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『メトロに乗って』その58。後楽園駅の続き。東京ドームの前を通り、小石川後楽園に向かう。すぐ隣がもう小石川後楽園の敷地ではあるが、入口は反対側にあるため、450m石塀沿いの道を歩かねばならない。
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途中、後楽公園を左にまがり、歩いていると石塀の土台になる石垣に『山を丸で囲んだ模様』が刻まれているのに気づく。
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小石川後楽園入口にその解説があったが、庭園が作られた際に江戸城の石垣の再利用をしたもので先ほどのマークは備中成羽藩の山崎氏を表すものであった。
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入口で300円の入場料を払い、庭園に入ると左手に涵徳亭という建物があり、食事もできるようである。
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前には池があり、これを囲むように庭園が広がる。その向こうに白いドームの屋根が見えるのが面白いが、白いためそれほど景観を壊していない。
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まずは左に歩くが、橋を渡ると『一つ松』という見事な松、その先には白糸の滝があるはずだが、工事中であった。沢渡という水辺ギリギリを歩き、その先には九八屋というあづまや。前には見事なボタンが咲いている。
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その奥に藤棚とカキツバタ園が広がる。藤棚にはフジか紫の花をつけているが、まだ、カキツバタは僅かに咲いている程度である。6月にはかなり美しい姿を見せてくれる模様。
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その奥には築山があり、坂が愛宕坂。本家に負けない切り立った階段だが、女坂しか通れない。47段登ると八卦堂跡、これは徳川光圀が将軍家光に謁見した際に『文昌星』像をもらい、これを安置するためにここにお堂を建て安置したもの。
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ただ、残念ながら関東大震災で焼失し、基礎部分のみを残す。
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坂を下りると朱舜水設計による円月橋、これは水面に映る姿が満月のように見えることからつけられたものである。
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入口に戻り、涵徳亭を右に行くと別の小さな池かあり、橋が渡月橋、川に見立てたのが、大堰川、また、池は西湖と名付けられている。
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こうした中国風な面は朱舜水、また、京都も意識した作りであり、白いツツジが美しい。ここもとても東京ドームの隣とは思えない静けさでゆっくりすることができる。岳陽記の『先憂後楽』から名付けられた庭はカキツバタも咲き、これから益々良い季節となるだろう。
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