時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

映画「BONBON」

2013-06-10 | 映画 のこと



久しぶりに、なあんだかとても平和な映画を観たなあ。

映画「ボンボン」2004年アルゼンチン映画

朴訥で お人好しで おとなしめなひとりのおじさんが主人公。
リストラされて、仕事も住むところもなく状況は悲惨なのだけれど
おじさんの目には怒りや焦りはひとつも映っておらず、
悲哀ときらきらとした純粋さだけが光る。

大きな白い犬(ドゴ種のボンボン)との出逢いで、(押しつけられたような状態なんだけれど)
風桶+わらしべ長者(?)状態に運気が上昇してゆく。

それでも全然浮足だったりせず、ありのままを静かに享受する、控えめすぎるこのおじさん。
こんなにいいひと、こういう風土に暮らしてこそなのだろうなあ。
都会でこのペースじゃ、ひとに踏みつぶされちゃうだろうな。
でもこういう、別次元を生きるひと、世の中には絶対必要枠。

ニンゲン味あふれる淡々とした平和な映画が観たいひと!

見終わったときに、ほんわかと温かくなる映画「BONBON」をどうぞ~。
一度観たら、おじさんの無垢なまなざしが脳裏から消えません~。
こころに住み着かれてしまいます。

       

 

 


映画「きっとここが帰る場所」

2013-05-10 | 映画 のこと



すきな俳優のひとり ショーン・ペンの映画。
「きっとここが帰る場所」 原題「This Must Be The Place」
2011年 イタリア・フランス・アイルランド合作

ショーン・ペンは、七変化の俳優だ。
今回の映画は、老けた元ロック・シンガーという役どころ。

こういう演技って、ショーン・ペンならでは、でしょうねえ。。。

たんたんとした、何も起こらなさそうに見える映画なのだけれど
とても奥深いものを内包していて、
何気ないシーンのひとつひとつに人生の深さを感じさせるような・・・。

ぽつりぽつり スローにつぶやくコトバがツボです。

主人公の口癖、「どこってわけじゃないんだけれど・・・、なにかヘン・・・。」
ってなセリフそのまんまな、ちょっとへんで奥深いロード・ムービー。

ヒト って、一体どこからが「おとな」なんでしょうねえ。。。

なんてことを 考えさせられる映画でした。

        

 



 


映画 「レ・ミゼラブル」

2013-02-08 | 映画 のこと

 

先日、映画「レ・ミゼラブル」を観てきました。

これはこれは。まさに大作ですね。
映画館で、無になって、スクリーンの向こうの世界にどっぷり入り込んで観ることをお勧めします。
そして、ミュージカルに抵抗のあるひととかは・・・、観ない方がいいかも~(?)
すべて、演技をしながらの生録音らしいのだけれど、
《ちょっとちょっと!くるしそうよ~》感の拭えないシーンも正直ありました。
それでも、もちろん感動のストーリー、涙なしには観れません。

それにしても、ヒュー・ジャックマンのジャン・バルジャンは格好良すぎかな。
いやはや~、泥まみれでも男前です。
ラッセル・クロウのジャベールは、なかなかのハマり役。無表情な中にコワサがありましたね。

驚いたのはファンテーヌを演じたアン・ハサウェイ。
可愛い役柄の多い彼女が、そこまで・・・!?というような汚れ役を演じるとは・・・。
痛々しいほどの熱演でした。

去年、担任の先生が読み聞かせてくださって
ジャン・バルジャンブームだった五年生の娘を連れて行こうかどうか迷い、
既に観に行っていたともだちに訊いてみると、
「長いよ~。2時間半字幕追うのはキツイかもヨ」と言われ、止めておくことに。

いやはや。連れて行かなくてよかった・・・。
まだ内面もとっても幼いうちの娘には、見せたくないような惨いシーンも多すぎました。

本から湧きあがる自分の中のイメージと
スクリーンで目の当たりにする映像とでは、パワーの強力さが違うものね。
時に、映像も暴力になるもの。。。

もう少し大きくなって、観たくなってからみてね~。

          

 


映画「ミッドナイト・イン・パリ」

2013-01-13 | 映画 のこと



観に行きそびれちゃったウディ・アレンの映画。
「ミッドナイト・イン・パリ」 Midnight in Paris をレンタルしてきて観た。

ウディ・アレンの映画はほとんど観ているけれど、
この映画はとってもストレートな一本。きっと誰にでも面白いね。
いつもの独特なアクがあまりないって感じ?(だからW受賞?) 

3つの時代のパリを行き来する見応えのあるストーリー。

わたしも一番憧れる1920年代のパリ。
束の間一緒にタイム・トリップさせていただきました。
時代の寵児、フィッツジェラルドやらヘミングウェイ、ピカソにマン・レイ!
芸術家の溢れていたあの時代のパリ、モンマルトル。すきだなあ。

それにしても、主演のオーエン・ウィルソン。
映画の中の喋り方が、ウディ・アレンが乗り移ったみたいで面白い。
声質も似ているせいかな。
以前観た、このひとの「ダージリン急行」はとてもすきな映画。

「ミッドナイト・イン・パリ」 これはスクリーンで観たかったなあ。
パリ観光気分も味わえる映画です。

ウディ・アレンは映画の天才~!



映画「最強のふたり」

2012-12-05 | 映画 のこと



観たいなと思いつつ見そびれていた映画。「最強のふたり」を観てきた。
邦画好きなともだちkさんに誘われたものだから、
瞬間的に邦画の「ジャージのふたり」を思いだしてしまったよ。(笑)

川越スカラ座へ。
だいすきな昔ながらの古い映画館。

  

実話をもとにしたこの映画、何とも底抜けに幸せな気持ちにしてくれる。(フランス映画なのに!)
観終わりたくない気持ちになる映画は久しぶりだなあ。(フランス映画なのに!)

フランス映画なのに(しつこい)、誰も死んだり酷いことの起こらないハッピーエンドにほっとするわ。
そしてこの俳優さんお二人とも、すごく魅力的~! いい味だしてます。

いい映画を観ると、いい気持ち~。
しばらくの間、現実の閉塞感を吹き飛ばして
世界がぐ~んと拡がったような気分にしてもらえます。 

そういうの、大事よね!

世界は一気には変わらない。
一歩一歩。 動きがないように見えても着実に動いてる。
そして、いつでも希望を胸に。

Keep smiling!!



   時の鐘 たまには真下から。







スクリーンで観たい映画

2012-10-29 | 映画 のこと



や~っと 観てこれたよ。 「アーティスト」
おもしろい!すっかりスクリーンに引きこまれちゃう。

いやはや、映画っていいもんですね~~~ってやつですね。

サイレントからトーキーへの時代の流れがよくわかる。
そういえば、途中でだいすきな「雨に唄えば」を思い出したよ。
同じくその時代を描いた超名作。あちらはミュージカルコメディだけれど。

あえてモノクロ映画の「アーティスト」 これはやっぱり大きなスクリーンで観なきゃね って
ともだちMさんと近所の映画館に来るのを待っていたのだ~。
最終日ギリギリに観れてよかった!

映像がとっても とってもうつくしい。
わたしには、アールデコな階段でのシーンがとっても印象的だったなあ。
上るひとびと。下りるひとびと。行きかうひとびと。中心で見つめ合うふたり・・・

話題の名犬アギーもかわいいけれど、
運転手のクリフトン氏(「ベイブ」のおじいさん役のひとだよね)の
静かな名演に大きく拍手を贈りたいわ~。


映画「アンフィニッシュ・ライフ」

2012-09-08 | 映画 のこと




原題「An Unfinished Life」

「ギルバート・グレープ」「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」「シッピング・ニュース」などの
ラッセ・ハルストレム監督の2005年の映画。

レンタル店の片隅に、初めて見つけたこの映画。
雄大なワイオミング州の大自然をバックに、静かに進む とある家族の物語。
この壮大な映像美、映画館で観たかったよ~、と思ったら、なぜか日本未公開??

主演はロバート・レッドフォード。共演:モーガン・フリーマン、ジェニファー・ロペス。

豪華キャストだし、名監督の作品なのになぜ未公開だったのだろう。

ロバート・レッドフォードは、いくつになろうが すこぶる男前なニンゲンだ。
陽に焼けた皺でいっぱいの顔には、崇高な誇りと美しさがにじみ出ている。

モーガン・フリーマンの滋味のある演技、ジェニファー・ロペスの、他の映画にはないナチュラルな美しさ。

確かに、この監督の他作品ほどこころに焼きつくような映画ではないし、
けっして、目新しさのあるストーリーではないけれど、ちょっとほっとする隠れ名作かも。
いい映画 見つけました。 



 


映画「ジョンとメリー」

2012-09-04 | 映画 のこと

 


映画「ジョンとメリー」  1969年アメリカ映画

恩師T先生の一押し映画DVDを貸していただいて観てみた。

なんて洗練されたオシャレな映画。
40数年前の映画なのに、全く古臭く感じず、モダンな内装やオシャレなキッチン・ツールなどなど、
そのまんま住みたいくらいステキだ。

主演はダスティン・ホフマンとミア・ファロー。
お洒落なアパートの一室で繰り広げられるシーンは、上質な二人芝居を観ているよう。
出逢って一夜を過ごし、朝を迎えたふたりの、さりげないけれど探り合うようなコトバのやり取りと、
ナレーションのように入るホンネの「こころの声」が面白い。

ミア・ファローは、ウディ・アレンの映画でしか見たことがなかったのだけれど、
若い頃の彼女はとってもキュート。
映画の中の、白いレースの襟のついた茶色いワンピース、欲しいくらいめちゃカワイイ!
今の女の子が着ても全く違和感なさそう。

カメの甲羅を歯ブラシで磨くシーンにとっても親近感が湧く~。
(うちのイシガメのカメオも、歯ブラシで磨いてやってるのはいつもわたし!)

ほっとするハッピーエンドがとてもよかった。。。
すてきな映画をありがとう~ 先生!


この映画の中のふたりもそうだけれど、ひととひとの出逢いはつくづく奇跡だなあ。ってこの頃思う。

ひととひとが出逢って、一緒になっても、すれ違ってしまったとしても、どちらも過ごした時間は本物。
幻のように思えても、ちゃんとそこにあった真実。

せつない想い出だとしても、それはそれで、あとから振り返ってみれば、
人生の幅を拡げてくれた貴重な経験なんだよね。

誰の中にもある、あんなこと、こんなこと。 
昔の恋のあれこれをちょっと懐かしく思い出してみることって、こころの温度が仄かに上昇する。
これは・・・! 案外、ストレスとアンチ・エイジングに効果アリかもしれません!?

 うちの「シェイク&フー」




おおかみこどもの映画

2012-08-04 | 映画 のこと



映画「おおかみこどもの雨と雪」 をむすめと観に行ってきた。

子ども向けのアニメ、と思い込んで何の前情報も持たずに観たら・・・。

これはむしろオトナ向けの、深い親子愛と巣立ちの物語でした。。。 
わたし、図らずもぼろ泣き。観終わった頃にはすっかりすっぴんってくらい。

いつもたいてい一緒に泣いてしまうはずの10歳のむすめが今回泣かなかったということは・・・
この映画、「ハハゴコロ」に一番共鳴してしまうのかもしれません。

「おおかみこども」でなくとも、子どもを持てばさまざまな出来事が次から次へと捲き起る。
そして、たくさんの時間を共に過ごしても、子どもはあっさりと巣立っていくもの。
昔からそういうふうに決まってる。(自分だってそうだったわけで。)

また、どんな道を選ぼうと、自ら巣立って自力で生きてゆけるよう、育て上げるのが親の最大の仕事なんだよねえ。
ときどき、そんな基本的なコト、すっかり忘れてしまうけれどね。


エンドロールと共に流れる、アン・サリーさんの唄がまた泣かせる~。もうやめて~わかったから~(涙)というくらい。

いろいろ、とってもいろいろ、ハハは想う 映画でした。

しかも・・・映画が始まる前、「ツナグ」という映画の予告だけですでにぼろぼろ泣かされていたわたし・・・
「おかーちゃん!予告から泣いてるし!!」と むすめに後からつっこまれました。この映画はわたしには観れませんな~。






 


「サラの鍵」から学ぶこと

2012-06-07 | 映画 のこと

先週ともだちと観に行った、映画「サラの鍵」。
この映画には、いろんなことを考えさせられた。

クリスティン・スコット・トーマス主演のフランス映画。
まだあちらこちらでロングラン上映をしているので、詳しくは触れませんが・・・。

1942年7月。戦時中のパリで起きた「ヴェルディブ事件」。
フランス政府が1995年に正式に謝罪会見をするまで、政府は責任を認めずひた隠しにされてきたという非人道的なこの出来事。

ナチスによるユダヤ人迫害は誰もが知るところだが、このヴェルディブ事件は、戦時下のフランス政府当局が
ユダヤ人市民を一斉摘発、1万数千人もの人々をパリ市内の屋内競輪場に水も食料も与えず監禁し
そしてアウシュビッツ収容所などへの移送に直接手を下した・・・というものだ。

わたし、この映画を観るまでフランスの国民間でそんなことがあったなんてまるで知らずにいた。
ホロコーストは、すべて侵攻してきたドイツ兵の手によるものだと思い込んでいた・・・。

1942年当時と、現代のシーンが交互に綴られるこの映画は、
息をつく間もなく観ている者を巻き込んでいく。。。

重いテーマではあるけれど、これは質の高い謎解きの要素も含んだ歴史的にも重要な映画なのではないかな。
知らぬが仏・・・という考え方もひとつ。
けれど、耳を塞ぎたくなる悲劇でも、本当の歴史を伝えてこそ、未来の「過ち」を防ぐ手立てになるのではないだろうか。

それにしても・・・とても深いこのストーリー。
これを2時間の映画に納めるには、どうしてもかなりの駆け足にならざるを得ない。
もっとじっくりそれぞれの人物を掘り下げて描写してほしかったな・・・という場面も多々あり。
後半へ行くほど駆け足感が強く、少しもったいない印象が残る。


この物語の少女は、我が娘と同じ10歳。姿が重なり・・・酷く胸が痛む。
映画を見終えて、現実に戻り、胸を撫で下ろしたのも束の間、
帰宅した夜、TVからシリアの市民虐殺のニュースが流れてきた。
これは70年前の戦時下の話ではなく、今現在起きていること・・・。

ニンゲンは、こんなに文明が発達しても、いつまでもなんて愚かなイキモノなのだろう。 とてもかなしい。

どうか、すべてのこどもたちが理不尽な悲しい目に遭うことがありませんように。
愚かな過ちを繰り返さないよう、わたしたちニンゲンに善の部分が増えていきますように。 と、なにものかに祈る気持ちです。。。


                    



映画「ものすごくうるさくてありえないほど近い」

2012-03-03 | 映画 のこと

「ものすごくうるさくてありえないほど近い」 
原題「Extremely Loud and Incredibly Close」 2011年アメリカ映画 

先日、上映中のこの映画 ともだちと観てきた。

9.11のテロで父親を亡くした少年の 想像を絶する痛み。
そして、自分なりの方法で現実を受け止めようとし、再生してゆく物語。

これは・・・
一緒に痛みを感じすぎてしまって 参った。

うっかり声を上げて泣いてしまいそうで、思わず自分の手の甲に爪を立てて抑えたほどだ。

この映画は、9.11から一年を過ごした少年の心の内を描いている。

震災からも、もうすぐ一年。。。
震災の傷がまだ少しも癒えないひとが多数存在する今の日本にとっては
あまりにシンクロしすぎて辛い映画だ。

テロと自然災害という 状況は違えども、同じようにたいせつなひとを喪って、
この映画の少年のようにまだまだ苦しみに喘いでいる子どもたちも大勢いる。

素晴らしい映画だけれど、まだ、こころの準備ができていない、観るべき時期ではないひともたくさんいるはず。
余計なお世話かもしれなくても、十分気をつけて、考えてから観てほしい・・・と心配に思ってしまう。

それでも確かに、ひととひとの繋がりのたいせつさを描いた温かな再生の物語なので、
こころの準備が出来てから、ぜひ観てほしい映画です。。。









映画 「ミツバチのささやき」

2012-02-25 | 映画 のこと



洋画の好みが似ているMさんNさんと、「ミツバチのささやき」を観に行った。
最近、ふたりの仕事のシフトと、うちの定休日とがうまいこと重なるのでとってもありがたい!

1973年制作のスペイン映画。
ずっと以前一度だけ観たことがあって、何だかフシギな感覚と、
女の子の可愛らしさがすごく印象に残っていた作品。

牧歌的な風景がとてもうつくしい。
でも、とてつもなく深い闇を背後に持つような危うい美しさなんだな・・・。
1940年代、内戦後のスペインの田舎町ということだから、
きっと社会情勢的に何か深いものを内包しているのでしょうね。
謎が謎のまま象徴的に描かれていて、それぞれで読み取りなさいというような哲学的な映画だ。

隋所にみられる、のどかなシーンの数々は、
昔テレビで観ていた「ムーミン」の村を想わせるような、なんともフシギで寂寥感のある独特なムード。

いい映画なのだけれど。。。

どうして~~!?この映画、耐えがたい程の睡魔に襲われる~~。
全体の映像が暗く、夜のシーンも多いせいかな? 何度となく こっくり、こっくり。
一緒に見ていたともだちも船漕いでいるし、どこからともなくオジサンのいびきまで聞こえてきたよ。
集団睡眠映画か~?

映画館でこんなにまで眠くなるのは、わたしには珍しいこと。
確かに前夜、「たみおのしあわせ」を深夜まで見入ってしまって寝不足ではあったのだけれど。

半眠しているような頭で観ながらも、
子どもたちが、焚き火の上を飛んで渡るシーンでは、
あ~、昔の服は綿とか羊毛100%だから、あんなに火に近づいても燃えたりしないんだなあ・・・
なんてことに、改めて感心してしまったり。
現代みたいにフリースや化繊の服であんな遊びをしたら、どえらいことになるもの。

うつらうつらしながらも、やっぱりこころの深いところに
映像が焼きつくような・・・もう一度観たくなるような・・・。
やっぱり すごい名画ということなんだな。

アナ役の少女、ほんとうに可愛らしい。
1973年制作で、6~7歳ってところだから、あれ?もしかして同年代ってことか。
その後の出演作品を探して観てみることにしよう!



映画「巴里の女性」

2012-02-06 | 映画 のこと




チャップリンの1923年のサイレント映画「巴里の女性」 A Woman of Paris を観た。
脚本・監督・製作・音楽までチャップリン。けれど、本人は出演していない。

喜劇ではなく、ひとりの女性の人生を描いた大真面目な悲劇。

人生って、ほんのちょっとの時間のズレで、その後はとんでもなく大きく変わってゆくもの。

すれ違い。別れ。出逢い。
ひととひとの縁は、つくづく不思議なものだ。

ふと思い出した、以前観た「スライディング・ドア」は、そのハッピーエンド版という感じの映画。
ほんのちょっとのすれ違いで別の人生を送るけれど、
出逢うべきひととはまたちゃんと出逢って恋におちるようになっている、いうようなラブ・ストーリー。
これもまたロマンティックで、わたしはこの映画、とてもすき。
絶好調にキレイな時期のグゥイネス・パルトロウが爽やかに演じている。


めまぐるしいCG映画や、うすっぺらなストーリーの映画は、もうつまらない。
いい映画だけ、厳選して観たいお年頃?です。




映画「わたしを離さないで」

2012-01-28 | 映画 のこと



なんだかすごく重かったらやだな・・・って思いつつも、観てしまった。
「わたしを離さないで」2010年イギリス映画 原題[Never Let Me Go]

酷く切なくて、救い難いほど空しい物語。
大抵、うっかり重い映画を観てしまった後は、鉛の塊を呑んでしまったようなこころ持ちがして
暫くどんよりとしてしまいがちなのだけれど、
この映画が後に重く残らずにすんだのは、「SFなんだから」と、気持ちを逃がすことができたからかも。

大勢の子どもたちが規則正しく暮らす1970年代の寄宿学校が物語の始まり。
きちんとした、どこにでもいる子どもたちに見えるけれど・・・。
皆、臓器移植のためだけに健康管理され育てられている、
はじめから親のいない作り出されたクローンの子どもたちなのだ。

大人になったら臓器提供が始まり、数度の提供で「コンプリート」、終了を迎える。

ニンゲンと同様に、もちろん感情もあるし恋もする・・・。
作られたクローンでも、魂を持つ人間と何ら変わらない。

そこでクローンたちが革命でも起こしたら、ありがちな単なるSF劇になるけれど、
ここでは、彼らは抵抗することなく従順に管理され、人間に臓器を提供をし、生を終える。
その静かに諦観する姿勢が、そこはかとなくもの悲しいのだ。

生きるとは。。。ひとの一生とは?

ひどく寂寥感の漂うストーリーだけれど、
透明感のある三人の主人公たちのピュアなこころに静かに胸を打たれる映画だ。

それにしても・・・。医療の進歩とともに、水面下で現実に起きていてもおかしくはないところがこの映画の怖さかも。

原作は、イギリス人作家・カズオ・イシグロ氏。
この映画のジャンルはなぜか、ラブ・ストーリー。
確かにそうなのだけれど、未成年がラブストーリーのつもりでうっかり気軽に観ちゃったらトラウマになっちゃいそうだ。
観るのに覚悟のいる映画です。。。






 


スコセッシの [アフター・アワーズ]

2012-01-26 | 映画 のこと


アカデミー賞にノミネートされている巨匠マーティン・スコセッシの「ヒューゴの不思議な発明」
これ、面白そう。

スコセッシ監督の映画を全部観ているわけじゃないのだけれど、
3Dのファンタジー映画ってちょっとびっくり。

どうも、ニューヨークのイタリアン・マフィアもののイメージが強すぎるせいかな。
昨年観た、「ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」の時も、
監督がスコセッシだってことをすっかり忘れてしまうほどだった。

でも、実はスコセッシの作品で一本、とてもすきな映画がある。
80年代の「アフター・アワーズ」という、異色な巻き込まれ型のブラック・コメディ。
仕事帰りのある普通のサラリーマンがカフェで女性(ロザンナ・アークエット)と出会ったことから
次々に巻き込まれていく不条理なチェーン・リアクション。
ただ家に帰りたいだけなのに、どうしても帰れないという一夜を描いた映画。

ある本の、ウディ・アレンとの対談の中で、ご本人はこの映画を
「低予算・短期間で映画が作れるか試した作品。ゴタゴタのあった後に作った、恐ろしい代物」と、
あまり評価していなかったのがまた面白い。

何度観てもオモシロイ、このアイロニーに満ちたナンセンスな映画、眠れない深夜に観るには最高な映画だと思うワ。


同じく、今回のアカデミー賞にノミネートされている、現代のサイレント映画!「アーティスト」
これもすごく興味あるなあ。 
ぜひとも観に行きたいな~。

 

 


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