前回の稽古は、蓋・扉をはめこむために溝がひいてある箱もの
「倹飩(けんどん)」に収められたお道具を取り出すことから始まった。
お茶は雁が音で、淹れ方は掌(たなごころ)。
雁が音のまろやかさを味わいながら三煎まで淹れ味の変化を楽しんだ。
今回のお軸は、写真にあるように木の枝に美しい鳥が留まっているもの。
木には白の花が咲いている。
いつも通り、"これはなんという木ですか"と宗匠が尋ねるところから始まった。
うぅ〜、唸る声がもれるだけ。"白い花が咲く木ですよ"といわれても想像がつかない。
唸り声に業を煮やした宗匠があっさりと「お茶の木」と解答。
お茶の木に花が咲くの?と疑問が湧いた。茶畑からでは想像がつかないが、美しい花がお軸の中で咲いていた。
枝に留まる青色鮮やかな鳥は「瑠璃鳥」だという。
さて、このお軸の画のモチーフから浮かぶのは中国 楚の文人、陳璵義(チンヨギ)の詩。
伊軋籃輿不受催
湖南秋色更佳哉。
青裙玉面初相識
九月茶花滿路開。
籠から眺める湖南の秋は美しい。
道沿いに咲くお茶の花は満開、
地元の青いスカートを履く女の子と楽しい会話もはずむ。
という意味になる。女の子を瑠璃鳥にたとえ描いているようだ。
湖南のお茶はいまも有名である。雁が音のまろやかさが湖南の秋を感じさせてくれる。
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