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『ぶらり橋めぐり』その45。今回は神田川に架かる万世橋をわたってみる。万世橋はJR秋葉原駅から至近の場所にあり、かつては国鉄と東京地下鉄道にこの橋の名がついた駅があった。
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まず、国鉄万世橋駅だが、中央線神田〜御茶ノ水にあった。当時このあたりは神田市場で賑わいを見せていたのだが、甲武鉄道が官営になった1912年に東京駅同様赤煉瓦造りの立派な建物の駅ができた。駅前には広場があり、そこには日露戦争の英雄広瀬中佐と杉野兵曹の銅像があった。
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しかし、関東大震災で駅舎は焼失、簡素な駅舎は建てられたが、近くに秋葉原、神田駅ができたこともあり、1943年に休止駅となった。戦後、占領軍により銅像は取り壊され、駅跡に交通博物館が作られた。しかし、2006年に埼玉県さいたま市に移転、現在はJR神田万世橋ビルとなっている。
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一方、地下鉄万世橋駅は上野から新橋への延伸工事が行われる際に神田川に川底を通すなど当時としては難工事であったため、万世橋交差点の地下あたりに仮駅として作られたもの。しかし、勾配の途中にあるなど駅として問題があったため、通常の駅には昇格せず、1930年から1年11ヶ月のみ存在した。
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万世橋の現在の橋は1930年に地下鉄工事に伴いアーチ橋に架け替えられたもので長さ26m、幅36mある。よくみると欄干の袂(公衆便所の下あたり)には機械室や船着場があるが、これも地下鉄工事に関わるものである。
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JR万世橋駅跡は現在はmAAchマーチエキュート伴いいう名前の商業施設に変わり、駅のホームの位置には飲食施設を作り、その両側を総武線や中央線の電車が行き来する鉄道マニアには外せない場所になっている。
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万世橋といえば『肉の万世』に名を残すくらいになってしまったが、現在も橋自体は立派な親柱を有して堂々とした風格を維持している。昔、落語のネタに与太郎に『お前さんのバカはどうにもならない、慢性(万世)のバカだね』というと与太郎が『じゃ、次は須田町か』と返すものがあるが、都電が消えた今ではそのシャレがわかる人も少なくなったであろう。(都電の停留所は万世橋の次が須田町だったのである。)
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なお、もし機会があれば万世橋交差点に立ち、四方を見てもらいたい。というのは東西南北どの方向を見ても道路は電車のガードにぶつかる。こういう場所もなかなか珍しいのではないか。
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