ところで「治りますか?」と誰もが聞く質問がありますが、これがなかなかしづらいもので、もし軽く「治りませんよ」といわれてしまったらどうしようかと、そう考えて躊躇してしまいます。病気がひとつ追加されたとなると、なおさら聞きづらくなりました。
しかしどうせいつかは聞くんだからと、今回ついに聞いてみました。すると、
「治るかもしれません、何年か安静にしていれば」
・・・・「何年」って何年?とは聞けなかった。一概に何年と言っても、まあ1年は1年だし、9年になると「10年くらい」という言い方になるから、大体2年から8年くらいの間ということになるんでしょうけれども、2年と8年じゃずいぶん違うぞなどと意味のないことを考えながら、がっかりした気持をごまかそうとしました。やっぱり腰痛というのは治らないものなんですね。人類が二足歩行をはじめた宿命だ、と学者先生は言いますが、もちろん何の慰めにもなりません。
会社でデスクワークの仕事を用意してくれたのは大変ありがたいことなんですが、その仕事の中にさりげなく「クレーム処理」が入っていまして、初日からたくさんのクレームと対峙することになりました。これがなかなかストレスのたまる仕事でして、身体は動かさないので楽なんですが、精神的にはとても「安静にしている」とはいえないような気がしつつ、まあ、働かせてもらえるだけでもありがたい話だと、謙虚に考えて過ごす事にしました。
実際、休職している間というのはそれはそれは暗い気持で、このまま職場復帰できなかったらどうしようとか、最後は浮浪者になるしかないのかなとか、もしそうだったら路頭に迷う前に自殺しようとか、悪いほう、悪いほうにしか想像が進みません。自殺する前に遺書を書いたほうがいいだろうかなどと、財産を残すようになってから言え、と突っ込まれそうなことまで考えました。もしこれで借金があったら、本当に自殺していたかもしれません。
というのも、借金取りは相手が病気だろうがなんだろうが関係なく、最後は殺して保険金を取ればいいと、そこまで本気に考えているからですね。そしてこれが冗談で済まされないのは、実際にサラ金大手5社が、去年1年間で4万人分の死亡保険金を受け取っているからです。
090金融が危ないのはみんな知っています。しかし武富士アコムプロミスアイフルレイクといった大手も、同じように危ないんですね。これらの大手消費者金融は、消費者金融連絡会などという偽善的な団体を作って、「借りすぎに注意」などと、心にもないことをテレビでコマーシャルしています。どこまで性質が悪ければ気が済むのか、まるで暴力団です。そういえばテレビで放映していた武富士の上司の人の
http://www.youtube.com/watch?v=k-u-XdIRaMo&eurl=
「ぜんぜん足りねえじゃん!」の繰り返しは、暴力団員以上の迫力がありました。頭のねじが外れていれば外れているほど、凄みは増すものです。そして、この上司の体質が企業の体質そのものだと思われます。
生命保険会社がどうしてサラ金がらみの保険契約を受けるかというと、それは儲かるからに決まっています。生命保険には死差益というものがあって、契約者が死ぬと保険金を支払わなければならないので、どれぐらいの割合の人がどれぐらいの年数で死ぬか、あらかじめ想定しておいて保険料を決めますが、想定よりも死ぬ人が少ない場合、支払う保険金も減るので、その分が利益となり、これを死差益といいます。字面を見ると、なんとも非人間的なものである印象を受けますし、内容はというと、まさに非人道的なものなんですね。
だから4万人分の死亡保険金を支払ってもなお、生命保険会社は儲かっているわけです。ということは死亡する4万人の何倍も何十倍もの人が、サラ金がらみの生命保険に加入させられているわけで、中には病気をして仕事ができなくなる人もいるでしょうけれども、そういう人からも容赦なく取立てをして、絞るだけ絞ったら、自殺を強要して保険金までむしりとると、そういうことなんでしょう。サラ金と生保が結託して、脅しやら暴力やらに弱い人を餌食にしているわけです。
次期総理とか言われているお坊ちゃんは、そういう修羅場を知っているんでしょうか。最底辺で、生きたままハゲタカに身をついばまれている痛みがわかるんでしょうか。
それに、こういったサラ金生保軍団は、人からむしりとる商売で、自分ではなにも生み出さないわけで、なくなったからといって経済が変になるわけじゃありません。取締りを強化しても、誰も反対しないと思うんですけどね。