映画「お終活 再春!人生ラプソディ」を観た。
高畑淳子の歌を一度、生で聞いたことがある。「中島みゆきリスペクトライブ2018歌縁(うたえにし)」のコンサートが行なわれた日本武道館だ。平原綾香、島津亜矢、新妻聖子、中村中、研ナオコ、クミコ、半﨑美子といった錚々たる歌姫に混じって歌うことに、自分でも畏れをなしていたようで、自分などがこんなところで歌って申し訳ありませんと、頭を下げていた。確かに歌のレベルは遠く及ばなかったが、披露してくれた「ファイト!」には、彼女なりの味があって、とてもよかった。カラオケに通いまくって練習したそうだ。
本作品は、3年前の「お終活熟春!人生、百年時代」の続編ではあるが、大原家に関わる人々の群像劇にもなっている。いずれも、雨降って地固まるというパターンだ。香月秀之監督は、こういうホームドラマを作るのが実に上手い。
自由が丘の納骨堂の通販番組みたいなシーンは、スポンサーへのサービスもあるのだろうが、それ自体がコメディシーンにもなっている。お決まりの「あとはお値段よね?」というセリフも出てきて、笑える。
お金の話や、家族介護の厳しい現実のシーンは出てこない。そこそこ裕福な人たちの人間模様が主体のホームコメディで、ほのぼのとした感動がある。生ぬるいと、子供みたいな批判をするよりも、優しい人たちのドラマを楽しめばいいと思う。