時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

さくらと「人間の建設」小林秀雄 岡潔著

2024-04-05 | 本 のこと

先日、公共施設から車椅子をお借りして義母を近所のお寺までさんぽに連れて行った。
ここの枝垂れ桜はとてもきれい。

「さくら見に行こう!」と着替えをさせて準備していると
「もう咲いてるの〜!」「わぁ〜ありがたいねぇ」と喜ぶ。
桜を見上げて
にこにこ嬉しそう。

でも、家に帰りお茶を一服する頃には
桜を見たことはすっかり忘れている。
それでも、桜の下にいたその瞬間は確かにあった時間。
記憶にあろうとなかろうとね。ふしぎなものだ。
あったけどないジカン。

認知症の義母を看ていると
時間が連続して流れていないことがよくわかる。
彼女の時間は今の一瞬だけ。
有無を言わせぬ完璧なマインドフルネス!素晴らしい!
時間という観念がない世界に生きている。
それは赤ん坊に時間の観念がないことと同様だ。
それはとても平和な世界。
いやなことも憂うこともない。
一瞬あってもそれは次の瞬間には蒸発している。
なんてのどか。。。

以前読んだ「人間の建設」小林秀雄 岡潔 著の中で
岡潔氏が語っていたことを思い出して本を開く。

「…赤ん坊にはまだ時間というものはない。だからそうして抱かれている有り様は自他の別がなく、時間というものがないから、これが本当ののどかというものだ。これを仏教でいうと涅槃というものになる…」

赤ん坊ではなくとも、様々なことを忘れて時間の観念のない義母の世界は正にのどかそのものだ。

ヒトは年を取ると赤ん坊に戻っていくというのは本当なんだな。(認知症の場合はね)

いつか行く道。。。

義母に三十年後のジブンを重ねてみる。
(そもそも生きているのか?)

いやはや…今のうちにいろんなことをキチンとしておかねば…という気持ちになる。

いつか来たみち
いつか行くみち
そして現在。

それにしても
本って読んだ時にわからなくても、あとからそういうことか…と腑に落ちるってことが時々ある。

実体験ってつくづく大切なんだなぁ。いくつになってもね。





p.s.ひとりごと

ところでこの数日ブログの訪問者数がとんでもない数字になっていてびっくり。
スタッフが選んだ記事としてトップページに載せていただいていたみたい。
ブログ続けて十数年以上になるけどこんなコト初めて〜!
数年前に始まったリアクションボタンも性に合わず参加していないのですが、懲りずに訪れてくださる読者の方々には本当に感謝しております。
なんの為にもならない雑記ではございますが、今後とも気の向くままに綴ってまいります所以、読んでいただけたらとても嬉しく思います!
最後までお読みくださりありがとうございます。





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