このところ夜な夜な久しぶりに古典文学に潜っていた。
エミリ・ブロンテ「嵐が丘」
ひょんなきっかけで辿り着く物語の世界。
今回は一枚の写真から「嵐が丘」の世界へ。
年末頃、インスタでフォローしている写真家の投稿にアイルランドのHore abbeyという美しいお城の廃墟を見つけた。
「ジェーン・エア」を連想したら、その方は、風が強く雨も降ってきて「嵐が丘」を思わせる場所だったとのこと。
同じくブロンテ姉妹を想うフシギ。。。
「嵐が丘」かぁ。いつか読もうと思いつつ読んでない…。
そんなわけで、またまた昔からうちにある河出書房の「世界文学全集」の出番となったのであ〜る。
しかし、一言で言えば、重かった。。。
名著とはいえ、ヒースクリッフの暴君振りには閉口。
本人も生い立ちからずっと苦労の多い人生を送ったとはいえ、何人もの身近な人間の人権をどんだけ踏み躙っているんだよっ!
パワハラモラハラ甚だしい。
しかし、そうせざるを得ない彼の心の深淵を想うとまた哀しくなるのだった。
わたしにとって、本はドア。
物語とはいえ、夜な夜なわたしはドアを開けてヒースの茂る荒地を彷徨い、蝋燭の光しかない寒々とした古い屋敷の堅い木の椅子に座っているような心持ちになるのでありました。
物語に引き込むチカラはさすが、名著です。
それにしても、姉のシャーロット・ブロンテの「ジェーン・エア」は読み終えたくないくらいすきだったのだけどなぁ。
口絵:兄ブランウェル筆
河出書房 世界文学全集7
「嵐が丘」三宅幾三郎訳
昭和40年発行