○東京国立博物館 特集陳列『中国書画精華』
http://www.tnm.jp/
忙中閑を見つけて、前期に続いて、後期も覗いてきた。後期は元~明代の絵画が中心である。
私は元代の絵画が好きだ。元代の絵画には、対象を凝視する作者の視線を強く感じる。南宋盛期の絵画のように、作者の存在を忘れさせれるような圧倒的な芸術性は無いかもしれない。ただ、対象に向かう視線、そしていつの間にか、反転して自分自身の胸中を覗き込むような、強い視線の流れを感じ、そこに惹かれるのだ。伝・孫君沢の「高士観眺図(こうしかんちょうず)」はその典型の1つである。夕景を思わせる墨の繊細な濃淡は、西洋のリトグラフみたいだ。「雪汀遊禽図」の樹木の表現にも何か写実を超えた生気のようなものがあって、見入られてしまう。
これは南宋絵画に属するが、五代後蜀の伝・石恪筆「二祖調心図(にそちょうしんず)」は楽しかった。豊干禅師だと思うが、小脇に抱えられた虎がキュート。はらぺこあおむしみたいな虎である。
展示会のページはもう消えているので、作品に興味のある方は、東博の「館蔵品ギャラリー」からどうぞ。
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忙中閑を見つけて、前期に続いて、後期も覗いてきた。後期は元~明代の絵画が中心である。
私は元代の絵画が好きだ。元代の絵画には、対象を凝視する作者の視線を強く感じる。南宋盛期の絵画のように、作者の存在を忘れさせれるような圧倒的な芸術性は無いかもしれない。ただ、対象に向かう視線、そしていつの間にか、反転して自分自身の胸中を覗き込むような、強い視線の流れを感じ、そこに惹かれるのだ。伝・孫君沢の「高士観眺図(こうしかんちょうず)」はその典型の1つである。夕景を思わせる墨の繊細な濃淡は、西洋のリトグラフみたいだ。「雪汀遊禽図」の樹木の表現にも何か写実を超えた生気のようなものがあって、見入られてしまう。
これは南宋絵画に属するが、五代後蜀の伝・石恪筆「二祖調心図(にそちょうしんず)」は楽しかった。豊干禅師だと思うが、小脇に抱えられた虎がキュート。はらぺこあおむしみたいな虎である。
展示会のページはもう消えているので、作品に興味のある方は、東博の「館蔵品ギャラリー」からどうぞ。