○J.A.バヨナ監督『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(109シネマズ木場)
私はこのシリーズ、そんなに熱心なファンではないのだが、2015年に見た『ジュラシック・ワールド』が面白かったので、本作も劇場で見ようと思って、楽しみに待っていた。
設定は前作から4年後。イスラ・ヌブラル島では火山活動が活発になり、島の恐竜たちは存亡の危機にさらされていた。恐竜保護団体を設立し、島の恐竜たちの救出を訴えていたクレアは、故ハモンドのビジネスパートナーだったベンジャミン・ロックウッドを訪ね、彼の支援を取り付ける。財団の実質的経営者であるミルズは、島に恐竜の救出部隊を派遣することを約束し、クレアは恐竜保護団体の若者ジアとフランクリン、さらに旧知のオーウェンを誘って、部隊に同行する。しかし、ミルズの目的は、高い売値のつく恐竜を捕獲することだった。ラプトルのブルー、Tレックスも、捕らえられて船に乗せられる。クレア、オーウェンたちも密かに積荷に紛れ、米国カリフォルニア州の深い森の中にあるロックウッド邸へ到着する。
ロックウッド邸には多くの秘密があった。老いたベンジャミン・ロックウッドは、家政婦アイリスと、恐竜好きの少女メイジーと暮らしていた。メイジーは孫娘として扱われているが、実はベンジャミンが亡き娘のDNAをもとに作り出したクローンだった。財団の実権を握るミルズは、兵器としての恐竜の売買価値に関心を持ち、ヘンリー・ウー博士を招いて、より凶暴なハイブリット種を生み出す実験にも手を染めていた。ロックウッド邸の地下室には、海底に沈んだインドミナス・レックスの骨からDNAを採取し、新たに作り出されたハイブリッド種「インドラプトル」が飼育されていた。あるとき、メイジーはミルズの秘密を知ってベンジャミンに告げるが、ミルズはベンジャミンを殺害し、メイジーを監禁してしまう。
島から運ばれてきた恐竜をめぐって、闇の商人たちの競売が始まり、ミルズは瞬く間に巨万の富を手に入れる。しかし、当然のように恐竜が檻を破って人を襲い、大混乱となる。メイジーに迫るインドラプトル。クレアとオーウェンは彼女を守ろうとする。嵐の夜、石造の古風な屋敷の屋根の上でくりひろげられる死闘。新キャラクターの「インドラプトル」は、体が柔軟で(大型恐竜にしては)前足が長くて、トカゲに似ている。いや、竜(ドラゴン)だ。これまでのシリーズに出てきたどの恐竜よりもドラゴンに似ている、と思った。
「ジュラシック・パーク/ワールド」のシリーズは、神話・伝説でなじんだ、悪魔の象徴としてのドラゴンではなく、実在の古生物である恐竜の怖さを感じさせてくれる点が新鮮だったのだが、「ハイブリッド種」という仕掛けを強調することによって、実在の恐竜が、再び神話のドラゴンに引き付けられている感じがする。恐竜が、生物でない「怪物(モンスター)」になってしまった感じ。私は怪物映画も嫌いじゃないが、このシリーズは別物で踏みとどまってほしかった。そして、ラプトルのブルーは、当たり前のように主人公たちを助けにくる。前作では、期待も予想もしていないところに現れるから感動があったのだが、本作では感動が薄い。彼女は、騎士を守る聖獣になったようだ。
最終的にインドラプトルは倒されたものの、ロックウッド邸には島の恐竜たちがたくさん残されていた。混乱の中で火災が発生し、次第に火がまわり始める。クレアは、彼らを逃がそうとするが、オーウェンに諭されて思いとどまる。しかし、メイジーは柵を開け、恐竜たちを森に逃がしてやる(Tレックスも!)。「私も同じクローンだから」と。その頃、米国議会に参考人として呼ばれたマルコム博士は「ようこそ、新しい世界、ジュラシック・ワールドへ」と述べる。ええ~この続きは「ジュラシック・ワールド3」を待てということか。一話完結しない映画は好きじゃないが、仕方ない。
ちなみに本編終了後、長いエンドロールをぼんやり見ていたら、まるで次回作の予告のような短い映像が流れた。席を立たなくてよかった!
私はこのシリーズ、そんなに熱心なファンではないのだが、2015年に見た『ジュラシック・ワールド』が面白かったので、本作も劇場で見ようと思って、楽しみに待っていた。
設定は前作から4年後。イスラ・ヌブラル島では火山活動が活発になり、島の恐竜たちは存亡の危機にさらされていた。恐竜保護団体を設立し、島の恐竜たちの救出を訴えていたクレアは、故ハモンドのビジネスパートナーだったベンジャミン・ロックウッドを訪ね、彼の支援を取り付ける。財団の実質的経営者であるミルズは、島に恐竜の救出部隊を派遣することを約束し、クレアは恐竜保護団体の若者ジアとフランクリン、さらに旧知のオーウェンを誘って、部隊に同行する。しかし、ミルズの目的は、高い売値のつく恐竜を捕獲することだった。ラプトルのブルー、Tレックスも、捕らえられて船に乗せられる。クレア、オーウェンたちも密かに積荷に紛れ、米国カリフォルニア州の深い森の中にあるロックウッド邸へ到着する。
ロックウッド邸には多くの秘密があった。老いたベンジャミン・ロックウッドは、家政婦アイリスと、恐竜好きの少女メイジーと暮らしていた。メイジーは孫娘として扱われているが、実はベンジャミンが亡き娘のDNAをもとに作り出したクローンだった。財団の実権を握るミルズは、兵器としての恐竜の売買価値に関心を持ち、ヘンリー・ウー博士を招いて、より凶暴なハイブリット種を生み出す実験にも手を染めていた。ロックウッド邸の地下室には、海底に沈んだインドミナス・レックスの骨からDNAを採取し、新たに作り出されたハイブリッド種「インドラプトル」が飼育されていた。あるとき、メイジーはミルズの秘密を知ってベンジャミンに告げるが、ミルズはベンジャミンを殺害し、メイジーを監禁してしまう。
島から運ばれてきた恐竜をめぐって、闇の商人たちの競売が始まり、ミルズは瞬く間に巨万の富を手に入れる。しかし、当然のように恐竜が檻を破って人を襲い、大混乱となる。メイジーに迫るインドラプトル。クレアとオーウェンは彼女を守ろうとする。嵐の夜、石造の古風な屋敷の屋根の上でくりひろげられる死闘。新キャラクターの「インドラプトル」は、体が柔軟で(大型恐竜にしては)前足が長くて、トカゲに似ている。いや、竜(ドラゴン)だ。これまでのシリーズに出てきたどの恐竜よりもドラゴンに似ている、と思った。
「ジュラシック・パーク/ワールド」のシリーズは、神話・伝説でなじんだ、悪魔の象徴としてのドラゴンではなく、実在の古生物である恐竜の怖さを感じさせてくれる点が新鮮だったのだが、「ハイブリッド種」という仕掛けを強調することによって、実在の恐竜が、再び神話のドラゴンに引き付けられている感じがする。恐竜が、生物でない「怪物(モンスター)」になってしまった感じ。私は怪物映画も嫌いじゃないが、このシリーズは別物で踏みとどまってほしかった。そして、ラプトルのブルーは、当たり前のように主人公たちを助けにくる。前作では、期待も予想もしていないところに現れるから感動があったのだが、本作では感動が薄い。彼女は、騎士を守る聖獣になったようだ。
最終的にインドラプトルは倒されたものの、ロックウッド邸には島の恐竜たちがたくさん残されていた。混乱の中で火災が発生し、次第に火がまわり始める。クレアは、彼らを逃がそうとするが、オーウェンに諭されて思いとどまる。しかし、メイジーは柵を開け、恐竜たちを森に逃がしてやる(Tレックスも!)。「私も同じクローンだから」と。その頃、米国議会に参考人として呼ばれたマルコム博士は「ようこそ、新しい世界、ジュラシック・ワールドへ」と述べる。ええ~この続きは「ジュラシック・ワールド3」を待てということか。一話完結しない映画は好きじゃないが、仕方ない。
ちなみに本編終了後、長いエンドロールをぼんやり見ていたら、まるで次回作の予告のような短い映像が流れた。席を立たなくてよかった!