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たいせつなもの。すきなこと。

かかりつけ医難民

2024-06-10 | essay
かかりつけ医難民となって数年。

年一の健康診断も
さぁ今年は何処へ行こうかと迷う有り様。

かつていつも診ていただいていた町医者の先生はとても大らかな御方で、毎年話をしながら気になる検査項目を増やしたり臨機応変に対応してくれていた。
検査結果も細やかに説明してくださり最後に「合格!」と太鼓判を押してもらえると、スキップして帰りたくなるような気持ちになったものだ。

ご病気で急に休業されたあと、あっという間にお亡くなりに…。まだ60代だったと思われる。とても残念だ。今でもそう思っている人はかなりの数に上ることだろう。

あの先生にかかっていた友人知人皆同様に「かかりつけ医難民」だ。

さて、今年行ってみた病院は長男を出産した産院併設の内科。
近年立派に建替えられ健診も多く受け入れていると聞いて行ってみた。

問診にあたった先生は
健診の為だけのアルバイト先生らしく、小さな声でボソボソ話すお爺さん。

「なんかね既往歴を聞けと云われていてね、この中でなんかある?」と病名の表を見せてくる。小さな声な上に小さな文字の表。ググッと近寄らなきゃ聴こえないし見えないよ。
何だかあまりに医者っぽくない事務的な聴き取りに
もしかして医者じゃないのかなと、思わず
「えっと、お医者さん…ですよね?」と首からぶら下がる名札を覗き込んじゃった。
「医者なんだけどね…」とにっこり笑うお爺さん。
失礼しました。

アルバイトだからややこしいこと聞かないでねって
言わないけれど
ココロの声が駄々漏れです。

こんなに他人事みたいに話す腰の引けたお医者さんなんて初めて会いました〜。
それにしても
あまりに近づきすぎてお爺さん先生の見事に真っ白なまつ毛をまじまじと見つめ続けた問診の時間なのでありました。
あんなに全部真っ白になるのねえ、まつ毛。

かかりつけ医難民の日々は続く。。。










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