hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

食べ物を使った慣用句

2015-04-08 05:00:00 | 日記

『改めて日本語を知る』その9。食べ物を使った慣用句は多い。例えばよく出てくるのが『餅』である。

『ヤキモチ焼き』『尻餅をつく』『餅屋は餅屋』『絵に描いた餅』これだけの表現を普通に使っている。特に仕事の時など『そのアイディアは絵餅だね』などと略しても皆理解している。

他にも『味噌』、『味噌もクソも』『手前味噌ですが、』『お前の歌を聴くと糠味噌が腐る』『味噌をつける』などなど。因みになぜ『味噌をつける』が『失敗して評判を落とす』意味なのか不思議と思ったことはないだろうか。

昔は火傷をすると患部に味噌を塗るという民間療法があり、味噌をつけなければならない状態になることイコール→失敗すること、と考えられる。もちろん、他の説もあるが。

また、『茶』もよく使われる。『お茶を濁す』『茶腹も一時』『お茶の子さいさい』『鬼も十八、番茶も出花』『茶々を入れる』『臍で茶を沸かす』。しかし、『お茶の子さいさい』など『簡単だ』という意味は分かるが、その語源は知っている人は少ない。

これには2つ説があり、『お茶の子』とはお茶受けの小さな菓子で簡単に食べることが出来るためという説。もう一つは朝食前に食べる茶粥をお茶の子と呼ぶ地方があり、朝飯前と同じ意味で簡単に出来ることを呼ぶようになったという説である。なんとなく、最初の説のように思うが、如何だろうか。

最後に『強飯(おこわ)』を使った表現で『強飯を掛ける』という意味はご存知だろうか。これは『人をだます、陥れる』という意味で使われるが、難易度は高い。これは落語の『居残り佐平次』という演目を知っている人ならばわかると思うが、最後の落ちのところで『廓の主人が若い衆から佐平次の図々しい様子を聴いて、「人をおこわに掛けて」と怒ると若い衆が「旦那の頭が胡麻塩ですから」という』(写真の左上にあるのが胡麻塩)下げで終わる。この場合の『おこわ→赤飯』の意味であり、白髪混じりの胡麻塩頭に引っ掛けた下げであることまではなかなか分からない、逆に解説すると身も蓋もないかも知れない。小生としては是非、亡くなった古今亭志ん朝の佐平次を聴いて貰いたいものだ。
それにしても日本語の表現の豊かさには驚くことばかりである。