『江戸の坂・東京の坂』その62。今回は赤坂周辺の坂道の続き。豊川稲荷東京別院にお参りをしたあと、赤坂警察署前の交差点を渡り、青山通りの反対側に。弾正坂の続きを見にいくが、その横にあった虎屋黒川のビルは建て替え工事中。しかし、その現場を囲う鋼矢板にはお菓子のデザインが。ほっとする演出である。
少し赤坂見附駅方向に歩き、工事現場を右に折れると緩い坂となっているが、これが『牛鳴坂』。実はこの道が赤坂から青山に抜ける厚木道、つまり青山通りの旧道で路面が悪く車を引く牛が苦しんで鳴いたことからこの名前が付いた。
牛鳴坂の頂上は二股に分かれるが、左の方に行くと先で車道は右に折れるが、直進すると階段坂になっている。これが『丹後坂』で階段は64段あるが、この坂は元禄元年に開かれたとされる。当時、東北側に米倉丹後守の屋敷があったため、この名前が付いた。
丹後坂の階段を降り、すぐ先の細いクランクを行くと広い道に出る。するとすぐ前に二階建ての古い日本家屋、近寄ると小さな『梅吉』の行燈。どうやら割烹らしいが、ぐるなびにも食べログにも他のグルメサイトにも採点はおろか口コミも一つもない。いや、不思議な店である。
右手に歩いて行くと目の前に『円通寺坂』が見えてくる。
坂の下には『円通寺坂公園』、さらに目の前には赤坂パークビルの姿が見える。円通寺坂はその名前の通り、坂の上には円通寺がある。
以前に訪れた際には反対側から降りてきたが、見る方向によっても坂の風景は大きく変わることを実感した。