hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

山中酒造店

2015-04-19 05:00:41 | 日記

『きまぐれ酒蔵散歩 その8』前回が昨年の8月だから8ヶ月ぶりの酒蔵訪問。今回は茨城県常総市の山中酒造にお邪魔した。そういっても中々ピンとこないかも知れないが、『石下(いしげ)の一人娘さやか』と言えば知っている方も多いであろう。

場所は関東鉄道常総線石下駅で降りて徒歩10分くらい。石下駅の前に広がる道を真っ直ぐ川の方に歩き、2つ目の信号を左折、あとはひたすら真っ直ぐ歩けば到着する。

今回は前もって電話をしていたのですぐに斎藤マネージャーが案内してくれる。正面右がお宅、左側が販売所でその裏一帯が酒蔵となっている。


酒蔵の入り口には見事な欅、かつて新潟からくる杜氏が寝泊まりしていた前にこの木が生えているが、今の時期は欅が水を吸う音で夜眠れないほどだったらしい。

蔵に入るとタンクがゴロゴロ、やはり本醸造以下の酒はすぐのところにあるが、吟醸より上の酒は温度管理されている中にタンクが置かれている。

すぐ横に斗瓶があるので尋ねるとやはり斗瓶取りした良い酒が置かれているとのこと。


さらに中に入ると酒を絞る舟があるが、いまでは舟なら並べて絞らず、新しい機械でじっくり絞るとのこと。昔は杜氏など15人くらい毎年新潟から招いていたが、今は専務が杜氏となり、4人程度で酒造りをしている。圧搾機の横では酒粕を袋に入れる作業、野菜やしもつかれという郷土料理に使うため、販売できるらしい。
それから30年前に作ったビデオを見せてもらうが、懐かしい酒造りの様子が見られ、いま新しくビデオを作ってもこれほど興味深いものは出来ないだろう。


最後に『一人娘 さやか』のさやかは実在の人物かを尋ねたら、意外な答え。かつて社長が商標登録をしようと役所に一人娘の特徴である『さわやか』を持っていくと既にあるとのこと。困った社長は『や』を取って申請したので『さやか』になったと渋々教えてくれた。しかし、社長のお嬢さんが東京の大学で醸造を学んでいるので帰ってきて、酒造りをしてくれるといいなあとの話もあった。

その後はお楽しみの試飲。まずは昨年茨城県産の酒米『ピュアいばらぎ』を使った純米吟醸を作ったのでと非売品を飲ませてもらう。持ち前の柔らかさはあるが、キレがある不思議な味。社長もでてきて試飲するが、一杯が多く嬉しい。

次に『純米大吟醸 袋取り雫酒』を飲ませてもらうが、これは洗練されていて香りが鼻に抜ける。さらに『にごり酒』を飲むが、薄にごりタイプで純米だが、あまり甘くない。これは食中酒に良さそうである。最後に本醸造を飲んだが、70パーセント精米で燗にすると良さそうな味。しかし、どれも試飲カップに半分以上注いでくれて試飲というより飲み会のよう。社長もいける口で隣で手酌で試飲をされていた。

とにかくアットホームな蔵ながら、酒造りには厳しい蔵。輸出も先ほどの雫酒やにごり酒が好調で10パーセントは輸出しており、地元が50パーセント、東京など名酒会を経由で出すが、中々普通の酒では売れなくて新たな工夫が大変との話だった。やや、耳が痛い。

その後はお礼をいって少し酒を買い、また、駅に戻ったが、とにかく静かな街で散策には豊田城や長塚節の生家もあり良いところ、だろうと思う。(小生は酒蔵しか行かなかった。)少し飲みすぎで面倒になったのが、敗因かなあ。