〇興福寺 『阿修羅 天平乾漆群像展(国宝特別公開2017/興福寺中金堂再建記念特別展)』
奈良博の『快慶』展を見たあと、むしょうに東大寺の南大門(と金剛力士像)が見たくなって足を向けた。それから、春日大社にも寄ったが、お目当ての藤は、まだつぼみだった。てくてく歩いて、奈良博を過ぎ、興福寺に入った。
現在、国宝館が耐震改修工事のため、2017年1月1日から12月31日まで1年間、休館になっている。そのため、旧山田寺本尊の銅造仏頭が、1月7日から12月まで東金堂に安置されたというニュースを見た。さらに、阿修羅をはじめとする天平乾漆群像は仮金堂で「展示」されていると聞いた(3月15日~6月18日と9月15日~11月19日)。また、ちょうど北円堂の特別開扉(4月22日~5月7日)も始まっていて、見どころ満載であった。
仮金堂と東金堂の共通券を購入して、まず仮金堂に向かう。あまり入った記憶のないお堂だが、いま自分のブログを検索してみたら、興福寺『国宝特別公開2006』の記事が出てきた。仮金堂で四天王像を見たようだ。今年の仮金堂だが、中央には、堂々とした阿弥陀如来坐像。解説リーフレットに「明治以後は仮堂に客仏として安置」「その後、国宝館へ移され」とあるが、あまり記憶にない。このたび仮金堂の本尊として迎えられたのだそうだ。その前方に、小さな天燈鬼と龍燈鬼が並び、中央には華原磬。国宝館の展示と違って、それぞれが生きた役割を担っている。左右に八部衆像が四体ずつ。もちろんケースには入っていない。阿修羅は向かって左前列。胸までしかない五部浄像も一緒に並んでいることに感動する。その外側に十大弟子像(現存6体)が3体ずつ。
後列の阿弥陀如来坐像の左右には、梵天象と帝釈天像。その外側に阿吽の金剛力士像がいるのだが、意外と小さいので、天平乾漆群像の影に隠れてしまっている。四隅の四天王像は、あまり記憶はないが魅力的だった。リーフレットによれば、仏師康慶の一門によって造像され、当初は南円堂に安置されていたという。興福寺には複数の四天王像があるが、これは重厚で無駄な動きがなく、なかなかいい。それにしても天平仏+鎌倉仏が有機的に構成され、贅沢きわまる空間であった。それなのに、入口から自然の風と光が流れ込んでいるのも素晴らしい。やっぱり、こういう自然とつながった空間でこそ、仏像は礼拝の対象として機能するのだと思う。
次に東金堂へ。須弥壇の上はいつものとおりで、どこに仏頭が?と探したら、須弥壇の左隣にいらっしゃった。まあこれはこれでいいと思う。最後に北円堂。ここは別料金になる。見てきたばかりの快慶の仏像を思い出しながら、秋は東京においでになる、運慶の無著・世親像に「お待ちしてます」とご挨拶しておいた。
奈良博の『快慶』展を見たあと、むしょうに東大寺の南大門(と金剛力士像)が見たくなって足を向けた。それから、春日大社にも寄ったが、お目当ての藤は、まだつぼみだった。てくてく歩いて、奈良博を過ぎ、興福寺に入った。
現在、国宝館が耐震改修工事のため、2017年1月1日から12月31日まで1年間、休館になっている。そのため、旧山田寺本尊の銅造仏頭が、1月7日から12月まで東金堂に安置されたというニュースを見た。さらに、阿修羅をはじめとする天平乾漆群像は仮金堂で「展示」されていると聞いた(3月15日~6月18日と9月15日~11月19日)。また、ちょうど北円堂の特別開扉(4月22日~5月7日)も始まっていて、見どころ満載であった。
仮金堂と東金堂の共通券を購入して、まず仮金堂に向かう。あまり入った記憶のないお堂だが、いま自分のブログを検索してみたら、興福寺『国宝特別公開2006』の記事が出てきた。仮金堂で四天王像を見たようだ。今年の仮金堂だが、中央には、堂々とした阿弥陀如来坐像。解説リーフレットに「明治以後は仮堂に客仏として安置」「その後、国宝館へ移され」とあるが、あまり記憶にない。このたび仮金堂の本尊として迎えられたのだそうだ。その前方に、小さな天燈鬼と龍燈鬼が並び、中央には華原磬。国宝館の展示と違って、それぞれが生きた役割を担っている。左右に八部衆像が四体ずつ。もちろんケースには入っていない。阿修羅は向かって左前列。胸までしかない五部浄像も一緒に並んでいることに感動する。その外側に十大弟子像(現存6体)が3体ずつ。
後列の阿弥陀如来坐像の左右には、梵天象と帝釈天像。その外側に阿吽の金剛力士像がいるのだが、意外と小さいので、天平乾漆群像の影に隠れてしまっている。四隅の四天王像は、あまり記憶はないが魅力的だった。リーフレットによれば、仏師康慶の一門によって造像され、当初は南円堂に安置されていたという。興福寺には複数の四天王像があるが、これは重厚で無駄な動きがなく、なかなかいい。それにしても天平仏+鎌倉仏が有機的に構成され、贅沢きわまる空間であった。それなのに、入口から自然の風と光が流れ込んでいるのも素晴らしい。やっぱり、こういう自然とつながった空間でこそ、仏像は礼拝の対象として機能するのだと思う。
次に東金堂へ。須弥壇の上はいつものとおりで、どこに仏頭が?と探したら、須弥壇の左隣にいらっしゃった。まあこれはこれでいいと思う。最後に北円堂。ここは別料金になる。見てきたばかりの快慶の仏像を思い出しながら、秋は東京においでになる、運慶の無著・世親像に「お待ちしてます」とご挨拶しておいた。