向島百花園を出ると白鬚神社まで2分という表示があり、つい足を延ばす。あまり広くないグネグネとした道を行くと空き地の向こうに鮮やかなイチョウの黄色が見える。手前の空き地はマンション建築現場でまた風情がなくなるなあなどと考えながら正面に。
因みに白鬚神社の元締めは滋賀県高島市にある白鬚神社。隅田川七福神の寿老人が祀られていることでも有名。祭神は猿田彦命で『シラヒゲ』の元は白い髭の人がいたわけではなく、どうも『比良神』が『白ヒゲ大明神』になったもののようだ。さらに調べると『ヒゲ』の字も滋賀県の本社やこの神社は『鬚』を使うが、ほかにも髭、髯と違う字を使うものもある。また、墨田区ですらあと2つの白髭神社がある。
この神社の由来は951年に元三大師が滋賀県高島市の分霊を祀ったのが始まり、しかし、残念ながら1990年に不審火で社殿が全焼、いまは建て替えられている。
とにかく2本のイチョウが黄葉のピークで青空に映えて美しく、長い間見上げてしまう。社殿の周りには山玉向島講社という富士講の石碑などもある。
七五三がおわり、初詣を待つ一時の安らぎか、小生以外には誰もいない白鬚神社であった。