夏旅2023⑩、ウポポイを1時半に出て再び道央自動車道に乗り、再び室蘭ICで降りた。次は世界遺産にも指定された北小金貝塚を往訪する。
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北海道・北東北の縄文遺跡群は2021年7月に世界文化遺産に登録、北海道6ヶ所、青森県を中心とする東北3県で11ヶ所、計17ヶ所が指定され、伊達市北小金町にある貝塚を中心とした遺跡はそのうちの1ヶ所。
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だんだん細くなる山道を走り、噴火湾沿いにある遺跡まで約10分。公園内には北小金貝塚情報センターが作られ、まずはそこから見学。北小金貝塚は縄文前期(6000年〜5000年前)の遺跡であり、海岸から10〜20m登った丘の上に立地する。貝塚と低地の水場遺構を中心とした集落遺構。
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(発掘された土偶)
貝塚からは牡蠣を中心にハマグリ、帆立貝などの貝殻やマグロ、ヒラメなどの魚の骨、さらにクジラやオットセイなどの海獣の骨も出土した。竪穴式住居跡や貝塚と一体となった墓域もかあり、木の実をすり潰した擦り石や石皿も発掘されていた。
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竪穴式住居は3基が再興され、丘の上に貝塚が配置されていて場所を示す為に帆立の貝殻が一面に置かれていた。貝塚は2つあったのだが、いずれもその規模は大きく、驚く。また、場所は海から崖を登ったところで眺めもいい。
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それにしても冬あれほど雪が降り、寒いこの地域に遺跡があるのは不自然な気になる。
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(再現されている貝塚)
旧石器時代は今より気温が7、8度低かったが、この遺跡のできた6000年前頃から徐々に気温が上がり、当時は今よりかなり高い時期が続いた。このため、緯度の高い北海道でも生活することができたと考えられている。
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続いて洞爺湖町にある入江・高砂貝塚館を訪れる。ここはすぐ近くに入江・高砂貝塚があり、その発掘品などを展示する施設。高砂貝塚は北小金貝塚より新しく3500年〜800年前頃の集落遺跡と考えられている。
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また、高砂貝塚もほぼ同時期で貝塚には帆立貝、アサリなどの貝のほか、ニシン、カレイなどの魚骨、エゾシカ、イルカなどの哺乳類の骨が出土。土杭墓には土器や石器の副葬品を伴い、赤色の染料ベンガラが散布されている。
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(この遺跡でも土偶が出土)
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土器の欠片や黒曜石でできた鏃などの実物を触れるコーナー、解説ビデオを見ることができるコーナーもあり、思っていたより長居したため、実際の貝塚には回る時間がなくなってしまった。ただ、世界遺産登録された遺跡や出土品をじっくり見ることができて満足した。
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(昭和新山)
次の旅では青森にある遮光器土偶が発掘された亀ヶ岡遺跡やさらにバージョンアップした三内丸山遺跡などにも行ってみたい。(以下、次回)