2月になると我が家の庭では福寿草が花をつける。この時期は椿と水仙くらいしか花はないが、その寂しい庭を黄色の花で明るくしてくれる福寿草はありがたい。
この福寿草は義父の庭に生えていたものを移植したものだが、毎年1月頃より芽を出して2月頃には黄色い花を楽しませてくれる。しかし、夏前頃には姿を見なくなってしまい、地上部分は枯れてしまう。しかし、その分、地下には太く長い根を這わせていて毎年忘れることなく芽を出してくれる。
ただ、庭の一角に植えてあるため、掘り返したり、異なる植物を植えないようには気を遣わなければならない。
芽を出して葉に包まれたまま、その大きさに比して大きな花を咲かせる。この花が優れもの、というのは花弁を使い日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引する。また、太陽光に応じて花が開閉するのである。
春告げ花であり、日本各地に自生することから親しみのある植物だが、根には強い毒性があり、フキノトウと誤って食べ、食中毒を起こすこともある。
1982年7月に発行された新動植物シリーズの10円普通切手の図案にも採用されていてなじみがある。我が家の狭い庭に可憐に咲く福寿草は見ていて飽きることがない。別名ガンタンバナやショウガツバナという位に正月に合わせて開花させるように園芸家は作るが、路地物は今の季節に花を付けるのである。