日曜日の朝はよく階下から聞こえてくる大音量のロックのレコードの音で飛び起きた。
まだ父が日常的に家に帰ってきていた小学生の頃のこと。
早起きの父は何故か日曜の早朝にロックをかけるのがすきだったのだ。
1970年代後半頃の話。
山の中の一軒家じゃあるまいしあの大音量が隣近所に恥ずかしくて飛び起きて音量を下げに一階へと駆け下りたものだ。
機嫌良く踊る父はほとんど音量を下げさせてはくれなかったけれど。笑。
思えばあの頃父はかなりのオーディオマニアでいろんなオーディオ機器を繋げて大きなスピーカーでレコードを聴いていた。
広いリビングの壁一面の作り棚に大量のレコードと本がぎっしり詰まっており、万年不良の父があまり家に帰らなくなった頃には、中学生のわたしが片っ端からレコードをかけるようになっていた。
(本もまた同じく)
父がかけていたあの日曜日の朝のロックのうちの何曲かは、今聴いてもソワソワするキモチを連れてくる。
特に印象深いのはウォーカー・ブラザース『ダンス天国』とCCR『Down On The Corner』
あの、lalalalala〜のはじまりのフレーズを聴いただけで、あの当時のあの家の日の当たる広いリビングを思い出す。
父の巻き起こす云うに云われぬいろんな出来事があったけれど、良いことも確かに刻まれていた懐かしいあの家。
想い出のあのレコードたちの一部はわたしが今も時々聴いている。
あの頃みたいに大きなスピーカーの良い音で聴きたいなぁと思いつつも近年はトランク型のポータブルレコードプレーヤーでお手軽にかけるのみ。
大阪の父のマンションにまだ大量に遺されている古いレコードたち。。。
そのうちもう一度吟味してもらって帰ろうかなぁと思っている。
何だかんだいいながらも父には多大なる文化的影響を受けているのは否めないのである。