ってあり、
最後の 0 が 私には見えていなかった
500円だとばかり 思っていたのです・・・
もちろん頭をさげて すぐにお断りしました。
あの当時 高校生が 一本5,000円の万年筆、簡単に買える訳がないと思ったでもあろうに
「い~え いいですよ~」とやさしい店員さん もし 一文字でも削っていたら
お友達から 割り勘で 500円づつ借りても 10人から・・・
50年余、経過した今でも思い出して ぞ~っとする話です。
そこで 現実に戻ります
今度は じいやが確認しました。
ピンからキリまでありますが 下段の値札を確認して私は
一本5,000円のに決めました
もちろん 探し求めていた”パイロット万年筆”です。
「これを下さい・・・」
「丁度 今日から 20パーセント割引ですから 税込みで 8400円でございます。」
え なんで 一本5,000円のが
「20パーセント割引ですから税込みで 8400円でございます」になるの?
修学旅行の再来です
「よ~っと 見てみらんね」 じいやは落ち着いています、笑っています、にくらしい程です。
万年筆を飾ってあるショウ・ウィンドウには 値札が万年筆の上段につけてあったのです
だから、わたしが決めた 5,000円だと思った万年筆は 10,000円だったのです。
「いいの 買って?」
「うん、よかよ 早よ決めんね」 じいやはニコニコです
・・・ そして私は10,000円を 差し出しました。
「ありがとうございます」
店員さんはニコにこ(*^_^*)で 「しばらくお待ちくださいませ・・・」
念願の ”パイロット万年筆” 私の手元に ついにやってきました。
帰ったらすぐに使おうと・・・
でもまだ、使っていません なかなか使えないのです 思い出すともったいなくてです。
は 「早よ 使わんね」と言ってくれます
そして ・・・