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たいせつなもの。すきなこと。

DOGU [ 土偶 ]

2010-01-29 | 展覧会・アート のこと

「国宝 土偶展」をkさんと観に行った。

13000年前の土偶。
遥か太古の土の人形が目の前にある。。。
現代のこんな汚れた空気に触れて大丈夫なんだろうか??

太古に確かに存在した誰かの、
たいせつな祈りや想いの籠められた“ヒトガタ”を
こうして一万年以上のちのわたしたちがぞろぞろと眺める。
この不思議な縁。。。(?)
こうして、発掘されてしまった太古のものを目の当たりにするたび、
いつも感じる、なんだかちょっと身の置きどころのない気持ち。
それは先人に対する畏怖の念と現代人としての罪悪感。
だからこそ、こういったものと対面するときには
しっかりと真摯な気持ちで向き合わなくてはね。

土偶って、女性像だったとは今まで知らなかったよ。
お腹の大きな妊娠中の土偶や、赤ん坊にお乳をあげている土偶、
出産のポーズだったのではないかといわれるしゃがむ土偶など、
ひとの生命にかかわるシーンが多いように見受けられた。

幼くして亡くなった子どものお骨を入れて埋葬したという
容器形の土偶もあった。
母親の胎内に戻して新たな命を得られるように、という想いが
籠められているという。。。
こんな切ない想いの籠められた土偶がライトのもとに
並べられているのは可哀想な気持ちがしてしまうのだが。。。

教科書で誰もが目にしたことのある、宇宙人的なあの土偶!
あれって、「遮光器土偶」と呼ばれるものだったのね。
雪原で使う、遮光のためのゴーグルのような仮面を
表現したものだという説から、そう括られているらしい。
英訳はその名も「Dogu with Goggles」!
えー!ゴーグルって断言しちゃってるよ。
宇宙人説は完全に却下なのかしら。

kさんと、帰り道いろいろ疑問が湧いてきた。
土偶は東北や北海道でたくさん発掘されている。
あんな太古の生活で、着るものも少ない中、
極寒地方でどうやって暮らしていたのだろうか?
もしかして、今とは気候が違ったのだろうか?
(それとも獣のように毛むくじゃら?)
発掘分布図をみると、なぜか、関東以西では土偶は見つかっていない。
なせ?信仰の違う別の人種だったのだろうか??
フシギがいっぱいだ。

土偶は約一万年に渡って作り続けられていたという。
この土偶たちを作った人々は、いわゆる芸術家だったのかな。
それとも、神がかり的な力をもつ特殊な人々の手によるものだったのかな。

非日常な体験をすると、
普段思いもしないことにまで考えが及ぶところが面白い。
なんでも経験してみることがだいじだね。

「国宝 土偶展」は東京国立博物館にて2月21日まで開催中。
国宝に指定されている三体のうちの、
「縄文のビーナス」は、ぜひ後ろ姿にもご注目!
なぜか彼女だけ、キューピーちゃんのようなまあるいおしりが
とてもキュートで魅力的なのだ
「ビーナス」と、どなたかが名付けた気持ちがわかるわ。


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